
【Event2】花火で遊ぼう
(外はすっかり夏だった。汗を滲ませる暑気も鏡の中の世界では無縁――と、思っていたのはついぞ先日まで。夏の中に閉じ込められた過日を経て迷宮内の探索を続け、此度の同行者と共に開け放った扉の先は――風にそよぐ葉のこすれ合う音、水の流れるせせらぎ、時折飛沫の跳ねる音。穏やかな音に包まれた空間で、突如視界を覆う暗闇に瞳が慣れてきた頃、濃い緑の木々の隙を流れる河原に立っているのだとわかった。)あらぁ、今度は川?ん〜、空気がじわっとしてるけど、昼間よりは涼しいわね!(存外落ち着いた反応に次いで自身の身体を見下ろせば、黒いTシャツを胸の下辺りで絞って結び、ダメージ加工のデニムショートパンツとサンダルを合わせた随分と涼し気な装いに変わっている。くるりと周囲を見渡す折、高い位置で一つに括られた豊かな髪が大きくなびいた。)『花火で遊ぼう』?わっ、見て!色々あるわよ!ね、ね、どれがいーい?(扉に記された文字を読み上げたのち、一度順応してしまえば話は早い。川べりの砂利の上にはバケツの傍に多種多様な花火が揃えられているようだ。明かりもない宵の空の下、けれど月と星々がひどく明るく眼界を照らしている。)
* 7/18(Thu) 03:12 * No.105
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(同行者と一緒に開いた扉の先は、また夏の部屋である。海水浴場を摸したような先日の部屋とは趣を変え、今回は川とくれば、どうもバケツは水辺に縁があるらしい。水を汲む道具だからなのかもしれない。涼しげな水音、とろりとした夏の闇の中、夏らしく変化した同行者の服装に反して、こちらの装いは普段と特に変わらない。被ったバケツも健在である。)川だ。(見たまんまのことを言い、扉の文字が読み上げられるのを聞く。二度目ともなれば順応も早い。日が出ていないため気温がそこまで高くはないのがありがたかった。被っていない時と比べて特段蒸すことはない便利バケツではあるけれど、やっぱり暑くないに越したことはない。バケツ頭が楽しげな声につられてスタスタ歩いて隣に並ぶ。)花火、本当にたくさんある。わたし達二人しかいないから、どんな花火をやったって怒られなさそう。(ねずみ花火にロケット花火、手持ち花火も線香花火にすすきにスパークにとさまざまだ。しゃがみ込んで、とりあえずとすすき花火に手を伸ばす。)
* 7/19(Fri) 21:22 * No.113
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(歩み進めている間にはそういうわけにも行かずとも、足を留める事となった後には自然と目線の高さ――まぁ此方からは見えていないわけだが――を合わせるために屈む姿勢を取ろうか。此方は元より肌を出した装いだが相手のガードは固く、「暑くなぁい?」と申し訳程度に手で扇いで風を送る仕草を見せつつ。)あら、確かに!ここだったらふたりしかいないから、ご近所迷惑とか考えなくていいし……はしゃぎ放題ってことね……!(瞳には煌めきを纏わせて、既にその兆候は見え隠れする。まぁ、とはいえ、元々無茶なはしゃぎ方をする性格でもあるまい。さて蝋燭に火を灯すに際して用意されていたのはライターのみのようで、やや怖々とした手付きながら点火を済ませた後には、)ジャガちゃん、火には気を付けてね?火傷しちゃったりしたらすぐにお姉ちゃんに言うよーに!あっ、バケツに煙入ってこないようにも気を付けた方がいいかも……?(と、お節介も忘れずに。それから此方はスパーク花火を手に取り、そろそろと火へと近付けて――着火と同時、光と音とが続く。)わぁっ、綺麗〜!ふふふっ、いいなぁ、こんなとこで花火楽しめちゃうなんて得した気分!(橙の火花が大きく弾け、愉楽に膨らむ声もまた弾けるようだった。)
* 7/20(Sat) 20:21 * No.116
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(「暑くないから大丈夫」は淡々とした中にも気遣いに対する感謝が薄く混ざり込む。実際暑くはない。被っているのが便利バケツなので。)はしゃぎ放題だとアイリーンはどうなる?わたしはいつもと変わらないけれど、後でロケット花火はやってみたい。(常と変わらぬ語調であるが、希望を付け加えたのはこちらも少しははしゃいでいるせいかもしれない。「わたしが付ければよかったね」はおずおずと火を付ける手つきを見て己の思慮の足りなさをほんの少し悔いた結果の言である。それを取り返す意図もあってか、)アイリーンこそ、花火を足に落としたりしないように気をつけて。(全身防備された自分と違い、同行者は軽装である。花火をする際は本当であればサンダルではなくスニーカーの方が火傷を防げるだろうし、ショートパンツも火花が落ちた際にちょっぴり心配である、との内心は皆まで明かさず、端的に注意促すだけにとどまった。)煙は、便利バケツだから入ってこないと思う。 たぶん。(この世界で手持ち花火をするのは初めてだが、バケツの機能からしておそらくは大丈夫。それでも、念の為風向きに注意を払うことにしたのはアドバイスのおかげだった。ゆっくりと蝋燭に花火を近付け、着火。パチパチという音と共に火花が飛ぶ。こちらは変色するタイプだったらしく、時と共に赤から黄色へ光の色が変わっていく。バケツ頭が息を呑んだ。)ー!色が 変わった!(見守る間にも黄色から緑へと火花は色を変える。シューッと音立ててススキの穂のように細長い光が吹き出すのを見て、「きれい」と小さな呟きが落ちた。)
* 7/22(Mon) 12:46 * No.125
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それはもう、…………、お姉ちゃんもいつもとあんま変わんないかも?(ふと自身のはしゃぐ姿を思い浮かべ失速するも、続く希求には大きく頷き「わっ、やりたーい!」と手放しに同意しよう。が、転じて勢いよく首を振るのはとんでもないとばかりに。)だだだだめだめ!ちいさい子に火は危ないからお姉ちゃんがやるわよぉ!まぁ、確かに、あちってなったらもしかしたらお姉ちゃん二倍ダメージになっちゃうかもだけど……。(“ちいさい子”とは完全に物理的なサイズ感で言っているが、晒した素肌に加え果たして弱点:火炎は此度適合するのやら。確実にしないだろうという事はさておき、ふんわりと着地した言葉尻に「たぶんなのね……!」と案じつつも、必要以上に気を揉む事もないのだとは伝わった。だから、ただ楽しむためだけに、花火を味わえていた。同じように楽しんでいると伝うから、その姿を見る面持ちは自然と綻んで。)……ふふっ。ええ、とっても綺麗!あっ、お姉ちゃん二刀流しちゃおーっと!(はしゃぎ放題ポイントとばかりに声を上げ、瞬きの間に潰えてしまった花火を持ち替えたなら「ジャガちゃんも!」と巻き込んでしまえ。二本の変色花火はそれぞれに色彩を移ろわせ、きゃらきゃらと高いはしゃぎ声が無邪気に響く。)2階フロアは何処もこんな感じなのかしら?お姉ちゃんね、この間アリスちゃんと浜辺で砂のお城作ったの!ジャガちゃんはもう何処か探索した?(斯様な事象は二度目。ともすれば他の事例もまた気になって、ふたりの手元が煌々と閃く宵の空の下、一夏の思い出を交わす事を望んだ。)
* 7/23(Tue) 02:17 * No.127
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わたしが小さいのはここでの背丈だけで、実際はアイリーンより歳が上の大男かもしれないのに?二倍ダメージは大変だから、次があったらわたしが代わる。(ダメージ倍増の可能性が少しでもあるのならとバケツ頭がやや強情になる。もっとも、花火への点火も済んだ今となっては次の機会があるかは分からないけれど。様々に色を変える火花が並んだ二人を照らす。バケツ頭は下から火花で照らされようといつものバケツのままだけれど、そこから出る声には楽しげな響きが宿った。)アイリーン、はしゃいでる。「いつもとあんま変わらない」って言ってたけど、いつもより楽しそう。いつも割と楽しそうに見えるけど。(誘われるままに二本目に火をつけ、ススキ花火とスパーク花火の二刀流。シューシューとパチパチの共演は今日が特別な日であることを表しているようでもあった。)わたしは、ロックとスイカ割りをした。ロックがスイカ割り名人だった。二人で協力してスイカを割るのは楽しかったし、美味しかった。アリスとのお城作りも楽しかった?(過日を思い返せばバケツが思い出を懐かしむようにわずかに揺れる。手元の花火の終わりまではあと少しありそうだけれど、)わたしのそろそろ終わりそう。次はロケット花火にする?(「わたしが火を付けようか?」はちょっと気の早い「次の機会」への気遣いのつもり。)
* 7/23(Tue) 22:08 * No.129
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えっ…………や、で、でもでもっ、それでも守ってあげるのがお姉ちゃんの役目だから〜……!(咄嗟に想像した2m級のバケツ頭は中々の迫力があったが、お姉ちゃんたる者の責務は変わらない。いずれにせよ点火は済んだのだからもうその心配もないとして、今は色鮮やかなる花火を楽しんだ。)あら、そうかも?でもジャガちゃんも楽しそうよ!ふふふっ、いつも楽しそうも正解!だってみんなと一緒に居るのが楽しいんだもの!ずっと、ここにいたいって思っていたくらい。(理想の自分、愛しい仲間。それから、目を逸らしたいばかりでないと思えた現実。境目なんて曖昧にして、互いの両手を塞ぐ瞬きの間の閃光にはしゃぎ声をあげる。この場に『勿体ない』なんてありはしないから、目一杯贅沢に味わうつもりだ。)あら、ロックちゃんの意外な才能開花?いいなぁ〜スイカ割りなんてやった事ないわ、ふたりがしてるとこ見たかったな。お姉ちゃんたちもね、とーっても楽しかった!アリスちゃんとふたりで住むお城って思って拘ったのよ〜。(思い出を交わし合ううちに、告げられてから間もなく此方の花火も勢いを弱め、やがて火は消えていく。役目を終えた花火は水を張った方のバケツへ収めて「そうね!」と頷いたのちに。)…………、危ないと思ったらお姉ちゃんが代わるからね!……ね!(暫し考え込んで、ようやくの承諾。ライターを手渡してからも、すぐ傍でそわそわと落ち着きなく手元を覗く形となるか。)
* 7/24(Wed) 14:03 * No.132
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思った以上の反応にバケツから小さく笑みが漏れた。楽しそう、の五文字を口の中で転がして、確かにそうかもしれないとバケツ頭が頷く。)わたしも 楽しい。わたしはずっとここにいたいかはまだ分からないけれど、皆が楽しいのは嬉しいことだなと思う。(他者と特別な関係築くのは厭わしいが、ざっくりとした仲間という分類で複数人と付き合う分には恐れも少ない。貼り紙が提示する軽いレクリエーションも仲間との交流には丁度良い塩梅だ。)わたし達も初めてだったけれど、指示役とスイカの割り役の役割分担が良かったのか、あまり手間取らずに割れた。だから、見ても面白くはなかったかもしれない。…砂のお城でも拘って作れるんだ。アイリーンとアリスのお城なら、御伽話に出てくるようなものが出来上がりそう。(話しつつ、本来の役割果たしているバケツ仲間に火の消えた花火を突っ込む。黙考の後に御役目与えられれば、バケツ頭が念押しに幾度か頷きライター受け取ろう。)あんまり近いと危ないよ。(落ち着きない様子の彼女に一声掛けて、袖の長いローブを腕まくり。用意よく部屋が準備してくれた発射台にロケット花火をセットしていざ点火。その場から距離置けば、ロケットが尾を引きながら勢いよく飛んで行き、最後に大きな破裂音立てた。)意外に音が大きい。(初めての経験故の率直な感想は一旦そこで終わる。)
* 7/24(Wed) 23:05 * No.133
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(ちょっとした言葉だって、その唇から紡がれたものであることが一番に意味を持つ。笑みを深めて、明々たる面差しで同調を示す。楽しいも嬉しいも、おんなじだ。)がんばれー!って応援するだけでもきっと楽しいわ!ふふ、きっとジャガちゃんも指示が上手だったのね、適材適所?逆だったら、……ジャガちゃんが目隠しする時は、バケツの下……?それとも、上から……??(勝手に謎に突き当たれば口許を掌で覆い、ハッ……とばかりに神妙な面持ちを見せたりなどして、便利なバケツを見下ろした。)ええ、それはもう!バルコニーがあってー、屋根裏のお部屋があってー、って、考えながら作ったからね。嬉しそうにしてくれるアリスちゃんがとってもかわいかったわ。(思い出に浸り、聞くも話すも楽し気な色の褪せない中、きっと今まさに彩る思い出も同じように語る日もあるのだろう。忠言にちょっとだけ距離を取り、点火を見届けたなら共に離れて――勢いよく発射されたロケットに感嘆洩らし、ふわりと弛む唇が自然と開かれた。)わぁー……っっわぁ!?びっくりしたぁ……ほ、ほんとね、こんな大きい音がするのねぇ……。(輝いた瞳はバチリと弾けるよう瞠目して、同様の感慨を零す。それから、ちらと扉の方を見遣り――ふいと反らして残る花火たちを手に取った。)ねっ、次どれがいーい?吹き出し花火とか、パラシュート出るのとかもあるわよ!(お題内容からして開錠は容易いものだろうけれど、今は見ないふりをして、この時を引き延ばしてしまおう。)
* 7/25(Thu) 20:21 * No.136
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そうかも。皆で集まってスイカ割り大会をしても楽しかったのかもしれない。目隠しは、バケツの上からしても見えてしまうだろうから、わたしがスイカの割り役だったら目をつぶっているつもりでいた。(便利バケツの機能にも一応限界がある。本当のことを言えばバケツの下で目隠しすべきだが、それは顔晒すことに繋がる為、敢えて伏せた。思った以上に凝った造りだったらしい砂のお城を思い浮かべる。そこに並んで写真に写る二人の姿も同時に浮かんだ。)二人が城と並んだら、姉妹のお姫様のように見えそう。(ややメルヘンな表現になったのは、脳裏を過ぎる西洋風の城に引っ張られた結果だ。それぞれに楽しんだ夏の思い出のハイライトにもなりそうなロケット花火の感想も共有したい気持ちになる。)すごい、思ったより迫力があった。動物避けにも使うようだから、わたし達がびっくりするのも無理はないね。(バケツ頭が発する声は楽しげだ。つられて扉に向いた目線が同行者の手元に落ちる。)……次は、打ち上げ花火にしよう。パラシュートが出るのも見たい。この富士山の形をしたのも面白そう。(目当てのものを幾つか指して希望を伝える。)今度も火はわたしが点けようか?(今回の申し出は、気遣いよりも面白がるような響きが勝った。返事がどちらにせよ、部屋を後にするのは用意された花火を全て楽しんでからのことになるだろう。夜空を彩る美しい火花は、無機質なバケツをほんの少しだけきらめかせた。)
* 7/26(Fri) 12:56 * No.137
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あらぁ、ジャガちゃんなら不正もしないでしょうしそれでもいいのかもしれないわねぇ。……あっ、そういえば前にスイカのデザートがあったのってそれで?(デザートと称すかドリンクと称すか、その辺りは差し置いて思い返してはぽんと掌を叩く。此方の出来事への可愛らしい表現には「あら、お姉ちゃんも?」なんてくすくすと笑みを零した。同行者たる少女に対してはそのつもりであったが、果たして自身も含まれるとは考えていなかったようで。)すごかったわねっ、お姉ちゃんこういうのも好きかも!けど動物避けにも使えるの?……シャドウ避けとかに使えたりしないかしら?(シャドウをなんだと思っているのか、一案を投じてみるも、そもそも迷宮という限られた空間で放つには危険物だ。そうしていくつかの花火を味わった後、相手もまたミッションクリアは感じているだろう。ゆえに次の提案への返答を待つ胸中は先程よりもずっとそわそわとして、けれど“次”に続く答えに、ぱっと面持ちには明るさが満ちる。)……!うんっ、うん!お姉ちゃん手持ち花火とか以外殆どやったことないから、これ系わくわくしちゃうな〜。パーッと打ち上げちゃいましょ!(笑みは満面に、早速とセットするためにひとつを手に取ってから、瞳はほのかに丸みを帯びて。)……やっぱりちいさい子には危ないからお姉ちゃんがやりますっ。(最早お姉ちゃんたる者の意地として、ライターは預かってしまおう。その後も若干手付きは怪しくも負傷などはなく、様々な花火に火を灯して――鮮やかに彩られた、夏の夜を味わい尽くす事だろう。)
* 7/30(Tue) 00:35 * No.140
azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth