
【Event4】絵を描こう
(扉の先はサンルームになっている。1階の小部屋よりも遥かに広々とした空間だ。部屋中に散りばめられているのは、鉛筆にコンテにクレヨンに様々な絵筆、各種の絵の具やポスターカラーやスクリーントーン、画用紙やキャンバス、パレットやイーゼルなどなどの数多の画材や、ミュージシャンにはよくわからない石膏像やデッサン人形まで。振り向いて見渡してみると、案の定、いつのまにやら閉じていた扉の脇にてその存在を主張する貼り紙がある。)『絵を描こう』、だってさ。この部屋のミッションだろうね。(指さしつつ、貼り紙の文面を読み上げてみる。ふんだんに差し込む陽光の中、大きな机や椅子、ラグマットの上のローテーブル、水場も備わっている。腰を据えて絵を描くにはもってこいの環境のようだ。)……描くかー?ま、描くっきゃねーか。な、な、お前の絵の腕前ってどれほどのもんよ?(3階のこの部屋までの道のりを共にした同行者へ投げかけた声は楽しげだ。)
* 8/6(Tue) 01:11 * No.166
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(生まれてこのかた絵を描く道具といえば、黄色やピンクがなかったり灰色が二本あったりする短い色鉛筆だとか、使い古されてばさばさになりつつある画筆だとか、持つのにコツがいるようなちびたクレヨンぐらいしか手にしたことがなかったバケツは部屋に足踏み入れて瞠目した。バケツ揺らしつつ辺りを見回す姿からも驚きは同行者に伝わったことだろう。)すごい。見たことないものがたくさんある。(画材店顔負けの品揃えの中、読み上げられたミッションに「上手に」だとか「お互いの顔を」だとか、そういった類の言葉がくっついていなかったことに安堵する。描くだけでいいなら、バケツ頭の絵の腕前からしたら充分すぎるぐらいの設備が整っているこの空間に永久に閉じ込められることはないだろう。)わたしは 絵があまり上手くない。犬とか猫とかカメとかなら描けるけど、人間の顔を描くのは下手くそ。(弾む口調の同行者と対照的に、平坦な話し方にちょっとの憂鬱さが混じった。)ロックは芸術家だから絵も上手?
* 8/7(Wed) 13:43 * No.169
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(何となしか淡々とした冷静なイメージが結びついていたバケツの揺れがなかなかに興味深いものだから、眦を緩めて観察してしまった。)……え、でも、犬とか猫とか描くのにも、技量が要るんじゃね。描けんなら、結構すごくね?(ちょっと憂鬱げな答えを受け、少々の思案の間。サイドボードに置かれていたチョークを手に取ると、ばっと屈みこみ、チョークの先を床に滑らせはじめる。あっというまに描かれるのは、平行に並んだ四つの足。その上に不安定にくっついている頭。端っこから伸びるふにゃふにゃした尻尾。ぱっと見、犬猫カメどころか、哺乳類と爬虫類の判別すら怪しい出来栄えの平べったい異物だ。)試しに犬を描いてみたけどさ、ほらー。やっぱ、難しいじゃねーか!(これがオレの犬だっ!と床の画伯絵を示し、それでも何故か胸を張って堂々としている。この芸術家の描画のレベルはお察しである。)――んで、ジャガは何を描く?(動物か、人間か、それとも他の何か? ワクワク感を漲らせた双眸が、バケツ頭を覗う。)
* 8/7(Wed) 23:47 * No.173
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わたしの犬も猫も顔だけしか描かずに胴体は諦めてるからすごくはない。(チョークの行き先を見守るうちに出来上がっていく謎生物。例示のどれかを描いてくれたのか?とは思うものの、何が描かれているかは判別できない。はたまた、全く別の生き物かもしれないし。バケツから困惑が漂い始めたところで答えが明かされ、「犬かあ」となるほどねの色纏った言葉が落ちた。)わたしも全身を描こうとすると難しいんだけど、(言いつつチョークを手に取る。垂れた耳に丸い顔、てんてん黒目に黒い鼻、むっとつむった口は猫を描く時にも同じのωの形。顔の横に吹き出しで「犬だよ」と喋らせれば、全く写実的ではない幼児向け絵本に出てくるような犬の絵の出来上がり。ちなみに猫の絵とは耳が尖ってヒゲが加えられるぐらいしか違いがない。)顔だけなら、犬だって喋らせれば犬になるから描ける。(とりあえず描いてはみたけれど、まだ解錠音は響かない。ということはもう少し何かを描く必要があるのだろう。)他の絵も描かなくては出られないのかな。ここにいるわたしたち二人以外の仲間のことを描いてみる?それで誰を描いたか当てっこするのはどうだろう。(思い付きの提案口にする。とはいえ、人類を描く自信はないので別の題材があればそちらに乗っかるつもり。)
* 8/8(Thu) 12:48 * No.174
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わかるわかる、胴体って難しいよな。(何度も大きく同意の首肯を返す画伯。)犬だ、よ…って?なんとぉぉ……?!その手が、あったか……!(覗き込んだ先、バケツ頭の手の形作る輪郭をリアルさよりもマスコットキャラよりな画風と受け取った。吹き出しを用いて自分自身が何たるかを表明する犬、証明確実な方法にぽかんと口を開ける。その発想はなかった、というやつだ。我に返ると「見た目あんま犬って感じはしないけど耳の垂れ具合とか口とか、わりかしカワイイね」なんて遠慮のなさを含ませながらも、画風の可愛らしさの分だけ相手のほうが画力は上と認めるのであった。)いいね、面白そう、誰を描いたのでしょうクイズ。オレのを当てるのは難しいだろ。あ、ジャガも人の顔が下手くそなら良い勝負なのか?(ロックのクイズの難度に関しては事実であれ、まったく自慢にもならないのに口調はやはり楽しげに。やろうやろう、と乗り気だ。)なーなー、ついでにジャガの好きなものも描いてみてよ? 人でも動物でも植物でも物でも、なんでもいいからさ。(バケツ頭に対してふと沸き上がった好奇心をぶつける傍ら、画材を物色しはじめる。先程のチョーク画よりも、絵の体裁を整えるつもりではある。)
* 8/9(Fri) 01:11 * No.177
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自己紹介をさせればどんなに下手でもその動物になるから便利。(禁じ手のような気もするが、長年これで乗り切ってきたのでもはやバケツの得意技のようなものである。忌憚ないご意見には「わたしの描く動物はみんなこんな感じ」と事実述べつつ、なんとなく画力勝負に勝利した気分。さて、提案したお絵描きゲームの勝者はどちらになるのか。人物を描く実力から言うとどっこいどっこいのような気もする。)ロックが意外と仲間の特徴を掴むのが上手かもしれないから、わたしがすぐに当てられる可能性もある。わたしも人はあまり描いたことがないし。(つられて様々な画材を手に取って眺めつつ、予期せぬ提案にバケツ頭がちょっと傾いた。)わたしの好きなもの…?(好きなものって何を描こうと考えながら、最終的にこれだと決めた画材はスケッチブックに色鉛筆。机にそれらを置いたのち、椅子によいしょと腰掛けた。)それなら、それもわたしが何を描いたか当てて。ロックが描いた好きなものが何かも当てるから。(さて、本格的にお絵描き開始。まずは黒の色鉛筆で輪郭どりから。)ロック、この間はスイカを運ぶのを手伝ってくれてありがとう。(スケッチブックに視線向けつつのお礼はこの間と言うにはやや日が経ちすぎている気もする。)
* 8/9(Fri) 21:50 * No.179
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特徴を掴むのが上手ければ、かー。そう言われると案外イケる気もしてきた。や、でも、上手いと当てっこには負けちゃうか。(絵か当てっこか、もはや何を主眼とするか混迷の模様。わけがわからなくなった子供みたいな顔になる。しかし絵が下手くそでも、全力を尽くすことは間違いない。物色した中から、画用紙と画板、それと豪華なクレヨンのセットをより分ける。)そっちも、お互いの絵をみて当てましょうクイズ? ん、いいよー。(好きなものの当てっこの申し出も快諾。自分の好きなものといえば一択なので、そこに関して迷いはない。バケツ頭の選ぶものは見当がつかなくて、だからこそ絵が楽しみだ。口端に笑みが過る。ビーズソファに腰かけ器用に足を組み、画板に画用紙を固定し、クレヨンを手に取った。)スイカ? あぁ……、(お礼の言葉によって過日の夏の情景が蘇り、合点した色の声。ちらりと瞳が、少し離れたところのバケツ頭を捉えた。)残していくのは勿体なかったからね。ま、礼を言われるまでもないことよ。――にしても、ジャガ、そのまんまのお裾分けでもよかったろうに、わざわざサイダースイカ牛乳寒天入りまで作っちまうなんてさぁ……。(マメな奴、と。感心以上に呆れの濃い声色。視線を手元に戻すと、色を塗り重ねていく作業に取り掛かる。しばらくしてから、)――よっしゃ出来た!(完成はどちらが先だったか。裏側を向けて膝の上に立てた画板の縁に顎を乗せ、バケツ頭をワクワクと覗う。)
* 8/10(Sat) 14:26 * No.183
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当てっこは見事正解だった方が勝ち?それとも分からない絵を描いた方が勝ち?どちらでもいいか。どちらでも楽しそうだから。(ルールがもはや分からなくなりつつあるがそのまま勝負は続行。ゲーム要素を入れたらより楽しくなるかなの当てっこの提案だったので、そもそも勝ち負けにそれほどこだわりがない。赤の色鉛筆で髪を塗りつつ、)ロックがサイダースイカ食べたいって言ってたから、飯テロのお詫びも兼ねて作った。マメかどうかは分からないけれど、わたしは料理が嫌いじゃないし、作ったものを人に食べてもらうのも好きだから。(意図せずして「好きなこと」の一つを明かしながら描き進める。同行者の出来た!の声聞いたところでピンクの色鉛筆を置いた。ちょうど同じタイミングで描き上げた絵を持ち、ビーズソファの傍らへ。座り心地のいいふかふかクッションの椅子に腰下ろして、描いた絵のお披露目だ。床につかない足がぷらぷら揺れる。)わたしが描いたの、誰か分かる?(スケッチブックに描かれた人物は目と口は先程の犬によく似ている。赤いツインテールに小さな女の子が好きそうなリボンのついたコスチューム、ピンク色のかわいい靴まで描かれたその人物は、仲間の一人を思い浮かべて描いたもの。人間が苦手という割にはそこそこ上手く描けているのは、実は何度も描いたことがあるキャラクターであるからだが、果たして勝負の行方は如何に。ちなみに、人物の脇に描かれたお皿の上の黄色い楕円に赤い液体が掛かったようなものは、「好きなもの」から連想した食べ物である。)
* 8/10(Sat) 23:29 * No.185
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(楽しめればどちらでもいいや、同感の頷きばかり。)ほーん、それでサイダースイカ牛乳寒天入りを。へっへー…。人に食べてもらうのも好きなんだ?どうせなら、オレの食べっぷり見せつけてやりたかった。すっげー美味かったよ。(サイダースイカ作りの理由の一つが自身にある、ひいては手間暇かけてくれたのはロックの為でもある――都合のよさ満載の解釈と思考の下、顔面に溢れまくる締まりのない笑い。サイダースイカを食すところを見て貰えていたら、あの満足感が伝わったはずと自信満々の調子。きっと自分ばかりでなく、あの場に書置きを残していた仲間たちも素敵な食べっぷりだっただろう。同じタイミングで絵を描き上げたらしい動きを察し、お披露目されたスケッチブックを覗きこむ。)おっ、ピンときた!(その赤いツインテールについては、朧げな記憶のアニメ番組のコマーシャルよりも、共に戦った折に揺れていた様相のほうが印象深い。回答は確信をもって。)ルビーだろ! って、わりと上手いじゃねーか、コスチュームとか靴とか。(ウラギリモノ。そう言いたげな目をしてみた。)で、こっちは……オ、ムレツ?オムライス?(その中身は玉子か、はたまたライスか? シュレディンガーの黄色を指さし、断定はできず。そうしてこちらが絵を披露する番。画用紙を広げてみせる。藍色に塗りたくられた背景に五つのトンガリを持つ星が散らばっており、満月の斜め下に配置された人物は、顔立ちからは男女の判別もつかないけれど、金色の片目と赤っぽい髪、髪の上の紫と白の市松模様が特徴だ。人物の横の「好きなもの」は、茶色の瓜型に縦に走る弦の本数や、指板の隆起の数などは本物と同様。ガチャっと開錠音が響いた。)
* 8/11(Sun) 16:22 * No.188
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(最近とみにぐずぐずになってきていた仲間に引いていたはずの一線が、ここに来てついに決壊してしまった気配を察する。そもそも一線が引けていたかもちょっと怪しいところではあるが。)今度何かを作った時は、皆の反応をちゃんと見ようかな。ロックの食べっぷりも見てみたいし。(今度がいつになるかはまだ未定だが、それぞれの書き置きがたいへん嬉しかったのは事実である。見せた絵が誰を描いたものかを分かってもらえたことのほうも、それには及ばないものの喜び生んだ。正解告げる声にもそれが表れる。)あたり。 実は、ちょっと描き慣れてる人を選んだからわたしはズルをしてしまったかも。でも顔は犬と同じようにしか描けないし。(早々の自白に言い訳めいた言葉がくっつく。バケツ頭は仲間の追及に弱かった。)オムライスがあたり。ロックはこれで二問とも正解?(二択のうちの一つが正解の時は◯と見做すのかも曖昧なまま回答権が自分に移る。人物の特徴を掴むのが上手いというのはあながち間違った言でもなかったらしい。これが描いてあればこの人!というような象徴的な部分を捉えた画伯の絵は、先ほどの犬より判別難易度が低い。)わたしも分かった、ヒカリだ。好きなものはギターであってる?(こちらとしては同行者の趣味嗜好を知っているわけだから、ヒントありの状態で臨んだ好きなもの当て。響いた解錠音を認識しつつも、誰と何を描いたか正解明かされてからの出発となるだろう。正解であればバケツが珍しくわーいと両手を挙げて喜んだし、不正解であればちょっとだけ項垂れた。どちらの結果になろうとも描いた絵を部屋に置いておくのは名残惜しく、スケッチブックから一枚ビリビリ破り取ってから部屋を後にすることになる。一つ増えた秋の思い出は、ジャガのマイ・ルームに持ち帰られた。今回は同行者の力を借りることはなかったはずである。)
* 8/12(Mon) 19:36 * No.191
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次は食べっぷりを見て貰えたら嬉しいね。まージャガの好きにすればいいさ。(小さく笑みを浮かべ、約束と呼ぶにゆるいかたちで未来に希望を置いておく。当てっこの回答は正解。そうと知れば「やったー!」力強いガッツボーズに浮上する歓喜。)顔は……たしかに、さっきの犬とおんなじだ。なーるほどな、ちょっと描きなれているからちょっと上手かったワケか。(自白と言い訳めいた言葉に納得、というよりバケツの頭の反応を見られて満足したため、ウラギリを責めるまなこは引っ込めてうんうんと頷き。なんとも言えない味わいの美少女戦士の絵へまた瞳を向けて、顎を擦りつつ、)ルビー、犬……、犬なルビー……悪くねぇな……。(何やら新たな性癖が開かれたらしき呟き。)回答を一つに絞れなかった時点で不正解かと思ってたけど。二択のうちの一つが正解でもジャガが認めてくれるんなら、それで良いことにしとこっか!(からっとしれっと都合の良いほうに擦り寄るのだ。)それにしても、ジャガはオムライスが好きか。オレもけっこう好きなんだ、今度一緒に食べに行く?(そう口にして、続くは不自然な数拍の沈黙。一緒に食べに行く――その場所として咄嗟に思い浮かべた先はラビリンスではなく、現実の世界。)……。(ロックとジャガにとっては訪れるのが不可能な世界。曖昧に笑い、それでも誘いは取り消さなかった。)そうそう、ヒカリとギター。大当たり! よくわかったね。オレの絵もわりとイケてた?(描いたものに対しての正答を貰えば、思った以上に嬉しい。おめでとうがわりにパンっと景気よく手が打ち鳴らされた。そうして帰還後にはマイルームの壁を、イデア・ルームを訪れて初めて出会った、鮮烈な記憶を刻まれた少女の姿が飾ることになる。)
* 8/17(Sat) 01:33 * No.196
azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth