return
【Event2】スイカ割りをしよう

(「わたしの仲間」と呼んだ少年との初めての迷宮探索終えてから一月以上。この不思議な空間や探索にも慣れ、もうちょっとやそっとのことでは驚かないだろうと油断が生じ始めた時期だ。また休憩場所に行き当たったのだろうと特に警戒もせずに扉開け足踏み入れた先は、いつもの鏡張りの小部屋ではない。ざばーんと打ち寄せる波、足を取られる砂浜、ぎらぎらと照りつける太陽。まるでここが海水浴場にでもなったかのようだった。)……いつもと違う。(部屋の中見回しながら、バケツ頭から言葉がぽつりと落ちる。閉じた扉の少し横にぺらりと簡素な貼り紙一枚。味も素っ気もない白い紙に書かれた文字は「スイカ割りをしよう」だ。10mほど離れた砂の上、氷水の入ったタライで冷やされるスイカに、貼り紙のすぐ下には目隠し用のハチマキに丈夫な木の棒。文句なしのスイカ割りセットだろうと言わんばかりの部屋の装備に、惑うバケツがゆらゆら揺れた。)スイカ割りをしよう。……したことある?(貼り紙の復唱の後、はっきりと問いかけの形とって同行者に話しかける。声音にも困惑が表れた。)
* 7/12(Fri) 22:52 * No.69

(今回の同行者がその扉を開けるまで、扉の向こうは1階と同様の、鏡張りの小部屋に違いないと思い込んでいた。が、)うわ、なんだこりゃ。すっげー!足の下、マジでこれ、砂の感触!(まるでファンタジーの世界のよう。予測した空間よりも遥かに広い……どころではない、迷宮の内部とは思えない光景が広がっている。衝動的に波打ち際へ駆け寄り、足先を波に突っ込んで動かしてみると、ぱしゃぱしゃと涼しげな音と飛沫が上がる。)すげーすげー、海だ、海……ん?スイカ割り???(同行者からの声がけを聞きとめるとバケツ頭へと歩みよって、その頭越しに張り紙の文面に目を走らせ確認する。)んー、つまり、この張り紙に書いてあること達成しないと此処から出られないっぽい? スイカ割り、か。経験は無いけど、どうやるかは知ってるよ。ジャガも知ってるか?(くるり身を返せば、タライの前へ移動。水面に突き出たスイカの球面に手を触れ、「わっ、冷てー!」とはしゃいだ声をあげた。ついでに、当たり前のように用意されていた木の棒と目隠し用らしきハチマキのほうを指さしてみて。)……どうするよ?
* 7/13(Sat) 12:27 * No.70

(海だ。彼の言うとおり、紛れもなく海である。砂浜の歩きにくさや、日差しの強さまでもが再現された空間を早くも満喫している同行者を眺める。こちらにやってきてくれたところで相談スタート。まずは「スイカ割り」のルールのすり合わせからだ。)目隠しをする。棒を地面に立てる。額を棒に当ててぐるぐる回る。目が回ったら、離れたところにあるスイカ目指してスタートする。もう一人はスイカの位置がわかるように指示を出す。スイカを割る。終わり。ロックの思っているスイカ割りと同じ?(スタスタとはいかなかったが、砂に足取られつつスイカの前に移動し、青年に倣って冷えた果実に触れる。)本当に冷たい。(涼を取りつつ次は役割分担だ。)わたしがスイカを殴りに行ってもいい。バケツに目隠しを巻いても見えてしまうだろうから、ずっと目をつぶっていることにする。ロックがスイカを割りたいのなら、わたしは指示役になる。(どちらでも構わないを暗に示してバケツが傾く。どうする?の問いかけのつもり。)
* 7/13(Sat) 21:02 * No.75

(うんうん、うん、ジャガの語るスイカ割りのルールへ、陽気な相槌を適度に打つ。)オレの知ってるスイカ割りのルールと同じ。(こちらの知識と相違ないと頷き、擦り合わせは完了だ。傍らに来たバケツ頭。その手が黒の縞模様に触れるのを見やった。)水で冷やしたスイカって、美味そー。ジャガは、スイカ好きか?(脱出するという目的をつい忘れて、スイカ割り成功のご褒美に期待を抱く。期待感により、口元のニマニマは深まり、瞳は強く輝いた。)ぉー……。んじゃ、棒で叩くのオレにやらせて。ジャガなら、なんか簡潔に的確に指示出してくれそうだし。オレが割る役で、ジャガが指示役、それが良い。(ハチマキを手に取り、瞑った目にあてて、頭の後ろでその端を結び合わせようとしたものの。)――う。む、結べねーー! ジャガ、お願いできる?(自身では確認不可の後頭の位置で結ぶのは難しい。ずれてしまったり、布の端が指をすり抜けてしまったり。早々に根をあげ、頼み込む。すったもんだの後に目隠しが完成したら、スイカの設置を同行者にお願いし、砂地に立てた棒に額を当ててぐるぐるとその場で回った。それから止まり、棒を片手に体勢を直す。)スイカ割りスタート! って、あ゛〜〜頭がクラクラする〜〜。(ロックの視界は真っ暗。スイカとは反対側へ体の正面を向けている。)
* 7/14(Sun) 11:03 * No.79

スイカ、好き。そのまま食べるのもいいし、スプーンでくり抜いてサイダーに浮かべて食べると楽しくて美味しい。(じんわりこちらの熱がスイカに伝わるような気がして手を離す。ここにないもの思い浮かべて美味しいを並べるのは、同行者にも自分にも叶わぬ夢を見させるようでよろしくなかったかもしれない。ほんの僅かな後悔携えつつ、バケツ頭が役割分担を了承する。)分かった、わたしが指示役、ロックが叩く役。それと、わたしはハチマキ結び役。ロック、しゃがんで。(手の届く位置に青年の頭が来たなら、易々と外れぬようにそれなりのきつさでハチマキ結ぶ。痛いと抗議の声が上がれば多少緩めはしたが、何もなければそのままだ。その後スイカを10mほど離れた場所に設置し、できたの合図とともに本番スタート。ぐるぐる回る青年をバケツ頭がじっと見つめる。目の回った様子の同行者の身を案じることもなく、指示を飛ばす声ははきはきと。)今ロックはスイカに背中を向けている。その場で180°回転して一旦ストップ。(一先ずそこで指示を切る。果たして即席スイカ割りコンビは息を合わすことができるのか。)
* 7/14(Sun) 19:45 * No.81

へー、サイダーに浮かべる……初耳。それは見た目も綺麗だろうね。んで、サイダーのシュワシュワにスイカの食感、か……うっわ、食べたくなってきた!(想像に描いたのは、泡の上るサイダーにぽこぽこと浮かぶ瑞々しい果物の珠。この照りつける日差しを浴びながら、サイダースイカを味わったら……の想像すれば、充分な魅力を感じるが無いものねだりではある。叶わないと承知しながら、食べたくなってきたと語った際には愉快が顔に浮かぶ。無念よりも想像の楽しさが上回った。)はい、お願いしゃーす。(バケツ頭の指示に従い、背中を向ける格好でしゃがんだ。丁度良い塩梅にハチマキを結んでもらうと、「ありがと!」と視界に相手の姿を捉えられぬまま礼を告げ。ぐるぐるクラクラの後、真っ暗な中に飛び込んできた指示。視界が効かない分、聴覚が鋭敏になった感がある。その声は妙に、はっきりと耳に届いた。)……んー、靴ぬいどきゃよかったな……。(砂を靴底で押さえてバランスを取るにの苦戦しつつも、体を反転させる。)おーし、ストップ。これでいいかー?(声を張り上げた。わりと、真剣な風情。)
* 7/15(Mon) 15:50 * No.88

牛乳寒天を入れても美味しい。赤と白で色も綺麗だし、シュワシュワの中にツルツルとシャリシャリが合わさるから、食感にバリエーションが出る。(同行者の反応に気を良くしたのか、更なるトッピングを追加して、もはやフルーツポンチに近付きつつある。擬音多めの説明も青年にややつられた結果だ。この部屋入って最初の共同作業により無事に装備が全て整い、いよいよ本番の共同作業。ぐるぐる回ったはずなのに、傍目から見たらそこまで歩行に支障きたしているように見えないのは自分がバケツを被っているせいかもしれない。バケツ越しの世界は、現実とは見える世界がやや異なることもある。それでも感じた凄いなに偽りはなく、素直な感嘆がそのまま声に乗る。)ロック、砂の上なのに回るのがすごく上手。今の体の正面がスイカの方角だから、そのまま歩いてみて。ロックの大きさだと多分十歩ぐらい。(身長と目標物までの距離考慮しての歩数指示だが、歩幅によってはちょっと行き過ぎてスイカに爪先当たってしまうかも。)
* 7/15(Mon) 22:33 * No.91

なんだそれなんだそれ、ますます美味そー……飯テロってやつじゃん、ギャハハ!(赤と白、シュワシュワとツルツルとシャリシャリ。想像上のサイダースイカにさらなるフルーツポンチ要素が加わることで、その魅力が増すほどにテンションも上がった。)おっ、オレが上手だって? ハハ、そんなん言われたら張り切っちゃうよ。――りょうかーい。十歩だね、十歩。(共同作業のスイカ割り開始。虚飾の感じられない褒めの言葉を素直に受け取り、ニマニマと深く緩む口元。思ったよりも上手く動けているらしいと安易な自信が構築される。)えーと。一歩、二歩、三歩〜……、(頭の中の距離感を失念しないように歩数を口に出してカウントしつつ、足を進めはじめる。しかし不安定な砂の上でバランスが取りにくいせいもあってか丁寧な足取りとはならず、徐々に若干勢い任せな大股気味になった。)十、歩。……ぁ、あれ……?(突き出した足先に、コツン、何かが当たる感触を受ける。押されてスイカが幾許か転がる様子までは把握できない。)
* 7/15(Mon) 23:31 * No.92

めしてろ ……???(上手く変換できないまま発音だけ真似してバケツの上にはクエスチョンマークが浮かぶ。喜んでいるってことはきっと良い意味だろうとあたりをつけて今のところはそのままにして おこうとしたが気が変わった。)めしてろは、ロックにとっていいこと?悪いこと?(スイカ割りをしてここから出るのが先だが、好奇心も満たしたくなった。とりあえずの疑問点だけ投げておく。スイカ割り以降の共同作業に役立つかもしれないので。二人のコンビネーションはそう悪くないらしい。役割分担も適切だったよう。みるみるうちにスイカへの距離が縮まり、……幾分縮まりすぎたよう。足先に触れたスイカはころりと転がりかけたが、足場の悪さがここでは幸いし、すぐに砂に阻まれ止まる。)今ロックの足の先に当たったのがスイカ。小さく二歩下がってまっすぐ棒を振り下ろしたらちょうどいいぐらいの位置に転がったところ。ロックが下がってスイカを殴れる位置に来たら、わたしがせーのと掛け声をかけるから、それでロックはスイカを割って。(目算に誤りがなければ、そのうちバケツから掛け声が鋭く響くだろう。果たして赤い果実は日の元に姿を見せるのか。だんだんお腹が空いてきている。)
* 7/16(Tue) 21:53 * No.97

へ? いいことか、悪いことか、だって……?(軽い気持ちで発した単語へ予想だにしなかった純粋な質問を差し向けられ、不意を突かれたかたち。きょとんとした表情。それが一拍のち、悪い顔へと変わる。)飯テロとは!その場に無い美味しい食べ物を描写して伝えて、その食べ物への人の欲求を煽ること。悪いことだねー、オレのお腹がサイダースイカ欲しい欲しいって訴えてもう大変よ。ジャガには責任を取ってもらわないと。(悪い顔で悪そうに語って、)――なーんてね。欲求不満は困りものだけど、オレとしちゃ飯テロも楽しいから好き、良いことだよ。(つくりものの悪さを落とし、本心を告げておく。しかして、)あー、転がしちゃったか。了解。小さく二歩下がって。まっすぐ……。(目を覆われた闇の中、頼りになるのはその指示だけ。今度は慎重に慎重に、そろりそろり砂を踏み、指示通り小さく二歩分下がったところで鋭いかけ声が差し込まれた。棒を振りかぶり、思いきり振り下ろす。確かな手ごたえを感じた。丈夫な棒を打ち込まれてばっくりと二つに割れたスイカが、青空の下に赤を晒す。)やった……!(手応えにより成功を確信し、勢いよく目隠しを取り払った。)
* 7/18(Thu) 02:56 * No.104

悪いこと、…………(バケツが俯き黙り込む。同行者に悪いことをしたかったわけではない。ただちょっと美味しいよの共有がしたかっただけなのに欲求をいたずらに煽ってしまった後悔がじわじわ心の中を侵食する。)責任、どうやったら取れる?わたしがサイダースイカを(作ってそれを一緒に食べる?と、続けようとして青年の本心が別にあることに気付く。「楽しいから好き」と「良いこと」がみるみる後悔を塗り替えて行く。バケツ頭が顔を上げ青年を見上げ、次いで首を傾げた。声には訝しさが滲む。)……もしかしてロック、今わたしをちょっとだけ騙そうとした?(人聞きの悪い物言いは、先程自分が抱いた後悔の意趣返しも含まれている。ともあれ、彼にとって楽しく良いことだったのならこちらにとっても悪いものではない。スイカ割りの成功も相まって、嬉しい気分の方が勝った。割り手を讃える声が弾む。)ロック、すごい!上手!スイカ割り名人だ。(扉の方からガチャリと解錠音が響く。どうやらここから出られるらしい。だが、このままここを後にするのは食べ物を残していくようで後ろめたい。割れたスイカの傍らに座り込み、)美味しそう。二人で全部食べるのは難しい?わたしはこれだけ食べようと思う。(そう大きくない破片を二つ三つ選び、ちゃっかり自分のものとしてキープ。)ロックは好きなだけ食べて。二人で祝勝会してからここを出よう。
* 7/18(Thu) 22:53 * No.108

(俯いて黙り込んだ様子にも償いを申し出ようとした言葉にも、純真が明らかで。感心しながら興が深まる。それでいて心にチクっと、僅かなダメージも。)うん、まー、そんなもん。なんか揶揄いたくなっちゃって。ごめんごめん。(ちょっとだけ騙そうとした、は事実であるから否定しない。軽い調子の謝罪を添えて。)ジャガ。ひょっとして、ちょっと怒った?(表情を改めると、頭を傾け、バケツに隔てられた向こう側を覗うようにじっと見詰めた。当然こちらからはバケツの向こうを見ること叶わず、そこに顔があるかすら定かではないけれど。――力任せにハチマキを外して投げた途端、一挙に溢れた光にチカチカ明滅する世界。瞼をしぱしぱさせ目を慣れさせれば、とても美味しそうな惨状を確認できた。)いぇーい、オレ、名人ー! ジャガもスイカ割り指示の名人ー!(小学生並みの単純なはしゃぎよう。棒を放り出すや同行者にならってその向かい側に座り込み、胡坐をかく。)こんな美味しそうなもん、ほっとけないもんね。食べられるだけ食べてこ。(二人だけでスイカ1個を消化するのは厳しいとしても、お題のご褒美はしっかりいただきたい。大きな欠片を取り、種も厭わずかぶりつこう。)うっまー!(目を輝かせた。熱された砂浜とギラギラな太陽と広大な海と、そしてスイカ。開錠された扉に向かうのは、最高の夏の祝勝会を存分に楽しんでから。)
* 7/20(Sat) 10:18 * No.115

怒っ  て はいない、ただちょっと嘘ついたな!って思っただけ。(淡々とした口調に乗る感情は怒りよりも拗ねに近い。しかしそれも謝罪があれば消える程度の薄いものだ。バケツの向こうは一応顔があるけれど、それも特に怒りの表情浮かべてはいない。そしてそれは、成功にはしゃぐ同行者に対しては微かに笑みを浮かべたりはした。)名人二人が協力したから、朝飯前のお題だった。(貰った褒め言葉をそのまま使ってやや大言を吐く。向かいあって見つめるスイカは、赤い果実が陽の光を受けて少し宝石のようにも見えた。そういえば喉も渇いている。先ほどキープしたのは、バケツの縁と顎の間から口に運べるような大きさの破片ばかりだ。被ったバケツが外れないように、ゆっくりスイカを口に運ぶ。程よく冷えたシャリシャリが口に心地よかった。)美味しい。一人で食べても美味しいけれど、ロックと協力して割ったスイカを二人で食べてるから、一人よりもっと美味しい。(食べ進めるうちに、キープした以上の切れ端に手が伸びた。結局は残すのは勿体無いなの貧乏性が顔出して、なんとかかんとか残らず食べ切れないか、それが無理ならどうにかマイ・ルームに持って帰れないかなどと画策し、部屋を後にするのは結局かなり遅い時間になってからになるのだが、それはまた次の探索で顔合わせた折には笑い話になるような二人の思い出になるだろう。)
* 7/21(Sun) 15:08 * No.120


 0


azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth