
【Event2】かき氷を作ろう
えっ……これ外に出る扉だったのか!?(あおい空、あおい海、ひろい砂浜。ひとっこひとりいない見事なプライベートオーシャンビューのオープンテラス。模様替えの規模を超越した小部屋の内部を目の当たりにしたら、本気で思っていなくてもついそんな叫びが飛び上がった。まんまるい瞳を一際おおきくして見渡してみる。おしゃれな常夏の海の家然としているくせ、おおきなパラソルの下にはレトロな“氷”ののれんと小型冷凍庫、そしてテーブル。更にその上にしろくまの姿をした手動かき氷器、透明なかき氷皿、シロップやトッピング各種がずらり。ここでかき氷屋さんでもおやりなさい、とでも言わんばかりに用意周到で。思わず本日の相方に困惑のアイコンタクトを送ってから、出口の扉を先に確認してみよう。もしかしたらくつろいでるところに奇襲を掛ける罠かもしれないし。だけど手を掛けた扉には――)かき氷を作ろう!? なあ、オレたち閉じ込められてるっぽい!(ご丁寧に解錠条件らしき文言が書かれた貼紙がぴらぴら揺れていて。読み上げながら開扉を試してみてもやっぱりガチャガチャ音がなるだけでびくともしないから、驚いたときとまったくおんなじトーンの叫びを上げた。)
* 7/13(Sat) 18:37 * No.71
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外に出る扉だったみたい!?(ぴーん!と立ったアホ毛が驚愕の大きさを物語る。ゆらゆら揺れる尻尾を追い駆けるようにして扉をくぐり、ぎらぎら照りつける太陽光に負けないくらいの輝きを両目に宿した。)すごーい! 海だ! 海の家もある〜!(アイコンタクトを果たした小さな相方は何度見ても愛くるしくて、あくまで自然に、呼吸と同じくらいの他意のなさで、パイロットキャップを撫でた。手のひらから伝わるもふもふがたまらない。)あっ、お魚さんいるかな!?(きめ細かな砂浜に足を取られながら、逸る心をそのままに海辺へと駆け寄る。指先を浸した海は心地よい冷たさを伝えてくるし、すこし遠くに視線を送れば魚らしき影も見えるものだから、次なる叫びに返す声は明るい。)そうなんだ! じゃあたくさん遊んでから出よ〜! バニラは猫さんだからお魚さん好き? そうでもない?(ちっとも事態を深刻に見ていない、軽快な足取りでガチャガチャ音の元に歩み寄る。試しに自らの手でドアノブを回してみたが、)わ〜! 開かない!(本当に開かなくてテンションが上がった。)
* 7/13(Sat) 19:59 * No.72
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一体オレたち、これからどうなっちゃうんだ〜!?!(おおきな頭を抱えるように両前足で耳の付け根を抑えて嘆いても、どこか浮かれたふうな声で次回予告めいた言葉を選んだから悲壮感なんかからは程遠かったはず。撫でる手にも気にした素振りはみせず、なんなら海辺へと向かうお誘いだろうとさえ思って。慣れない砂の感覚にもたつきながら、ぼふぼふと駆けてはちいさな足跡を残していこう。)サカナ!? いたのか? 食えるやつかな?(扉の前でぐりん! と勢いよく海原へと顔を向けたなら、のちの問いには答えるまでもない反応だったかも。だからといって省くことなくおおきく頷いては、)刺し身も焼き魚も煮魚も好きだぞ! 海だとブリとかタイとかアジ……ハッ、食べれないカラフルなやつの可能性もある…?(指折り数えようにも一本ずつきれい折るのが難しい前足は最終的にグーの形を作って、食欲一色ではいられない思考へと行き着いた。意気消沈。からの、)なんで閉じ込められて喜んでんだよ!(握ったままだった拳でツッコミの猫パンチ。威力はぽふっとまぬけな効果音がつきそうなくらいの微弱さで、にゃははと笑う声もついてくる。)ルビーはかき氷だと何が好き? やっぱ赤いからイチゴ?(ミッションに関した問いを投げるくせ、波を避けつつ海へ向けて目を凝らし鉤爪構える姿は魚を標的に据えたふう。)
* 7/14(Sun) 16:57 * No.80
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次回! バニラとルビーの大冒険! 来週もまた見てね〜!(頭を抱える白猫と同じフレームに入るように、しっかり膝を屈めてピースサイン。こなれたものである。勢いたっぷりの“ぐりん!”が魚への好感を雄弁に語るから、ソプラノに乗せるはずだった「お魚さんいるよ」は笑顔となって弾けた。)ルビーも鯛茶漬けさん好き〜! カラフルなお魚さんって食べられないのかな? 食べてみたら案外いけたりしないかな?(まんまるい猫の手に目を輝かせてしまうのは、女子中学生の運命と称しても過言ではない。いや過言ではあるかもしれないが、ルビーにとっては大変に可愛く映っていた。だから猫パンチはご褒美だ。)えへへ! だってだって、バニラと海で遊べるんだよ。一緒にお散歩するのも楽しいし、ワルモノさんやっつけるのだってとっても大切だけど、バニラと海で「うきゃ〜!」って出来るのうれしいなって。(にゃははと笑った。ご機嫌ゆえの真似っこだ。)えっ、すごい! ルビーね、一番好きなシロップはイチゴさん!(紅玉の瞳が驚愕に煌めく。今まさに狩りの瞬間を見れるかもしれない。そんな期待に胸を弾ませているから、かち合わない視線もへっちゃらである。)バニラは何のかき氷が好き? 焼き魚さん味?(それでも固唾を呑んで見守ることは出来なかった。正解かな!?のキラキラ目線を送ろう。)
* 7/15(Mon) 21:07 * No.89
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(束の間の出演者気分を味わってから、舞台は幕間ならぬリアル。好物の存在に浮かれきった頭に具体的な料理まで描かれると、じゅるりとよだれだって啜ってしまう。)たしかに捌けば色とか関係ねえもんな! 獲れたら食ってみるか? ……ルビー、生きてるサカナ捌ける…?(好奇心が爛々と瞳を輝かせ食い気味に何度も首を振ったけれど、訊ねる声は途端に尻すぼみ。自信なさそうにぺたりと耳を寝かせながらおずおずと重ねた問い掛けは、“オレはできないかも”でもあり、“ルビーもできなさそう”でもあったかも。だけど彼女が楽しくて嬉しいことを続けてくれるから、すぐさま耳をピンと立ち上げてしっぽまで左右にゆらゆら。イメージ通りの正解にフフンと得意げに笑ったりもしちゃう。)オレも練乳たっぷりのイチゴ! でも焼き魚味食ってみたらいちばんになっちまうかもな〜っ。(えいっ、突き立てた爪はあえなく失敗。なので彼女の予想もいまはまだ残念ながらはずれ。それから、魚は仕返しするみたいに海面を打ち、弾けた水に猫の鼻やヒゲ袋を濡らさせてすいすい遠くまで泳いで消えてゆく。)に゛ゃ〜〜!! 濡れた! ヤダーー!(武器の鉤爪をぽいっと放り出しては、砂浜の上でごろごろのたうち回って大騒ぎ。波が打ち寄せる気配まで感じたら彼女の背に隠れようとする情けなさである。)
* 7/16(Tue) 14:31 * No.94
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うんうん! 一緒にお魚さん食べよ〜!(両の手に拳を作り、元気いっぱいに跳ねたまではいいものの。下り坂のトーンに目を丸め、その意味するところを理解すれば腕を組んだ。眉の根っこを寄せてウ〜ンと唸ろう。)生きてるお魚さんは……捌けない……(俯く猫耳に倣うようにしてアホ毛も垂れ下がった。が。)けど! 鮎さんの串打ちみたいに食べたらどうかな!? ルビーのアギでじゅうじゅう焼ける気がするの!(これ名案とばかりに力説した。一方、練乳たっぷりのイチゴかき氷は想像するだけでも幸せで、おいしさに落っこちそうな両頬を押さえる。して、ふと気付くのだ。)バニラ、白くてかき氷みたい? 赤い帽子があったらイチゴのかき氷になれる?(さて、シュレディンガーの焼き魚味は証明に難航している様子。陽光に照らされた水しぶきはきらきらきらめいて、すっかり目が奪われそうになったところで。)えっ!? バ、バニラ〜〜!?(ぽいっと放り出された鉤爪がばしゃん!と海に沈んだものだから、慌てて回収に走る。すぐさま砂浜ごろごろタイムの現場に駆け戻り、びっくりタイム中のルビーの背に隠れるさまを見届けてから。)あ! お水が苦手? バニラ、猫さんだから!?(ようやく猫の本能に思い至った。スカートのポケットから取り出したハンカチはもちろん赤色だ。)よしよし。ふきふき!(膝を屈めた。許されるなら水に濡れた顔を拭うし、そうでなくてもハンカチを差し出したがる。)
* 7/17(Wed) 22:40 * No.102
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すっげえルビー! それだ! オレが獲って、ルビーが焼いて、かき氷に乗っけたら完璧だー!(両前足を叩いてリズムに乗るみたいにぴょんぴょこ飛び跳ねて、ひらめきを大絶賛する様はもはやお祭り騒ぎ。)みゃははっ! じゃあちょっとルビーの髪貸してくれな〜。(無邪気な発想を笑ってから、前足が熟れた苺も顔負けなくらいつやつやの彼女の髪へと伸びる。避けられないならツインテールの先っぽを持ち上げて、帽子を脱いだ頭に掛けてみよう。「うまそうなかき氷になれそう?」赤い帽子に代わってイメージ。そうした戯れから一変、不意に弱点を突かれた猫は赤子みたいにぐずって。差し出されたハンカチへと顔を預けて甘えてしまおう。)うん、……足がすこし浸かるくらいなら平気だけどヒゲはいやだ……もう足もいやだ……あっ、(しょんぼり零す声は険のないイヤイヤ期突入かと思いきや、彼女の優しさに触れ回収してくれた鉤爪まで目に入ると思うところあった模様。おかげで水気のなくなったヒゲをムズムズ震わせてから砂まみれになった体で立ち上がろう。)ありがとな、ルビー! 絶対焼き魚イチゴかき氷作ろうぜ!(鉤爪を装着し直すときにはぐっしょり濡れた感覚にちょっぴり嫌な顔が出てしまったけれど、雄叫び上げて果敢に海へ向かうくらいやる気は上々。今度は名前も知らないネオンレッドの小魚を突き刺す姿を見せられたはず。)
* 7/18(Thu) 20:19 * No.107
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やったー! バニラとルビーのルンルンクッキングだー!(裏拍を取るみたいにぴょんぴょこ飛び跳ねる。夢と希望を分かち合える前足を避けるだなんてことあるはずもなく、きょとんと丸めた瞳がその結末を見届けた。ルビー色のツインテールが白い頭に乗っかるや否や、ぱちくり瞬いてから相好を崩そう。それはもうニコニコだ。)とってもおいしそう! イチゴシロップいっぱいかけちゃお〜!(許されるならもう片方のツインテールも乗っけてしまおう。そんな和気あいあいとした戯れから真っ逆さまのごきげんに心ばかりが急くけれど、なるたけ丁寧に鼻先やヒゲを濡らす水分を拭った。)そうだよね、猫さんたちのおヒゲはとっても繊細だもんね。でもでもバニラの苦手を教えてもらえたの、ルビーうれしい! 水びしゃ! ってかけてくるワルモノさんが相手のときは、ルビーが前でバニラが後ろ! ってすぐ分担できるね!(ポジティブシンキングならお手の物。微笑みは力強い雄叫びによりきらめきを増す。)どういたしまして! 力を合わせて頑張ろ〜!(足だって濡れたくないはずなのに、勇気いっぱいに海へと向かう白猫の勇ましさといったら。勇気を司る美少女戦士として大声で応援したい衝動を抑え、邪魔にならないよう固唾をのんで見守った。そして。)わーー! バニラすごい! すごーい! イチゴみたいなお魚さんだー!(拍手喝采だ。ぴょんぴょこ跳ねたい気持ちはつま先立ちに留めておこう。)イチゴみたいなお魚さんだから、イチゴみたいな焼き魚味になる? どきどきだね…!?
* 7/19(Fri) 22:20 * No.114
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(シロップマシマシで最強のかき氷になったはずなのに、やっぱり苦手なものは苦手で。でも心が折れっぱなしにならなかったのは、拭う手の優しさに勇気も分け与えられたように思えたからかもしれない。なにより、頼もしい連携プレーを提案してくれる声もあったことだし。)持ちつ持たれつってやつだな! 頼もしいじゃん、ルビー。なんかすげー仲間って感じだ! ルビーの苦手なもんが出てきたときもオレがすぐにすっ飛んで行くからなっ。(元よりちゃんと仲間だと意識していたし、シャドウとの戦いにおいてよくよく実感もしていたけれど、改めて間近に絶対的な味方がいる安心感に両前足が拳を握る。だから今日この場だけじゃなく、彼女のピンチのときには我先に駆けつけようって誓うのだった。そうしてまずは、情けなさを払拭する狩猟を。自慢たっぷりにふわふわの胸を張り、フフンと鼻を鳴らすドヤ顔で鉤爪に刺さった魚を掲げた。テテーン! なんて効果音が付きそうだ。)ルビーが一緒にいてくれたおかげだ! 甘いんだったらきっと焼いたらもっと甘くなりそうだよな。このまんま焼けそうか?(喜びも達成感も体に代わって飛び跳ねる声で山分けしよう。それから鉤爪を装着する足を目一杯伸ばしてみたら、自分が想像するよりうんと短かったので、しれっと外してそっと砂浜へ置いてみる。海の家を探れば竹串もありそうなものだけれど。)
* 7/21(Sun) 17:37 * No.121
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(持ちつ持たれつ。頼もしい。仲間。いずれもルビーにとって特別な意味を持つ言葉だったから、いつもの弾けるような笑顔ではなく、とろけるみたいにふにゃっと笑った。)うれしい! じゃあね、ルビーね、ルビーの苦手をバニラにだけ教えるね。ルビーね、実は……(ふわふわの白い耳元に口を寄せる。)きのこさんが苦手なの。だからきのこさんが出たら、バニラに食べて! していい?(ないしょ話の距離で、ないしょ話にも満たない秘密を打ち明けた。かくしてふわふわほんわりな雰囲気とは一転、テテーン!と空高く掲げられたネオンレッドのトロフィーをきらきらまなこで見上げる。一緒にいてくれたおかげだと言ってくれる優しさがうれしくて、小魚がダイヤモンドみたいに輝いて見えた。)さつまいもさんとかも焼けば焼くほど甘〜くなるもんね! よーし!(意気揚々と息を吸う――前に鉤爪が砂浜へ置かれた。その意図を理解する前にアギを唱えたのは、飛び跳ねる声で分け合いっこした喜びがそっくりそのまま期待となって心を満たしていたから。めらめらじゅうじゅう。小魚はこんがりと焼けてゆく。)いいにおい〜! ルビー、このまま焼いておくからバニラはかき氷の準備できそう? バニルビかき氷隊、いけそう?(新たな造語に“すげー仲間って感じ”を出せているといい。)
* 7/22(Mon) 21:31 * No.126
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(喜びはいつだって自乗。特別やわい笑みを見つけると猫の瞳も気づけばにっこり三日月を描いていて。しかしそれも、ピクピクと耳を震わせながら差し込まれるひみつを待つわずかな合間のうちに、いかなる“ワルモノ”にも備えてキリッと引き締めることになったのだけれど。)おう! オレにまかせとけ! でっかいきのこもちっこいきのこもガブッといってやるからな!(がお! 尖った歯をむき出しにして姿のない敵を威嚇してから、何度目かの得意げな笑みが零れた。)さすがルビー! 火の扱いはちょちょいのちょいだ。甘いにおいの気もするし、こんがり香ばしいにおいの気も……どんな味か分からないってわくわくするな!(とってもちょうどいい火加減に期待値はうなぎのぼり。ごきげんなしっぽをぶんぶん振って、つい火の粉にじぃっと目を奪われてしまっていたけれど、やる気に火を付ける声にハッと瞳を瞠っては「よっし、まかされたー!」と元気な返事で海の家へと駆けてゆく。冷凍庫でキンキンになっていたミルク氷を「おりゃーーー!」の雄叫びと共に全力全開で削ったら、練乳もイチゴシロップもたっぷりの特大かき氷が一丁上がり。)ルビー! 見てみろよ、すっげえのできただろ?(猫の顔ほど山盛りになった皿を抱えながら上げた声は、海の家へ彼女を呼び寄せてからか、それとも砂浜を駆け戻ってのことだったか。どちらにせよ、仕上げに焼き魚を乗せて、二人三脚で作った仲間の証が完成だ。)
* 7/23(Tue) 22:42 * No.130
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(にっこり笑う三日月がきりりと鋭くなる。その変遷にときめきを覚えたって不思議じゃない。尖る歯に恐怖を覚えたとして、きっとそれも順接に基づくものだ。それでも威嚇をちっとも怖くないと思えるのは、その先に咲く笑みのかわいらしさを知っているから。)えへへ、ありがとう! すげー仲間ってかんじだ〜!(幸せを満面に広げる。)なんたってルビーは情熱の炎を心に持ってるからね! でもルビーもルビーがこんなにじゅうじゅうするの上手だって初めて知ったなぁ。今度は一緒にうなぎさんも捕まえて食べたいね!(うなぎのぼりの期待値で、うなぎのぼりのうなぎを捕まえたい気持ち。駆けゆく白い足を認めては、やわい肉球が火傷を負わないかと今更ながらに心配してみたり。楽しすぎる時間はどうにも話題が尽きなくて、肉球を慮ろうと開いた口はやはり役目を忘れ、嬉々として特大かき氷に言及する。)すごーーい! おっきい! おっきいよバニラ〜〜!(海の家にて飛び跳ねる。うっかり勢いで焼いた魚は砂の上に置いてしまっていたから、砂と接していた片面のみぺりぺり皮をむいて、変身用のコンパクトミラーに乗せて運搬してきた次第。かくしてイチゴシロップマシマシ練乳もマシマシなミルク氷に焼き魚が乗ったなら、)わーい! 完成だ〜! やったね隊長! 食べよう隊長〜!(唐突な役割分担は無論のことノリである。ほろほろな魚の身とかき氷とをスプーンでひとすくい。猫舌に障るといけないからとふうふう息を吹きかけたのち、スプーンを白猫の口元へと運ぼう。)はい、あーん!(さて、あーんが受け入れられるかも、その味の行方も隊長次第。二口目を頂戴したとき、たとえ不味かろうともルビーは間違いなく破顔するだろう。だって二人三脚で作った、ハッピーな味なのだから。)
* 7/25(Thu) 16:32 * No.135
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(仲間に抱いた頼もしさを彼女もまた自分に抱いてくれたことがうれしくて、しかもそれをおんなじ言葉で綻ぶ笑みに乗せてくれたから、こんなのじっとしていられるわけがない。たまらず飛び上がった顔は喜色に満ちたおそろいの幸せな笑み。)よっしゃ、次は土用の丑の日に集合集合! 甘じょっぱ特性蒲焼のタレを習得してくるぞっ。(理想が現実となる世界でマイナスの可能性は考慮しない。うなぎのぼりのうなぎの捕獲だってただの願望で終わらせるつもりのない声が、決心を高らかに宣言。)だろ? もしかしてオレかき氷屋さんの才能があるのかも?(ふさふさの顎を撫でてはキランと瞳に星が宿る。かき氷器の下に飛び散った氷が水溜りを作っていたのは見ないふりで、どれほど賛辞に調子に乗っていたかというと、ふかふかの胸を張り過ぎてブリッジできそうな姿勢になっていたくらい。そうして、皮をむかれてほぐしやすくなった魚に釘付けになりながら、ブンブン揺れるしっぽは忠犬さながらで。)やったー! 一口目は焼き上手のルビー隊員に……、あ〜〜…!(愉快なノリに自然と乗っかってはレディファーストならぬ隊員ファーストでドヤと隊長の威厳を見せつけようとしたのだけれど、運ばれたスプーンを前にあっけなく陥落。ごきげんなにこにこ笑顔でちいさな口をめいっぱい開けては異色のコラボが生んだ味を堪能。)ん〜〜〜っ! ぅんまい! なんだこれ、あま…しょっぱ……あまぁ! みたいな感じだ! ヒエヒエの氷とアツアツなサカナも楽しいぞ! ほら、ルビーも。(吐息で冷まされてちょうどアツアツを感じ取った舌で大絶賛。笑っちゃうくらい不味くてもそれはそれで楽しさに変換されるはずだったけれど、少なくとも猫の好みにはドンピシャで。お返しに掬ったスプーンをおんなじように彼女の口元へ運んで分かち合ったなら、すべて平らげて出口から部屋を後にした先でも満面の笑みが続いていたはず。)
* 7/28(Sun) 19:11 * No.139
azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth