
【Event2】夏祭りで遊ぼう
(よく知る形の扉を開ければいつでも同じ場所に繋がっている、と考えるのは間違いなのだ。鏡の中は理想の世界に繋がっていたし、謎の小部屋の中が異次元空間だったくらいで今更驚きもしない。)エッーーー!?(はずもない。入り口の真正面には見慣れた出口の扉が確かにあるのに、右手には夜があって、ぼんやりとした橙の灯が宙に連なる。提灯には「祭」の文字。わいわいがやがや。共にやって来た仲間以外に人の気配などありはしないのに、祭りの気配だけが漂う不思議な空間。右折すればすぐにでも出店が並ぶ通りを行ける。一方で、)……「夏祭りで遊ぼう」?(左手はやる気のないただの壁。貼紙に書かれたメッセージは謎だったが、どうやら休憩所がサービス精神を見せているらしいと理解すれば、)なんかよくわからないけど楽しそう! っていうか、すごい! 知らないうちにお祭りっぽい服着てる!(ようやくカラコロと鳴る足元に気づき、青い鼻緒の下駄を浮かせてみせる。同じく海の色をした甚平に浮かび上がるクジラのシルエットはマーブルペンで描いたような七色で、一目で気に入り笑顔になった。)ね、何から遊ぶ?(まさか閉じ込められたとも思わずに。)
* 7/13(Sat) 21:20 * No.76
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(名探偵的にこのラビリンスは本当に退屈しない場所だ。謎はこちらが見つけに行かずとも次から次へとやってくる。今もそうだ。)はっはっは、いやぁ夏らしくていいじゃないか!(奇しくも季節は夏。理想世界では季節感なんぞ感じられないと思っていたが、どうやらそうでもないらしいと眼前に広がる光景を前に笑声を響かせた。扉を開けた先にあったのは風情ある夜の夏祭り。赤々とした提灯が揺れ、居もしない人々の喧騒で溢れている。情緒の欠片も無いものもあるようだが、彼が読み上げた一文こそがこの部屋が存在する理由であるのだろう。「なるほど、なるほど」なんて知った風に頷いては、いつの間にか履いている黒い鼻緒の下駄を鳴らして彼の隣に並ぼうか。)ふむふむ。ヨーヨーすくい、金魚すくい、射的に型抜き。定番の屋台は一通り揃っているようだね。(シンプルな黒い甚平を着流す一方、こんな時でもトレードマークの山高帽と瞳を隠すサングラスはつけたままだ。問い掛けに応えるように顔をそちらへと向けたなら、)射的と言いたいところだが、それでは私に有利すぎるからね! ここはヨーヨーすくいはどうだろう? 一番わかりやすく、かつ、夏祭りらしい屋台だと思うよ。(ゆるりと首を傾げては意見を覗おう。)
* 7/13(Sat) 22:43 * No.77
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ヨーヨーすくいかあ、いいね! ぼくやったことないや。(賑やかな雰囲気にはしゃいでみたはいいものの、実のところ祭りに対する知識は薄い。ゆえにこだわりもなければ彼の気遣いと選択を決定事項として受け止めて、カランコロン。早速人混みもない路を行こうか。)でもシンシの射的の腕前も見てみたかったなあ。シンシは銃が好きなの? それ、ただの杖だと思ったら弾が出るからびっくりしちゃった。(道中と言うほどの距離もなくヨーヨーすくいの屋台にはすぐに辿り着いたけれど、数歩の距離ですら沈黙を足音で埋めるのはもったいない。)それにそのサングラス! 今みたいに夜でもするの? 暗くない?(謎に包まれた仲間の秘密に迫るべく、かねてから疑問に思っていたことを口にしながらビニールプールを覗きこんだ。赤、青、黄色、緑に紫、ピンク、オレンジ、それから白まで。色とりどりのヨーヨーがぷかぷかと浮かぶ光景はそれだけで概念としての夏であった。)わあ……(店主も居ないテーブルの上にはご自由にどうぞと言わんばかりに針付きこよりが置いてある。そこから二つを手に取り、片方を彼に差し出して、)シンシは何色にする? ぼくはね……やっぱり青かなあ。
* 7/13(Sat) 23:38 * No.78
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(祭りに関する知識はそれなり、遊んだ経験については秘密だ。彼の了承も得たならば「では決まりだね」と人の居ない喧騒の中を歩いてゆく。)ふっふっふ。そうだろう、そうだろう! ただの杖ではつまらないから、少し遊び心を加えてみたのさ!(矢継ぎ早と飛んでくる質問に、唇は上機嫌な弧を描く。謎を解き明かす側の探偵が、まさか解き明かされる側になろうとは。存外悪くはない。とはいえ、)なにも日差しから眼を守るだけがサングラスの役目ではないからね。少なくとも私の場合は、夜にかけても意味があるのさ。(そっと立てた人差し指を唇に添えてみせれば答えにもならない答えを返し、サングラスに秘された瞳はビニールプールへと向けられた。ちなみにこのサングラス、横からの視線に対しても瞳が見えないようにばっちりカバーしてくれる不思議仕様なのである。)青か。いいね、イサナ君の色だ。(御髪の色も、彼の本日の装いも。そして彼の使用するペルソナもまた、深い青よりやってきた御遣いだ。似合いの色だと素直な感想を零しては差し出された針を受け取って、ぷかぷかと漂う色とりどりのヨーヨーへと眼差しを向けた。)私は……、(ふと目に留まったのは、やはり黒。ふっと吐息を零しては、)イサナ君はヨーヨーを取るコツを知っているかい?(これまた突拍子もない質問を気まぐれに投げるだろう。)
* 7/14(Sun) 22:21 * No.83
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だって陽射しから目を守るから「サングラス」って言うんでしょ? でもそっかあ…じゃあシンシのそれはオシャレメガネだ! あるいはつぶらな瞳を隠すためかも。うーんわからん。(本来の用途とは異なる使われ方をする、そんなものは沢山ある。例えばイサナの辞書も時折武器になったり重しになったり。明快な答えが返ってこないことがある種の答えだと思えばあははと笑って追求はおしまい。)えへへ。いいでしょ、ぼく青色が好きなんだ。(実際のそれよりも鮮やかな海の色。子供が落書きに使うクレヨンみたいな原色の青。カラフルな模様に彩られた球体の中には空気と水以外になんだか素敵なものが詰まっている、そんな気がしてわくわくしてきた。一方彼は何色を選ぶのだろう? あいにく黒塗りのレンズの奥も心の奥も見えなかったが、いずれにせよ針が垂れた先が正解だ。)…コツ?(ゆえに話題の転換には素直に従い首を傾げた。)ううん。この針みたいなのをわっかに引っかけるんでしょう? 勢いよく引っぱったら切れちゃいそうだから、ゆっくり持ち上げるとか?(そうして無い知識をかき集めて作った答えはあまりに凡庸。持ち上げてまじまじ見つめてみても、頼りないこよりは頼りないまま。だから視線をプールに移して、)……あ、小さいヨーヨーを選ぶとか!(金魚と同じくヨーヨーにだって個体差はある。こいつは正解な気がして先ほどよりも自信に満ちた声が響いた。)
* 7/15(Mon) 10:16 * No.85
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(謎は謎のままにしておいたほうがいい場合もあるとは、名探偵の台詞ではないのかもしれないが。彼が笑って流してくれたことにより救われたのは確かである。青が好きなのだと語る無邪気さに自然と頬が緩むのも致し方のないことで、返って自分は好きな色を問われた時に果たして答えられるのだろうかとぷかぷかとのんきに浮かぶ黒へと視線を注いでいたけれど。)ふっふっふ。そうだねえ、ゆっくり持ち上げるのも上手に取るには必要だ。もちろん、小ぶりな獲物を選ぶこともね! 堅実でじつにいい手だと思うよ!(うんうん、と自信に満ちた声を肯定するように頷いてみせる。正直に言えば取り方に正解はない。よって彼が導き出した答えもまた正解のひとつであることに違いはなく、にぱっと笑う口は上機嫌に針のついたこよりを掲げた。)では、さっそくヨーヨーを狙っていくことにしよう! さてさて、こよりのどこを持ったら狙いやすいかな〜?(言いながら、まずは見せるようにこよりの端を摘まんで持ってみる。しかしこれでは針の重さでゆらゆらと揺れて、実に輪っかを狙い難そうだ。勝手に講義でもしているような気分に浸りながら、眼差しはヨーヨーへと向けたまま、)ヨーヨーすくいは初めてだと言っていたけれど、他の屋台で遊んだことはあるのかい?(世間話をひとつ挟ませてもらおうとしよう。)
* 7/16(Tue) 23:53 * No.98
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やったあ!じゃあどっちも正解なんだね!(彼の頷きと笑う口元を見れば「ケンジツ」という言葉の意味は辞書を引くまでもない。褒められた分だけ伸びる子は続く講義のような問いに対しても興味津々。)え、っと……上を持つとぶらぶらしちゃうから、下の方!(ぶつかった後の電気の紐のみたいにゆらゆらと止まる気配のないこよりを見つめ、わかったぞ!の声は力強く。)ううん。こういう屋台がいっぱいあるようなお祭り自体、あんまり行ったことがないんだ。綿あめとか焼きそばとかは、お土産で食べたことあるんだけどね。(結果発表を待つかたわら、問いという問いには素直に全部答えてみせる。)だからヨーヨーすくいが終わったらやっぱり射的もしたいしさ、あ、ねえねえシンシ、ぼくお祭りの屋台で飴細工っていうのあるって聞いたことあるよ。何でも好きな形に作ってくれるって聞いたけど、それってほんと?(しかし聞かれたことだけに答えられないから子供なのだ。目の前の屋台で遊び終わってもいないうちから次と次の次のことを考えて。きらめく瞳は照明の下でゆらめく水の輝きに似て、ひとところにとどまることを知らぬよう。)
* 7/17(Wed) 12:08 * No.100
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ピンポ〜ン、正解!(称賛するような笑顔を張り付けて、喜々と正解を口にする。拍手も付け加えたいところだけれど、今は片手が塞がっているゆえ言葉で勘弁願うとしよう。ここまでわかればあとはもう此れまでの話を振り返って針を垂らすのみである。祭りに関しては自分も経験豊富というわけではないけれど、聞けば「なるほど」と小さく頷いて。)おやおや、飴細工をご存知で? その通り、職人さんにお願いをすれば大抵なんでも作ってくれるよ! 例えば私の帽子とか、ここならペルソナのイメージを伝えて作ってもらうことも出来るんじゃないかな?(飴細工もまた屋台遊びのひとつなれば、飴細工職人だって不思議な力で精製される──かもしれない。ともあれすっかり保護者面で「いいよ、遊び倒そうじゃないか」と応える声は楽しげだった。)ではではたくさん遊ぶためにも、まずはヨーヨーを釣り上げないとね。下の方を持って、ねらいやすいヨーヨーを見つけて、ゆっくりと上に持ち上げる。実践あるのみ! おさらいをしながらやってみようか。(言いながら、自分もこよりを短く持って、同じタイミングで針を垂らす用意をしよう。彼が無事にすくったのを見届けてから、自分も黒いヨーヨーをすくうつもりで。)
* 7/18(Thu) 17:10 * No.106
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え、帽子も? ペルソナも!?(「なんでも」という言葉を精々犬猫の形程度に思っていたので彼の返答には心底驚いたように瞬いた。「そしたらエビスを作ってもらおう! あ、お土産にみんなのペルソナも作ってもらえないかな?」切り替えの早い欲張りは次々に希望を連ねるも、)うん!(まずは目の前のヨーヨーすくいに集中すべしとはその通りだ。保護者役の了承も得たならいざ勝負!)小さめの青いやつは…これ! それからこよりの下の方を持って、そーっとわっかに…(教え上手な先生を真似ると見事狙い通り針が通る。わ、と歓声を上げるも喜ぶのはまだ早い。はしゃぐのもそこそこにゆっくりとこよりを持ち上げたなら、僅かな重みがくっついてきた。)とれた…! シンシ、見て見て! ちゃんとヨーヨーすくえたよ!(手のひらの上に成果をのせれば、ポチャンと水の揺れる音がする。涼しげな夏の気配を手中におさめた達成感。満面の笑みでの報告は、邪魔をせぬよう彼が黒いヨーヨーがしっかり掬い上げるのを待ってから。)あ、シンシは黒にしたんだね。……そっか、シンシは黒が好きだから全身まっくろくろすけなんだ。なるほどね!(ついで、先の疑問の答え合わせを。一つの事実はサングラスの色と繋がって、勝手に合点がいったとばかりに頷いた。そうして早速みょんみょんと伸びるゴム、手のひらに触れてぱしゃんぱしゃんと鳴る水ヨーヨーを堪能したなら、)あはは、これ楽しいしきれいだね。(『夏祭りで遊ぼう』第一段階はクリアと言ったところだろうか。遠くでガチャリ、鍵が開いたことなど賑わいの渦中では気づくはずもなく、)じゃあ次は射的だ!(急ぎ足の理由は純粋な期待から。)
* 7/18(Thu) 23:04 * No.109
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そうだとも! だから職人さんはすごいんだ、見掛けたら積極的にお願いするといいよ。(もちろん作れる範囲のものに限られるが、職人さんも子供の夢を極力叶えようとはしてくれるはず。現にそんな光景を過去に何度か見たこともあるもので、連ねられる言葉を聞けばうんうんと相槌を打つように頷いていただろう。しかして彼が無事にヨーヨーを掬い上げたなら、自分も続いて釣り上げよう。満面の笑みでの報告ほど喜ばしいものはなく、)おおっ、おめでとうイサナ君! 実に鮮やかな手前だったね!(手のひらに収まった澄んだ青をみとめては盛大な拍手を送るのだ。)好き。好きかあ……そうだねえ、そうかもしれない。黒は私の親友の色だからね!(探偵たるもの、好き嫌いでものを考えない性分だ。とは、気分屋がいったところで説得力がないのかもしれないけれど。)夏のお祭りの醍醐味さ。次はぜひ大きい獲物を狙ってみてくれたまえ!(慣れてくれば大きい獲物を狙うことも、2個掬うことも出来て来るはず。こういったものは繰り返し遊んでも楽しいものだとヨーヨーと戯れる姿を見て満足そうにうなずきながら、斯くして次への誘いにもしっかりと頷いた。)ふっふっふ、私の腕の見せ所だね! 君がびっくりするくらいの大きな景品を狙ってみせよう!(などと恰好をつけたはいいが、さて上手くいくかどうか。お題はクリアと相成ったが、彼が、お互いが満足するまではきっと屋台で遊び倒したに違いない。)
* 7/20(Sat) 22:26 * No.118
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えへへ、シンシのおかげだよ。教え方上手なんだもん!(教え上手のほめ上手にのせられて気を良くした笑声が拍手に重なる。)親友……ああ、ゲーデのことか! 確かにまっくろくろでおそろいだもんね。(彼が親友と呼ぶペルソナの姿を思い出せば、好きなものに似ているものは好きという感情は理解できて。自分とて相棒を彷彿とさせる青色を手中に収めたばかりだし。)うん! 次までにもっとヨーヨーの上手な取り方を勉強してみる! 今年の自由研究のテーマにしようかな。(気分良く新たな課題を自らに課せば、研究成果の発表に彼を付き合わせる気満々。はたして先生は花丸評価をくれるだろうか。)楽しみだなあ。景品何個とれるかな?たくさんとれたらみんなにも分けてあげられるね!(とはいえ次は自分が評価者となる番だ。華麗なる射的の腕前を披露されたなら、拍手と歓声を惜しむことはないだろう。そうしていくつかの屋台を堪能したのち飴細工の屋台にて10のリクエストを連ねたなら、小部屋を出る頃には文字通りたくさんの思い出を両手に抱え、シャドウとの遭遇を避けて早々の帰還となるに違いない。)シンシ。今日はありがと。 はいこれ、きみの親友!(別れ際、エントランスにて手渡したのは、”ゲーデの飴細工”。それが溶けるまでのひととき彼を楽しませてくれることを期待して。)お祭り楽しかったね!また遊びたいから明日も探索しようかあ。(思いがけず夏祭りを満喫したお気楽少年が小部屋に閉じ込められていた事実に気づくのは、みんなにお土産を配りにまわった後の話。)
* 7/22(Mon) 12:39 * No.124
azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth