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【Event2】盆踊りをしよう

(ラビリンスの探索にはふしぎな体験が付き物だ。前回の探索で身を以てそれを実感したが、警戒心より好奇心が引き上げられたのもまた事実である。)あ!(扉を見つけると、探索も同行人もそっちのけで一目散に駆け寄って、がちゃりと扉を開け放った。――夏の夜、すこし生ぬるい空気感。提灯で明るく照らされる中央にはやぐらが見えて、音楽に合わせて太鼓の音が鳴り響く盆踊り会場がそこに広がっていた。)ねえねえ! アリスいまどんな感じ?(振り返ってすかさず扉を閉じれば、お題を成し遂げなければ出られない密室の誕生である。思惑通り、白地にオレンジの花が描かれた浴衣へと衣装チェンジした姿をその場で一回転して見せびらかす。ばっちりとリボン型に結ばれたオレンジの作り帯もポイントだ。おくれ毛を残してサイドでひとつのお団子に結われた髪型も鏡で確認しては頬をにまにまと緩ませる。やぐらから少し離れた周囲には屋台と思しきお楽しみゾーンも点在していて、「何食べようかなあ」とお題そっちのけで欲望を垂れ流す。)ねー、どこがいい?(かわいいは、うれしい。相方の心持ちに関わらず、楽しいお出かけ気分で問い掛けた。)
* 7/15(Mon) 12:33 * No.86

(駈けだした同行者を引き留めもせず、おっ?と愉快げな声を漏らした。ロングヘアを見守りつつマイペースに追いかけ、続くようにして扉を潜れば――盆踊り会場独特の空気に包まれる。このラビリンスにおいてはおかしな事ではない、もう驚かない。煌々と輝く提灯の連なりで陰影のついた、同行者。この部屋の不思議によって、様変わりした出で立ちの姿の一回転を見つけた。)おー……、(扉が閉じた瞬間、こちらも濃紺の甚平にギターケースを携えた格好に変化している。口をアルファベットOの字型に開き、間が空いたのはぴったり合う言葉を探そうとしたからで。しかし。)……アリス、似合ってる! 浴衣も髪型も、全部! うん、見惚れた。(結局、零れ落ちた感想は随分と語彙力の低いもの。ただ、込めた真心は声色の深みとなった。桃色基調の洋装と下ろした髪型しか知らない相手の、オレンジ色がアクセントになった和装姿とうなじを露わにした髪型は新鮮でもある。)食べ物? んじゃ、オレはタコ焼き食べたい。アリスは何が良い?(お題があるとは承知しているが、お祭りならではの香ばしいソースの匂いにやすやすと釣られる。この際、盆の時期の夜をめいっぱい楽しんでしまおうと。)
* 7/15(Mon) 23:53 * No.93

(彼の出で立ちも夏のお祭り仕様へと変化したのを見届ければ、探索を抜け出して遊びに来たかのような、ちょっぴり悪い子気分になって胸が擽られる。浴衣のお披露目はまたとない機会になるかもしれないから、時間をたっぷりとかけて紡いでくれたその言葉に満足げに顔を綻ばせた。)見惚れた! やった〜!!(ストレートな物言いの心地良さに頬を上気させて、勢いそのままに彼の装いもにこにこと眺める。)ロックもかっこいい! やぐらに登ってギター弾いたら主役になっちゃうね。(盆踊りも音楽に違いないのだからと安直な結び付けをするけれど、かっこいいは素直に溢れた感想だった。たこ焼きの名前を聞いた途端にソースの匂いに気が付いて、お腹からぐうと小さく漏れた音は彼にも聞こえてしまったかもしれない。)アリスはね、うーん……わたあめ! ね、たこ焼きは何個か分けてくれる?(悩んだ末に選択したのはかわいくて甘いもの。対してしょっぱい枠であるたこ焼きのおこぼれを狙いつつ、香りに誘惑されるがままたこ焼きの屋台へ一緒に並んだ。)あとでラムネも飲みたいな。ビー玉押し込むやつ!(夏の屋台のお供として、贅沢なリクエストは続く。)
* 7/16(Tue) 21:11 * No.96

(表情や声音から伝わる喜びように、こちらも何だか嬉しくなってしまう。ニカーっと口を大きく広げて笑い、「その笑顔もカワイイ!」 胸の前でサムズアップ形作った両手。)やぐらに登って……いいねー、それ。盆踊りの曲をアレンジしたやつ、カマしてやろうか。踊りの伴奏となると、主役はあくまでも踊り手だけどな。(かっこいいの評に気をよくして、ギター演奏オン櫓を企みはじめてしまう。)わたあめ、了解。お、アリス〜?お腹減ってる?(ニヤニヤしながら、明らかに声とは違うその音に遠慮なく言及。たこ焼きの屋台の前、影法師のような人影の後ろに並ぶ。専用の鉄板で生地と具の焼ける音がして、ほどなくして手渡された一パック。青のりとマヨネーズのたっぷりかかっている1個を、つまみ食いの素早さで口に放り込んだ。その熱さにハフハフしてから、)わたあめもラムネも、欲しいもん、みーんな楽しんじゃお。欲張りにさ。(「食べろ食べろ、でも3個までな!」欠けたたこ焼きの列を差し出す。気の利いている事に爪楊枝二本付きであったから、手つかずの一本を相方が使えるはず。そうこうしているうちに、わたあめの屋台が近づいてきた。)……わー、もっこもこ。(純白、パステルカラーの水色やピンク。わたあめが紡がれる様を目の当たりにして、感嘆の声が落ちた。)
* 7/17(Wed) 23:12 * No.103

盆踊りもアレンジでかっこよくなっちゃうの? 聴きたい聴きたい!(即興のような発案には興味津々で、前のめりに賛成を示した。「わたしも踊り手がんばるから、合同ステージかましちゃおうよ」空間に流れている盆踊りの曲に合わせて、ちょうど良いタイミングで覚えたての手拍子を挟む。がんばったらすぐ覚えるよ、の合図みたいに彼を見上げて笑った。)お腹すいたからいっぱい食べる!(拾われたお腹の音に恥じらう様子はなく、却ってたくさん譲ってもらえるかもと図太さが心の中で育つ始末だ。美味しそうな出来立てをすかさずつまんだ彼の姿に「熱くないの!?」と目を丸くして、悶絶まではいかないハフハフに感心した。)やった〜! じゃあこれアリスの。えへへ。(欲張りも肯定してくれる優しさに甘えながら、もう一つの爪楊枝をたこ焼きにぷすりと刺してキープ。ほかほかの湯気が気持ち落ち着いたわたあめの屋台の前で食べた一口は自然と瞳を輝かせた。)おいしい……もこもこもかわいい! ピンクください!(淡く可愛らしい色合いをしたわたあめは大人の顔くらいの大きさになって引き渡され、わーいと喜びながら「ロックも食べる?」と顔の前に差し出してみる。たこ焼きとの食べ合わせは悪そうな気もするが、返事がどちらであれマイペースにわたあめにかぶり付いては「あまーい!」と笑みが溢れた。)
* 7/19(Fri) 02:24 * No.111

うんうん、すっげーかっこよくなるよ。合同ステージいいねー! オレのカッコイイ演奏とアリスのとびっきりカワイイ踊りで会場を盛り上げてこ。(組み上げられるプランがワクワク感を掻き立て、声音も弾む。盆踊り本来の意義に添うステージか怪しいが、「まー、ご先祖様もきっと喜んでくれるだろ」と気にしない。相方の手拍子のリズムを耳にし、「そうそうそんな感じ。アリス、飲み込みが早い」と嬉しそうにまたもサムズアップ。)うっわ、食欲に素直可愛い! いっぱい食べとけー。(取り繕いのないその返答にケタケタ笑った。悪魔のペルソナと共存する精神は、欲求に正直な性分に好意的で可愛いの評に嘘偽りは無い。ハフハフの合間に答えようとすれば、「ふぁ?あっ、あっついひょ」なんて随分と崩れたものになって、しかし口内に火傷も追わず無事に1個を食べきってみせる。たこ焼きシェアの後は、わたあめ。物語の中の幻想的な雲みたいなもこもこが顔の前へと来る。)お、ありがと? あ、甘……あっという間に口の中で溶けた。(貰えるものは貰おうと一口分、食む。欲張ってがばっと大きめの一口になった。ふわり広がる甘さへの感動とともに、相方と笑みを交わすかたちとなっていた。)
* 7/20(Sat) 20:28 * No.117

わーい! 一夜限りの特別ステージだ〜!(浴衣を着た特殊な状況下で決行される合同ステージにわくわくが止まらない。まだ初心者の域を超えないながらも雰囲気は掴んだ手拍子を褒められては自慢げなぴかぴか笑顔を向けて、「踊ったことある?」と首を傾げた。)ふふー。ロックはたくさん褒めてくれるから居心地が良い!(新発見だと声を弾ませる。褒め言葉にかわいいが含まれることに加えて、彼自身も欲求に素直な雰囲気を感じるから親しみやすさを感じるのだ。へっちゃらに見えたハフハフは声を聞いた途端にくすくすと面白がった笑みが溢れて、「あっついひょ……」とツボった一言を反芻して呟いた。)ね、すぐに溶けちゃった。おいしい!(同じ感想を分かち合うのはシェアの醍醐味でもあって、笑顔を交わすだけで満足感も格段に違うものだ。隙を見て二つめのたこ焼きも口に運んで、わたあめも順調に小さくしていきながら、喉の渇きを覚えた瞬間に「ラムネ飲みたい!」と浴衣の袖を軽くつまんでアピールした。キンキンのラムネを手にして傍らのベンチに腰を下ろしたら、盆踊りを眺めながらこの場にはない夏祭りの醍醐味をなんとなしに問い掛けてみる。)ロックって得意な出店ある? くじとか、射的とか、型抜きとか!
* 7/21(Sun) 20:56 * No.122

(「あるある!盆踊りって曲に合わせて同じ動きを繰り返すもんだし、その動きもシンプル。きっとすぐに覚えられるよ」と盆踊りの簡単なレクチャー。)そりゃーよかった。オレは褒めたいところしか褒めないけど、アリスには褒めたくなるとこいーっぱいありそう。でも逆にオレにとって気に食わない何かがあれば、アリスを食べちゃうかもねー。あ、首を跳ねちゃう、のほうが良いかー?(がおー!な襲いかかる猛獣を模した身振り。この程度では相手は怯えたりしないと踏んでのことだ。悪戯な笑顔を浮かべて、今度もまた言葉はあながち偽りでもなかったりする。どことなく似た者同士の気配を嗅ぎ取ったからか、より一層に遠慮がなかった。行儀の悪さを咎められることもなくわたあめのシェアも恙なく済み、パックの内のたこ焼きも冷める前に二人のお腹へと移ってゆく。甘い、おいしいの二人で共有した感想は、屋台の定番をちょっとだけ特別なものにした。ラムネ飲みたいのアピールには即座に賛同、冷えたラムネを手にして会話に支障のない距離に腰を下ろす。なぞるように祭囃子をハミングする間、ビー玉を押し込んで響かせるシュポっ!の音。)得意な出店?んー、どうだろね。くじ運は普通だし、型抜きは失敗しちゃうかも。射的は得意というより、それなりに楽しい。あ、それと、水笛の出店は好き。色とりどりの透き通ってキラキラな鳥、綺麗なんだよね。(得意よりも好きに偏った話と、)アリスは?(獏とした問いかけを楽しげに。)
* 7/22(Mon) 06:43 * No.123

(経験者の声として、ありがたいレクチャーにはうんうんと頷いて熱心な聞き姿勢。見様見真似のぶっつけ本番にはなるだろうけれど不安はこれっぽっちも浮かばない。褒められるのが嬉しい身としては褒められポイントを伸ばしたい一方で、警告ともじゃれあいとも取れる身振りと悪戯な笑顔には一瞬目をまあるくした後に笑みを溢した。)ふふふ。アリスがヤなことしたら、オオカミにも女王さまにもなっちゃうんだ。ね、それって反省したらやさしくしてくれる?(地雷を踏んだら最期だとして、そこに温情が芽生える余地はあるのかと瞳を見上げて問い掛ける。これでもわりと真に受けての質問だ。お腹の虫も落ち着いた頃合い、隣の彼に倣ってシュポっ!とビー玉を押し込んでラムネを喉に流し込む。シュワシュワの爽快感を味わって、はあっと息を吐いた後に「夏だね〜」と嬉しげにしみじみ呟いた。)あはっ、型抜き失敗してそうなのわかる! ロックは楽しむのが得意だから一緒にいて楽しそうなのかなぁ。射的の対決して、引き分けで終わってもすっごく面白そうだもん。(語られる楽しげな雰囲気に頬を緩ませながら、キラキラの鳥と聞けば「水笛……? わたし知らないかも。どんな?」と前のめりに興味を向ける。)あのね、輪投げは得意なの。あとヨーヨー釣りも!(使用武器とほんの少し関連があるかもしれない特技を自慢げに答えて、やりたかったなあとご機嫌に呟きながらベンチからはみ出た足をぱたぱたと動かした。)
* 7/23(Tue) 12:08 * No.128

(がおーに対するは、眩く咲いた笑み。どちらが勝つか、御伽噺を引き合いに出すまでもない。)ハッハハ、それって反省するフリじゃねーの? ……でも、どっちみち。可愛い反省なら許してやさしくしちゃうな、きっと。すごく、ものすごーっく可愛ければ、な!(穿った見方も遠慮なく。続いてふっと考えこみ、出した結論がこれ。可愛いは無敵で最強。我ながらちょろい気がしたものだから、「そういうときのオレの可愛い認定はキビシイからな!」なんて威張ってみせるも、その間に片手にたこ焼きを受け取る動作ではサマにならなかった。盆踊り会場を眺めつつ、並んでラムネを味わう。しゅわしゅわした喉越し。飲みかけの瓶を回せば、ビー玉の転がる涼やかな音色が奏でられた。「夏だねェ〜」とこちらもしみじみと呟く。)ぉ、笑ったなー? だね、引き分けになろうが楽しいのが一番。アリスは負けず嫌いだったりする?(型抜き失敗率に関しては言いかえせず、つられて笑い声を上げた。片手をピストルの形にして、ばーん!と相方を撃つ仕草を。)水笛はね。これっくらいのー、鳥の形をした笛。尾の部分が吹き口になってて、中に水を入れて吹くと可愛い音が鳴る。水がユラユラするから、光に当たるとキラキラ。(これっくらいのーで手の平を上向けにして、あたかもそこに鳥が止まっているかのようにみせた。)へー、狙いをつけて当てる系が得意か。そういやアリスの武器もその手の感じだね。輪投げ勝負してみたい。(強者どんとこーい!と笑う。カラカラ、空になった瓶の中で回るビー玉。)けど、まっ、今は盆踊りをめいっぱい楽しんどこ。(誘うようにやぐらを指した。)
* 7/24(Wed) 08:04 * No.131

え〜! フリじゃないよ! ヤだったんだなって思ったら、ちゃんと反省して首出すもん。(認識の改めを求めるように、真剣さを強調して文句を垂れる。けれど反省が伝わった場合のやさしさに、思わず言葉を反芻した。)許すの? ……ふふふ。許しちゃうんだ。じゃあ、うーんとかわいく反省しちゃお。(得意分野で大好きな“かわいい”を判断基準とされるなら、一回は怒らせてしまっても許してもらえるらしい。「ロックといるといっぱい笑うから、ものすごーっくかわいい自信はある!」厳しい基準にも怯まず、自慢のにこにこ笑顔を彼に向けた。サイダー片手にしみじみと夏を分かち合っては、ほっこりと頬を緩ませる。なんでもないこの時間が心地良かった。)わたしね、勝負ってなると負けず嫌いだと思うの。負けたくないみたい。(指の銃口を向けられては、ハッと気付いてこちらも同じ構えを。撃たれた一秒後にばーん!と頭部めがけてお返ししては、「どこ狙ったの? アリスは頭!」と声を弾ませる。彼が水笛を語る最中、手の平を見つめて鳥の形を想像しては「かわいい音!」「ゆらゆらできらきら……」と気になるワードに心を惹かれながらも、)何色が好き?(きっと彼の頭の中で手の平に乗っている、その鳥の色を知りたがった。)わたしのチャクラム使って、エントランスでやる? 輪投げごっこ。対決!(面白がった口調で輪投げ勝負の案を出しながら、ラムネを飲み干して同じようにカラカラと音を鳴らす。やぐらを指す仕草を見て立ち上がれば、くるりと彼を振り返って。)楽しんどこー! ロック、あとで一緒に踊ってね!(来たる共同ステージに胸を躍らせながら、ひとまずお先に盆踊りの輪に飛び込んだ。はじめは周囲の動きを真似ながらも、動きが馴染むのにそう時間は掛からないことだ。)
* 7/24(Wed) 23:15 * No.134

ん、んー? あ、そう……? え、首出すんだ。(打つ相槌は、始めこそ適当に。けれど真剣さが次第に伝わり、)……うん、わかった。(「アリスは良い子なんだね」 適当さを消し、瞬きを重ねつつ凪いだ声で応じた。「うわ、自分の笑顔がカワイイ自信があるやつだ」 感心したようなちょっと呆れたような表情になって、片手で顎を擦る。それからご自慢のその笑顔を目の当たりにすれば、まあ、愛くるしさは認めざるを得ない。)ものすごーっくかわいいの期待してる。でもオレが怒った時にしか見れないなら、勿体ない気もしてきた。(「ものすごーっくかわいいのはいつでも歓迎しちゃう」なんて調子のいいばかりの結論にするのだ。ベンチでの撃ち合いに至って、「ヘッドショットかよ。え、えげつねー」怖がる声を出してみせた直後、「オレもお前の頭狙った」しれっと白状したり。)負けたくない、か。勝つまで挑みそうだよね、アリスって。(それほど付き合いの長くない相手に対しての勝手な心象。)色? 色ねえ……。赤、かな。(好きな色を問われ、自身の想像の辿りついた先を答える。形を定めず揺らめき燃え盛る炎の色、生命の源泉である血潮の色。)アリスの選ぶ鳥はやっぱりピンクとか? てか、なんで色?(ささやかな好奇心と疑問を差し向けて。)いいねー、それ! チャクラムの的となると、丈夫なもん用意しないと。(チャクラム輪投げごっこ、面白そうな案には軽率に乗っかる。盆踊りの輪へ向かう背中を見送ってから立ち上がろう。彼女の身に振付けが馴染んだ頃に、アンプもスピーカーも無いのに響きを行き渡らせる不思議なエレキギターの音が祭囃子に加わったはず。暫し後、演奏のみでは飽き足らず、橙の花咲く浴衣の横にほどよく距離を開けた位置で共に踊る姿があっただろう。)
* 7/27(Sat) 21:11 * No.138

わるい子なのに良い子なんだ。むずかしい!(ヤなことをした体で“良い子”との帰結にすこし複雑そうに笑いながらも、彼の優しさは十二分に伝わっていた。)わたしはわたしの中で一番にかわいくいたいから、笑顔は自信だし得意なのー。じゃあロックに刺さるかはわかんないけど、かわいいアピいっぱいする!(歓迎された以上は当然受けて立つ姿勢だ。「頭を狙うのは基本だもん」開き直りつつお返しのヘッドショット発言も平然と受け入れたが、一拍遅れて肩が震える。「……ロックのことだから……外してそう!」お互い様に違いないのに、射的の話を思い出しては笑い声が続いた。)……わたし、そんな根性キャラに見える?(勝つまで挑みそうとの言葉は否定しきれないような、けれどかわいいと根性を上手に結び付けられずにうーんと立ち位置に悩む。彼が告げた赤色の鳥を頭に浮かべながら、他の色も曖昧に想像を広げてみた。)どうかな? わたしね、かわいい色が好きなの。水色でも黄色でも、かわいいなって思った子を選ぶんだと思う。(惹かれるものはピンクに限らず、今のオレンジの浴衣だって大好きなのだ。気分にも左右されるかわいいだけの曖昧な判断基準だけれど、彼の色を聞いた理由は明白だった。)水笛を見つけた時に、ロックが好きなのはこの子なんだなーって思い出したいから。(記憶と結び付けて、なんとなく嬉しくなるために必要な情報なのだ。)丈夫なもの、何があるかな? いいのがないか探しとこっと!(楽しくなるに違いない未来の予定に期待は膨らむばかり。盆踊りを満喫し始めた頃合い、祭囃子にエレキギターが重なったのが分かると顔を綻ばせて彼の姿を視線で探した。一夜限りの特設ステージを存分に味わい、やがて輪の中に加わった彼を見付けては、振り付けの合間に「かっこよかったよ」と満面の笑みを向ける。そんな初体験の盆踊りは、満足し切るまでもう少し、引き延ばしていたい。)
* 7/30(Tue) 21:50 * No.141


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