
【Step2】8/12(日):午後 ハッピーイート店内
(昼間のピークタイムを無事乗り越えて、本日のバイトは終了した。「長居していいですか?」「メインメニュー注文するならね」然程珍しくないやりとりの後にテーブル席で頼んだバーガーを昼食として、十数分後にはドリンクバーで手にしたアイスコーヒーをお供に教材を広げる男の姿があった。夏季休暇も折り返しに近く、山ほど出された課題にそろそろ手を付けようと重い鞄を持参して来たは良いが、そう簡単に集中力が続くはずもなく。解けない問題に思考停止して教科書に視線を移すものの、文字の羅列に目が泳ぐ。撃沈。)……無理かも。(無理だな。弱気な意思は放棄に塗り替えて、潔く教材を閉じる。待ち人が来るまでの時間潰しに課題を選ぶのは柄ではなかったし、そも何時ごろに彼が来店してくれるのかも不透明である中で延々と課題に頭を悩ませるのは有意義でないだろう。英語の問題集だけを残して早々に机の上を片付けてしまえば、時間潰しにスマホへと手が伸びる。気ままにページを辿りながら左手でアイスコーヒーのグラスへ手を伸ばした際、意図せず仕舞い忘れたシャープペンシルが腕に当たった。)あ、(ころころと転がるその行方を視線が追う。床に落下しても尚転がり続け、持ち主からの逃走劇を図るような姿を、立ち上がりもせずついぼうっと眺めてしまった。)
* 7/19(Fri) 11:46 * No.85
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(中央図書館にて読書に励み、その後に適当な店で昼食を取る。九堂律にとってはありがちな休日の過ごし方。しかしながら本日はさらに一つ、予定がある。大盛りのメニューが多いとの情報を踏まえ、昼食はファーストフード店のホットドッグ1個に留めておいた。深那莫中央駅経由で瑠璃浜鑑台駅に降り立てば、うだるような暑さに襲われる。襟を摘まんで仰いでは双鏡学園の逆方向を道なりに進んだ。)たしか、このあたり……。(やがてそのファミリーレストランの前に至り、軽く深呼吸してから入店。暑さから逃れられてほっとし、幾分か肩の力が抜ける。何度か前を通りかかった事があり店名は記憶していたけれども、実際に此処に足を踏み入れるのは初めてだ。その所為か、見渡した内装が少し鮮やかに感じられる。店員から声をかけられ、「待ち合わせです」と返したところで、待ち合わせであれば事前に時刻の打ち合わせもすべきだったかと、今更ながらに思い至った。探しながら歩むうちに目当ての姿を見つけ、声をあげようとした矢先に落ちたシャープペンシル。足元まで転がったそれを指先で拾い上げると急くでもなく一定のペースで歩み寄り、テーブルの上、彼の前へ据えた。)こんにちは。お邪魔ではありませんか。(挨拶に続くは、英語の問題集らしきを目でさしての言葉。伺いを立てる言い方をしながらも、辞す素振りなどなく間を置かずに彼の対面に座る。白のカッターシャツにグレーのスラックスを合わせた青年の私服は、学生服とそれほど差異はない。ショルダーバッグを座席に置き、向き直れば目線の高さが合っただろう。)
* 7/20(Sat) 14:25 * No.91
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(シャープペンシルの転がる先に客と思しき足元が映り込む。あ、と声を漏らして瞬きを挟んだ後に、瞳は待ち人の姿を捉えた。)ありがとうございます。こんにちは。(親切な知人の手で持ち主の元へと戻ったシャープペンシルは今度こそ筆箱に仕舞い込んで、「邪魔なんてとんでもない」と対面に座る彼へ穏やかに告げる。同僚である店員が軽い目配せの後に彼の分のお冷をテーブルに置き、ごゆっくりどうぞと笑顔を振り撒いて去っていく。どうやら案内と注文の説明は託されたらしい。)顔見るの久しぶりだなって思ったけど、一か月空いてますもんね。夏バテとかしてません? あ、ちなみに今日何食べた?(軽く話を振りながらメニューを手に取り、デザートの載ったページを彼に向けて広げた。LINKSで触れたものを含め、スイーツ類であれば人気どころはある程度取り扱っているはずだ。「ドリンクはその後ろ、軽食も欲しかったら前のあたり。好きに見てください」ざっくりとした案内で一先ずは締め括る。全てのメニューにハッピーが付く以外はそこまで特色のないメニュー表だが、種類の豊富さと写真の多さに見応えはあるかもしれない。溶けかけの氷をストローでかき混ぜて涼しげな音を鳴らしながら、こちらは一旦アイスコーヒーを満喫予定だ。)
* 7/20(Sat) 17:38 * No.93
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(「ありがとうございます」店員にお礼を告げ、お冷のコップを持ち上げれば硬質な冷たさが肌に伝わる。喉を潤す氷水のおかげで、生き返った心地。)久しぶりですね。夏バテは幸い、していません。宮生君は? 今日の食事、ですか? まぁ、昼にホットドックを。(答えを返し、広げられたメニューをおもむろに手元へ引き寄せた途端に視界に流れ込むハッピーの羅列。)……ハッピー、とは……。(あまりにも同じ文字ばかり注視し続け、ハッピーの認識が崩壊しそうになった。メニュー名に添えられた写真のほうへ意識を向けなおそう。)ドリンクバーは確定として。あとは……、(案内に頷き、ドリンクバーの注文は決定として。デザートのページを前に、真顔。ハッピーサンデーチョコとハッピーサンデー桃を行き来する人差し指と視線に迷いが滲み出ていた。迷いの果てに泳いだ瞳がグラスの中で氷が鳴った音を契機に、対面の人物へと落ち着く。やはり、詳しい者に尋ねるべきだ。)……あの、サンデーの量は実際にはどれ位なのでしょう?(ぴしりと背筋を正し、大真面目に質問した。写真のみでは現物の予測しようにも限界がある。二品を注文して腹に収められるか、一品だけで満腹になりそうか、注文の参考にする為の質問である。大食いではないもので慎重を期したい。様々なフルーツや菓子の名称と写真に触発され、胸裏が密かにそわそわし始めている。)
* 7/21(Sun) 12:29 * No.95
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俺も元気です。日焼けはちょっとしてるかも。 あ、美味そう……なんか、律は和食派なのかなって勝手に思ってた。(初対面の印象から象られた思い込みは実際に接して打ち破っていくのが良い。「大口開けては食べないタイプ?」どうにも気になったその一点だけは好奇心から訊ねておいて、ホットドッグを食べる彼の姿を頭に描こうと試みる。溢れんばかりのハッピーに苦しむ様子を少し可笑げに見つめてしまいながら、やがて向けられた視線にこちらも僅かに背筋を伸ばした。)あー…と、写真はお上品に見えても実物はわんぱくに盛られるし、グラスが思ってる一回りか二回りは大きいと思う。食後に別腹感覚で頼んだらかなり長期戦になってる印象。(実際の量と問われたアンサーとしてはやや不適切やもしれないが、これくらい、とジェスチャーで示すサイズはかなり大ぶりである。彼の指先が辿るメニューを目敏く把握しては「限定は8月下旬で終わるかな」と特別感をちらつかせながらも、彼の好みも碌に知らない身だ。僅かに上体を傾けてメニューを覗き込んでは、)なあ、律はどういうのが好き?(注文を決める前の雑談のように、俺はこれが好き、とハッピー濃厚ガトーショコラを指で示す。)チーズケーキも重ためが好きかな。レアとスフレも味は好きだけど、すぐ食べ切るから物足りない感じする。(要は食べ応え重視だと語りながら、次は彼の番だと上機嫌な瞳で促した。)
* 7/21(Sun) 14:12 * No.97
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(日焼け。復唱の呟きが落ちて、彼の肌に流れる視線。)外でスポーツでもしていたのですか?(零れたのは、日焼けの原因としてその体躯に紐づく連想。アルバイトのみならず運動部に所属しているのだろうと勝手な推測も立てていた。)和食も洋食も食べますね。体の調子をよく整えたい場合には和食を選びますが。……大口? 勿論、はしたない食べ方はしませんよ。口に入れる時は、咀嚼しやすい適量です。(よもやホットドッグの食べ方に触れられるとは思わず、多少面食らった色。それからサンデーの実物の説明に耳を傾ける。)…。デザートの括りにするには疑問がありますが、この店はやはり大盛りという点をセールスポイントにしているのでしょうか。(彼の手振りの表す大きさ、長期戦を強いられる量。いや、検討の前に無暗に引け腰になるのもよくない、真顔のまま内心で己を叱咤して。)宮生君は甘いものに抵抗がないようですね? 食べ応えがある物が好きというの、何となく頷けます。いえ、個人的な印象ですが。(示された先の濃厚ガトーショコラ。濃厚とつくからには重ための食感の甘さの濃度も高い品と見受ける。そしてテーブル越しに僅かに縮まった距離の分、口が軽くなっていたと自覚して少々まごついて濁した。上機嫌な瞳の促しを受けて思案を挟み、)そうですね、好みとしてはコーヒーに合わせて楽しめる甘味。ですから……、(メニューのページを捲ってはスイーツを品定め。)私も、ガトーショコラと……このチョコレートタルトなども好きだと思います。(本日は気温の影響により冷たいものを摂取したい気分だが、普段の好みとして、とスイーツの写真を指差していく。)
* 7/22(Mon) 00:19 * No.101
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スポーツは誘ってもらったとき、たまに。夏休みだし。あとはバイトの行き来で自然とかな。(日焼け止めを自発的に使うような性質ではなく、日焼けはほとんど毎日の外出に由来している説だ。)あ、よかった。お上品な食べ方してそう。(はしたない食べ方はしないとの言葉に安堵を覚えたのも束の間のこと、考えるように僅かに間を開けてから目を合わせて、「ハンバーガーも綺麗に食べれる?」。油断していると具がはみ出していく難敵に対してはどうかと好奇心が続いた。)普通のとこより大盛りなのはセールスポイントですね。美味しかったからまた来よう、今度はこれを食べよう、でハマる人にはハマってます。(戦略は万人には刺さらずとも常連は少なくない。「裏技ですけど、注文のとき“ハッピー”を省いたら気持ち小盛りになるとかならないとか」声を潜めて、信憑性はいまいちな情報も大真面目に提供した。甘いものに抵抗はないと頷いた後、食べ応え重視の好みが印象として肯定されては軽く笑った後に)気になる。どんな印象?(なんて軽く深掘ってみた。好みとして得た二品の情報から「チョコが好き?」と大雑把な共通点に触れてみながら答え合わせを求めて、ストローに口を付ける。)サンデー頼むつもりなら俺はガトーショコラ頼もうかな、律にも食べてみて欲しいし。……そういうのに抵抗なければだけど。(折角好みも被ったのだから、味見程度でも試して欲しいのが店員心。どう?とシェアを提案しながら、今回の彼の注文も気にするようにメニューを覗き込んだ。)
* 7/22(Mon) 20:03 * No.103
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たまに、ですか。意外ですね。スポーツの素質ありそうに見えますが。(秀でた体格をしているのに勿体ない。それは安直寄りの所感ではあっただろう。)――よかった?!? 何が??(安堵の言葉は青年からすれば斜め上なので、声が若干ひっくり返り疑問符が跳ねまわる。理解の外の事柄に数秒間、訝し気に眉間を寄せて静止したが、)ハンバーガーも同様です。大部分をしっかり包み紙に包んで持てば、問題ありません。(さらなる質問が正気を取り戻させた。頻度としてはたまに手を出す程度のその食べ物を食す際の自身の手法を思い返しては律儀に語って。)みるからに品揃えは良い。なるほど、来店の都度、別のフードを楽しめると。大盛りは食べ盛りの若者にも人気があるのでは。双鏡学園生も来ますか?(昼休みに学園をこっそり抜け出して此処まで来るのは難しいかなどど、生徒たちの素行不良の可能性を考えてしまうのは性分である。)気持ち小盛りにする注文は、今回は控えます。まずはセールスポイントを受け止めてみましょう。(小声の情報提供は真に受け、初めて接するものにはそれ相応の礼儀をとりたがる。ついで彼への印象を問われ、一瞬詰まった後、)……沢山、食べる。美味しそうに食べる。食べ残しはしない。こんなところです。根拠もない、なんとなくのイメージですよ?(脳内の彼の像を本人へ語るという状況が言いようのない心地を齎す。一旦、目を逸らした。)はい、チョコレートは好みですね。構いませんよ。宮生君は桃は苦手ではない?(シェアに抵抗はない旨を伝え、しかし彼の注文の分のみでは公平性に欠けると考え、苦手でなければと自身のハッピーサンデー桃のシェアも提案する。そうして二人分の注文は纏まるだろうか。)
* 7/23(Tue) 21:01 * No.109
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素質、ありすぎたからお遊び程度に留めてる。(褒め言葉を受けて悪戯に笑う。真偽の程は分からないだろうから、敢えて冗談めいた調子にて。)え?? 想像通り綺麗に食べてそうだから……?(突然の勢いある声に肩が揺れ、彼の疑問符が伝染したかのように続けた言葉もよく分からなくなる。食し方の丁寧な説明を聞き終えた後に「包み紙にレタス残らない?」と余計な体験談を悩み相談のように挟まずにはいられなかった。)双高の生徒はそこまで。たまーにリピーターが居るくらいです。わりと遠いのと、あと“ハッピー”がネック説。(学園近くや駅周辺の飲食店に学生人気は集中している印象だが、それを差し引いても嬉々としてハッピーを注文する高校生が多くないのも事実だろう。自店舗のアイデンティティをネックとして語る様子は少し可笑しげだ。ハッピーの洗礼を律儀に受ける発言にそっかと頷いた後、求めた印象へと耳を傾ける。)…たぶん、合ってる。量は食べる。タッパあるし。食べ残しはしない。これは意識してて……なんか、すごい良いイメージだ。嬉しい。(彼の語るイメージは心掛けてもいる、好感の持てる食し方の像と近いものだ。「美味しそうに食べれてなかったらどうしよ」客観視の出来ない点が懸念だと冗談めいた呟きを零して笑った。)桃は好きですよ。律もくれるの?(お互いのシェアを受け入れては注文ボタンを押して、ドリンクバーとデザート二つを追加注文。勿論すべてハッピー付きで。店員の姿を見送れば「飲み物取りに行きます?」と、種類こそ豊富だが他のファミレスと変わらないドリンクバーへと促した。彼が戻って恐らく数分が経過した後に、どん。テーブル席に運ばれた小皿二つとカトラリー、ワンカットだが通常より一回りガトーショコラ、深さも太さもそれなりなグラスにわんぱくに盛られたサンデーが到着した。)
* 7/24(Wed) 08:16 * No.113
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む……。(悪戯な笑みを一人合点に意味深に受け取ってしまい、触れ方に迷って曖昧な首肯で流した次第。)えぇ? そ、そう…ですか。(二人分の疑問符の乱舞を経て、良い想像に合致した故であったかと戸惑いながらも頷いておく。レタス問題には大真面目に「それこそ一番の難敵ですね」「レタスが底に残らないよう意識して都度調整し、それでも残ってしまったら包み紙からレタスを押し出して食べます」 食べ残し無しを最重視した手法の説明がなされた。)ハッピーがネックなのですか。総じてコストパフォーマンスは良いように思えますので、てっきり学生向きかと……。(今時の双高生はもっと小洒落たものを好むのだろうか。同年代の友人の少ない青年の想像は直ぐに限界を迎え、あからさまに不可解を浮かべて首を捻る。意図せずしてハッピー戦略の支持者めいた立ち位置になっていた。)……合っていましたか。ええ、良いイメージですよ。美味しそうに食べるか、君が注文するならその点も間もなく判明するでしょう。(一度語ってしまえば、良いイメージだと印象を言い切るのに躊躇いは無い。共に卓を囲む以上、相手の飲食の様子が目に入る、それ故に判明すると真顔で対面を見つつ述べる。斯くして二人のオーダーが完了し、促されるままドリンクバーへ。選択したアイスコーヒーにはミルクもシロップも加えずに、グラスを手に席に戻る。その後、)……おお。(彼曰くのわんぱくの到着である。この重量感、これがハッピーか。ある種の感動を覚えたゆえの声が零れた。「いただきます」手を合わせてのち、パフェスプーンを手に取ったが、期間限定のハッピーなサンデーのどこから攻略したものか迷う。)
* 7/25(Thu) 01:03 * No.117
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(食べ手としては深刻であるレタス問題。問題ないと一蹴される可能性もあったが、難敵と評し攻略法を真面目に説いてくれる姿に親近感と若干の尊敬の念を抱いた。)きれいに食べる人もレタスには悩まされるし、意識してもやっぱり残るもんなんだな…。次から残っても安心できそう。俺はてりやき派。(安堵の表情で好きなバーガーもおまけに告げる。彼は何派かと目線で求めつつ。)ハッピーがネックじゃないなら律にはハマるかも。そこまで混雑しないから読書とか…勉強するのもおすすめ。(テーブルに残ったままの教材を今度こそ鞄へ片付ける。カフェ感覚の利用としてもそれなりに居心地が良いという店員談だ。食に対する良いイメージは嬉しい反面、美味しそうに食べれるかはこれからジャッジされるかのような言葉に「あんま見ないで」と笑いながら気安く告げる。好みで聞いた通りの同じアイスコーヒーの選択に、到着したシェア前提の二品。テーブルを見るとまるで仲良しである。ハッピーを前にして零れた彼の声も相成って軽く笑みを溢しながら、まずは小皿へと手を伸ばした。)律、ガトーショコラどれくらい食べたい? 半分?ちょっと?(濃厚でずっしりとしたフォルムに緩めの生クリームが掛かったそれを取り分ける準備をしながら、手を合わせた彼の一口目の感想目当てに顔を上げる。)……季節のデザートが自慢なんで。とりあえず桃を食べるのがおすすめ。(どこか迷う様子の彼に、大きめにカットされた桃から行くことで安定してハッピーの攻略が出来るとアドバイスを送った。)
* 7/26(Fri) 06:59 * No.125
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(ハンバーガーメニューの派閥が存在すると初めて知った。さて己はどの派だ、と思案の末に、「特に拘りはありませんが、しいていうならチキンでしょうか。注文することが比較的多いので」と語る。)そこまで混雑しないといっても、読書や勉強で長居してはご迷惑では?……いや、店舗側の君も実際にそうしていたのですから、問題ないのでしょうか。ところで、私が中断させてしまったようですが、勉強の続きは本日中に完遂して下さいね、宮生君。(本やノートを広げても余裕のありそうな、ゆったり使えるテーブルの天板の大きさを改めて認識する。カフェ感覚で勉強する、なるほど、この店の利用法の一つを実際に彼は行っていたわけだ。得心を乗せて頷きつつも、片づけられる教材を横目に、それが役割を全うできるよう釘を刺したがる性分。アイスコーヒーの横に注文の品が置かれた後は、)こちらで決めてよろしいのですか? えぇ、では、ちょっと、で……。(選択権を渡されると逡巡し、濃厚の名に相応しい見目のガトーショコラへちらちら視線を走らせ、シェア割合の希望を伝える声はどうしても遠慮がち。)なるほど、では桃から。(おすすめ発言に柔く背中を押してもらい、8月下旬までの期間限定という甘美なる看板を背負いし、ほんのり色づいた白の三日月型を口へ運ぶ。)……甘い。(呟きが漏れた。桃のサンデー越しにふと対面と目が合い、「美味しいです」と、さらに感想を。ごくごく真剣な面持ちで、まるで重大ニュースを告げるかのように。)
* 7/26(Fri) 23:47 * No.128
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チーズ派じゃなかった。仲間。(友人間では圧倒的支持を誇る名前が出なかったことに満足げな笑みが浮かぶ。チーズ派とそれ以外となれば随分幅を持たせた仲間意識ではあるけれど。)混雑時以外の長居はまったく問題ないですね。ハッピーな空間を提供するのがうちのモットーなんで。(社内教訓にもあるそれはお墨付きとしてアルバイトも認識している。ところで、と切り出された言葉に意識を向けてはぴたりと動きが静止した。考えるような数秒間の空白。)……本日中……じゃあ律がいないと無理だ。ええと…、(素直に受け止めて、完遂のための計画を頭で即座に組み立てる。改めて鞄から先程の教材、加えて英語プリントの束を取り出した。)これ。釘刺した以上は面倒見てもらえるんですよね、先輩。(苦手教科なんです、とややしおらしげな調子で補足は続く。一旦それらはテーブルの傍らに寄せておくとして。)“ちょっと”。了解。(ガトーショコラの分配が勤務外のハッピーイート店員の手によって行われる。大きさは全体の半分に近い1/3ほど、クリームもふんだんに乗せて無事移動を終えたら「どうぞ」と彼の方へと小皿を差し出した。桃を口に運んだ彼を見て、零れた感想に口元が少し緩む。目が合った後に改めて真面目な感想を頂戴すれば、からりと笑って受け止めた。)よかった。 それじゃあ俺も、いただきます。(分配しても尚それなりにボリュームのあるガトーショコラの一口分を掬う。「ん、やっぱ美味しい」特別なリアクションはなくとも、平時より上機嫌な表情が満足感を十分に示していた。)律、来週の日曜は予定ある?
* 7/28(Sun) 10:12 * No.132
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食べ物飲み物ばかりでなく、空間も提供と。なるほど。(ならばと、今後の自主勉強の場の候補としてハッピーイートを頭に刻んでおく。長時間利用可に適度な空調と種類豊富な飲食物つきなれば、料金分の価値はあると考える。次いで静止した様相には怪訝を向け、再登場の教材、英語のプリントの束をみとめるや、眉間の皺がぐっと深まった。)無理とは何ですか無理とは。君自身の学力を上げる為のものならば、独力で解答すべきでしょう。そもそもそのプリントの量、休み中に計画的に進めるのが前提の課題では。(ややしおらしげな調子に絆される素振りもなく、米神に指を当てて眼鏡のレンズ越しに睨む。しかし数秒の後には、観念めいた情の混ざった嘆息が流れた。)……要所を教えるだけですよ? 基本は、自分でやりなさい。(決して面倒をみるわけではないとの念押しと共に、了承を表明した。ガトーショコラの分配を受け取る頃には眉間の皺も消えている。手際が良い、シェアにおける一連の彼の動作にまた一つ印象を抱いて。美味しそうに食べる、その印象もまた正しかったと彼の表情を目で追って確信した。)? 来週の日曜日は……特に予定はありませんよ。(自身の小皿のガトーショコラに意識を注いでいた故に、若干上の空の答え。クリームをたっぷり乗せた小さな一口分を味わい、納得したように一人頷く。アイスコーヒーを一口。そうしてから桃サンデーの綺麗な面を向けてぎこちなく少し押し出し、「君もどうぞ」と。細やかなところに気が回らず、シェアのやり方は大雑把ではある。)
* 7/28(Sun) 23:24 * No.136
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律が来る前に多少頑張ったんだけどな。独学の解答は難しい。(厳しい正論に苦笑が落ちる。運動の類であればそれなりの興味が結果として伴うが、勉強面に関しては何が分からないのかも掴めない程度に苦手意識が付き纏うのだ。「小学生の頃は最終日に慌ててた」計画性はこれでも育っていると言わんばかりに小さく笑う。溜息を吐きながらも突き放しはしない彼の姿勢は想像通りでもあって、面倒見の良さに「助かります」と後輩らしく感謝の意を示した。)要所だけで十分。律が教えてくれた所はちゃんと暗記しとく。(意欲としては前向きに、教材にマーカーを引く気も満々である。)双高の屋上、花火見るのに良いんだって。バイト終わりにちょっとだけ行こうと思ってる。興味ない?(ガトーショコラを満喫する様子を眺めながら、雑談の延長として来週の予定を彼に共有する。頷く反応からお気に召したのだと解釈すれば店員としては勝利を収めた心地だ。一方で誘い文句は時間と場所、双方共に歓迎されない可能性も考えているので期待薄である。差し出された桃サンデーには「じゃあ遠慮なく」と未使用のカトラリーを用いて桃の一切れとアイスを小皿に移した。食べ切るの難しそうなら教えて、と序盤のうちに軽い調子で添えながら、大きな桃の一切れを口にしてはその甘さに頬を緩めた。)
* 7/30(Tue) 00:17 * No.140
…
小学生の頃よりかは確かに進歩ですが、もう、よくも悪くも前向きといいますか……。暗記は当然として、応用して文章を理解できるように(云々かんぬん、先輩のアドバイス兼小言。後輩の素直な態度と意欲が逆に、妙な敗北感を連れてくる。どうも敵わない感に陥って肩を落とした。話題が移ろうと、瞬きを一度。)花火? ああ、そういえば来週の日曜は花火大会ですね。(予定がないとは即ち、来週の花火大会とも無縁である。関わりなければすっかり失念していた催し事を、彼の言葉で思い出した。徐に下りたフォークと皿の出会う微かな音の後、)……誘って下さると? よろしいのですか、その、(頭を占めるのは誘われた時間帯や場所よりも、花火の単語によって引き出された夏休み直前の教室の記憶。浮かれた級友達の専らの話題はみなも神社の例大祭と花火フェスタで、友人や異性と共に過ごす一時への期待が満ち満ちていた。深那莫における年に一度の華やかな催しだからこそ、学生たちにとって価値が高いとさすがに察せた。そして、気の置けない朗らかな友人たち、可愛らしい女子、件の日にはそうした背景が彼にも似合うと思う。故に、伺いの言が出たくせに、)見たいです、花火。……なんだか友達らしく感じますね、一緒に花火見物の穴場に行くのは。(戸惑いを追い越した気持ちが唇を割らせて、解けた素直な語調。友達と共有する非日常の夜を想像すると少々ざわつく感覚は、不思議と悪くない。「すみませんが、アイス、多めに取って下さい」気恥ずかしさを誤魔化したくて不愛想な調子で放ち、俯き加減にガトーショコラをつつく。)
* 7/30(Tue) 21:07 * No.145
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暗記は出来ても応用は難しいんだよな。理解、どうやったら出来ると思う?(丸暗記以外の正攻法を知らない身からすれば、口にしたのはわりと真剣な疑問でもあった。「努力はします」と理解へ向けたアピールは欠かさないが、恐らくは彼の手助けが大いに必要となる見込みだ。花火大会を今し方思い出したかのような反応からあまり関心がないのかと判断しかけたものの、どこか戸惑いを孕んだ言葉尻が続けば視線を彼に戻して。)? どの?(何がよろしいのかと問い掛けながら様子を窺う。思考を覗くことはまるで叶わないが、それでも最終的には興味の有無に留まらない前向きな返事を聞けた以上、二人で花火を眺める予定は確定した。)よし。見に行こう。(笑みが自然と浮かぶ。生徒と教師にのみ立ち入りが許される夜の学校、人混みに揉まれる心配もない特等席から眺める景色は絶景に違いない。)“らしい”なんだ。もう友達だって。(未だに他人のような表現をするものだから、少なくともこちらの認識は既に変わっていることを主張して。「アイス多め、了解」言われた通りに追加で引き取りハッピー攻略の手助けにも尽力しつつ、来週の擦り合わせを続ける。)バイト終わったら直で向かうつもりだけど、花火の開始時間には間に合わないと思う。屋上で現地集合と学校前で待ち合わせ、どっちが良い?(穴場の共有は済んでいることだから、花火の開始時間に合わせて先に向かうか否かは彼の判断に任せるとして。ガトーショコラを早々に食べ終えては様子を見ながら彼のサンデーにも手を出して、甘味を十分に味わった後には英語の課題も待っている。ハッピーか否かはその時々の状況次第、けれど総じて謳い文句に恥じない時間を過ごせたことだ。)
* 8/1(Thu) 00:07 * No.152
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ならばまず、下手に理解を意識するよりも、暗記した語を含む例文を読みこみましょう。その読み込みの数をこなして(云々かんぬんのアドバイスをひとしきり。ファミリーレストランのポップなBGMの最中、大真面目な講義を挟みこむ。)はい、努力ですよ。努力は必ず報われますから。(やや疑うように瞼を半分下ろしたが、後輩のそれが本気の誓いであるとの前提を置き直して強調しておいた。)…。君はまた、恥ずかしげもなく……、(他人ではない、友達。関係性の主張に対し、狼狽えては変わる表情。最終的には、)……ええ、まあ……、(友達ですね。口をへの字に下げ、不承不承を羽織って首を縦にする。検討の段階はとうに過ぎ、気付かぬうちに確定していたと改めて自認を持った。彼にはそこまで打ち明けられなかったが。冷たい飲み物に加えての冷温が過剰になり、少々持て余していたアイスクリームを幾らか引き取ってもらう。)学校前で待ち合わせにしましょう。集合の時刻は?(屋上までの道程で足元が暗い可能性など考え、万が一の際はフォローし合えるようにと待ち合わせ場所を選んだ。待ち合わせの時刻は彼のバイトの事情次第なので、問いを添え。)それから。ほどほどにして切り上げるように。(不良の夜遊びにならないようにと、今さら真面目くさってまた釘を刺す。掬って口に入れたサンデーの生クリームとコーンフレークは、上品すぎない親しみやすい甘さだ。この店の信条を体現したかのような甘味に頬は僅かに緩んだ。甘い時間の後には英語の教材を挟んで、要所というには多すぎる数の指摘を飛ばす。それは勿論、容赦など無かった。)
* 8/2(Fri) 21:09 * No.155
azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth