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7/25(水):放課後 生徒指導室前【10】

(転校当初に就職するかも進学するかも進学先でやりたいことも今の俺には分かりませんで通した進路指導は、それなら期末試験の結果を見て一度話し合いましょうということに一旦落ち着いた。廊下に張り出されるタイプの試験結果報告に新鮮味を覚えたのは二日前のこと。順位表を友人らと眺め、お前意外と成績いいんだななどと軽口叩いていた折に担任教師から呼び止められた。「鵜飼君、25日の水曜日に一度進路について話し合いましょう。放課後に進路指導室に来てね」と。今回の結果は悪いものではなかったから、手の届きそうな大学進学を薦める話だろう。分かりましたと返事をして、その日の話はおしまいだった。ーそして当日、7/25放課後、無人の生徒指導室前に鵜飼はいた。閉ざされた扉に失礼しますと声かけノックしたが何の返事も返ってこず、何か用事で遅れているのかなとしばらく扉の前で待っているものの見慣れた担任教師は姿を現さない。擦り切れそうなベルトの腕時計に目を落とし、はたと気付く。もしかして、進路指導室と生徒指導室って別の部屋なのか。転校前に通っていた古ぼけた校舎には進路指導室はあったが、生徒指導室は存在していなかった。築五十年を超えた公立校の校舎とは違い、私立校だけあって校内設備も充実しているようで、指導室と名の付く部屋が少なくとも二つは存在しているらしい。しかし、今回ばかりはその広大な敷地が災いした。進路指導室がどこにあるのかさっぱりわからない。高三にもなって校内で迷子になりましたとは情けない話だが、背に腹は変えられない。次に姿現した人物が顔見知りであろうとそうでなかろうと声かけるしかない。姿が見えた人物にちょっと遠くから声かける。)あの、今少しお時間ありますか?(新興宗教の勧誘かナンパの誘いのようになってしまった。初手の声かけを誤っている気もする。慌てて声掛けた目的を付け加える。)道に迷っちゃって、進路指導室ってどこにあるか知ってる?
* 7/11(Thu) 12:51 * No.1

(制服と同じ色味の生地、アクセントカラー、それからロゴ。双鏡学園の関係者だと一目でわかるよう作られた作業着は不審者扱いされないためには大変有効である一方、小柄な青年には良いことばかりでもなかった。遠目から見た後ろ姿は小間使いにちょうどいい下級生に見えるらしく、教師に呼び止められることも多々。大抵振り向けば勘違いに気づいてくれるので抱えるのは少々の気まずさだけで済むものの、断り切れない性格ゆえに時たま面倒事に巻き込まれることも。用務員という名前からして、誤解が解けたところで雑用係として扱われることも少なくなかった。──用務員室へ向かう途中、2階の廊下で呼び止められたのは職員室にほど近い場所。嗚呼またかと理解は早く、自分以外に振り返る者の気配がないことを確認してのち、)えっと、おれですか?(今日は何を頼まれるのやら、と振り向いた先、予想外に瞬いた。)…え、迷子?(そこには学園案内のパンフレットから抜け出たような好青年。体格からして高学年のようだけれど、道に迷うということは意外と大きな1年生?)…や、進路、指導室……ってことは、やっぱり3年生?(驚きのあまり思考の続きが口からもれた。だったらだったで変な話だと思ったが、自分のように地図が読めない類の人間は少なくない。状況の整理がついたらついたで困ったように眉を下げて、)悪いけど、おれも行ったことなくて……(力になれないこと詫びるさなか、「あ、でも」と思い出す。)なんか、指導室って名前の部屋がいくつかあった気がする。ちょっと待って……(そして地図を探すより先に記憶をたどる。過日、校内を案内してくれた事務長の声を再現するようにぶつぶつと呟く姿は、お目当ての段を一発で思い出せなくて九九を一の段から数えだす子のように。)たしか2階…にもあったはずだけど、きみが此処で迷ってるってことは、この階のは違った?
* 7/17(Wed) 00:12 * No.2

(通りすがりの人物が足止めてくれた喜びと、小柄な体格が纏った制服によく似たカラーリングに惑わされ、思わず敬語なしの問いが転がり落ちたのに今更気付く。きっと彼は自分より年上で、この校内で生徒たちのために働く人だ。慌てて荷物拾うみたいに誤魔化すように敬語に切り替える。)そう、迷子です。言い訳なんですけど、俺今年転校してきたばかりでまだ校内のどこに何があるか分からなくて、(正直に自白し始めれば、羞恥はみるみる萎んでいった。目の前の青年の誠実そうかつ年があまり離れていなさそうな風貌に安心感と親近感を抱いたせいもある。学年問われて三年生ですと頷いたのち、)すみません急に呼び止めて、もう少し自分で探して(詫びの言葉に頭を下げようとして言葉が止まる。心当たりがある様子なのを、固唾を飲んで言葉を待つ。ゆっくりと記憶を辿ってくれるのも実直な性格を表しているように見えた。)ええ、この階にあるのは生徒指導室で、声をかけたんですが、誰もいないようでした。他の指導室の場所にお心当たりはありますか?なければ、校内地図があるような所を教えていただけるだけでもありがたいんですが、(自分で思っているより焦っているのか、話すペースがいつもより速くなっているのに気が付けば、すみませんが最後にくっついた。)
* 7/19(Fri) 22:22 * No.5

(彼の抱いた焦りや羞恥を知る者は此処にはいない。年下を従えた経験がないせいか、そもそも落とし物には気づいてすらいなかった。)転校生…(なるほど。一つのことに気をとられると他が見えなくなる性質であって、理解を顔に浮かべる頃にはその立派な体躯と迷子が結びついてああすっきり。けれども新たな問題が浮上する。他人事ながら聞いてしまったからには当事者のような顔をして、探る記憶の中に複数存在する指導室。そのうちの一つは空振りだったと知れば、)…そっか。(生徒指導と進路指導では前者の方が幅広い用途で使われる。それが2階に存在することに納得したのち、)じゃあ、(用途が限られる後者はきっと、)進路指導室は上の階かも。(ひらめいたとばかりに呟いた。と、そこに重なった「すみません」。穏やかな彼の口調に威圧感はないものの、切迫の色に気づけば謝罪には小さく首を振って、)や、こっちこそ。急ぎだもんな。ごめん。ええと、ちょっと待ってね。(指導室に用があるということはおそらく呼び出しを受けたのだろうと、遅まきながら察して眉を下げる。それから少し慌て気味に二の段を飛ばして三の段、心当たりの六の段を心の中で呟けば、)うん。やっぱり3階と、あと6階にも指導室っぽい響きの部屋があったと思う。(やはり曖昧さは拭えないものの、できうる限り情報の精度を上げて。)でも確実じゃないから1階の……きみが使ってる昇降口じゃなくて、来賓とかが使う入り口の近く。事務室とかある…わかるかな。多分あそこに大きな地図があった気がするから、そっちに行った方がいいかも。(とはいえ結局はそれが一番確実だろう。大して役に立てなくてごめん、と再び眉を下げて笑った。)
* 7/20(Sat) 23:00 * No.6

(疑問が氷解したような表情見れば、こちらの空気もやや緩んだ。被ってしまった「すみません」に、もう一度謝罪を繰り返す。言われた通りにその場で口閉ざして待つうち、記憶辿ってくれる様子に膨れ上がった一方的な焦りが小さくなるのを感じる。曖昧ながらも答え得られれば、小さく感嘆の息が漏れた。)すごいな、地図なしで全部の階のことを覚えてらっしゃるんですか?(校内で働く人ならばもしかしたら当たり前のことなのかもしれないけれど、頭の中にマンモス校の敷地内のことが全て頭に入っているのだとしたらそれは賞賛すべきことだと思ったし、そうでなくても各階にある教室を思い出すとっかかりみたいなものが頭中に存在してるだけでもすごい。霧の中を歩くみたいなもやもやした気持ちはすっかり晴れていた。)色々教えていただいて、ありがとうございます。お話しているうちに、なんとなく進路指導室なら3年の教室の近くにあるんじゃないかな?って思えてきました。なので、まずは6階をあたってみて、見つけられなさそうなら一度1階で地図を見てみようと思います。(悠長な選択取ることにしたのは、そもそも己は進路を指導されることに全然乗り気でないのだから、寧ろ遅れて行く方が得策であると気付いたからである。纏う空気から焦りが完全に消える。なんとなく抱く親しみから、次会ったら名前を呼んで挨拶したいなの欲が生まれる。)俺、3年の鵜飼と言います。差し支えなければ、お名前をおうかがいしてもいいですか?
* 7/27(Sat) 12:59 * No.9

ま、まあ……おれ、地図読むのが苦手でね…、覚えた方が早いから。(予想外に純度の高い感心を目の当たりにして口ごもる。便利な世の中には代替物がいくらでも。そんなに時間をかけて思い出すくらいなら地図を見た方が確かだろうとか、検索した方が楽だろうとか、そういう言葉に慣れていたので。曇りなき称賛に照れくささを滲ませつつ、丁寧な謝礼にはこちらの方が恐縮して「いや」と頼りない右手を胸の前で曖昧に振った。)たしかにそれなら6階が一番可能性高いかも。(論理的な思考と落ち着いた口ぶり。いつの間にか焦りを落ち着きと引き換えたように余裕に満ちて見えるのは、自分に気を遣わせないためだろうか。だとしたらよくできた子だと改めて感心し、ならば一刻も早くお役御免となるべくその場を離れようと思ったのだが、)え、と…どうも、用務員の昼神です。(それでははいさようならと相成らず、二度目の予想外に瞬いた。こんな時、教師相手にだって礼は言っても自己紹介などしないだろうに、一介の用務員相手に礼儀正しい子だなと思う。思わずぺこり、小さく会釈もつけてしまった。)あー…じゃあさ。おれ、あとで3階に行く用があるからさ、もしうかいくんを探してそうな先生がいたら、きみは6階に行きましたって伝えといてあげようか?(ついでにもうひとつ親切がしたくなって。しかしそう言ってから、)や、だったら3階にあったよって教えてあげた方が早いのか。(考えなしの提案を撤回。)でも3階と6階じゃ教えに行く間にすれ違っちゃう可能性もあるよな……(とはいえ一瞬でワープできる姿見も此処にはないし、と思案は続く。一瞬で二人を繋ぐ便利な代替物が尻ポケットに入っているのを忘れたまま。)
* 7/27(Sat) 22:48 * No.10

俺は「地図を見た方が早い」タイプなので、俺達そこは正反対ですね。(褒めの勢いが良すぎたかもと、会話の切り口を少し変えてみる。でもこれも目上の人にはやや軽口が過ぎたかもしれない。なぜだか距離感をやや近めに測ってしまっている節がある。唐突に挟んだ自己紹介もちょっと馴れ馴れしすぎたかもしれなかった。こちらもつられて頭下げたので会釈の応酬。仕草がどことなく近所のゴミ捨て場での井戸端会議めいた。思いがけない申し出には瞬き一つの後、破顔する。)そんなことまでありがとうございます。俺を探してらっしゃるとしたら3-9の担任の佐々木先生なので、先生にお会いできたら6階に向かったとお伝えください。(起こり得そうなすれ違い問題には、解決策の心当たりがあるため、ズボンの右ポケットに入れたスマートフォンを取り出す。もしよければなんですが、の前置きは、用務員さんが一介の生徒相手にそんなことまでしてくれるだろうかと躊躇い含んでいた。)俺と連絡先交換してもらって、もし昼神さんが3階で佐々木先生見たよ!とか、3階に進路指導室があったよ!って分かったら、メッセージを送っていただけますか?……もし規則でそういうことをしてはいけないと決まっているようでしたら、断ってくださって構わないんですが。(学校関係者が同性といえど生徒相手に個人的な連絡先を教えてはいけないだとかそういう事情もあるかもしれないし、そもそもの話として自分相手に個人的な繋がりを持ちたくない可能性もある。無理かもなの不安が断る建前の理由までくっつけさせた。)
* 7/28(Sun) 21:41 * No.12

(先日の彼といい眼前の彼といい、昨今の高校生の距離感には驚かされる。ただ、先日の一件がそうであったように、彼らはけっして年若い用務員を軽んじているわけではないのだろう。疑心暗鬼から解放された今、見開いた目はすぐに柔く細められ、打算なく差し出された親愛を面映ゆくも謹んで受け止める。そうでなくとも品がよく、人が好さそうな彼の前には警戒心の強い野良猫すら腹を差し出すに違いなかった。)サンキューの…ささき先生、ね。うん。了解。(差し出したらちゃんと手を伸ばしてくれそうな安心感が彼にはあった。厚意を好意で返すことにも慣れて見える。そのうえ連絡手段の問題までスマートに解決されれば感心の在庫が尽きてしまうほど。こちらの立場を慮る逃げ道をありがたく思う一方、生徒と個人的な関係を持つなという規則はなかったはずと思い返せば、一瞬のためらいののち頷く代わりに同じくスマートフォンを取り出して、)うかいくんがいいなら、そうしよっか。人助けだし、おれも怒られたりしないはずだよ。(迷子の転入生を助けるためという大義名分があれば叱られる心配もないだろう。彼は教師受けもよさそうだし、とは楽観的な考えか。少なくとも連絡先を知られて困るなんて発想はなく、)で、メッセージって、このリンクスっていうのでできる?(殺風景なメインホーム画面を披露する。其処に並ぶアイコンは全部で5つ。右上に電話、左上にカメラ、右下に設定の歯車、左下にアルバム。そして最近追加されたばかりのLINKSのアイコンが中央に。昨今、高齢者だってもう少しスマートフォンを使いこなしているだろうに。)電話番号教えればいい? それで友だちになれるって聞いたんだけど。(検索だなんだと難しいことはわからないが、電話番号なら言えと言われればすぐに諳じてみせよう。)
* 7/29(Mon) 00:33 * No.13

(鵜飼にとって慎重さと人懐っこさは両立しうるものであり、連絡先の交換で見せた躊躇いや逃げ道もまさにその二つが含まれてのものだった。取り出されたスマートフォンに少しだけほっとする。断られてもそれほど気にしない性質ではあったが、申し出を受け入れられるのはやはり嬉しい。)ありがとうございます。俺のせいで昼神さんが咎められないのならよかったです。(礼を言いつつ、見せてくれた画面を覗き込む。至極シンプルなホーム画面からは、歳が近そうなのにあんまりスマホを使っていないのかなという印象を受けた。問いかけにそうですねと頷く。)リンクスでやりとりするのが一番手軽だと思います。電話番号 で、登録はできますね。教えていただけますか?(ちょっとだけ間があったのは、普段連絡先の追加に使うのがコードの読み込みだったためと、先日連絡先交換した友人の電話番号はそういえば知らないなと思い至ったからだった。教えられた番号で検索し、『ひるがみ』という名のアカウントを友だちに追加する。家族以外で働いている人が友だちリストに加わったのは初めてのことだった。トーク画面を開き、お願いしますを言うひよこを送る。)今スタンプ送りました。鵜飼ってアカウントが俺です。鵜を飼うって書く漢字のやつ。(滞りなく連絡先の交換が済めば、スマホを手にしているくせに腕時計に目をやった。授業が終わってからはそこそこ時間が経っており、できたら担任教師が自分との約束を忘れていたらいいなと思えるぐらいの頃合いだった。)
* 8/3(Sat) 22:32 * No.15

(何の気なしに言ってから、「友だちになれる」という言葉の強さにちょっと慄く。もちろん『友だち』なんて便宜上の呼び名に過ぎないのだけれど、それゆえ一瞬の間を恐れてしまった。ぱちり、とゆっくり瞬いて。)…う、うん。えっとね。(だからこそ彼が頷いてくれたことにほっとして、電話番号を諳んじた。スマートフォンは彼にとって身近な道具なのだろう。迷いなく数字を打ち込むその指をぼんやり見つめていたら、あっという間に二人のアカウントは『友だち』に。ぴこん、とまだ耳慣れない音に導かれて最新の通知をタップすると、青いトーク画面が広がった。そこにはかわいいひよこが一匹。)これがスタンプ…(噂の、と呟いたのち、同じく画面の片隅に表示されていた難しそうな漢字の正体を知って頷いた。)これでうかい、って読むんだね。「う」って鳥の? あ、だからひよこのスタンプ?(うかいくんは鵜飼くん。頭の中で音と言葉の意味とが結びつけば、お礼とばかりに「おれのは昼の神様で昼神」とそのまんまの漢字を教え、迷った末にスタンプを一つ画面に放る。ぴこん、の後にお揃いのひよこ。同じものを選んでおけば間違いはないだろうから。そうしてスタンプの真下に目を遣ると、)あ、もうこんな時間か。じゃあ、このあと3階に行ったら連絡するからね。6階が正解なら一番いいんだけど。(慌ててスマートフォンをしまい、彼の運の良さを願って別れを告げた。──その後、答え合わせのトーク画面にて。はじめに送ったのは号泣するひよこ。それから『3かいはしりょうしつでしま』と、慌てていたのか最後の誤字はそのままに。指導室ならぬ資料室。つまり3階はハズレだったのだから残るアタリは彼の行き先にあるはずだが、──さて。彼からはどんなメッセージが届くだろう。正解ならしばらくは進路指導とやらで忙しいはずなので、気長に待つことにして残りの仕事を片付けようか。トントンと、階段を下りる足取りは軽く。)
* 8/14(Wed) 00:45 * No.24

(新しく増えた『友だち』は、どうやら本当にこの手の連絡ツールにも不慣れであるらしい。噂の、とそうですそうですの気持ちで復唱する。名字に含まれる鳥の名については頷いて、スタンプについては曖昧に否定することになった。)そうです、あの魚を獲る鳥の鵜です。ひよこは、  かわいいなと思ってなんとなく選んだだけなんであんまり意味はなかったんですが、言われてみると鳥つながりですね。……温泉ぽい名字だ。昼神温泉ってありましたよね。(頭の中で漢字なぞってみての連想をそのまま口にして、上下に並んだひよこを見やる。揃いのひよこは送り主たちに先んじてもうすっかり『友だち』のようだった。ちょっと緩んだ口元引き締め、さっき見たくせに再度時計に目を落とす。道に迷っていましたの言い訳(真実ではあるのだが)で切り抜けるにはギリギリの時間だ。もう一度丁寧に頭を下げる。)ご面倒おかけしてすみません。よろしくお願いします。……じゃあ、また。(連絡も取り合うだろうしの意図でくっつけた、これきりでない別れの挨拶と共に軽く会釈して階段駆け上がる。一段飛ばしで向かった六階、毎日通う3-9の教室の真反対、3-1を通り越した隅っこにポツンと進路指導室は存在した。ポケットの中で震えたスマートフォン見て、ありがとうございますを言うひよこのスタンプ一つ送り扉をノックする。待ちくたびれた担任教師に謝罪と遅刻理由の説明した後、それじゃあ座ってと促されたものの担任の口ぶりは精彩欠いた。すっぽかしたっていいなと思っていた進路指導は、結局進学先についてもう少し真剣に考えてみて程度の説諭で終わり、次の試験の結果を見てまた話し合いましょうで締めくくられる。思いがけず短時間で解放され、階段向かう途中にスマートフォン覗いてトーク画面立ち上げる。少しの逡巡の後、結局はポケットに再びスマホは突っ込まれることになった。ひよこの下に連ねる文章考えながら帰路につく。)
* 8/15(Thu) 23:09 * No.27


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