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2/24(日):14時頃 深那莫中央駅西口前 >彰虎

(名著と呼ばれる書籍を読み漁った時期に、物語に没入する感覚を知った。没入するからこそ別れは寂しいもので、鏡の国を旅した少女が現実に帰還し終幕を迎えた折にもそう感じた。マンゲツの指が鳴り光が満ちたあの瞬間を経て、後日、真夜中の鏡合わせを試してみてもただ己の姿が映ったのみ。まるで物語のような理想の世界の終焉にもまた、あの鏡の国の童話の終わりに似た寂しさを抱いたが、此度は本の中の出来事ではない、紛れもなくほんとうの出来事、自分自身の経験だ。あの世界の人物たちは今も生きている――だから、寂しさ以上に未来へ向けての喜びが勝った。現実においてはさらに即物的な楽しみも増えて、受験勉強の息抜きにと恋人を誘い、短時間ながらも学校帰りにコンビニに立ち寄って肉まんを頬張ったりなどした。表情にあからさまには出さなかったものの、熱い肉汁の旨味に対しての感激は恋人には悟られていたかもしれない。――2月24日。入試の結果、第一志望の合格については、先日、LINKSにて報告済みである。休日とあって、目下のところ、駅を出入りする人波もそれなりのもの。妨げにならないよう人の流れから少し距離をとり、佇んでいる。予定の買い物は勿論、久方ぶりに彼と充分な時を味わえる期待感で、指先や目線はそわそわとして落ち着きがない。コートにグレーのマフラーの出で立ちに、肩から斜めにかけたボディバッグ。時刻を確認しようとスマートフォンを持ち上げかけて、待ち人の姿を見出したら自然とほのかな笑みが浮かんだ。)宮生、君。こっち。(呼び方は未だ、人前では据え置きだ。)
* 10/5(Sat) 11:09 * No.149

(夢のような日々は終わりを告げて、残ったのはあたたかい思い出の記憶と現実だけ。夢を通した経験が今の自分を形作り、前を向けたことが宮生にとっては大きかった。何よりもあの夢は自分ひとりが抱える曖昧なものではなく、同じ夢として共有できる恋人が現実として傍に居てくれたから、寂しさはそこまで大きく膨らまなかった。受験勉強の合間にと寄り道の定番をなぞる時間はしっかりと満喫して、人目がなければ“充電”としてほんの短時間でも指先や背中に触れたがっただろう。彼から受けた合格の報せには言葉とスタンプでしっかりとお祝いと労いをした後に「こういうやりとり、電話でしたいんだけど」と構われたがりのリクエストを添えたことだ。ともあれ晴れて受験を終えた彼と過ごせる時間は楽しみで仕方なく、待ち合わせ場所でその姿を見付けては自然と頬が緩んだ。)律、おまたせ。ごめん、結構待たせた?(もっと早く来ればよかったと告げながらも、気兼ねなく一日を過ごせる嬉しさが上回って表情は嬉しそうなままだ。左手に提げた小ぶりな紙袋を彼の前で軽く持ち上げては、「チョコ、帰りに渡すでいいかな」道中は荷物になるだろうからと一応は尋ねつつ、中身はLINKSで告げたバレンタインのものだと伝わるだろう。とりあえず歩くか、とモールに目を向けて。)あと聞きたかったんだけど、引越し先に必要なもの、もう結構揃えてる? ちょうど今日欲しいもの見つけたら、それは合格祝いとして贈りたいんだけど。(クリスマスプレゼントとは別口で、新生活を彩るものがあればとの提案だ。さらに一年先の春では宮生自身も実家を離れる想定をしているから、お揃いにできるものがあればとの下心もわりとあった。)
* 10/6(Sun) 23:49 * No.152

(独特のくすぐったい感覚、その一方で身体の中心は高鳴り僅かな痛みすら感じる――それが青年にとっての“充電”で。この程度であれば学生の交際として問題ない、少しでも彼を満たせるならば喜ばしい、と受け入れては、直面するとつい赤面してしまったりと挙動不審も度々呈した。触れ合いの回数を重ねるうちに、少しずつ慣れるのだろうか。この感覚の鮮やかさはいつまでも不変の予感もするが。合格報告に返された彼のメッセージを読めば、先立つは生真面目な気質、なるほどSNSのみで重要なやりとりを済ませるのは失礼だったかなどと、明後日の方向に納得をした。)いえ、こちらの到着が早すぎましたので。待っていた時間は、5分くらいです。(お気になさらずと伝える。嬉しそうな表情に感化されて、また胸に募るくすぐったさ。「え、えと、はい……」 紙袋に目を向け、頷きを返した。LINKSで話題に上るまで、想像もしなかった彼からの2月のチョコレート。また一つ特別が増え、はにかんだ笑顔を向けた。そうしてから視線につられたように、モールへと足を踏み出そう。質問を受け、少し考える。引っ越し先の物件の話は進んでおり、家電などの手配も順調、あとは……。ちらり、と彼を見やった。)基本的な物は揃っていますが。住まいの居心地をよくする物、が、まだ足りないかと。無理のない金額の品ならば、合格祝い……嬉しいです。(これまではさほど意識しなかったが、恋人を招く事も視野に入れるとなればある程度は彩りのある居心地の良い場所にしたい。普段であれば素通りするだけの店舗たちが、どこも煌めいて胸躍る場所に映る。歩みつつきょろきょろ見回しては、「どこからにします?」とやや浮かれ調子で尋ねた。)
* 10/8(Tue) 19:51 * No.155

(クリスマスに次ぐ定番の行事として、チョコレート探しを今年は満喫したものだ。今の時期は早速ホワイトデーの販売に切り替わっているため、後日チョコを見に行きたいの名目でまたデートの機会を目論みつつ、はにかみを受けてこちらも頬を緩ませた。引越し準備は計画的、部屋の雰囲気はシンプル、との想像はそこまで的外れでもないようで、“住まいの居心地をよくする物”と聞けばひとまずインテリアショップが候補に浮かんだ。)無理のない金額の基準、律が気負いしない範囲で選んでくれると俺も嬉しい。律の家に持って行ってくれるだけで嬉しいし。(お祝いとしての贈り物は喜んでもらうことが一番の目的だから、ラインに関しては彼に託してしまおう。歩み始めた彼は普段よりすこし浮ついて見えて、その様子がかわいいから小さく笑みを漏らしながら「こっちがいい」と特定の店舗に導くよう軽く指をつかまえて引っ張った。あそこ、と示した先は雑貨類やラグにクッションカバーが豊富に揃ったインテリアショップで、指を解いてはそのまま店頭に展示されているクッションの傍に寄った。時期的にもこもこふわふわとした温かいデザインのものが多いらしい。)居心地が良いで浮かんだの、俺はこういう系かも。くつろぐのに良いし、かわいいし。律はどういうイメージで考えてる?(機能性を兼ねるものか、部屋に置く小物の類のものか。いずれにしてもある程度の品揃えを期待して立ち寄った店舗だから、彼の好みの系統知りたさに「軽く見てこ」と店内に誘った。)
* 10/12(Sat) 06:58 * No.159

(気負いしない範囲との提示には、「それもそうですね、わかりました」と承諾を込めた真面目な首肯。歩む間に僅かばかりずれたバッグの位置を片手で直す所作をしてから、指先に触れた体温にほのかな熱が灯る。引く力に導かれ示されるまま進行方向を切り替え、移動先にて視界を賑やかす商品たち。見回しの繰り返しに次いで、陳列されたクッションの前に彼と爪先を並べた。)物としては、私もクッションやラグマットを思い浮かべていました。あたたかそうな物が多いですね。(クッションの並びを眺める。いかにもふわふわもこもことした見た目は、冬場にも真価を発揮しそうだ。肩を並べて店内へと進み、少々の逡巡の素振りを経たのち、やはり気になるとばかりに視線ごとクッションに惹かれた次第。「クッションにします」と彼に告げた。通りかかった店員へ「少し、触ってみてもよろしいですか?」そう声をかけ許可を得ると、歩み寄ってクッションを控えめに撫でる、表面を少しだけ押してみるなどの行動。その様相はなんとも真剣であった。)全体にふんわりしているのも良いのですが、柔らかいながらも芯のほうは感触がしっかりめなのが好みですね。寄りかかりやすくて。(「君は?」と彼の好みを問いかけた裏で、どうせなら二個購入してしまうのも悪くないかと思考する。己の好みに該当する感触は幾つもあったが、)色や形も、色々とありますね……、(眉宇を寄せ、顎に指をあてがい、そこでまた迷いをみせた。)
* 10/12(Sat) 17:53 * No.160

(居心地を良くするアイテムとして思い浮かべた方向性は重なっていたようで、「やった」と軽い調子で小さく笑う。店頭のもこもこふわふわは見た目と手触りから単純に惹かれるものの、季節感に寄った雰囲気が否めないのは確かだろう。クッションにするとの決断に了解と声を重ねて、色や形、素材の異なるラインナップを前に真剣に吟味する彼を見ては、こちらも好みのクッションを見物しつつ。)家具の配置とかもある程度決まってる? 律の新しい部屋、どんな感じで考えてるのか知りたい。(好奇心多めで、少しでも想像の解像度を上げたくて問い掛ける。LINKSのやりとりから新居にお邪魔する、もとい荷解きの手伝いをすることは確定しているつもりなので、部屋を彩るクッションはどんなものが似合うのかの想像もしてみたいのだ。固さとしての好みを尋ねられては、彼の方へ顔を向けて「俺も」と楽しげに同意する。)全体固めじゃなくて、柔らかいけど芯のあるほうが好き。あと、手触りの良いカバーにして近くに置いたり抱き締めるのも落ち着く。(ちょうどそのタイミングで手触りも好みのものを探し出しては手に取った。ボアフリースで無地の淡いブラウン、口にはしないがテディベアのようなイメージを抱いたそれを「こういうの」と彼の胸元に押し付けてみる。抱き心地は折り紙つきだ。)良い固さのクッションの中身と、カバー幾つか選んでみる? 今日は通年と冬用で、次は夏用素材のを見に行くのも楽しいと思うし。(色に関しては複数のカバーを持てば気分で変えられるだろうしと提案しながらも、「好みの形のとか見つけた? 一目惚れしたらそれにするべき」と彼の“好き”に触れたがるよう、悩む時間にはいくらでも付き合う気だ。)
* 10/13(Sun) 18:16 * No.162

家具の配置……、(瞬いて呟くと、入居予定の1dkを改めて頭の中に描き確認する。)よくある大学生の一人暮らしのスペースで、物はそう多くないはず……です。(壁際にベッドと机、チェストと本棚、中央には小さなコーヒーテーブル、それと数少ない趣味の物として新品のオーディオ機器も。主な物はそれくらい、部屋のイメージを口に上らせては並べた。)今回のクッションは、テーブルの近くに……、(なるのかなと、室内の未来のイメージも広がってゆく。クッションの固さの好みは、二人とも同じようなものらしい。なんとなしか込み上げた嬉しさを押し込めて平静を纏おうとしても、結んだ唇の端は綻んでしまう。)クッションカバー、ですか。……気に留めたこともありませんでした、そういった物は今まで母親任せでしたから。でも、これからはそうもいきませんね。(クッションを抱きしめる彼を想像の中に描く一方、そのような習慣も話して貰えることにまた嬉しさが重なる。今後は一人暮らしだ、物品のカバーの用意も取り換えも自分自身で行わねばならない。彼の言葉から一人暮らしにおける気付きと、実感を得る。少しだけ落ちたトーンに、微かに心許なさも混じるが。押し付けられたクッションを片腕に抱き、手触りを探った。)はい、そうしましょう。中身は……これにします。(ひとしきり吟味した後、好みの固さの一つを選び出した。大きさは両腕の中に収まる程度、形状はシンプルな四角。続いて、近くで主張していたクッションカバーの陳列をつくづくと眺め始める。)カバーのデザインは、柄のない単色が好みです。手触りや素材は、異なる複数の物を買おうかなと。それから……あの、ひとつでは物足りないので、これも。(押し付けられて以降、持ち続けていた淡いブラウンのクッションを示した。)
* 10/14(Mon) 20:12 * No.163

(紡がれていく家具を頭の中で思い浮かべる。物は多くないと告げた通りにシンプルな部屋を思い描いたが、そこにオーディオ機器が加われば「お、」と声が弾んで、無意識のうちに頬が緩んだ。)気に入ったの見つけた?(念願であろうそれが彼の生活を彩っていくことを考えると嬉しくて、音楽機器には詳しくなくとも聞きたがる。春から新しい環境での新生活を迎える彼にとって、色んな懸念の実感が伴うのはおそらくこれからなのだろう。僅かにトーンが落ちた声を聞いて、まだ同じく“子ども”である男は彼に笑いかける。)一人暮らし始めたら、親に感謝することいっぱい増えそうだよな。(特に慣れない頃の暮らしは大変そうだから、春の間は彼の様子を特に気にしてしまいそうだ。)いっぱいいっぱいになる前に俺も呼んで。ならなくても、会いたいから呼んでもらえると嬉しい。(多少の家事手伝いなら役に立てる自負もあるので、不安になる前に甘えて欲しいのは恋人としての性だろう。吟味の末に彼が選んだクッションに手を伸ばして、軽く掴んだ感覚で「俺も好きな感じだ」とそのまま商品を引き取った。単色、と彼の好みを口でなぞりながら無地のカバーがある一帯に目を向ける。)濃いのと淡いのだとどっちが好み?(黒や紺、原色に違い色合いと優しい色合いの中からどれを選ぶのか興味深く観察するつもりで。それからと続いた言葉に視線を彼に戻せば、押し付けたままのクッションを示す姿にくしゃりと笑った。)俺用? 律の?(もしくは両方になるだろうか。心地よい手触りとして選出したお気に入りを選んでもらえたことが嬉しくて、ご機嫌にそちらも引き取るつもりだ。)
* 10/16(Wed) 06:49 * No.165

(オーディオ機器へ言及を受け、こころなしか勢い込んで眼鏡のフレームの位置を直したりしつつ、)は、はい。限られた環境、予算で、出来る限り気に入った物は揃えました。ま、まあまあ楽しめる音質は保証されているはずです。(どうしたってそわそわして弾む気持ちは、声音にも態度にも漏れてしまう。新生活にあたっての大きな楽しみの一つでもあるから。)……そうですね。(家事も、色々な手続きも。初めてのぞむ諸々を重ねるほど、己が恵まれていたことが浮き彫りになりそうだ。心もとなさが神妙さに塗り替えられ、眉を下げた微苦笑の頷きを返しそれから、ゆっくりと彼の申し出を落とし込む。)ありがとうございます。いっぱいいっぱいになりそうでしたら、助けを求めますね。とはいえ今まで手を出した経験のないことに挑戦するのに少しワクワクもしています、料理ですとか。――節度は弁えます、が。会いたくなったら、そのときには……お願いします。(それなり失敗を仕出かしそうだ、真面目に分析しながらも未知への挑戦のワクワク感、そして少しずつでも己の技術を増やしたい意気込みもあり、前向きな空気は損なわれない。求めることも求められていると彼と過ごすうちに理解した為、節度を保つ前提の上でぎこちなくも素直にお言葉に甘える。選んだクッションはスムーズに彼の手により引き取られていた。)濃いのと淡いの……。ビビッドな色合いのほうが好みですね。(「このような」と手に取ったクッションカバーの色はワインレッド、それからロイヤルブルー。さらに通気性の良い素材や、フェイクファー生地のカバーも腕に重ねてお買い上げの構え。促されるままに渡した彼のお気に入りを目で示し、)両方になれば良いなと。よければ宮生君も使って下さい。君の好みのクッションカバーはあります?(両方用のクッションに使用するのでも良し、それでなくとも彼好みの物をもう少し持っておきたくて。会計の前にもう一枚と、様々なカバーを指したり広げたりして尋ねた。)
* 10/17(Thu) 03:16 * No.167

(修学旅行の夜に彼が紡いだ言葉がずっと残っていたから、“気に入った物”として機器を揃えた嬉しげな様子は見ているだけで表情が緩む。心が満たされたような心地で、「よかった」と笑顔を返した。)料理……、律はレシピを完璧に忠実に守るのか、臨機応変にアレンジする方なのか気になるかも。一緒に作ってみたい。(前向きな彼の言葉からさらに想像を広げつつ、今後様々な経験談を聞けるであろう楽しみがまた一つ増えた。彼の家にお邪魔した際に出来ることは今よりも自由度が高いだろうから、のんびりと二人で過ごせる時間も、例えば一緒に食材を買いに行くことも、楽しそうな未来としてつい思い描いてしまう。まだ慣れていない様子ながらも言葉にして甘えてくれた彼に「いつでも」と返した返事は、軽いようで本気のつもりだ。彼が手に取るビビットカラーに新鮮な気持ちになりながら、順調にカバーが重ねられていくペースを見るにどれにするかの悩みからは抜け出した様子。却って自分好みを尋ねられると今度はこちらが吟味する番でもあって。)じゃあ、俺がいるときは使わせて。好みは結構……真逆なほうだから、もしかしたら浮くかも。(目が惹かれるのは淡いほう、あとはかなり手触り重視。好みを口頭で伝えながら彼の指すものに目を通していくけれど、最初に渡した系統に近いものに惹かれがちである。シェブロン柄が立体的に浮き上がったデザインのふわふわしたカバーを見つけては、淡いグレーのものに手を伸ばして「こういうのが好き」と広げて見せて、一方で部屋のイメージが崩れないかの懸念から「いい?」と反応を窺った。また別の店舗で見る機会もあるだろうと、この店での買い物は一旦締め括るつもりで抱えたクッションとカバー類は合格祝いとしてお買い上げ。やや嵩張る紙袋もまだまだ買い物の支障にはならないから、荷物持ちとして受け取りながら満足げに店を後にすることだ。)いい感じに決まってよかった。次は…雑貨屋のほうかな。行きたい感じのところある?(希望があればと問い掛けはするが一先ずは雑貨の多いフロアへ移動となるだろうか。)そういえば、アクセサリーなら何が欲しいのか気になる。(LINKSにて“そんな感じ”と否定はされなかった系統について、好奇心から問い掛けてみた。)
* 10/18(Fri) 07:09 * No.169

恐らくは、分量も段取りもレシピに忠実にすると思います。アルバイトの業務の関係上、君は調理も行うのですよね。でも仕事ではなく、プライベートではどのように料理するのか、何を作るのか、なども気になります。ふふ、そうですね、この方面に関しては宮生君に学ぶべき事柄も色々とあるのでしょう。一緒に、ですと有難いです。(まずは基本を守って作る、アレンジするにしても土台を自分のものとしてから。その思考は勉強法などと同じ。知りえた彼の像を基にしたら、キッチンに立つ姿は想像に容易い。されど想像を深めようと試みれば、彼の日常がもっと知りたくなってしまうし好奇心が芽吹く。一つの料理の完成に二人で漕ぎつける未来を描けばまたワクワクが積み重なる一方で、くすぐったさも口許に零れた。)わかりました。君用のカバーはいつでも綺麗にしておきます。いえ、緩急の付く配色になって、むしろよろしいでしょう。(美術面のセンスに自信はないけれども、殺風景よりなシンプルな部屋の濃淡の彩りは魅力と感じた。それに何よりも、恋人の好む物が自室に存在するそれ自体が喜ばしい。確かな承諾とともに、浮き上がる柄にまた一つ彼を知ってその一枚を引き受ける。予想以上の品数の購入となったので支払いの折半を主張し、クッション本体はお任せしたが、せめてカバーの分の荷は自身で持ちたがった。雑貨を扱う店舗の集まるフロアに移動すると、ショーウインドウ越しにあちらこちらへと目を走らせ、)ここ、なかなかの品揃えですね。(一つの雑貨店の前で足を留まらせ、控えめに手招き。)アクセサリー……は、その、(アクセサリーについての問いに真剣に思案の素振り。手軽に身に付けられて、なおかつどこかしらは特別性を含むものが良い。吟味するふうの視線がガラスの向こうの煌めきたちに順々に流れ、ふと留まった一帯には。)………指輪、いえ、勿論、他の物でも。(本格的な品ではないにしろ、そこを強請るのは意味合いが重たすぎるかとさすがに思い至り、少々慌てた顔色に。いずれにせよ、店内に促すだろう。)
* 10/19(Sat) 12:08 * No.171

(レシピに忠実に、との返答は予想通りながらも「調味料類、レシピ通りに揃えるの意外と難しいんだよな」と体験談から軽く笑みを漏らした。めんつゆが何倍希釈かによって分量が変わる落とし穴くらいは、彼にとっては些事かもしれないけれど。)自分で食べる分にはレシピなしでなんとなく、野菜と肉炒めたり、オムライスとかが多いかも。律とならちゃんとしたの作りたいから、まずはハンバーグ希望。(ソースも手作りで、とさながら二人の調理実習を未来の予定に組み込んで。買い出しから片付けまでのあらゆる工程をすぐ隣で一緒に出来ることが、今から楽しみで仕方ない。選んだカバーを受け入れてもらえたことに安堵しつつ、彼が毎日目にする空間に置かれることを思えば、)…なんか。律の部屋に俺のスペースがあるみたいで、嬉しい。(改めての実感は、すこし噛み締めるような言葉になった。会計と荷持ちに関しては彼の申し出に甘えつつ、次のフロアでは手招きされた店舗へと歩を進めて。アクセサリーとなれば種類に形に素材に、先ほどよりも悩む要因が増えそうな予感からもある程度の絞り込みをしたかったのだけれど。たった今惹かれたように留まった視線を捉えては、柔らかに目尻が下がった。)いいな。買いたい。俺も、律からのプレゼントは指輪がいい。(互いのクリスマスプレゼントを探しに来たのだから、希望はそれぞれ口にしていいはず。「俺は付けたい指も決まってるけど」重たく感じる要因がそういうことなら彼へのプレゼントは特定の指に嵌める想定をしなくても構わないけれど、宮生自身は“そういう”つもりで強請ってみる。)華奢なのもかわいいし、存在感あるのも好きだな。同じ種類でペアにするのは重たい?(種類も豊富なシルバーリングに目を通しながら、あわよくばと好みを擦り合わせようとして。)
* 10/21(Mon) 12:40 * No.174

(調味料。これもまた、己では気付けなかったものだ。引っ越しの諸々が落ち着いたら、一般的な調味料も一通り揃えておこうと決意する。料理の経験に乏しい為、めんつゆの希釈など発想外、調味料を買い揃える段になって認識し恋人に相談するのかもしれない。炒め物やオムライス、彼の料理に対しての解像度が上がる。レシピなしでも美味しく出来上がり湯気を上げるそれらの想像が紡がれる。こくこくと頷いた。)ハンバーグ、ですか。洋食の飲食店のメニューによくあるイメージですが……、(なんとなく手強そう、という素人の印象により、少し引け腰になったが。)ハンバーグも好きですし、ソースまで自分で作れるようになれれば生活が格段に豊かになりますね。よろしくお願いします。(未踏の分野であろうと彼と共に行うと思えば、途端に楽しみとなる。片手で拳を作り、過剰なほどに意気込みを表した。己の部屋に、彼のスペースがある。言葉にされて、形作られた認知はひどく新鮮で胸が騒ぐ。「……そうですね。君のスペースですから、好きな時に使って下さい」 噛み締める間を挟んだ後、常の語調で伝える。ただ少しばかり瞳の光は増し、口端は緩められた。雑貨店に到着したなら、)……了、解しました。ではお互いに指輪を贈りあうということ、で……。付けたい指、は、私も同じですね。(定まった方針を言葉にすると、含まれる特別を意識してしまい、落ち着かない心地が込み上げたどたどしくなる。嵌める指を思い描けば、尚更に。そろりそろりとシルバーリングの陳列に視線を伝わせ、ううむ、と呟き声。装身具に関してこれまで興味関心の蓄積が殆ど無い故に、余計に迷う。)同じ種類でペアにしましょう。指輪の詳細についてはこれといった好みも無いので……できれば、君の好みに合わせたいのですが。(お任せにするのも負担をかけてしまうようで気が引けながらも、どうだろうかと窺ってみる。)
* 10/22(Tue) 03:22 * No.175

たまねぎのみじん切り、頑張ろ。(難しいというよりは片付け含め手間のかかる印象だが、たまねぎの刺激と格闘する姿を思い浮かべては実際の反応見たさに少し笑みが混ざった。)手作りソースはデミグラスが定番なイメージだけど、和風もいいよな。ハンバーグ自体もシソ入りとか豆腐ハンバーグにするのも好き。(選択肢としてはバリエーションに富むけれど、何度だって逢瀬を重ねて色んなメニューを二人で挑戦することが出来るのだから。意気込む彼に「楽しみだな」と素直な気持ちを溢して顔を見合わせる。クッションから広がった居場所を“君のスペース”と口にしてくれた言葉にくしゃりと笑ってから、「ちょっとずつ私物持ち込もうかな」と冗談めいて告げてみた。料理の話をした手前、コップに歯ブラシくらいはハードル低めで許してもらえる予感もするのだ。 付けたい指は同じ、つまりはお互い同じように指輪の意味合いを意識したことがわかると口元を緩ませながら、彼が目を惹くものを探すつもりだったけれど。同じ種類のペアで、自分好みのもの。それがリクエストとなれば真剣に吟味したい気持ちに切り替わる。)んー……(シルバーに限らず指輪の並びをじっくりと眺めて、途中で気が付いたように彼のほうを振り返った。)指見たいな。手え貸して。(自分の指に嵌めた想定よりも、主観で彼に似合うと感じたものを選択したくて。相も変わらず無骨な手を差し出しながら、幾度も触れはしたがまじまじと眺める機会はなかった彼の左手を欲しがった。)
* 10/23(Wed) 06:53 * No.178

たまねぎ……、ハンバーグの材料の一つですね。は、はい……。頑張ります。(何かの創作作品によってインプットされた、たまねぎのみじん切りのシーン。粘膜への刺激で涙が出てしまったシーンが思い起こされる。その現象に見舞われても負けないと、妙に覚悟を決め生真面目に告げる。その果てにこそ、二人して美味しく食べるハンバーグがあるのだから。シソ入りや、豆腐を基盤にしたもの、和風のソース。ハンバーグ作りひとつでも、数々のバリエーションや要素で楽しめる。またも気付きを貰い、「色々挑戦するのが、楽しみです」と生真面目を保ちながらも表情を深めて顔を見合わせた。決して広い住居ではないが、彼の私物の持ち込みは間違いなく歓迎する――面映ゆそうな面持ちでもって承諾した。部屋で食事をとなれば、その後を鑑みてコップや歯ブラシも必然となろうから。食事以外にも共に過ごすうち、何やかやと必要な物が増えたとて歓迎しよう。それらは、彼と歩んだ時の証左だと想うはず。アクセサリーとはとんと縁がなかった。人生において此度が生まれて初めての指輪となる。金属の品々に不慣れ感を漂わせながらも、静かに彼に添う。その横顔を見やって、真剣に吟味してくれているのが伝わり、生じた得も言われぬ感慨を大切に胸に仕舞った。)え、手を? は、い、承知しました。(求められると、左手を持ち上げ、おずおずとした仕草で預けた。掌の大きさ指の長さではいささか彼に負ける手、かつてのロックミュージシャンの指に比べればごつくもない。見た目は平凡な若者の手は、爪の手入れが行き届いており、清潔ではある。背筋を正しそのまま、固唾をのんで彼の動向を見守った。)
* 10/24(Thu) 01:51 * No.179

(一人暮らしが日常となれば、はじめのうちは様々な初体験が待っていることは想像に容易い。“挑戦”として前向きに臨む彼の姿勢は料理に限らず色んな分野で発揮されそうだから、まだ一人暮らしの日が浅いうちに慣れていない段階の姿も記憶に留めておきたいと心の中で目論みつつ。掌に預けてもらった手を改めてまじまじと眺めた後に、ぬくもりを捉えたまま再びシルバーリングの並びに意識を戻す。身長や体格の違いからやや小柄なほうだと認識していたものの、掌そのものは男性のそれだ。)……あ、これがいいかも。(呟いて、サイズに悩みながらも一つを手に取り彼の方を振り返れば、そのまま指に視線を落とした。我が物顔でゆっくりと薬指に差し込むのは細身のシルバーリング。表面に施されたダイヤカットが細やかな光の反射をもたらして、角度を変えるたびにきらきらとして見えた。指の根っこまで押し込んだ後に、「どう?」と問いかけながら手を解いて。)細身のさりげない感じがいいかなって。シンプルだけど、きらきらして見えるのがかわいい。(これも主観によるものだから、彼のお眼鏡にかなうかは分からないけれど。様子を窺いながらも、この選択で良いのならばサイズ違いを彼に贈ってもらう運びになるだろう。)
* 10/26(Sat) 10:06 * No.182

(預けた手は、そのままに。どこか緊張めいた心境で、見守る視界の中で選ばれた銀色が煌めく。己の指へと、差し込まれるその輪。彼の指肌の温みと、指輪の硬質な感触が重なり合う。このうえなく特別をわからせる感覚に、おかしくなりそうなほどばくばくと心臓が鳴って煩い。左手を顔の前に上げる所作は、ゆっくりと。ダイヤカット含め観察する。細身のリングの幅は自身の指に合わせて違和感がない。少しずつ角度を変えてみると、細やかな銀色の光が眩く反射される。見惚れる瞳。しらずしらず唇は呼吸を詰め、数秒をおき細く吐息を流した。)はい。きらきらして……本当に、良いですね。(学校の成績が優秀であろうと、この感動を言語化する表現力には乏しい。そう自覚したものだから、気に入ったの意で首を縦にする動作を思いきり力強く。頬を染め、ニィっと満面の笑顔。そうしてさりげなく、彼の左手を捉える。)似合うだろうとは予想しますが……君の指にも嵌めて、見てみたい。(サイズにまごついたものの、同じ種類のシルバーリングを慎重に取り上げ、若干もたつきながら彼の指に差し込んだ。相手の手を自由にし、揃いとなったリングを満足そうに眺め、彼の顔へ視線を移す。)ありがとう。君に選んでもらって、正解だと思えます。(先のクッション選びで迷った時にも助けられたし、これほど充実して楽しい買い物は彼のおかげと言える。満足を湛えた瞳は、その後に少しだけ逡巡をみせてのち。)……あの、買った後に改めて指輪交換、してもよろしいですか。チョコレートを貰う時にでも。(正式に己の物としてから改めて彼の指に約束を嵌めたいという欲に、心を揺らして。やがては会計に向かうだろうか。)
* 10/27(Sun) 18:11 * No.185

(差し込んだ指輪を眺める姿は、とっておきを見つけられたと自負するのに十分過ぎるものだった。ちらちらと光を反射する輝きを特別の証として目で追いながら、やがて紡がれた満足げな言葉に眦を下げて。)よかった。似合ってるし、気に入ってもらえて俺も嬉しい。(表情や動作からも気持ちが伝わるから、満たされた気持ちで頬が緩む。捉われた左手は癖のように握り返してしまいつつ、自分の番なのだと気が付けば「やった」と小さく漏らした後に大人しく力を緩めて待機とした。指輪を手に取る瞬間すらも丁寧なその動作を見守りながら、己の指に差し込まれていく様子をしっかりと見つめて。あまりにぴったりと合ったサイズに感動を覚えながら、手を開いても握っても薬指に馴染む存在に表情が緩んだ。)確かにこれは大正解だな。……うん、クリスマスプレゼントとしても大満足。(贈ると同時に贈られるものとして、彼の足を留めた店で見つけた指輪は思い出にも深く残りそうだ。指輪交換の案には「了解」と笑いながら軽く告げて、互いに会計を済まそうか。クッションに指輪選びと充実した時間を過ごした後、気になる店舗があれば都度覗いたりとウィンドウショッピングを楽しんで。歩き疲れた頃合いにはカフェでの休憩を誘ったりと、思うまま過ごす内に夕刻が訪れた。)……そろそろ渡しとこうかな。はい、ハッピーバレンタイン。(彼に贈るため選んだものはボンボンショコラ。一つ一つの形が異なりケーキや葉っぱ、花を模したものなど見た目でも楽しめるその中身は、彼にとっては家に帰ってからのお楽しみだろう。)また感想教えて、あとホワイトデーは一緒に催事見に行きたいかも。(そんなリクエストを告げてから、改めて彼に向き合った。)
* 10/29(Tue) 07:51 * No.188

(シンプルなデザインはほどよく光を添える。かわいいと称された指輪は、男らしい彼の指にあっても似合っている。「はい、とても似合っていますよ」 大正解の言葉にしっかりと頷き返し、相手も満足したと知ってまた喜色を刷いた。いささかの浮かれ心地のまま会計を済ませたその後は、ついでとばかりに洗剤だとかタオルだとかの色気のない物を時に彼の意見を求めては買い求め、彼の気になる店舗があれば都度、足を運んだはずだ。荷物の総合量によっては自身で持ちたがるか、配送サービスをお願いしただろう。カフェで糖分補給のひとときを経て、橙の優しさを帯びた空が目に映る。駅への道中にある中央公園にて、手渡された紙袋。丁寧に受け取ったら、)では、私からも。ハッピーバレンタイン……、と言うのですね、贈る際には。遅れましたがメリークリスマス、それとハッピーバレンタイン。はい、感想は勿論。ホワイトデーには二人で買いに行きましょう。(慣れない音を真顔で口に上らせ、バッグから取りだした小さな袋を差し出した。中身は、高級感のあるどっしりとしたガトーショコラ。サイズは小さいながらもそれなりに食べ応えはあるだろう。LINKSでチョコレートの件を伝えられてから、あちこち店を回って悩んだ末に用意した物である。ホワイトデーでは彼と相談しながらとなれば、あれほど悩まずに済みそうだ。形を崩さずに贈り物を仕舞い込み、こちらも向き直ると、簡単な作業でありながらも集中は怠らずに彼の指に指輪を通した。)……、(こんな時には何を言葉にするべきか、戸惑って幾度か唇が開閉する。自分たちの居場所は木陰になっていて誰も見ていないから、これくらいなら。心の中で言い訳して、伸ばした右手で彼の頬をそっとひと撫でしよう。)……これからも、ずっと共に。(傍に居て下さい。結局は、飾り気のない真心の言葉。囁くようにして改めて伝えた。柔く笑み、ホワイトデーとその先の未来に想いを馳せながら、静かに左手を向けただろう。)
* 10/30(Wed) 03:40 * No.189

(クリスマスに合格祝い、互いのプレゼントを揃えた後の買い物が生活用品となれば色気のなさに却って面白くなりつつも、洗剤の香りの好き嫌いやお気に入りのパッケージ探しにと、存分に楽しむ方向へシフトしたことだ。意見を求められるままに答えるうちに、タオルに関しては彼の家に訪問した際に使うだろうしとここでも好みの手触りにこだわって、あまり安価でないものに関しては“俺も使うから”を合言葉に一部会計を負担したことだろう。そんな趣味も兼ねたような買い物の時間を存分に楽しんで、彼の家に一足早く居座ることになる品との再会は心待ちでならなかった。――バレンタインの贈り物を無事渡し終えた後、当然のように紡がれた言葉には「律からも?」と思わず瞠目する。ホワイトデーとしてお返しが貰えるものだと認識していたために、予想外のプレゼントを受け取りながら、じわじわと嬉しさが込み上がって。)ありがとう、……びっくりした。そうだな、ホワイトデーもお互いに欲しいもの強請れるだろうし楽しみ。会場限定のクレープとかも食べたい。(前向きな反応にまた欲張りを重ねながらも、互いに甘いものが好きなのだからきっと良いデートになる筈だろう。そう遠くはない来月の予定は早速楽しみな気持ちで満たされた。 改めて差し出した左手に、自分のものとなったシルバーリングが彼の手によって嵌められる。紡がれたのは、まるで永遠を誓うような言葉だった。頬を撫でる手のひらに、想いを重ねる心地で自らの手を重ねながら、噛み締めるような笑みが落ちる。彼の指にも指輪を通した後、薬指で煌めく特別の証に口元を緩ませて。)……健やかなる時も、病める時も?(正確な作法は知らないまま、真似事のように口にしたものだけれど。揃いのシルバーリングを嵌めた左手同士でそっと指を絡ませて、好きだよ、と瞳を捉えて大切に気持ちを告げた。胸を擽る感覚にすこし、照れるように笑みを零しながら。二人の未来がいつまでも幸福に続くようにと願った。)
* 10/31(Thu) 18:43 * No.191


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