return
12/23(日):19時頃 深那莫中央公園入口 >律

(ハロウィンの終わりとほぼ同時期に匂わせを始めたクリスマスムードは、ちょうど本番を控えた今がピークなのだろう。様々なイルミネーションが視界を彩るこの季節を好む人は多く、今回提案した場所も人気スポットゆえに人の多さはそれなりだ。裏を返せば綺麗な景色は折り紙付きだろう。公園に背を向け、ダークグレーのチェスターコートを身に纏った男の姿は夜に馴染んだ色合いとして目立ちはしないが、待ち合わせ相手としては高身長が目印として役立つことを願いたい。腕から下げたショッパーに時折視線を落としながら、やがて待ち人の姿を見つけては軽く片手を挙げた。)律、こっち。(ひとまず合流が叶ったことに安堵しながら、「修学旅行ぶり? 顔見んの久しぶりだ」と顔を合わせて浮かんだ感想をままに紡いだ。)試験どうだった?調子。(学年の異なる彼と顔を合わせる機会は滅多にないから、まずは直近の様子を訊ねるように気安く声を重ねる。聞きながら公園のほうを振り向いて、花火の特等席のようにはいかない賑やかな様子を却って醍醐味のように思いながら、「ゆっくりできるところがあればいいな」と小さく笑った。プレゼント交換はしばらくお預けだ。)
* 9/16(Mon) 19:53 * No.65

(会いたい。でも、会えばきっと余計なことを考えてしまう。“会いたい”と”でも”を行ったり来たり。アリスの向こう側を知り、彼女の話を聞いてからというもの、諸々意識してしまった故の心境である。だがLINKSのトーク画面に増えたメッセージにより、いとも容易く選択は決まった。ただし、プレゼントの要望に含まれるパッケージがかわいいの部分には、頭を抱える羽目になった。――深那莫中央公園の入り口前。濃紺のピーコートに灰色と臙脂色のチェック柄のマフラーの出で立ちで、片手には小ぶりの紙袋。マフラーに顎を埋め、クリスマス直前の独特の浮足立つ空気に踏み込んでいく。視線を巡らせば、場所柄か、待ち合わせらしき人影もそれなりの数。その中から間を置かず長身を見つけだし、まっすぐに歩みを寄せ、小さく手を振り返した。声がけに迷っていたのに相手の顔が視界に入れば、途端になんとも現実的な開口一番が頭に浮かぶ。奇しくもそれは、彼の次の問いかけと同じ内容だった。)その質問、こちらが訊きたいところですが? 私のほうは、自分の納得いく点数は取れているはずですよ。(苦笑して、「それで、君のほうは?」と尋ね返す。)この時期では、さすがに人が多いですね。ゆっくりできそうな所、探してみますか?(クリスマス時期ならではの人々の幸せを醸した賑わいは好ましいから、淡々としていながらも語調に負感情はない。目顔で促し、公園の方へ一歩。)
* 9/17(Tue) 23:50 * No.70

(思い返せば彼との待ち合わせは花火大会以来である。同じ夜であっても状況は何もかもが異なっているように思えて、極めつけにリクエストとして強請ったものであろう紙袋の存在は楽しみで仕方がない。)手応えあったんだ。さすが。(大詰めとなるこの時期に焦る様子もないのだから、彼なら大丈夫とLINKSで送った言葉は覆らない。一方でこちらはかつて課題の面倒を彼に見させた男である。家庭教師に成績を尋ねられるような感覚に少し笑いながら、)夏期休暇明けくらいからわりと頑張ってるよ。中間は中の上くらいだったし、今回も多分そこそこ。進路は決めてないけど、選択肢広げる努力はしといた方が良いかなって。(まるで良い子の回答だが、夢で満たされた分現実を生きていくためにと向き合っていた証の一つでもある。「進学するならお金も貯めないとだけど」もはや自己開示に躊躇を覚えない彼が相手だから、普段よりも饒舌になっている気が否めない。)いい感じにベンチ空いてたらいいんだけどな。(どこもかしこも埋まっていそうだと思いながらも時の運に任せるとして、促されるまま公園に足を踏み入れる。周囲の人々含め一番の目当てとされるのは大きなツリーだろうけれど、ライトアップされた花壇や木々に灯る光が公園自体を特別な空間に仕立て上げていた。夜の景色を楽しむように歩く速度は緩やかで、「噴水も綺麗なのかな」とそのうち行き当たる場所へも期待が満ちる。)
* 9/18(Wed) 14:14 * No.74

中間は中の上くらい?(素のトーンの復唱。彼の発言内容を咀嚼しつつ見詰める数秒を挟み、)意外、な。あ、いえ、すみません。頑張っているのですね。(悪気はないものの、これまた失礼にもほどがあると気付いた。気まずげに咳払い。)選択肢を広げる努力……ふふ、偉い。進学の場合はご家庭の状況の関係で、宮生君自身がお金を貯める必要がある?(静かに笑気を伴いながら、嬉しそうに微笑みを湛えた目を細めた。上から目線の先輩の言い草は、許して貰えるはずという甘えの意識に基づいている。続いては、世間では親の援助の下で進学を志望するケースが比較的多いだろうとの認識も相まって、慎重な触れ方になった。連れ立って公園内の遊歩道へ緩やかに歩を進めると、ちょっとした非日常の世界じみた、夜に浮かび上がる演出が目を楽しませる。フローライトのモニュメントにクリスマス装飾がされているとだけ事前に調べて情報を得ており、それは如何なるものかと楽しみが募って。噴水、と口の中で音をなぞる間に、若い女性の二人組とすれ違う。すれ違いざま、二人の視線はちらちらと連れの長身へと走って、浮ついたくすくす笑いと「ね、ちょっと格好良い」などと囁き合う声が尾を引いた。)………君はこういう場所にはよく来るの、デートで?(口にしてしまってから。気になる、そのくせデートのあれこれなんて聞きたくもない――妙な面倒臭さに自覚が追いつき、後悔して、マフラーを鼻先まで引っ張り上げ、噴水を探す視線を道の先へ投げかけた。)
* 9/19(Thu) 06:52 * No.80

(予想外、といった反応にはすぐに謝罪が付け足される。運が良くてもせいぜい平均程度、通常はそれ未満といったこれまでの結果を的確に把握しているような反応にからりと笑った。)意外だろ?べつに感じたまま言っていいよ。それくらい頑張ったってのは伝わる?(少なくとも彼が驚くほどの結果を示せたことに満足しながら、次いだ言葉にも軽い調子で頷いて。)そんな感じ。母子家庭でさ、高校卒業したら大人扱いするって昔から約束してて。元々進学して何かしたいことがあったわけでもないし。(その心は今も変わりはないが、残りの高校生活で視野を広げて夢を探せば行きたい場所も見つかるかもしれない。「律は?夢とか目標。あったら知りたい」堅実な彼が見据えるものに触れたくて、問い掛ける。冬の空気を纏った公園を歩く心地良さと景観に意識を寄せていたものだから、耳に届いた声に隣の彼へと視線を落とした。)ん?(すかさず表情を隠すようにマフラーが引き上げられる。問われたわりに、雑談として好奇心を寄せている様子でもない。)……どっち。知りたいわけ? 別によくは来てないよ。(隠すほどの意図も後ろめたさもないが、踏み込むべきか否かの判断は難しい。歩幅はそのままに、少しだけ深く呼吸をした。) ロックと話してた時さ。“俺”のこと、よっぽど大切に思ってくれてたことは伝わってて。だけど、その特別がどういう種類のものなのかは、律の言葉で聞かないと正しく理解できないものだと思ってる。(夢と現実における捉え方が彼とは異なるのだから、尚のこと。)……あっちと混じるのなら、ややこしいよな。ごめん。(自分本位な行動に後悔のひとつもないけれど、彼が己をどう捉えるのか、あの日のことが影響するのかもまたわからないままだ。)
* 9/20(Fri) 07:23 * No.86

今までと比して著しく成績が上ったなら、それが頑張った証ですね。(実績を重視する。故に実績があると知れば、落ち着いた声で努力を認めるのだった。)高校卒業したら大人扱い……ですか、(即ち、子どもの立場であれば得られる庇護もないという事か。しかし大人扱いに対しての彼の口振りに淀みはないようだ。少し、表情が揺らいだ。)ある意味、私よりも先に宮生君が大人に達しますね。今だってバイトをしている分、きっと君のほうが大人に近い。(先を行く相手を見る目で彼を見て、問いかけを受けては、ん?と小さく声を漏らし、己の内面から言葉を探す。)法学部志望なのですが……、そうですね、将来は少しでも人の役に立てる仕事に就きたい。マンゲツが言っていたでしょう、大抵の人間が理想空間の中で幸せな夢を見る、マイ・ルームから現実に帰ることを拒む者も居ると。裏返せば現実がままならず困っている人が、案外と多いのかもしれない……と思って。(淡々と語り終えると、一息ついた。やがては散策めいた道中、どっちの声を向けられ、)……う゛。(マフラーの陰で詰まった。歩みの速度を一定に保ちながら聞き入り、ごめんの謝罪には緩くかぶりを振る。灯火色した電飾に視線を彷徨わせ、切り出したタイミングは十歩ほど刻んだ後の事。)例えばこの先、君に愛する人ができて、その人が君にとって私よりも特別な存在になったとしたら。君が私の居場所である事に何らかわりないけれど、なんだか……つまらないな、嫌だな って。(自らの情緒の幼さをつくづく感じ、苦笑を禁じ得ない。伝えられたのは、嫌いも言っていいと以前に背中を押して貰えたおかげだ。近づく流水の音。噴水の広場の片隅でそっと爪先を止めると、マフラーを下げ隣へと向き直り、目を合わせた。)多くを求めるつもりはなくて、でも。君の一番の特別になりたい……これだけは、いつまでも望んでしまう。(この望みこそが最も欲深いか。慕情と苦さ、光と陰が瞳の中に交錯する。)
* 9/21(Sat) 03:00 * No.92

(家庭環境は選べるものではなく各々で大きく異なることを、物心ついた頃には理解していた。正式な相手ですらない人と“そういうつもり”で生まれたわけでもないらしいこの身が、その割に不自由を感じない生活と愛情を受けて育ったのは色んな要因で恵まれていたからこそ。大人扱いの約束事に気持ちとしては備えていたから、彼の反応は少し新鮮にも感じた。)まあ、見た目からもそういう扱いはされるほうだし。だから好きな人には甘えるよ。(求められる振る舞いに応えられるのが大人だとしても、内面はまだまだ未熟なほうだ。自覚があるから小さく笑みを溢して、彼の語る将来に意識を向ける。 縛られた義務感ではなく、彼自身の言葉として他者に手を差し伸べる道を選択したことに、彼らしい優しさを感じた。)…立派な仕事だな。律に救われる人、たくさん居るだろうなって思うよ。応援してる。(それは心からの本心で、そう遠くはない未来で夢を叶えた彼の姿を見るのが楽しみに思えた。――歩みを止めないまま、視界に広がる景色を見ながら、紡がれる声を聞く。やがて辿り着いた噴水広場で、立ち止まる彼の瞳を見つめた。一番の、特別。視界の端で、人影が動く様子を捉えた。)…………なんか。難しい。(彼の手首を引いて歩き出し、噴水を囲むベンチに腰を下ろした。ついでに引っ張った手首を少し持ち上げて、「抵抗ある?」と問い掛けた後に手を繋ぐように触れてみる。本意でないのならそれまで、嫌がる素振りが見られなければ己のポケットの中に繋いだ手を押し込むつもり。)俺は寂しがりなほうだから、求めてくれないなら一番は無理かも。(声にした言葉は重くも軽くもなく、単なる事実として気持ちを伝えるように。それから軽く吐き出した息は、すこし言いづらいことを口に出す前準備として。)……体が好きって話。も、どう捉えるべきかなって。これでも悩んだんだけど。(おそらくこの場で口にするのはデリカシーに欠けるが、あらゆる意味で白黒付ける機会としてはきっと今が最善だった。)友達として?恋人として?それともまた別の形? 律の欲しい特別はどんなの。…俺の心だけ縛り付けたい?(求めないくせに一番を欲するのはそういうことだと、最後の一言は意趣返しのように笑いながら。求めたはずのせっかくの噴水の景色は、今や二の次だ。)
* 9/22(Sun) 13:54 * No.100

(他人の苦しみにきちんと意識を注げるようになったのは、イデア・ルームと友人たちのおかげだと思う。おかげで現実がままならないのは自分だけではない事や、友と共にあれば心が自由になれる事を学び、救われたから。次は、こちらが誰かの助けになれたら良い。その願いを抱く胸内を、応援の言葉が温めてくれた。「ありがとう」と、眦を緩め、心からの微笑みを浮かべた。)……すみません。(難しいと言われても仕方がない、難儀の自覚はある。噴水を背景に目を伏せ気味にしてほどなく、手首を引かれる感覚。軽く驚きを滲ませたものの、そのまま委ねてポケットの深くに落ち着いた。)……はい。(隣り合ってベンチに腰かけ、告げられた事実に頭を上下させ。そうか、と。密かに閊えつつも飲みくだそうとした矢先に、彼の吐息。その後、思わず咽せた。)――え?それ今言います?!(デリカシー皆無に関してはこちらが先である。(理想の姿で)自らの意思でもって発したのに間違いない。しかしながらいざ現実でその点に触れられると、狼狽えてしまう。顔を赤らめてひとしきり狼狽えてのち、)……友達としてだとか恋人としてだとかその他とか、やっぱり気にかかりますよね。(眉尻が下がった。ロックは、そういった問題を気に留めない。ロックは九堂であるから、同じ性情が九堂にも内在するが、現実の社会で他者と関わる以上は向き合わねばならないと腹を括った。天を仰ぐ角度で、暫しの思案を挟み。)あの、心情としては求めたいですよ。で、でも。私の都合で物理的に距離が離れるのに今後も頻繁に会いたいなんて贅沢過ぎますし。アリスの話からすると、君のほうは女性と付き合うのが自然かと思いましたし。縛りつけたくもないし。でも、だから、せめて心だけは縛り付けたい。……自分勝手で矛盾していますね。(俯きがちに、益体もなくごねるようにぽそぽそ語り、)体が云々は見目が魅力的とか触れてもらうと安心するという意味で、私にはロックみたいな下心は無――いえ、多少はあるかも?(肩を落とした。)改めて。欲しいかたちを描いてみますと、恋人……が近いかなと思います。一番と告げたくせに、未だ、そういうのはっきりしなくて、(ごめん、低く呟いて。ポケットの中で握り続ける手には、熱と歪な執着がこもる。)こんなでも、求めてもいいの?
* 9/23(Mon) 01:21 * No.106

(繋いだ手は弾かれることもなく、おとなしくポケットの中に閉じ込める。されるがままの様子は都合よく合意と捉えることにして、心地好いかたちに繋ぎ直すよう彼の手を覆った。無骨な手は冬でも人と比べて温かいほうだから、ぬくもりを押し付けるようにと軽く握り込む。――程なくして、己の発言が原因で盛大に狼狽える姿を見ては咄嗟に「ごめん」とだけ添えた。もう少し聞き方があったかもと内心反省しつつ、)気にかかる。友達と恋人の線引き、俺の中ではかなり重要だから。(その点は譲れない心情として、彼に知って欲しがった。こと恋愛面においてはわりと重たい方面の自覚もあるから、それが重荷になるようなら友達として適度な関わりに留める方が互いのためだ。やけに長く感じた沈黙の後に紡がれた言葉には声を挟まずに、矛盾だと締め括る彼に視線を向けても俯いた瞳と目は合わない。次いだ体の話に関しては、“多少”と彼が認めた言葉をこちらは多少程度では見過ごさずに、)それ。どっち想定?(詰める。男女であればスムーズな話を、所謂どちら側を想定して考えているのかと。一番悩まされたのがその部分だから、切り出した以上は聞かずに済ませられなかった。 一応は恋人として求められた形が曖昧に感じるのは、彼自身も己と恋仲になった様子をうまく思い描けていないからのようにも思えた。彼の理想に嵌るかたちは宮生にはわからず、きっと逆も然りだ。それでも手放したくなくて、重ねた手に少し力を込める。)さっきの聞いてさ。贅沢とか縛り付けたくないとか。……律は、俺がいなくても別にいいんだなとは思った。(子どもみたいな甘え方だ。彼の思い遣りが寂しく感じたことを告げながら、でも、と彼の瞳を見つめて。)我慢するのが得意だろ、良い子だったから。思っても言わなかったり、言えなかったり。……なんでさ、俺は求めて欲しいのにそんな不安がるんだって思いたいけど、律も多分、難しいんだよな。(欲しいけど、縛り付けたくない。その矛盾は考え過ぎてしまう背景だとか、素直に欲しがることに慣れていない彼だからこそ抱えた気持ちのように思えたから。)ちゃんと甘えて欲しい。俺は律が好きで、特別が欲しい。(安心して心を委ねるには、まだ頼りないかもしれないけれど。彼自身の言葉で求めて欲しいから、今はただ、ぬくもりの混じった手を握るだけ。)
* 9/23(Mon) 23:38 * No.110

ど、どっち想、定?!!(理想の助けもない現況に、青年の人生経験では処理困難な質問が来た。オーバーヒート寸前のところで、理性を総動員してどうにか受け止める。ここで詰めるならば、彼にとって無視できない要素のはず。答えるべく内面を整理しようと悶々とするほど、ますます頬は紅潮し、膝に置いた荷物の持ち手を弄って捻じれさせる片手の指は落ち着かない。)……半々、です。 え、と。はじめは……君のこと、頼りにできる相手だと思って。甘えたいなとも感じて。それが、半分。それから……アリスが君だと知って。アリスと君は別存在のようなものとは承知しています、でも、私の視点ではアリスと君が同一の意識は付き纏うし、ロックとしてアリスと接した記憶もあるので。アリスに対してのあれこれを欲するような所もあって。それが、もう半分。(これで伝わりましたか?と、自信なさそうに首を傾け窺った。繋ぎ合わせた手と手が異なる温度を伝え合う。)――! そんな、違っ……、(俺がいなくても――寂しさを告げる言葉に、瞠目した。それが甘え方だと気付けるほどの余裕もなく。声は詰まって途絶え、呼気が震える。胸の奥が苦しい。自らに依る因果なのだと、わかるから反論など出来るはずもない。唇を噛み、消沈して揺れる瞳が彼と重なったその時、でも、の接続詞が届いた。)……そう、ですね。その通りで。我慢するのが身に沁みついて、間違えないようにと余計なことにも気を回して。それで、求めるのも下手くそなのでしょう。(ゆっくり訥々と落とし、認める。下手くそになってしまった分、理想に託していた面もあったと思う。息を吐く。紙袋ごと空きの手を横に置きなおし、手向けた表情は穏やかに。)察してもらった通り、君のことが大切ですよ。君が君らしく生きられるように、ずっと味方でありたい。それと……、(身を傾けさせ、彼の肩へ不器用に額を押し付けた。)君のスタンスですと、求めてくる人間であれば私でなくとも受け入れるのでは。それは、嫌……。(くぐもり低まった声音で。頭では曲解だと判断している事を、あえて情動のまま言葉にした。)他の誰のものにもならないで。私を選んで。傍に、居て……。(指に伝う温もりにしがみ付き溢れる想いを擦りつけ、ぎこちなく甘えて。顔を上げる時は、おそるおそると。)
* 9/25(Wed) 00:02 * No.115

半々……(盛大に慌てふためく様子を見届けた末、紡がれた一言には瞠目のちに思わず言葉を繰り返した。夢と現実、双方の意識を理由として語る彼の主張は夢で聞いたものと変わらない。今の自分とは異なる“もう一人”について言及されることは、想像よりも大切にされていたことへの実感に繋がって、それは夢でも覚えのあった感覚だった。身体的には男としか言いようのない己に対する想定ですら夢が食い込むことに、やや不思議そうな面持ちにはなるけれど。)伝わった…ような。多分。……なんていうか、下心が絡むにしろちゃんと愛されてる気にはなるんだよな。 ……まあ、どっちでもいいか。(軽く笑みを向ける。どっち想定かと問い掛けた身としては彼の望むほうで考えるつもりだったけれど、半々と答えられた以上は認識を一度白紙に戻して、未来のやりとりに託すことにした。)大切に思ってくれてるの、わかるよ。律が、ロックが居てくれたから、俺はここで生きていられてるんだと思う。(知られたくないと拒んだ悩みを、包み込むように受け入れてくれた彼が味方であることは誰よりも知っている。肩に乗った僅かな重みに寄り添うように頭を寄せて、聞こえた声に独占欲を感じては吐息混じりに笑みを漏らした。)……もう選んでるよ。これからはもっと、傍に居たい。(目を合わせてから微笑みかけて、ゆっくりと気持ちを告げる。ポケットの中で動かした手は、彼と指を絡ませるようにして。)律だけのものになるし、……律は? 俺のもの?(欲しいのはこちらも同じだから、言葉として求めたがった。ツリーを眺める前に関係性を深めたと捉えれば寄り道も決して悪くはないはずで、ふとプレゼントの存在に思い至ると「あのさ」と切り出し、繋いだぬくもりもそこで一旦解いた。)一緒に買いに行く時のが本命ってのは前提な。無難だけど、似合うかなと思って。(前置きの後に差し出したショッパーの中には、リボンで包装された黒い箱が一つ。その場で開けてもらうことを想定しての発言だが、問われたら「“カシミヤマフラー”」とそのまま告げるはず。好みを知らないから汎用性の高いグレーの色合いを、軽くて暖かい上質なものなら複数所持していても困らないだろうと、安牌に寄せたことが色気のなさに繋がりはしたけれど。)たまに使ってくれたら嬉しい。(笑いながらそんな風に告げて、次に寄せる期待は彼からのプレゼントだ。)
* 9/26(Thu) 10:41 * No.123

(今後の自分たちの関係の最適を考えてくれている。それ故の質問だと解釈した為、恥ずかしくて居たたまれなくても説明に必死になった。愛のない下心なんて、論外だ。その主義までは口に出せなかったが、主義に沿った気持ちごと伝わったらしい。少々救われた心地。)どっちでもいいんですか……。ええと……、(半々の己が合わせるべきなので、君の側に希望はないのかと尋ねようとして、しかし彼を満足させられるレベルに合わせられるのか?と葛藤する間に、軽い笑みが目に入る。)成り行き任せ、という事……?(それでいいのかな、と首を傾げては、確認をとるふうに。不慣れな話題が終われば、ほっとするだろう。限界まで張りつめて彼の肩に頭を寄せた格好のところ、耳朶に響いたその声。拒否ではない、もう望まれていた。胸内に走るのは、先とは別種の苦しさ。告げられた言葉を反芻し、落とし込むにつれ、じわじわと安堵と歓喜が込み上げて熱くなる。顔を上げた後も、熱さが顔面から引かない。)……はい。(目尻を染めたまま頷き、絡む指を受け入れては自らも寄り添わせて。)それは、勿論。(君のものになる。言も雰囲気もシンプルに誓ってから、)これからはもっと、沢山……好きだって伝えてほしい。(気難しい子供のような瞳で睨む強さで見詰め、ぼそっと願望を。口にした直後、恥ずかしさのあまり取り消したい衝動に駆られたが堪えた。「当然、こちらからも、もっと伝えますので!」と付け足しはしたが。一段落ついたとみれば、いささかぐったりとした様相。不慣れな甘えの言動による消耗が見え隠れする。受け取ったショッパーから箱を持ち上げ、慎重にリボンを解いて。現れたグレーにまた慎重に触れてみると、上質な手触りだ。)ありがとうございます。登下校でも外出でも使えますね。……今、付けてみてもいいですか?(似合うかなと思ってと言った相手に、実際に見せたくなっての申し出。それから覚悟を決め、)あの、私からも。(持ち手のよれた紙袋を差し出す。赤と緑が彩る袋の中には、円型の平たい缶。缶のデザインは、全体はパステルカラーのオレンジで、縁取りに幾何学模様、蓋の中央には黒の仔猫と白の仔猫(二匹ともデフォルメされて丸っこい)が毛糸玉を挟んでじゃれ合う図柄がエンボス加工されている。蓋の下は、それぞれ個包装のキャラメルと、季節を先取りしたフルーツキャンディのアソートが詰まっている。)
* 9/28(Sat) 05:29 * No.129

成り行きというか……成り行きになるのか? この話題が最初に出たとき、律にとっての明確な理想があるのかなって思ってたからさ。(双方共に固定概念がないのなら、その時になってお互いが望んだかたちで落ち着くのが良いだろうと。「二人でゆっくり考えていけばいいかなって」物は言いようとして、この件はまた親密な時間に引き継ぐとしよう。絡めた指先が先程よりも暖かく感じるのはおそらく気のせいではなくて、赤らんだその表情からも彼がいっぱいいっぱいであることは推測に容易い。夢とはまるで大きさの異なる手のひらだから、絡めた指の感覚だって異なるけれど、好きな人と触れ合うことで満たされる気持ちは同じだった。お互いのものになる、と彼自身の言葉でも肯定されたことに頬を緩ませながら、おもむろに求められた要求には笑うように息を吐き出して。)好きだよ。律が好き。(愛おしむように笑みを向ける。甘えるのも甘えられるのも好きな性分だから、むしろ言質を取ったと好都合に捉えたようなもの。慣れていない行為に気力を使ったかのようにぐったりとした様子を見ては、お疲れさまと言わんばかりに繋いだ指を少し撫でながら、)…俺さ、人目のないとこだとスキンシップが多いと思う。甘えたいし。だから、ちょっと待ってとかそれは嫌とかあったら、ちゃんと教えて欲しい。大事にしたいから。(外というよりは主に室内で、二人でいる想定の話。あくまでも彼のペースを尊重したいから、二人の約束ごとを決めたがるようにそう告げた。 マフラーに触れた彼が切り出した言葉には、思わず嬉しげに声が弾む。)いいの? 見たい。(伸ばした手は彼の首元を覆うマフラーを優しく外して、ぬくもりの残るそれは一時的に膝上へと。はやく見たいと表情が物語っていることだ。それから差し出されたお待ちかねのプレゼント。ありがとうと告げて受け取り、紙袋の中身を丁寧に開封する。リクエストとして求めたのは、“パッケージがかわいいやつ”。まるい黒白の仔猫を見て、頬がゆるんだ。)かわいい。…………想像してたよりも、ずっと、嬉しい感じがする。(胸を満たす感情を、言葉にするのが難しい。小さい頃から誰にも打ち明けたことのなかった悩みを、己の理想ごとすべて受け入れてくれた。そんな彼が己のために選んでくれたプレゼント。自分のためだけに与えてもらえた、はじめての“かわいい”だった。)……ごめん、ちょっと、(目頭に溜まった熱がそのまま溢れそうになって、指先で拭う。落ち着くようにゆっくりと呼吸を挟みながら、「ありがとう」と掠れた声でもう一度紡いだ。)
* 9/29(Sun) 10:46 * No.134

(二人でゆっくり考えていけばいい。物は言いようの範疇だとしても、彼の言葉選びからは決して急かさない意を受け取れた故、安心し首肯を返せた。夢とは体格の差が逆転し、並べば少し見上げる側となり、互いの手の大きさも然り、己の手では包み込むには足りないが、睦み合った折の鼓動の速さはあちらの世界と同様で。少し、泣きたくなった。)……は、はい、(惜しみない睦言とひときわ特別に感じる笑みに触れると、自ら求めておきながら、いっぱいいっぱいすら超えて容量オーバー。それでも、やるべき事柄を果たそうと踏ん張る。)ありがとう。嬉し、い。……好き。(つっかえつつ囁くような声音で伝え、満たされる感覚のなか、柔らかに微笑んで。スキンシップ、それは夢の少女も口にした単語。今日これまでの会話の節々でもそうだったが、彼の向こうにアリスが垣間見える。)はい、わかりました。その、必要な際にはちゃんと伝えます。(多くしたいのに、こちらのペースを優先してくれる。大切にされているのだ。実感を得て、粛々と約束事を紡ぐ。夢のなかでその快さを体験した影響もあり、基本、触れ合い自体に忌避感は無いが。)ただし。スキンシップといっても、高校生として適切な範囲で、ですよ?(いったいいつの時代だと傍目には突っ込まれかねない価値観を、大真面目に持ち出す。そもそも青年にとっては下心も、互いに成人してからの想定であった。プレゼント交換となれば、贈り物の箱を膝に置き。己のマフラーが彼の手で持ち去られてから、外気に晒された首に贈り物を軽く巻く。)……あたたかい。(微かに声が弾む。片方のグレーの端を摘まんでみせつつ、「似合ってますか?」と投げかけた。みるからに品質の良いカシミヤマフラーとあっては、己の贈り物よりも高額と推測する。性格上、彼我の品の金額の差は引っかかるものの、今までの彼との交流を踏まえ言及しないと決めた。かわいいパッケージの要求に悩んだ末の、黒猫白猫の選択は、“アリス”の名前に引っ張られた感はある。)宮生君……?!(目頭を拭う仕草を目の当たりにして、息を飲んだ。同時、かつてのアリスの言葉が脳裏に蘇る。彼自身はずっと、かわいいを貰えなかった。眉を開き、感情を語る声を大切に受け取ろう。)かわいい、ですか。よかった。私は君にとってかわいいものを、選べたのですね。……どういたしまして?(かわいいを贈る一番手になれたのは最高だと、ニヤっと笑って伝えて。落ち着いた頃合いにツリーを見に行きたいと彼の腕を引いて強請り、恋人同士の日常の始まりを告げる。)
* 9/30(Mon) 05:39 * No.141

(愛情を示す手段として、言葉にするのも行動を起こすのも躊躇しないほうではある。まるで辿々しい様子の彼はともすればずっとこの調子かもしれないし、共に時間を過ごすことで存外すぐに慣れてしまうかもしれない。未来がどう転ぶかなんて誰にも分からないのだから、今は心を尽くして目の前の彼を愛していたい。紡がれたたったの二文字は、それだけで心を満たしてくれるから。)……なんだかんだ、律からは初めて聞いた気がする。俺も、嬉しい。(想われていることが伝わっていても、言葉として紡がれるのはやっぱり特別に感じた。スキンシップに対する釘刺しには一度目を瞬かせて、少しばかり思案する。)適切……(あまり具体的には感じないラインを、良い子の高校生として彼基準で振り返る。手を繋ぐ、恋人繋ぎは問題なし。夢に遡るがハグもおそらく大丈夫で、となれば次の大きな山はキスが妥当と考える。)…………、(そっと彼の表情を盗み見た。良いのかだめなのか、正直なところ判断が難しい。少なくとも確かめるなら二人きりであることが前提だろうから、この場で聞くことはやめておいた。未成年、と夢でも聞いたひとつのラインが彼にとって重要ならば、成人まで大人しく待つ気概がこちらの身では十分にあるから。「わかりました」と従順な返事を下しておいた。本命のプレゼントではないと前置きは挟んだが、それでも彼の身近に置いて欲しくて選んだ品だ。マフラーを纏う姿を見つめながら、ぬくもりを喜ぶ声に目尻を下げる。贈り物を身に纏ってくれることも、それがイメージ通りに彼に合っていたことも、嬉しいの気持ちに繋がった。)似合ってる。やっぱり俺、見る目あるのかも。(目利きを自慢げに語りながら、マフラーを摘んだ彼の手にじゃれるように手を伸ばして、優しいカシミヤの手触りに辿り着いては「ほんとだ、あったかい」と笑った。――彼から受けたかわいい贈り物は、宮生の中で宝物になるに違いなかった。気持ちを落ち着かせるように深く呼吸をして、“よかった”の声に少し笑って。)…うん、かわいいよ。律のことだから、一生懸命考えてくれたんだろうなって思うのもまた嬉しい。(かわいいは主観だと、細かい好みを伝えることも出来なかったのに。プレゼントを選んでくれたその想いも、重なったかわいいも、どうしようもなく嬉しいのだ。)あとさ、今更だけど。 …恋人になったんだから、名前で呼んで欲しい。場所を選んでも、少しずつでもいいんだけど。(貰ってばかりだというのにまたひとつわがままを重ねて、幸せに笑ってみせた。やがて彼のぬくもりごと奪ったマフラーはそのまま自身の首に引っかけて、腕を引かれるままに本来の目的地へ向かう。大きなクリスマスツリーと化した、息を呑むほどに美しいモニュメントを前にしたって、きっと彼の表情を眺めてしまうのだろう。綺麗な景色が好きな彼のために、どうかとびきりツリーが煌めいていることを願った。)
* 10/1(Tue) 00:07 * No.146


azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth