【Event2】二人とも、聴こえるか。 | |||||
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>何処からか、美鶴の声が聞こえる。 ここからは、私が声でバックアップする。 私のペルソナの特性でな、中の様子が分かるんだが…実は、このタルタロスは、日によって構造が変わってしまうんだ。私もそちらへ加わりたいところだが、外からのサポートが欠かせないんだ。今日のところは2人で頑張ってくれ。 ところで、今君たちが居る場所は、既に、いつ敵が出てもおかしくない。敵のレベルは低いはずだが、気をつけて進めよ。 |
【Event2】利川、糸川、聴こえるか。 | |||||
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今日はここ2Fで実践を行う。 フロアをうろつくシャドウを片付けてくれ。 もしシャドウを見つけたら、向こうから攻撃を受ける前に、素早く接近してアタックを仕掛けるんだ。 …では、行動開始だ! >!! >探索開始直後、仲間と言葉を交わす間もなくシャドウが飛び出してきた。 | |||||
(アナライズ) | |||||
早速シャドウと出くわしたようだな。 ではまず、基本的な戦い方の説明をしよう。 シャドウ討伐における主な戦闘手段は、”アタック”と”スキル”だ。アタックは、装備した武器による攻撃。スキルは、ペルソナ能力による攻撃だ。武器攻撃とペルソナ攻撃を、状況に応じて使い分けるといいだろう。 それから、攻撃属性についての説明だ。アタックやスキルを含め、攻撃には属性がある。アタックの属性は、装備している武器で決まる。刀なら”斬撃”、弓なら”貫通”のようにな。スキルは、それ自体に固有の属性がある。アギなら”火炎”、ブフなら”氷結”だ。これに対し、多くの敵には耐性の低い属性がある。要は”弱点”だな。勿論その逆もある。私の力で、敵のそうした相性を調べることが可能だ。 例えばこの敵なら… ―――――――――――― 《虚栄のマーヤ》(左) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:シングルショット HP:30 弱点:火炎・電撃 ―――――――――――― 《虚栄のマーヤ》(右) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:シングルショット HP:30 弱点:火炎・電撃 ―――――――――――― 二人共ちょうど弱点が狙えそうだな。 弱点を突くことは、更なる攻撃のチャンスを得るきっかけにもなる。弱点を突くと、相手の体勢を崩すことができる。その隙に乗じて、こちらが更に度攻撃を仕掛ける事が可能だ。これが”ダウン”と”1more”だ。これを利用すれば、追い討ちをかけたり、仲間を回復したりする事もできる。 それと、目の前のすべての敵の体勢を崩せば、その瞬間、敵全体に隙が生じる。それに乗じて、味方全員で一斉攻撃を仕掛ける。これが”総攻撃”だ。上手く利用してくれ。 大丈夫か?なら、目の前の敵を倒してくれ。スキルとアタック、どちらを使っても構わないが、できるだけ短いターンで仕留めるんだ。…それでは、健闘を祈る。 | |||||
大丈夫、聞こえてます。…でも電話とは違って少し違和感。 | |||||
いきなり実戦だなんて校長も桐条先輩も結構スパルタ……って文句を言ってる暇もないの? ああもう、目障りだからさっさと片付けてしまいましょう。いいですね、利川先輩。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:ジオ(電撃) 対象:虚栄のマーヤ(左) 「ウラニア、ここに!」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10 】 【糸川残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― …一応効いてるみたいだけど油断は禁物かな。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(打撃) 対象:虚栄のマーヤ(左) 「振りかぶって……叩く!」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【糸川残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― もう一匹…は。……先輩、ここで負けるのも怪我するのも駄目ですからね。 | |||||
…へぇ、便利なこった。監視されてるみてぇで気持悪ぃけど。 | |||||
アッハ!綾ちゃんってばヤル気だねぇ。…ホントは一秒でも長く遊んでたいケド、怪我してまた病院送りになんて勘弁だし?ココはご要望にお応えしてさっさと終わらせるとするかな。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:アギ(火炎) 対象:《虚栄のマーヤ》(右) 「来い、マーリン!」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10】 【利川残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― ……イイ格好だな。如何にももっと攻撃してくださいってカンジ。…じゃあお望み通り、トドメを刺してやりますか。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(斬撃) 対象:《虚栄のマーヤ》(右) 「じゃあな。」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【利川残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― あー物足りねぇ。ケド初日なんてこんなモンか。もう他にシャドウも見当たらねぇし、一先ずこれでオワリみてぇだな。 ……それにしても俺の心配してくれるなんて、綾ちゃんってば案外心配性?ま、お互い大した怪我もなくて良かったぜ。 | |||||
確かにそう考えると気分は……先輩、見られて拙い事でもあるんですか? | |||||
(討ち漏らした一体へと駆け寄るより先、戦闘はなんなく終わってしまったらしい。黒い影が蟠っていた場所に音も残滓も無いのを確認すれば、一先ず安堵の息を吐いていかにも余裕綽々といった様子の上級生を見上げた)シャドウは倒せましたけど、今日の目的は奥の探索ですからまだ終わってませんよ。…それにしても、こんな不気味で意味不明な場所に居るのに先輩ってば楽しそう。変わってますね。(澄ました無表情を崩さぬまま、静寂の向こうへと伸びる通路を指差しては進む事を促す。それに対する相手の反応を確認するより前に一方的な感想を述べて足を踏み出したなら、ローファーが床を叩く音はやや慎重に。その声音こそ普段通り落ち着き払ったものであるものの、幾分硬さが窺えるのは敵と、ほぼ初対面の彼に対する警戒心の表れで)……別に心配とかじゃなくて、目の前で怪我されると気分悪いから言っただけです。桐条先輩はナビで見てるし、他の皆もどこかに居るとはいえ、今は二人きりな以上あたしの責任になりますから。(心配性の一言にも淀みなくそう答えていたが、真っ直ぐな歩みが不意にぴたりと止まる。見れば前方にはT字路。二つの通路はどちらも行き止まりではなく暗がりに続いているようだが、病み上がりともなれば余計な労力は使いたくない。さて――と傍らの彼を仰ぎ)分かれ道…か。どっちに行きます?(取り敢えずは首を傾げて意見を請うた) | |||||
べっつに〜。ただアレコレ言われんのが嫌なだけ、綾ちゃんだってそうじゃねぇの? | |||||
(斬った影は跡形もなく空間に飛散した。汚れを払う、或いは感覚を確かめるように大鎌を二・三度と振りながら「わかってるって。」とまるで念を押すように此方を見上げる後輩を一瞥する。理解出来ないとばかりに淡々と紡がれた言葉には否定もせず肯定もせず、ただ口元に愉快気な三日月を浮かべて、指示された暗闇広がる通路へと臆する事無く歩み出す彼女に促される形で利川も足を進めて行く。)そういう綾ちゃんは早く終わらせて帰りたいってカオしてるけど、ナニ、あんま乗り気じゃないカンジ?なにもかも新鮮に見えんのなんてどうせ今の内だけなんだしさぁ、楽しめる内に楽しんどかねぇと勿体ねえよ。 ああ、それとも…俺と二人きりってのが気まずいだけ?(それはふと閃いたように人差し指を立ててからの事。彼女の顔を覗き込むようにして背を屈めて、問いを乗せる唇は愉快気につり上がる。戦闘中もそして今も、涼しい表情を崩さぬ彼女の胸中はさて如何に。)へぇ?そりゃまた随分と責任感の強いコトで。……じゃあ責任問われねえようにちゃあんと俺の手綱握っとかねぇと、勝手に居なくなっちゃうカモよ。(唇に乗せた声に揶揄すら滲ませて利川は嗤う。この言葉を彼女は本気と取るか冗談と取るか、言った傍から立ち止まる事もなく迷い無い足取りでT時路を左へ曲がり、早く来れば?と言いたげにひらりと片手を上げてみせるのか。今の所協調性など欠片もないが、歩調だけは唯一彼女に合わせてゆったりめである。)…そういや、綾ちゃんのクラスどこだっけ?(不意にそんな質問を投げたのは、見上げた先に2年のクラス標識を発見した故の出来心。) | |||||
…強く否定はしませんが、ここで頷いたら桐条先輩に悪いじゃないですか。 | |||||
乗り気…っていうか、気に入らないんです。色々。戦わないと普通の生活が取り戻せない以上はちゃんと指示に従うつもりですけど、楽しむとか…そんな余裕は……、(さも当然の如く勿体ないと語る彼の口ぶりを見ていると、なんだか此方の順応性が欠けているだけな気がして答える語尾が幾分揺れる。視界に入る読めない笑みを見る限り相手が事を楽観視しているのは確かなのだから、これ以上噛み合わない意見をぶつけても平行線なだけかと発言の途中で口を慎もうとした刹那、不意に落とされた問いに僅かに目を見開いて)――な、んで、利川先輩相手に気まずくならなきゃないの。おかしな冗談は止めて下さい。(からかわれているのが分かるからこそ強い口調で否定したものの、覗き込む双眸から背けるように逸らした視線と微妙にたじろぎが見える声音では説得力があるとは言い難い。只でさえ愛想のない表情を三割増しで不機嫌にしたまま迷宮を進んでいたが、返答も迷う様子もなく分かれ道を左に向かう後ろ姿を見れば一瞬呆気に取られた様子で。しかしすぐさま我に返ったなら小走りで後を追う。再び隣に並ぶのは容易だったが、本来の歩幅の違いに気がつく前に投げ掛けられた問題発言によって、糸川の思考はあっさりと占められてしまい)……生憎だけど手綱の持ち合わせはないから、本気で消えるって言うなら制服掴んで引き留めます。どんなに動き辛くなってもあたしは知りませんからね。(脅しとも言えない脅しを大真面目に呟いたなら、視線は彼に倣うように見覚えのあるクラス標識へと。この異質な建造物内で馴染みのある物を目にするのはまだまだ違和感があったが、緩く頭を振ったなら何気ない質問に答えを返す)2年D組です。…昼間と同じなら先輩達の教室も上の階にあるんでしょうか? 見た感じ随分高いみたいだし、あまり学校の構造は当てには出来ませんけど。 | |||||
そ?この会話が桐条に聞こえてた時点で言ったのと変わらねえと思うケド。 | |||||
(都度繰り返すにつれ此れが愉しいから面倒に変わるだろう確信が、自身の性質を理解している利川にはある故に。無論、だからといって持論を押し付ける心算もなく、唯彼女は己と違って随分と真面目なのだと云う事は今の言葉で理解した。否、恐らくはこの場合、命すら掛けている戦いに臨んでいるとは思えない己の姿勢こそが異端には違いないのだが。)理由なんて別にいっぱいあんだろ、だって俺らほぼ初対面みたいなもんだぜ。それに俺綾ちゃんより先輩だし、男だし?綾ちゃん表情硬いからもしかしたらって思ってサ。……もしかして逆に意識させちゃった?だったら悪いね。(言葉こそ正論のようで、けれど悪い等と謝る割りに其れらに誠意が感じられないのは、彼女の思うように揶揄が込められているからに他ならず。単調だった彼女の声色に微かに乱れが生じたのは果たして図星であったからなのか、単に利川の視線が鬱陶しくなっただけなのか、どちらにせよ”手応え”は、確かに。)別に走って逃げたりはしねえよ、ただ見失いたくねぇなら俺から目を離さない方がイイぜってだーけ。…不安なら服、掴んでてくれても構わねえよ。(牽制する為の脅しにしては随分と可愛らしい行動だと、至って大真面目な呟きに返す返事は笑みさえ伴う。)…ああ、構造が同じなら、な。 なぁ、ただ探索ってのもつまんねえし、どうせなら自分のクラス探してみねえ?こんだけ造り変ってるとさ、教室どーなってんのか気になるっしょ。(其処で標識から視線は彼女へと。名案でも閃いたような顔で、同意を求めるように言葉を投げる。) | |||||
個人的な心証の問題です。…あと、先輩と共犯っぽくなるのはちょっと。 | |||||
(幾ら気を張ったところで不測の事態が避けれるわけでもないとは承知している。一人空回れば足並みを乱すだけだと理解していても、平素より刺々しい態度が歩み寄りを邪魔していた。それは彼の指摘した通り、初対面で年上で男性という人種にあまり関わった事がないのがひとつ。おまけにそんな人見知りを看破されたくない意地がひとつ。呼吸を置いて先ほどの動揺を治めたなら、きっ、と自ら逸らした視線を戻し)……してません。断じてしてませんから謝罪はいらないです。それにこの顔は元からだし、こうして先輩と歩くのにニコニコする必要はないと思ってるだけですよ。(一先ず相手のペースに乗せられたら負けだと、何と戦っているのかは自分でもよく分からないまま言葉を返す。反感を買いそうな事ばかり告げているというのに青年が涼しい様子なのは、この場に於いては恵まれているのか否か。どちらにせよ変わった上級生だという印象は増すばかりで、口にした脅迫に笑みが返ってくれば猶更に)消えたいのか捕まりたいのか一体どっちなんですか。……服、は、よく考えたらあたしも動き辛くなるんで当面は見張ってるだけにします。けど、ふらふらしないで下さいね。(付け足された一言に少し考え込んだ後、妥協点を見出したなら改めて念を押す。彼の意図は不明だが、今のところ同行してくれているのだから大丈夫だと自らに言い聞かせて)それって暗に寄り道したいって言ってるのと同じですよね? 教室に辿り着いたらそこには宝物が――なんて展開はないと思いますけど、闇雲に進むのよりはまし…かな。分かりました。探してみましょう。(不意の提案に緩く首を傾けながら、それでも同意を示したのは単調な景色に飽きてきた所為かもしれない。標識から方向の目測を定め、歩みを進める) | |||||
アハ、まだ先輩の言うコトに従順なイイ子でいたいってか。 | |||||
ハ、そりゃそうだ。イキナリ仲間だなんて言われて組まされた赤の他人に愛想よくする必要なんざねぇもんな?……まぁだから俺としちゃあ仲良くしときたいんだよねぇ、綾ちゃんと仲間として話が出来んのも”今の内”だけだなんしよ。(彼女の意見は尤もだと同意を示しておきながら、吐き出す言葉は明らかに嘲笑を孕む。其処に怒気はない、けれど、利川の言葉は彼女の反感を意識して紡がれたものに違いなく、確かに彼女を挑発していた。シニカルな笑みを湛え乍ら、今の内、と強く強調した響きは近く終わりを示唆しているようなもので、)さぁ?まぁ今ん所は消える予定も捕まるつもりもねぇケドよ、ふらふらすんなっつー約束は出来ねぇな。未来の自分がナニを思ってどう行動するのかなんてわかりゃしねえし、…それに言ったろ?見失いたくなかったら目ぇ離すなよ、って。(遠回しに彼女さえしっかり着いて来れば何事も起こらないと言っているようなもの。勝手にしろ、と一蹴りされても仕方のない身勝手な言葉であるが、しかし責任感の強い彼女ならそうするしかないのだろうと、わかった上で言葉を落とすのだから性質が悪い。 何の面白味もなかった探索に加えた提案に対し彼女の同意が得られたのなら「じゃ、決まりだな。」と再び常闇渦巻く廊下の奥を目指して歩みを進めて、)さぁて、と。……今度は三叉路か、綾ちゃん、どっちに行きたい?(三方向に分かれた通路の分岐点で足を止め、傍か或いは後ろを着いて来ているであろう彼女へと双眸を向ける。今度はそちらが決めてどうぞ、と言わんばかりに。) | |||||
……文句は直接言いたいだけですが、そう見えるならそうなのかもしれません。 | |||||
っ……確かに一期一会は大事にした方がいいと思います。でも、そんな風に最初からこの場限りを前提にするなら、仲良くしたって空しいだけじゃないですか。…第一、今更話なんて言われても…「ご趣味は?」とでも聞けと?(彼の狙いを知ってか知らずか。平素より吊り気味の眉が険しくなったのは、糸川にとって痛い部分を突かれた証と言えよう。可愛げのない事を言っているのも意固地になっているのも此方だというのに、向こうから終局を告げられると不満とは何とも勝手だが、俄かに血が上りつつある頭ではそんな矛盾にも気付かない。更には明後日の方向に質問を投げかけるやさぐれぶりも、視線は嘲笑交じりの笑みから離そうとしないまま)…先輩が気紛れな人なのは今の答えでよく分かりました。そこまで目を離すなって言うなら、穴が開くぐらいじーっと見ておくことにします。(既に責任云々より、相手の売り言葉に買い言葉。遠慮の欠片もなくその横顔を目で追いながら体の方も追従する。しかし迷宮は迷宮らしく再び分かれ道へと出たなら、彼の問いかけに深刻な様子で考え込む事暫し。徐に三叉路の中央に歩み寄って握り締めたままだった杖を床に立てると、ぱっと手を離した。そうして「真ん中ですね」と武器が倒れた方向という安直な理由で奥に進み始めたまでは良かったが、間もなく辿り着いた部屋が行き止まりと判明すれば、小さく溜息を吐いて)ああ、やっぱり失敗。無駄足になってすみませんが、さっきの道まで戻――(謝罪を口にしながら踵を返そうとした矢先。部屋の隅にこれ見よがしに置かれたアタッシュケースへと視線を留めれば、怪訝な表情でこの場に居るもう一人を振り返った) | |||||
そうなのかもって、何かどうでも良さげなカンジネ? | |||||
………空しいだけ、ね。(それはなんて事のない、言葉の羅列の中のヒトツであったのだけれど。耳朶を打ったとある単語は、一瞬、ほんの一瞬だけ利川の表情に影を落とし、呟きにも満たない吐息が歪に歪んだ唇より零れた。細められた双眸は緋咲く床に吸い寄せられるように落ちていたけれど、彼女が瞬きをする間にも影は鳴りを潜め、表情も、唇より落ちる言葉の調子も先刻まで彼女と言葉を交わしていた利川景充のものに戻っているのだから、きっと”見間違い”だと錯覚させるに違いない。)例え一時的な関係でも、俺は互いに愉しくやれりゃそれに越したコトはねぇと思うんだケド。この場限りだからって必要最低限の業務的な遣り取りしかしねえなんて、そんなのつまんねぇだろ。(尤も其れが彼女の望む交流の形なのかもしれないが、少なくとも利川に其の意思が無い事は言葉を聞けば火を見るより明らかだろう。「因みに趣味はヒトをからかうコトでーす、綾ちゃんの趣味は?」投げやりとも言える問い掛けもしっかり拾って。)わかって貰えて何より。でも俺のコト見つめ過ぎて転ばないように、足元にちゃあんと気を付けてネ〜。(痛いほどの視線を浴びても、かんばせに滲むのは一貫してやっと乗って来たと言わんばかりの愉快気な笑み。去り際に激励でも送るようにひらりと片手を振ったなら、さて、後は彼女の意志に従うとしよう。杖の導きを経て三叉路を中央へ、探索を急ぐ理由もない利川には行き止まりなど些細な事で視線は標識を探して上へ向いていたのだが、此方を見据える怪訝な視線に気付いては己とは異なる彼女の青を視界に映して。)……ああ、なるほど。あのナカにナニが入ってるのか、俺に安全確認して欲しいってワケね、リョウカーイ。(彼女の背後に鈍く光る怪しげなアタッシュケースを捉えては、好奇心に突き動かされるままケースへと歩みを進める。彼女の意思が違うものであるとわかっていながら、まるで此れは彼女の望みだとでも言いたげに。臆する事無くケースへと手を掛けて――)―…さて問題です、これは一体何でしょうか。(彼女の目の前に掲げた二つのモノとは、さて――?) | |||||
いえ…寧ろ、そこまではっきり言われた経験が無いので少し驚いたというか…。 | |||||
……?(微かに耳が捉えた呟きも、束の間の翳りを見せた表情も、それまでの彼の飄々とした態度を鑑みれば明らかに異質な変化として糸川の瞳に映った。しかし降って湧いた違和感は疑問として形成す前に霧消して、代わりに残るのは居心地の悪さ。言い過ぎたかと一瞬ばつが悪そうに口許を歪めるが、平静を装い静かな口調で言葉を紡ぐ)仲良くって言ってる側から敵が増えそうな趣味を堂々と宣言されても困りますよ。……あたしは…占いとか読書とか。買い物や料理なんかも嫌いじゃないです。(相手の意見に対する是非は答えなかったが、一応は質問に応じる辺り譲歩したらしい。とはいえ愛想良く振る舞う気は皆無らしく「忠告どうも」と短い返事を返す。向こうが言い出した事とはいえ、果たしてこれほど見詰められて鬱陶しくないのだろうかと、何故か愉しげな彼の様子に呆れと感心の入り混じった感想を抱きながら)安全確認…って、誰もそこまで言ってませんし、勝手に納得しないで下さい…! ああもう、罠だったらどうするんですか!(意見を聞くつもりで交わしたアイコンタクトが斜め上に捉えられるのは、付き合いの浅さ故――ではなく大方故意の犯行だろう。不用心にアタッシュケースを開け放つ姿に双眸を見開いて、咄嗟に駆け寄る前に軽い調子の問いかけを受けたなら今度はぽかんと間が空いた。数拍後、彼を見る糸川の目は見る間に不機嫌さを湛えた半眼と化し)どこからどう見ても傷薬でしょ、支給されたのと同じだもの。――…それよりもうここには何もないみたいだから早く行きますよ。先輩に寄り道させるとこっちの寿命が無駄に縮むだけだって、思い知りましたから。(踵を返せばそのままスタスタと来た道を戻り、先ほど迷いに迷った三叉路を今度はすぐさま右へと曲がる。その間、目を離さないと確約したことすら反故にして視線は真っ直ぐ通路の奥だけを見据えたまま。気紛れな青年が大人しく着いて来ているかも確かめていなかったが、本気で心配して損したという苛立ちのもとでは、先導する歩みは止まらない) | |||||
ああ、思ったコトはハッキリ言っちゃうタイプなもので。 | |||||
(其れは傷付いたというよりは、諦めたような。或いは嘲るような。どちらにせよ真意は互いに素知らぬ振りを決め込めば闇へと消える。所詮――…だと、利川は十二分に、身を持って知っているのだから。)アハ、じゃあ無難に読書ですとでも答えりゃヨカッタ?でも俺正直者だからさぁ、嘘吐けねぇのよネ。…ふぅん、読書に占いに買い物に料理ねぇ……じゃあ雑誌とかテレビの占いコーナーとかも欠かさずチェックするタイプ? 綾ちゃんの今日の運勢は”サイアク”とでも書かれてたかもしれねぇな。(如何にも女子らしい趣味だと感想を抱く。けれど占いとは最も遠そうな彼女が其れを趣味に挙げた事は利川にとっては少々意外と感じる所で、緩く首を傾け乍ら落とす言葉は意外が故の興味本位。彼女の言うように例え此れが罠であったとしても、其れを危ないではなく”面白くなる”と捉えるのが此の男。初めて聞く彼女の狼狽えたような声に一度だけ双眸を其方へと向けたけれど、其れでも利川の腕は止まる事なく、不機嫌さ滲む半眼を見ても危機感の欠片もない笑みがかんばせから消える事は無かった。)………やっぱ心配してくれてんじゃねぇか。ホンット素直じゃねえの。…まぁ、ソコが綾ちゃんの魅力でもあるんだケド。(ツレねぇんだから――と、言葉を形成する前に彼女が踵を返してしまえば、どんどんと離れていく華奢な背中を見据えて小さく肩を竦める。責任感だけであそこまで怒れるなら大したものだが、恐らく其れだけではないのだろうと口の端を引き上げて、見失う前に其の背をゆったりと追い掛けよう。体格差から彼女に追いつくのは、きっと直ぐの事。)ほらよ、忘れ物。報酬はちゃあんと分け合わねぇと――…(背後から傷薬を彼女の眼の前に翳そうとした刹那、やや前方、不意に視界に映った段差は階段に違いなく。) | |||||
……少しは悪びれて下さいよ。一瞬、納得しそうになったじゃないですか。 | |||||
無難な趣味ですみません。…まぁ…利川先輩が優雅に本を読んでいる場面なんて想像出来ませんし、その正直な口車に乗せられないよう心掛ける意味では有益なお話でした。(返ってきた言葉に特に違和感らしい違和感がなかった事に、内心で安堵と僅かな引っ掛かりを覚える。如何に皮肉屋ぶって気取っていても油断するとつい感情的になり過ぎてしまうのは糸川の悪癖だ。注意するとは言っても口達者な彼にどこまで対抗できるかは怪しいものであるが、僅かに視線を落として答える声を切ったなら、不意に問われた一言に不思議そうな瞬きをひとつ)そうですね、ああいう大雑把なのはあまり信じていないので殆ど習慣みたいなものですけど…。今日の運勢は――…とりあえず想像におまかせします。"サイアク"はあたしじゃなく先輩の方だったかもしれませんし、ね?(占いに関しては正しく趣味とは言えないのかもしれない。幼い頃からカードや水晶玉が身近にあった影響ですっかり生活に浸透してしまったが、一方でそれが何の理論にも基づいていないあやふやなものである事も重々理解していた。故に嫌味な冗談というよりは事実を語るようにさらりと首を傾けて見せるも、そんなひと時の余裕もこの上級生の前ではあっさりと崩れてしまう。そもそも八つ当たり同然の態度が何故魅力なんて単語に繋がるのか――他人から言われ慣れていない評価が更に糸川の火に油を注いでいたが、暫く歩いていれば少なからず頭は冷えてしまうもので、視界の上から傷薬が飛び込んで来れば足を止めてゆっくりと振り返った。それから此方も階段の存在を認めたなら、少しの間黙り込んだ後に怒気を緩めて)……なんだかんだ言って先輩も律儀な人ですね。本当に変わってる。…………傷薬…ありがとう、ございました。(ぎこちなく礼を告げたのは彼が言うところの"今の内”だからではないが、本日の成果を両手で受け取って真正面から弧を描く表情を見詰める。通路の終点に辿り着けばきっとそれがゴールとなるのだろう。「行きましょう」と小さく促して一歩を踏み出す足取りに、迷いはなかった) | |||||
(終了)無事に階段を見つけたようだな。 | |||||
よくやってくれた。今日のところはこの先に進む必要はない。 君達のすぐ近くに小型ターミナル…装置らしきものがあるはずだ。それがエントランスにあるターミナルへと君達を転送してくれる。それと同じ小型ターミナルはフロアによって設置されていたりされていなかったりするが、今後も使う事になるだろうからよく覚えておくといい。ちなみに小型ターミナルはエントランスへの一方通行だからな、エントランスから其処に戻ることは出来ない。…説明はこのくらいか。では、今すぐ帰還してくれ。 |
【Event2】徳永、真壁、聴こえるか。 | |||||
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今日はここ2Fで実践を行う。 フロアをうろつくシャドウを片付けてくれ。 もしシャドウを見つけたら、向こうから攻撃を受ける前に、素早く接近してアタックを仕掛けるんだ。 …では、行動開始だ! >!! >探索開始直後、仲間と言葉を交わす間もなくシャドウが飛び出してきた。 | |||||
(アナライズ) | |||||
早速シャドウと出くわしたようだな。 ではまず、基本的な戦い方の説明をしよう。 シャドウ討伐における主な戦闘手段は、”アタック”と”スキル”だ。アタックは、装備した武器による攻撃。スキルは、ペルソナ能力による攻撃だ。武器攻撃とペルソナ攻撃を、状況に応じて使い分けるといいだろう。 それから、攻撃属性についての説明だ。アタックやスキルを含め、攻撃には属性がある。アタックの属性は、装備している武器で決まる。刀なら”斬撃”、弓なら”貫通”のようにな。スキルは、それ自体に固有の属性がある。アギなら”火炎”、ブフなら”氷結”だ。これに対し、多くの敵には耐性の低い属性がある。要は”弱点”だな。勿論その逆もある。私の力で、敵のそうした相性を調べることが可能だ。 例えばこの敵なら… ―――――――――――― 《貪欲のマーヤ》(左) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:スラッシュ・突撃 HP:30 弱点:氷結 ―――――――――――― 《貪欲のマーヤ》(右) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:スラッシュ・突撃 HP:30 弱点:氷結 ―――――――――――― 二人共ちょうど弱点が狙えそうだな。 弱点を突くことは、更なる攻撃のチャンスを得るきっかけにもなる。弱点を突くと、相手の体勢を崩すことができる。その隙に乗じて、こちらが更に度攻撃を仕掛ける事が可能だ。これが”ダウン”と”1more”だ。これを利用すれば、追い討ちをかけたり、仲間を回復したりする事もできる。 それと、目の前のすべての敵の体勢を崩せば、その瞬間、敵全体に隙が生じる。それに乗じて、味方全員で一斉攻撃を仕掛ける。これが”総攻撃”だ。上手く利用してくれ。 大丈夫か?なら、目の前の敵を倒してくれ。スキルとアタック、どちらを使っても構わないが、できるだけ短いターンで仕留めるんだ。…それでは、健闘を祈る。 | |||||
聞こえます!自分が戦うってまだ不思議な感じ…! | |||||
なんか…不気味であんまり可愛くないね…。仮面の下の顔がちょっと気になるけど…まあいいや!徳永さん、とにかく力を合わせて倒そうね…!
―――――――――――――――――――――――― コマンド:ブフ(氷結) 対象:《貪欲のマーヤ》(右) 「セイレーン、よく冷えたのをお願い!」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10 】 【真壁残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― ……ごめんね。でも倒さなきゃいけないから。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(斬撃) 対象:《貪欲のマーヤ》(右) 「上手く出来ますように…!」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【真壁残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― 思ったよりハードなんだけど…怖い!…そっちも大丈夫そう?無理はしないでね…! | |||||
えぇ、大丈夫。……少し前まではこんな敵がいるなんて思いもしなかったものね。 | |||||
これぐらい可愛げがない方が、躊躇わずに戦えるかもしれないわよ?……さて、こちらこそ宜しく、真壁さん。君こそ無理しちゃダメよ、こちらは私が片付けるから何かあったら声を掛けて頂戴ね。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:ブフ(氷結) 対象:《貪欲のマーヤ》(左) 「さぁ、行きましょう…レアー!」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10】 【徳永残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― コツを掴むにはもう少し経験が必要ね…習うより慣れろってとこかしら。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(貫通) 対象:《貪欲のマーヤ》(左) 「……逃がさないわよ」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【徳永残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― お疲れさま、怪我は無かった?先日のシャドウより小型と言えこうした戦闘は初めてだもの、怖くて当然よ。……少しお話でもして態勢を整えつつ、ゆっくり前に進みましょうか。叶うなら、一緒に戦う真壁さんのことも、知っておきたいもの。…勿論、油断は禁物だけれどね? | |||||
ゲームの中だけだと思ってた…。攻撃されたら痛そうだよね。 | |||||
(まだ慣れない状況と疲労で肩を上下させながら、きょろきょろと辺りを見回して。)…もう消えた?よね?…まだ他に隠れてたりしないよね?(そして近くに敵の姿が見当たらない事を確認すれば、胸を撫で下ろす。彼女の提案に二つ返事で賛同し、平素よりも慎重に足を前に出していこう。妙にしんとした不気味な迷宮の中、普段とあまり変わりないテンションで口を開く。)私は無傷だったけど…徳永さんも大丈夫だった?いきなりなのに、あんなに落ち着いて対処出来るなんてすごいね!(まずは先刻の戦いを振り返って笑み浮かべながら一言。何か危なっかしい点が多々あった自分と比べ、彼女は終始とても落ち着いているように見えた。其の様子は共に戦った真壁にとって心強いものに違いなく。今のところ新たなシャドウに遭遇する気配はないが、何処から飛び出してくるかは分からない。まだ暫く気を張った状態が続きそうだ。)そういえば、徳永さんって…クラスは違うけど、たしか学年は同じだよね?私はB組なんだけど、何組?(状況を好転させる階段を探して足と目は絶えず動かしながらも、彼女の事をより知るべく質問を投げかけてみよう。) | |||||
良くあるゲームに則すなら攻撃には防御だけれど、……避ける方が現実的かしら? | |||||
そうね、少なくとも今のところは。……大丈夫、私がついているわ。それに、……いざとなったら力を合わせて、頑張るんでしょう?(言外に潜ませる警戒心とは裏腹に、疲弊を見せた彼女を諭さんとす口調は穏やかに。昼中の学園が見せる日常との落差に抱く驚嘆を胸中にて咀嚼しながらも異様な世界の中でも快活さを見せる少女の姿に自然と唇は弧を描き、)真壁さんが最初にお手本を見せてくれたおかげよ。桐条さんからも私たちのペルソナが持つ氷結属性ならば弱点を突けると助言もあったでしょう?彼を知り己を知れば百戦殆うからず、よ。…とは言え、何事も肩の力を抜くのが一番かもしれないわね。(微笑みを零し肩を竦める所作にはちょっとした茶目っ気をスパイスに。巡る彼女の視線が求める存在を察すれば自分はシャドウへの警戒を深めながら、何気ない問い掛けを噛み締め微かな躊躇を見せるも返す首肯は何処か嬉しげに)……えぇ、学年は同じ3年生、クラスはE組よ。部活は帰宅部だけれど、保健委員会に所属しているわ。……真壁さんは?何か所属してる?(仄暗い闇の中で未だ姿を現さぬ手掛かりを憂いつつ、ほんの僅か彼女より前を行くように速める足取りはそれと無さを装って。) | |||||
失敗率高そうだし…逃げるが勝ちなんだよ、きっと! | |||||
…ありがとう!すごい心強い…!…そうだった…そんな事も言ってたね、私…言われるまで忘れてた。(彼女の温和な口調と冷静な言葉のに励まされたのか、何処か混じっていた空元気が少しずつ抜けていく。もしもの時も彼女と力を合わせて突破してみせると気持ちを固めたら、ますます浮かぶ笑みも深まって。)あんなばったばたの手本でごめんねー!ほんとに弱点だったよね、思ったより攻撃効いてたし…。…それって日本の諺?初めて聞いた…!んー、でも完全にリラックスしたら不意打ちにやられそうだし、加減が難しい…。(耳馴染みのない言葉に小さく首を傾げ、詳細を問うてみる。微かな間の後に返された答えに違和を抱く事はなく、教室での会話と変わらぬ調子で続ける。)E組かー、ちょっと遠いね。遊びに行っていい?へー、保健委員なんだ!怪我した時にこんなに優しくて冷静な委員さんが隣に居てくれたらすごい安心すると思う…!私は吹奏楽部で文化委員だよ。委員の仕事はよく分かんないんだけど。(彼女の少し後ろを歩きながら、更なる敵と遭遇しない事を心の底から祈るばかり。)…んー?見当たらない…。おかしい、階段って割と適当に歩いてたら見付かるイメージだったのにな…。(と言いながらも上下に伸びる階段がないかとよく目を凝らして。) | |||||
……ちなみに真壁さん、足に自信はあるかしら? | |||||
本当は夜も遅いし、明日もあるんだから今すぐ帰りましょうと提案できれば良いんだけれど……その分なら必要なさそうね。(眉尻を下げ吐露する懸念も杞憂と察すれば然したる間を置かずして再び微笑みの下へ秘する事と相成るか。おまけに自らの役目を果たさんとす姿とは裏腹な何処か愛らしさを覚える発言を耳にすれば、不気味な迷宮には不釣り合いにもくすくすと笑みを零し肩まで揺らす体たらく。)正確には中国の故事、孫子の兵法書に記された一文よ。高校の漢文では孔子が多いけれど…ひょっとすると孫子も出てくるかもしれないわ。私ならオーソドックスだけれど、こう言う時は深呼吸かな?それにしても、……真壁さんは誠実なのね。(懐かしげに記憶を辿り、返す言葉は授業を意識しての物。不意に感じた彼女の印象を感心したように素直に告げては続く和やかな問いへ再び深い頷きを、)勿論、教室ならいつでも歓迎するわ…保健室は用が無いに越したことは無いものね。……部活も委員もだなんて、活動的なのね。パートは何を?(曲がり角を前にしては歩みを緩め死角の警戒を続けながら、エントランスで見据えた階段を想起したなら緩やかに周囲を見渡し)迷宮と言うだけあって一般的な常識は当て嵌めない方が良いかもしれないわ。……大丈夫よ、同じ場所を行ったり来たりしている訳では無いしこれだけ視界が悪いんだもの存外いきなり目の前に、何て事も有り得るわ、……とは言えもう少し歩みを速めても、良いかもしれないわね。(彷徨う視線を絡めたなら首を傾げ、彼女の意見を仰ごうか) | |||||
あ、あんまり…。運動部並みのスピード出されたら負けると思う…。 | |||||
これ、帰ったら絶対すぐベッドに直行する予感…!目はむしろ冴えてる気がするけど…。徳永さん、夜は強い方?それとも朝型?(まるで徹夜をしている時の心境に近く、現在のところ眠気は全く感じない。だがこれは一過性のものだから、寮に帰った途端に感じるべき眠気が何倍にもなって押し寄せる気がした。折角の夜の空気は落ち着いて楽しみたいところだが、彼女と交流を深められる点には感謝して。)…孫子の兵法書…そんな本があるんだね…。あー、漢文!レ点とか返り点の!孔子は分かるけど、孫子って人も居るんだね…私、もっと勉強頑張ろう…。王道だよねー、後は掌に人って書いて呑み込むとか?……誠実?そんな褒め言葉、初めて言われた…!(己の知識のなさに肩を落とす一方、彼女の博識さに密かに尊敬の念を抱いた。けれど普段は縁のない褒め言葉を頂戴すれば、目と口をあんぐり開け、驚愕の表情。其の言葉は彼女によく似合う気がしたが、)嬉しい!じゃあ休み時間とか押しかけるね!んー、割とそういうの好きだからかも。担当はアルトサックスだよ!(と其の場で楽器を吹く真似をして、曲がり角は特に慎重に曲がる。まるで刑事にでもなった気分だ。)常識が通じないっていうのは手強いね…。そうだね、疲れないぐらいの速さで行こっか。(提案に笑みと共に賛同し、以前より少しだけ歩調を速めようか。)…此処、昼間の学校ならどの辺なんだろうねー。(注意は払いながらも興味は尽きない様子。) | |||||
正直、私も……。真壁さん、女は度胸よ……ここは先手必勝で行きましょう。 | |||||
時間は短くともこれだけ気を張ってるんだもの……それに、朝型なのよ私。普段はとっくに布団の中に潜ってるぐらい、…きっとこんな状況じゃなきゃ起きてられないわ。(零す溜息とは裏腹に何処か喜びに跳ねる声音は斯様な状況に陥ったからこそ彼女と言葉を交わす機会に恵まれたのだと改めて実感した為か。「真壁さんは?」と問い掛ける眼差しには好奇心を織り交ぜて、)語り部についてより故事成語の成り立ちの方がテストでは頻出かもしれないわ…なんて、えらそうなことを言っているけれど私も国語が好きなだけで理系はさっぱり。……真壁さん、それってきっと人前で緊張した時の対処法よ。(脳裏に浮かんだ中間テストなんて少し先の予定を掻き消した刹那、彼女が齎した言葉を習って掌に文字を書いたなら控えめながらも突っ込みを。微笑ましげに注いだ眼差しはけれど、ころころと変わる彼女の表情につられ然したる間を置かず瞬きを繰り返す事と成り、)そう、誠実。だって真壁さん、使命と言うか…目標の達成に前向きなんだもの。召喚器を渡された時は確かに選択肢なんて無かったけれど以降の活動は当人の心持次第でしょう?……この場合、頑張り屋さんって言った方がしっくりくるのかしら。(目線より聊か低い位置にある彼女の頭を撫でそうになる衝動に耐えながら、紡ぐ言葉は止め処なく。納得の行く表現を見つけたなら軽く手を合わせ一人頷いて見せる程)だったら私は音楽室に足を運ぼうかしら?折角だから一度は聞いてみたいもの、真壁さんの演奏。(楽器の存在を彷彿とさせる所作に浮かぶ笑みは止め処なく、緩んだ気を引き締めるように咳払いを落とせば再び前を見据え)ひょっとすると今この場所がB組かもしれないわよ?……明日の朝には元通りなのよね。(事実を受け止めた今尚、尽きぬ疑問に溺れる思考を推し留めれば再び意識を探索へと傾けた) | |||||
そうだね、愛嬌あっても役に立たなそうだし…!ここは頭脳戦で! | |||||
何となくそんな感じだと思ってたけど、健康的だね…!じゃあ明日は寝不足になりそう?(ほんのり予想した通りの答えが返ってきたなら、感心したように目をぱちぱち瞬かせながら賞賛の眼差しを向ける。昼間は寝不足がデフォルトの真壁には憧れに等しい。同じ事を問い返されると「私は深夜型かな…、えへへ。夜からが本番っていうか。」と苦笑い混じりに正直に答えるのか。)テスト…此処の学校のテストが難しそうで怖いよー。それなら読書も好きとか?すごい分かる、数字が出てくると一気に難しく見える…。…あっ、そうだね…これはちょっと、恥ずかしい…。(彼女の鋭い指摘に思わず間抜けな声上げて、恥ずかしそうに笑う。けれど彼女のお茶目な行動に助けられ、気を取り直して言葉を続けた。)んー…前向きでも後ろ向きでも変わらないなら、前向きの方がいいかなって。そんなにべた褒めされると浮かれちゃうよ。徳永さんは褒め上手だね!優しいお母さんみたい。(基本は単純な性質である故に彼女の言葉は真壁を舞い上がらせるには十分過ぎた。解ける頬は止められない。予断を許さぬ状況の中で浮かれるとは指示を出す彼女に叱られそうだが、この上機嫌を調査に役立てたいもの。)ほんと?大歓迎だよ!でもちょっとブランク出来ちゃったし…練習するよ!(彼女の一言で更に気合いを入れ直し、先ずは此処からの脱出が先決だと前を向く。)…実は自分の席だったりしたらちょっと吃驚。うーん、信じられない…。(思わず唸りながら、如何にもな分岐が見えてくれば彼女に「前、右、左…何処に行こう?」と尋ねてみよう。もし決まらなければ直感に頼る事になりそうだが。) | |||||
忍び寄って弱点をつければ尚良し、ね。…弱点を突ける相手なら良いんだけれど。 | |||||
うっかり数学の時間に船を漕いだりしないと良いんだけれど、……ほとんど決まった時間に眠気が来るから真壁さんみたいに夜も動けると言うのは少し羨ましいわ。(聊か歯切れの悪い物言いに覚えた違和感は形にこそならずとも、視界に飛び込む表情に過る動揺を察すれば抱いた疑念が密やかに心中へ満ちて行く。彼女の気質を思えば踏み込むも容易い距離感なれど薄く開いた唇は然し本来紡がんとした言葉を飲み込んで「……余り遅いと体に差し障るわ、何事もほどほどにね?」なんて、穏やかな懸念と常の笑みを象るのだ。)何せ港区周辺では名門校だものね…中間から落ちこぼれ……なぁんて笑えないわ。えぇ、ほとんどが小説だけれど読書は好き……真壁さんは?本は読んだりする?(先日の事件による入院のため、遅れを取った授業を思えば心中に滞る暗澹とした心地は払拭できなくて。深い息を吐き出し誤魔化しつつも気を取り直せば彼女の嗜好を伺うため静かに問いを重ねよう。返答によっては更に趣味を尋ねる心積もりで、)どうせならプラスに捉えていた方が心も晴れるものね。………――そ、うかしら……、…私を褒めても何もでないわよ?真壁さんからは元気のおすそ分けを頂けたけれど。(先頃までの余裕めいた笑みは何処へやら、不意を突かれた一言に瞠目すれば刹那の間の後、過った感情の揺らぎを掻き消すように深い瞬きを繰り返す。何処か掠れた声音に喜悦を滲ませ首を傾げるも、やがて常の調子を取り戻せば軽い口振りにて釘をさして)じゃあ、そうね……真壁さんが自分でも納得の演奏が出来るようになった頃にお伺いしましょうか。(勝手な約束を取り付ければ、彼女に倣って見据える闇の果て。徐々に露になる別れ道の先を少しばかり覗き込めば今度は何か手掛かりは無いかと周囲を見渡し)特に確証はないけれど左に一票。……こうも似通った道ばかりなら次の探索からは地図でも作ろうかしら?(無論、日によって構造の変化する迷宮に効果があるか甚だ疑問では在るけれど、サポート役の彼女の持つ能力へ思いを馳せながら一先ずは取るべき進路への意見を彼女に仰ぐのだ。) | |||||
弱点をこちょこちょするとか…脇腹とかおへそ、何処だろう? | |||||
わー…睡魔さえも規則正しい…。でも朝と昼は眠くて使いものにならないから、きっと朝型の方がいいよ。(其の言葉に驚きを露わにして、何処か羨ましげな様子で彼女を見遣るのか。真壁の睡魔は深夜に不規則で訪れる。其の会話だけで彼女が如何に健康的な生活を送っているか手に取るように分かるようだ。有難い助言をひしひしと受け取れば「はーい、気を付けます…!」と返事と苦笑を返す事になるだろう。)本当に笑えない…落ちこぼれって思われるのは嫌だね…!転校生サービスとかないかな…。読むけど、漫画とか雑誌ばっかりだよ。さらっと小説読むのに憧れたりはするんだけど。(他の生徒より遅れている事は念頭にないようで、テスト直前に思い出して焦り、同級生たちに頼み込んで回る事になりそうだ。彼女の趣味は予想通りの絵になるもので、其れに対する自分の答えはとても子供っぽく見えた。)まさかー、こうして話してもらえるだけでどれだけ心強いか…!じゃあ…私は徳永さんから知識のお裾分けを貰えたんだね。(彼女が不自然に言葉に詰まるのは気付いたが、其れに突っ込むほど野暮ではない。何事もなかった顔して会話を再開するのだろう。)……じゃあ左で!地図作りいいねー!入る度に変わってたりは…しないよね、流石に。(真壁も右か左で迷っていたのだが、彼女の一票で無事に決まったらしく。再び彼女に確認を取った後、問題なければ進路を左に取る事になるだろう。――そうして彼女と共に進んだ道の先には何か箱のような影が視界に入り、)…ん?あそこに何か落ちてるみたい…?(何やら箱のような影が視界に入ったようで。すぐに近付きたい気持ちはあるが、此処は何が起こるか分からない未知の場所。彼女に意見を仰ぎながら、視線は謎の箱らしきものに向けられる。) | |||||
じゃあ、私が押さえるからくすぐるのは真壁さんにお任せしようかしら?…なぁんて。 | |||||
何事も習慣ね、私の場合は小さな頃から早寝早起きだったからきっとそのせいよ。……今の生活リズムは高校生に入ってから?(交錯する眼差しと零れた感嘆詞から彼女の口振りが誇張表現では無いと察すれば平素は制する過干渉な一面が気付けば心の奥底で首を擡げていた。彼女が朝型の生活を望むなら多少の手助けも出来ようかとまずは生活習慣を探るべく、何気ない調子で投げ掛ける問いはほんの少し彼女へ踏み込む為の切口か。「素直でよろしい」なんて演技がかった口振りが少しでも彼女の気を紛らわす事を願いつつ、抱いた憂慮を飲み干せば心の奥底へ密やかに沈めて、)あら、あるかもしれないわよ?入院特典の補習の線が濃厚だけれどね。……実は私ね、小さい時にあまり漫画を読まなかったからかコマを追うのが苦手なの。だから逆に漫画をすんなり読める方を見ると憧れたりするのよね。……もし、真壁さんに興味があるのなら勿論、読みやすそうな小説を幾つか見繕うけれど、(冗談めかした言葉も担当教諭によっては強ち笑い事では無いかもしれないと、思わず明後日の方向へ投げた視線を再び彼女に注いだなら、苦手分野を告白する表情は少しばかり気恥ずかしげに。形に成らぬ途切れた言葉の先に代わって首を傾げて見せたなら唇はただ穏やかに三日月を描くのか)…と、言い切れないのが迷宮の所以たるところね。構造が変化するなら、何度も同じ道を通らないための予防ぐらいになればいいんだけれど。(否定できない可能性に思わず考え込んでいたためか、彼女の声に顔を上げ漸く箱の存在を認知したならば次なる未知の登場に幾度か瞬きを繰り返し、)…私が行くわ。(彼女の短剣と徳永の傘。手にした得物によって生ずるリーチの差は明らかと、軽く傘を掲げて見せたなら莞爾とした笑みを残し正体不明の箱へ歩み寄る。近づく程に明らかとなる見知った外形へ逆に違和感を強めながら、傘の先端で箱を突けばカタン――金属質な音を残し転がるアタッシュケースは確かな質量を持っていた。)真壁さん、……何かあったらよろしくね?(――なんて。絶大な信頼を示す言葉の調子とは裏腹に弧を描く口許以外が真摯な色を呈し彼女を遠ざけんと画策するのはこの迷宮の奥深さを知るが故。さて、鬼が出るか蛇が出るか。アタッシュケースに指を掛け心持ちとは裏腹に重い爪を弾いた先、転がり出る内容物へ間の抜けた顔を晒すまでさしたる時間は必要とされなくて、) | |||||
くすぐりにあんまり自信ないけど…全力でやれば効く!…かな? | |||||
すごい、偉い…!年齢が上がってくると夜更かしの時間も一緒に長くなりそうなのに。ううん、実は中学生ぐらいからなんだよね…。(最初は0時過ぎだったものが徐々に1時過ぎ2時過ぎとずるずる延びてしまい、現在は朝日が昇る頃に眠る事も珍しくなくなってしまった。そんな状態だから、完璧な模範とも言える彼女の前では小さくなるばかり。芝居がかった言葉には一瞬きょとんとして、すぐに力が抜けたような笑みが浮かぶ。時にお茶目な事も言ってくれるから、緊張と弛緩のバランスを丁度良く保てる。)えっ、そうかな?うっ、わー…。それ特典じゃない、むしろ罰だよ…。そっか、逆の人も居るんだね。いいの?ありがとう、お願いするね!私も何かゆったり読めそうな漫画を紹介しようか?(彼女の言葉は圧倒的な現実味を帯びていて、折角の休日に補習でも入れられたらたまらないと渋い表情に。だが入院特典ならば一人ぼっちの補習にはならないだろうと変なところに安心したりも。そして彼女の意外な苦手が聞けたなら、上昇する親近感。有難い提案のお返しになればと提案を重ねるのか。説得力のある言葉に、せめて構造くらいは変わらないでほしいものだと誰にともなく願う。そして彼女も箱の存在を確認したならば、其処からの行動は彼女の方が冷静且つ迅速だった。)…え、でも……。――分かった、絶対に守るから!(一人では危ないと止めようとしたが、咄嗟の代替案が思い浮かばず、情けなくも彼女の背を見送る事に。あえて絶対という強い言葉を口に出したのは、怯みそうな自らを鼓舞する為。もし得体の知れない敵が飛び出してきたら、武器を振り回してでも退治するのだと決意。彼女が箱に手を掛け、開く一瞬は触れたら壊れそうなほどの緊張が張り詰め――そして。何故か其の動きが止まり、特に異常が起きる様子も見られなければ真壁も彼女の方へ近寄って、ケースの中身を覗き込んでみよう。其処に入っていたのは物騒なものではなく、)…えっ、と…これ、傷薬…?丁度2つ入ってるし、仲良くどうぞって事かな…?(傷薬らしきものが二つだけ。片方を手に取ってしげしげと観察してみても、其れが傷薬以外の何物でもない事が分かるだけだろう。肩すかしを食らった気分もあったが、何も起こらないのに越した事はない。「役立ちそうだし、危ないものじゃなくてよかった…!」と安堵の笑みを向けて。) | |||||
擽れる場所が見つかれば、きっと。…通じる相手の方が少し気が楽だわ。 | |||||
ここ2年ほど入院していた関係で規則正しい生活を送っていたからそれも理由の一つ、かな?…思っていたより根深いのね……とは言え、余り考え過ぎない方が良いのかもしれないわね。少なくとも今日は眠れるでしょうし…生活習慣も人それぞれ、違いがあって当然だもの。(彼女の睡眠リズムは徳永にとって気掛かりではあるけれど、恐縮した様子を見て強く改善を促す気概は全く無い。況して今宵の疲労加減なら自分も彼女も間違いなくすぐ眠りにつくだろうと、素知らぬ顔で実年齢を零しながら声音を和らげ様子を窺って)けれど、期末の成績も悪くて夏休みを削って補習なんてパターンを考えれば今のうちに甘んじておいた方が良いかもしれないわよ?……えぇ、是非。試験が終わった頃にお願いしても良い?うっかり漫画に集中してしまいそうだから。(千変万化す彼女の反応が愛らしく、再度口を開いて綴るは先にも増して悲惨な未来。彼女との約束を阻害する要因が生じぬ事を祈りながら、気恥しげな言葉を以て時期の提案を施すのだ。)ふふ、……――とっても、頼もしいわ。(零れた声の薄っぺらさに湛えた自嘲に満ちた笑みは然したる間を置かず消えていく。微かに残った罪悪感を振り払わんと短時間にして幾度も重ねるシミュレーションの果て、現れた傷薬にすっかり肩の力は抜けていた。彼女と再び顔を合わせる頃には平素の微笑さえ携えて、残る一方を手に取れば耳にした所見に異議は無いと深く首を縦に振り、)まさかこんなアイテムが存在するとは思っても見なかったけれど……今日のところは有難く受け取りましょう。(正にこの迷宮で成すべきは“探索”だと認識を新たに「毎度傷薬ならば助かるんだけれど」と再度手に入れた傷薬へ視線を落とそう。やがて気を取り直し歩みを進めたなら徐々に露となる道筋の果て、微かに捉えた連なる段差の正体が紛れもない上階へ続く階段と悟れば彼女の姿を顧みて)お疲れ様、真壁さん。きみのおかげで今日は余り緊張せずにすんだわ……ありがとう。(求め続けた階段をもう一度振り仰げば満ちる充足感に唇は自然と弧を描く。紡ぐ労いに乗せて胸を撫で下ろし、差し出す片手は今日と言う日を共に過ごした感謝と喜びを示していた) | |||||
(終了)無事に階段を見つけたようだな。 | |||||
よくやってくれた。今日のところはこの先に進む必要はない。 君達のすぐ近くに小型ターミナル…装置らしきものがあるはずだ。それがエントランスにあるターミナルへと君達を転送してくれる。それと同じ小型ターミナルはフロアによって設置されていたりされていなかったりするが、今後も使う事になるだろうからよく覚えておくといい。ちなみに小型ターミナルはエントランスへの一方通行だからな、エントランスから其処に戻ることは出来ない。…説明はこのくらいか。では、今すぐ帰還してくれ。 | |||||
通じる相手に備えて、くすぐりの練習始めようかな…! | |||||
そっか…病院で夜更かしなんかしたら看護師さんに怒られちゃうもんね…!うーん、もうちょっと深刻になってから考えてみようかな…。(彼女の事兄納得した顔になりながらも、取り敢えずは其の言葉に甘えるとして。事実、今日はとても夜更かし出来るほどの体力も気力も残っていないだろうから。悪い寝付きに悩まされる事なく、すぐに眠りに入っていけるだろう。)うわー、出来ればどっちもやりたくない!それなら普通の授業頑張るよ、うん!…あ、そうだね!私も読んでるうちに試験勉強とか忘れそうだし…試験終わった後の楽しみに取っておくね。(現実離れした状況の中で無駄にリアリティを帯びる未来に頭を抱え、真面目に授業を受けようと思った。此の先には遠くないうちに憂鬱なテストが待ち受けているが、楽しい約束が力になってくれそうだ。)彼女の言葉に何の疑問も抱く事はなく、何があっても彼女は傷付けさせまいと気持ちだけは一人前。無論、諸々の説明を受けて間もない真壁に相応の実力など伴っていないが。其れだけに、ある意味で平和とも言えそうな傷薬の存在には彼女同様すっかり脱力してしまった。其れならケースに大きく傷薬と表示してほしいものだと八つ当たりのように思いながら。)こんな思わせぶりに置かなくてもいいのにねー!でも嬉しい道具だから、私も大事に使わせてもらおうっと。(まるで何処かのRPGのダンジョンに迷い込んだ気分を味わいながら、出来るならあまり出番がないよう願うのだけど。傷は負わないに越した事はない。彼女の言葉に深く頷きながら、傷薬を手に入れる為の探索ならばまだ気分は軽いだろう。――と、其処でずっと探していた段差が見付かったなら、安堵と喜びが綯い交ぜになった表情で其れを見上げる。)お疲れ様、徳永さん!私の方こそ、一人だったらこんなにちゃんと探索出来てなかったよ…!本当にありがとう!学校でもよろしくね!(ふうっと大きく息を吐いて、ゆるゆると頬を解けば彼女にも心からの労いと感謝を返そう。差し出された手をしっかりと受け取って、後は指示役の彼女の指示に従って“日常”に戻るとしよう――) |
【Event2】児玉、玖珂、聴こえるか。 | |||||
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今日はここ2Fで実践を行う。 フロアをうろつくシャドウを片付けてくれ。 もしシャドウを見つけたら、向こうから攻撃を受ける前に、素早く接近してアタックを仕掛けるんだ。 …では、行動開始だ! >!! >探索開始直後、仲間と言葉を交わす間もなくシャドウが飛び出してきた。 | |||||
(アナライズ) | |||||
早速シャドウと出くわしたようだな。 ではまず、基本的な戦い方の説明をしよう。 シャドウ討伐における主な戦闘手段は、”アタック”と”スキル”だ。アタックは、装備した武器による攻撃。スキルは、ペルソナ能力による攻撃だ。武器攻撃とペルソナ攻撃を、状況に応じて使い分けるといいだろう。 それから、攻撃属性についての説明だ。アタックやスキルを含め、攻撃には属性がある。アタックの属性は、装備している武器で決まる。刀なら”斬撃”、弓なら”貫通”のようにな。スキルは、それ自体に固有の属性がある。アギなら”火炎”、ブフなら”氷結”だ。これに対し、多くの敵には耐性の低い属性がある。要は”弱点”だな。勿論その逆もある。私の力で、敵のそうした相性を調べることが可能だ。 例えばこの敵なら… ―――――――――――― 《傲慢のマーヤ》(左) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ブフ・突撃 HP:30 弱点:貫通 ―――――――――――― 《傲慢のマーヤ》(右) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ブフ・突撃 HP:30 弱点:貫通 ―――――――――――― あいにく君達のペルソナでは弱点を突くことはできないが、弱点を突くことは、更なる攻撃のチャンスを得るきっかけにもなる。弱点を突くと、相手の体勢を崩すことができる。その隙に乗じて、こちらが更に度攻撃を仕掛ける事が可能だ。これが”ダウン”と”1more”だ。これを利用すれば、追い討ちをかけたり、仲間を回復したりする事もできる。 それと、目の前のすべての敵の体勢を崩せば、その瞬間、敵全体に隙が生じる。それに乗じて、味方全員で一斉攻撃を仕掛ける。これが”総攻撃”だ。上手く利用してくれ。 大丈夫か?なら、目の前の敵を倒してくれ。スキルとアタック、どちらを使っても構わないが、できるだけ短いターンで仕留めるんだ。…それでは、健闘を祈る。 | |||||
まあおれが聞かなくてももうひとりいるし。ばっちり。 | |||||
…………ねむ……。良い子なら寝る時間なのに、みんな元気だなあ。りょーかい、とりあえずはやく終わらせる。……おまえもな。無理はしないように。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:突撃(打撃) 対象:傲慢のマーヤ(左) 「オーディン、突撃。」 《30ダメージ! / HP10消費》 【シャドウ消滅!】 【児玉残りHP:10】 ―――――――――――――――――――――――― あいつら、……シャドウの中では仮面が流行ってんのかな。おれらもお揃いしてみる?仲間になりたそうにこっち見るかもね。じゃあ次、まかせた。 | |||||
聞こえてるよ。……でもさ、児玉は何で人任せにしてるわけ?寝るつもり? | |||||
そんな眠そうな顔してる間にシャドウにやられたって知らないよ。次は僕?無理なんかしなくても余裕さ、すぐ終わらせる。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:スラッシュ(斬撃) 対象:傲慢のマーヤ(右) 「切り裂け、フェンリル!」 《30ダメージ! / HP10消費》 【シャドウ残りHP:0】 【玖珂残りHP:10】 ―――――――――――――――――――――――― なーんだ、意外と大したことないんだね。……てか、あいつらとお揃いの仮面とかお断り。ドラクエ気分味わえるったって、あんな悪趣味なヤツ被るのは絶対嫌だね。 ……ほら、次行くよ。 | |||||
ここでは寝ないけど、眠いから。半寝くらいはするかも。 | |||||
そんなに趣味わりーかな。(隣の人物に“被るのは絶対嫌だ”とすら言わしめた仮面は既に消えてしまったけれど、そこまで悪いデザインとは思えなかったが為に緩く首を傾げ、一人ごちた。お互い体力を確かに消費した状態であれど、意識を保ったままの初戦は無事に勝利を掲げ、開けた視界の先には迷宮の道が続く。緊張感の無いままにくありと大きな欠伸をする男の眠気も、今暫くは続くらしい。)なんだっけ。名前。(階段を探そうと声を掛けるでもなく勝手に歩みを始めた足は、歩幅の割にゆったりとした動きだろう。そこそこ人数の多い寮生の中で顔と名前が一致している者など一人も居らず、それは彼とて例外では無かったから。少なくともその可愛らしい様相に反して中々辛辣な言葉が多い者として印象には残り、暫くは記憶に残留しそうだけれど。さて続く道から正解を探すのはそう容易では無いのだろう、目の前に現れた左右に分かれた道でぴたりと足を止めては、「あ、」漏らした声は何か重要なものに気付いたかの如き響きを孕んではいなかった。)今すごいお腹すいてる。食べ物持ってない? | |||||
半寝も駄目。寝るなら帰ってから寝なよ、置いてくよ。 | |||||
(魔狼の爪が影を裂く。闇に溶けるように消えて行く其れを濃紺が見届けてから召還器をホルダーに戻し、冷たい息を吐いた。首を軽く上げ、視線を斜め上に向けて隣の彼を見遣る。)あの仮面が縁日の屋台に売ってたとしても、僕は絶対に買わないね。おかめの方がまだ良いよ。君は被りたいと思うの?あのシャドウと同じヤツ。(唇から捻くれた言葉ばかり落とし乍ら、闇に続く道を歩んだ。ショートブーツの踵が音を立て、装着した鉤爪が鳴る。名前を尋ねられれば答えない理由もなく、)玖珂だよ、玖珂愛。………君は?(名を告げると共に、彼の名を問う。「児玉だっけ」と曖昧な記憶を引き摺り出して、軽く彼を見遣った。其れが正解か否かは兎も角───探索中、二人の前に現れた分かれ道と彼から落ちた言葉。何か発見したのかと耳を傾けたというのに、其れは期待外れのもの。)………………………は?(余りにも唐突な其れ。一瞬、只でさえ丸い猫目を更に丸くさせて、そして大きな溜息を吐いた。顰めた眉を落とし、自らの髪をくしゃりと掴んで、)君と話してると、何か調子狂う。………あるよ、ほら。(パーカーのポケットを探って手に掴んだものを、彼へと放る。チョコ一つ如きで彼が満足するかは別として、「とりあえずそれで我慢して」と告げて様子を見よう。) | |||||
なんか、やさしいよなあ。寝ても起こしてくれそうだし。 | |||||
おれは逆に、おかめなら絶対買わないな。おかめなシャドウが居ても怖すぎるし。(趣味の傾向はまるで異なるのか、首根っこを軽く掻きながら脳裏に浮かべたシャドウの姿に軽く息を吐いた。「興味はある。おかめよりは。」欲を言うなら被りたいよりも“飾りたい”だろう、否定される度にあの仮面の魅力が増してゆく気がした。)クガメグム?……なんかいい響きだな、覚えやすいかも。――ていうか、よく知ってんね。そうそう、児玉秀斗。二年生ね。(僅かに驚きを呈したのは表情のみで、淡々とした声がそれに続く。自己紹介にしては簡易なそれだが今更改める必要も無いだろう。さて分かれ道を前に自らの空腹に気が付いた所で彼へと問いを投げたは良いが、その返答は予想外の大きな溜息。それが否定を意味していると受け取った為に我慢するしかないかと諦めの思考に陥った刹那、彼の手から放られたそれは紛れもない食物。反射的に受け取ったチョコをぽかんと見詰めた後に、改めて彼へと視線を移すのだ。)……おれは調子狂わないし、なんか今すごい嬉しい。いいひとだな。そういやこの道、どっち進む?(僅かに口許を緩ませて、いつになく上機嫌に告げたついでに道の選択を委ねれば、自身はチョコレートをぱくり。空腹からの脱出は難しそうだが、今はこれだけでも生きる糧を得られたようだ。) | |||||
起こさない。絶っ対に起こさない。………起こさないよ。 | |||||
おかめシャドウだって日本的で良いだろ、僕たち日本人なんだから。ひょっとことか、……まあ、あんまり戦いたくないのも事実だけど。(おかめ、ひょっとこ、其れを被った影。例え話をしたのは玖珂が最初だけれど、実際に想像してみると如何にも戦闘に気が進まないものである。興味がある、と言う彼に「ふーん、変わってるね」と見上げた視線を前に戻してぽつりと呟く。)そう?それはどーも、記憶の片隅にでも置いといて。……まあ、さっき通信でも桐条さんが名前呼んでたし。二年生なのも、まあ知ってる。年上だっていうのも噂で聞いた。(女子生徒の噂話で耳にした情報を語る。特に表情を変えることもなく、追及することもなく、前を見て。ただ、「年上には見えないけど」と呟いた其れは、彼の雰囲気を双眸が捉え乍ら落ちた言葉の筈だ。彼の雰囲気、思考、言葉、全てが調子を狂わせる。吐いた溜息だって決して良い印象ではなかった筈なのに、)………僕を“いいひと”なんて言うの、君くらいだよ。ホント、変わってる。(彼の言葉は想像を上回る。仮面の趣味は合わないし、調子は狂わされるし、───でもこんなのも悪くないと、小さく小さく、玖珂は笑った。分かれ道の選択を問われると、闇を見据えて視線は左右に動く。)あっち。(適当に方向を指差して、彼を見遣る。「でも、僕の勘なんて当てにならないよ。どっち行く?」なんて、結局は彼と共に決めようと意見を求めた。) | |||||
うん。起こさないにしても、置いて行かないでしょ? | |||||
……うーん。おかめ、そんなに好きなんだな。ひょっとこシャドウなら問答無用で潰したいけど、おかめシャドウは倒したら夢に出て来そうじゃない?ヒーローとか魔女っ子仮面のシャドウならいいけどさ。(幾ら日本人だからと言って、おかめの受け入れはどこまでも気が進まない。その意志はそう簡単に揺るぎやしないらしく、それに反して肯定的な彼の印象に“おかめ好き”の言葉がそっと追加された。)うん。結構インパクトあるし、今のところわりと頭の中心で泳いでるよ。……おお、おれは聞いてなかった。おれもさ、もう18とか自分でびっくり。そんなに若く見える?(クラス内で飛び交った言葉はなんとなしに覚えてはいるが、記憶が正しければ同じクラスではない彼もそれを知っているとは驚きだった。とは言え軽くびっくり程度の感情ゆえにろくに変わらぬ表情は些か分かり辛いやもしれぬけれど。“年上には見えない”、好意的にその呟きを受け取ればすこし可笑しそうに新たな問いも付け足して。 決して悪くない居心地は児玉が抱くにしては少し珍しく、中々に個性的な彼のことならば夜が明けても覚えていられる気がした。)……うん?いいひとだよ、チョコくれたし。食べ物もらって喜ぶのもフツーでしょ、そんなに照れなくてもいいって。(まだ顔を合わせたばかりの関係とは言え、先程の行動からして自身が下した印象が間違っているとは到底思えないから。僅かに変化した表情に児玉も口許を緩めて、なんだかんだと続いている会話が終止符を迎えるのはまだ先の話だろう。)即決か、すごいな。じゃああっち――、……。……うん、おれの勘的にもこっち行こ。方向転換めんどくさいし。(どちらの道でも構わなかった為に、彼の言葉に沿って足を踏み出すもそこで意見を求められてはこちらとしても割と即決な判断を下すのだ。) | |||||
起こさないし、置いてく。……5分待って起きなかったらホントに置いてく。 | |||||
……何で僕がそんなにおかめ好きなキャラになってるわけ?あれよりマシってだけだよ、別に好きなわけじゃない。ひょっとこは潰したいのにおかめは夢に出て来そうで、ヒーローと魔女っ子はいいって、何それ。……君、やっぱり変わってるよ。(色々な種類の仮面を奴等に当て嵌めたけれど、彼との意見は常に喰い違う。気を抜くような溜息を吐いた玖珂の結論は、「……まあ、敵としてやり合うには、あの仮面が一番いいかもね」 此れに尽きる。無駄に現実味帯びた仮面よりも、悪趣味で不気味な其れの方が良いのだろう。クガメグム、自分の名前。其れに対する彼の反応は意外性に満ちたもので、)そんなに?……じゃあ、今日帰るときまで覚えてられる?クガメグムって、忘れてなかったらチョコでもあげるよ。……何だろうね。君は若く見えるっていうか、……何か子供っぽい。僕より年下には見えないけど、年上にも見えないって感じ。(玖珂の双眸は前を向き、彼を見ることはないけれど、其の声からほんの僅かな感情を汲み取ることは出来る。年上という事実を知ることに驚いているのか。小さな箱の中じゃ噂が広まるのは蜘蛛の子が散るように速いだろう。だから知っていた。でもこうして“彼”という人間と向き合うのは初めてで、今日は其れに何度も何度も溜息を吐く。高い背丈には圧倒されるし、此の緩い雰囲気には調子を狂わされるし、“いいひと”だなんて言う。)別に。照れてない、……照れてないよ。………っていうか、君の世界って食べもの中心に回ってるの?(“いいひと”と言う基準に食料が関連していると知れば、悪態吐くような疑問。其れを「……君らしいけど」と溢してしまう程度には、“彼”という人間に向き合い始めていた。なんて、不思議なこと。)面倒くさい、って言っちゃってるし。いっそ清々しいね、そういうとこ。……いいよ、こっち行こ。間違ってても知らないけど。(勘的、に次いだ言葉は本音だろうか。面倒だから玖珂に沿うだとか、結局は玖珂の選択した道を進むことになったけれど───其の先には再びの分かれ道。そして今度こそは彼に決めさせようと、)どっち?(なんて、彼を見上げて、少しだけ笑った。) | |||||
よしよし。クガメグムが寝たときも起こしたげるね。 | |||||
……おかめ好きなキャラじゃないって言う割には、すごい推してたよな。おかめ。おれからすればそっちのが不思議だ。……うん。若干の親しみが持てるあの仮面がやっぱり一番だよな、たまにうっかり落としてくれたらいいのに。(既に印象付いてしまった“おかめ好き”を取り外すのは中々に難しく、どうにも納得がいかないままそう結論を付けたけれど。言われた通り敵として相手をするならば、他の仮面よりやはりあの仮面が一番しっくりと来る。唯一同意出来たそれに対しては穏やかな表情での返答となった。)帰るときまででいーの?折角チョコくれるなら、明日の朝までとか指定してもいいのに。覚えるよ、ちゃんと。……子供っぽい、か。そこまで無邪気じゃないと思うんだけどなあ。(チョコという単語に釣られた事も確かだけれど、その名前が覚え易いと感じた事も確かである。とは言え普段は人の名を覚える事を苦手としている為に、どうしても食べ物に釣られた感が含まれ過ぎてはいるけれど。子供っぽい――その言葉が示す意味はいまいち良く分からずに苦い笑みが溢れるも、年下にも年上にも見えないという事はまるで同級生のように同等に扱われている気もして、決して悪い気はしなかった。彼は冷静で大人びているようで、それでも時折覗かせる歳相応な姿が何だか微笑ましくも感じていた。例えば、今の状況もそうだ。)うーん、分りやすく照れてる気がするんだけどな。……食べ物と睡眠が中心で、残りは適当な感じ。おかげですくすく育ったしね。(縦に良く伸びた体は健康的なサイクルを繰り返して来た証だろうか、他のものを二の次に回す主張も恥じらいなく告げてみせて。会って間もない彼に君らしいと言われるのも不思議だけれど、その性質を個性と扱って貰えるのは気が楽だった。)間違ってても気にしないし、のんびり行けばいーよ。あんまり長いと寝そうだけど。(階段を探すのが目的と言えども、早急にこの探検を終わらせる必要も無いのだから。とは言え進んだ先に再び広がる分かれ道、どうしたものかとぼんやりしていた所で彼がこちらを見上げてくれば、答えを出すしか無く。ほんの数秒間悩んだ末に、)こっち。(自分が居る場所から近い道を指した。その意図に彼が気付くかはさておき、一度決めればそちらへ進む気満々らしい。) | |||||
僕は寝ないし、……っていうか何でフルネームなの。 | |||||
だーかーら!推してないってば!あれよりマシって言って、……ああもう、これじゃキリないじゃん。おかめの話はもう終わり。………ちょっと待って。別に親しみは持てないんだけど、………拾うの?仮面、落としたら。(もし奴等が消える瞬間、其の仮面を落としたとして。其れを、如何するのか。彼が被るにしても、部屋に飾るにしても、結局は玖珂にしてみればあの不気味な仮面を手許に置くことに抵抗は拭えない。想像しては怪訝に眉を顰めて、食べ物に釣られる彼には相変わらずの溜息。)帰るまでも、明日の朝までも、数時間の違いだろ。……わかった。じゃあ、一年。一年先まで覚えてて。覚えるって言ったよね?(其れは数時間後よりも先、365日後の話。濃紺の猫目は確かに未来を見据えて語る。其れが彼に受け入れられるか、叶うか如何かは別として、「どう?」と問い掛ける口許は意外と楽しそうに。対峙する彼は背丈こそ高いけれど、内包する数々は純粋な子供のよう。年の差は感じさせないし、同級生であることに不自然さはない。「じゃあキミのこと、児玉さんって呼んであげようか」なんていう提案も、“さん”を付けた違和感に少しだけ笑って終わるだろう。)……照れてないよ。言われ慣れてないだけ。……へえ。そうすれば身長、そんなに伸びるんだ。(ゆっくりと彼を見上げると、首に負担が掛かる。差のある背丈。年もそう変わらない、外面は如何あれ同じ性別なのに、こんな風に差は出る。自分にはないものを持つ彼がほんの少しだけ羨ましかったけれど、其れは溜息として吐き出されるだろう。彼と共に歩くタルタロスは暗く、広く、先が見えずに何処までも続く。玖珂の判断で進んだ道の先、今度は彼の判断で道を行く。其の先が行き止まりか、再びの分岐点かは扨措き───道端に見付けたのは一つのアタッシュケース。「何あれ」と唇から落ちた言葉は彼に届いたか、玖珂の手は其れを開ける為に動く。開いた中を見ると満足そうに口角上げて、手に取った其れを一つ彼へと放った。チョコを投げた時のように、彼は受け取るだろうか。「傷薬、入ってた」 そう言って笑う姿は、ほんの少しの無邪気さを含んでいた。) | |||||
覚えやすいから?……クガ。メグム。クガメグム。どれがいいの? | |||||
どうどう。そんな興奮しなくても、今度おかめの仮面探してきたげるから。……落としてくれるなら拾うけど。クガメグムもほしい?二つ落とせばいいんだけどな。(この可笑しな空間をRPGに例えるならば、敵の落としたアイテムは拾うのが当然だろう。そのデザインを気に入っているならば尚更である。彼の為にもし落としてくれるなら複数個であれとそっと祈る児玉に怪訝そうな彼の表情はまるで映ってやいなかった。)…………。一年。くれようとしたチョコの賞味期限はまだいけてるの?けどまあ、寝て起きたあとも覚えてたらずっと忘れないかな。そういう頭してるから。(興味の無い事なら、それこそ寝て醒めた瞬間にはなくなっているから。帰るまでと明日の朝まで、その違いは数時間であれども間に睡眠を挟めば児玉にとって大きく意味が違って来るものだ。「いーよ、忘れない。」けれども軽い笑みと共にそう添えるのは、彼のことならば覚えていられる自信があったからだろう。“児玉さん”の違和感はあまりに大きく、耐え切れずくつくつと笑みを零した後に「“児玉”の方がおまえらしいよ。秀斗でもいーけど」なんて冗談気に続けるのだ。)そういうのを照れてるって言うんだろ。初々しいなあ。……伸ばしたいの?鉄棒にぶら下がるとかいいかもね。(児玉に比べれば彼はどうにも小柄に見えて、極端に背が伸びた図は中々に想像しがたいけれど。それでもまだ若いのだから、伸びしろもきっとあるだろう。他人事のような言葉の裏ではそんな事を考えていた。――自らが選んだ道に落ちていたアタッシュケースに瞳を僅かに丸めて、躊躇もなしにそれへと近付いた彼の様子を見守れば――やがて放り投げられたそれを反射的に受け取る事で。)傷薬?……食べ物か枕なら良かったんだけどな。(無邪気な彼に反してやや不満気なのは、道端に落ちていた宝箱のようなものにあまりに現実的な物が収められていたためだろう。とは言えいずれ活用するであろうそれをポケットに直せば、再びその道を歩き始めようか。さてそれなりに歩を進めたその先、不意に視線にちらついたのは、)――……あ、(今回の目的であった階段がそこに聳え、どうやらあの選択は正解だったようだと軽く目を細めた。おつかれ。ゴール目前に彼へ向けたのは、そんな一言だ。) | |||||
(終了)無事に階段を見つけたようだな。 | |||||
よくやってくれた。今日のところはこの先に進む必要はない。 君達のすぐ近くに小型ターミナル…装置らしきものがあるはずだ。それがエントランスにあるターミナルへと君達を転送してくれる。それと同じ小型ターミナルはフロアによって設置されていたりされていなかったりするが、今後も使う事になるだろうからよく覚えておくといい。ちなみに小型ターミナルはエントランスへの一方通行だからな、エントランスから其処に戻ることは出来ない。…説明はこのくらいか。では、今すぐ帰還してくれ。 |
【Event2】赤萩、藤澤、聴こえるか。 | |||||
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今日はここ2Fで実践を行う。 フロアをうろつくシャドウを片付けてくれ。 もしシャドウを見つけたら、向こうから攻撃を受ける前に、素早く接近してアタックを仕掛けるんだ。 …では、行動開始だ! >!! >探索開始直後、仲間と言葉を交わす間もなくシャドウが飛び出してきた。 | |||||
(アナライズ) | |||||
早速シャドウと出くわしたようだな。 ではまず、基本的な戦い方の説明をしよう。 シャドウ討伐における主な戦闘手段は、”アタック”と”スキル”だ。アタックは、装備した武器による攻撃。スキルは、ペルソナ能力による攻撃だ。武器攻撃とペルソナ攻撃を、状況に応じて使い分けるといいだろう。 それから、攻撃属性についての説明だ。アタックやスキルを含め、攻撃には属性がある。アタックの属性は、装備している武器で決まる。刀なら”斬撃”、弓なら”貫通”のようにな。スキルは、それ自体に固有の属性がある。アギなら”火炎”、ブフなら”氷結”だ。これに対し、多くの敵には耐性の低い属性がある。要は”弱点”だな。勿論その逆もある。私の力で、敵のそうした相性を調べることが可能だ。 例えばこの敵なら… ―――――――――――― 《臆病のマーヤ》(左) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:スラッシュ・ジオ HP:30 弱点:疾風 ―――――――――――― 《臆病のマーヤ》(右) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:スラッシュ・ジオ HP:30 弱点:疾風 ―――――――――――― 赤萩はちょうど弱点が狙えそうだな。 弱点を突くことは、更なる攻撃のチャンスを得るきっかけにもなる。弱点を突くと、相手の体勢を崩すことができる。その隙に乗じて、こちらが更に度攻撃を仕掛ける事が可能だ。これが”ダウン”と”1more”だ。これを利用すれば、追い討ちをかけたり、仲間を回復したりする事もできる。 それと、目の前のすべての敵の体勢を崩せば、その瞬間、敵全体に隙が生じる。それに乗じて、味方全員で一斉攻撃を仕掛ける。これが”総攻撃”だ。上手く利用してくれ。 大丈夫か?なら、目の前の敵を倒してくれ。スキルとアタック、どちらを使っても構わないが、できるだけ短いターンで仕留めるんだ。…それでは、健闘を祈る。 | |||||
聞こえなければ良かったと、心底考えている。 | |||||
なっ…なんで、こっちに向かってくるんだ…!来るな!! …は?……た、倒せだと……。帰らせてくれ…。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:ガル(疾風) 対象:臆病のマーヤ(左) 「仕方ない…ペルソナ!」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10】 【赤萩残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― ハァ……弱点にヒットしたようだ。次も行く。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(斬撃) 対象:臆病のマーヤ(左) 「消えろ…!」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【赤萩残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― これで満足か…!……ッ汚いな……。……藤澤、残り一体だ。やってくれ。 | |||||
はい、問題ありません。……聞こえないのもそれはそれで不安になりませんか? | |||||
あっ…は、はい。わかりました、こっちの子の相手は…私が。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:シングルショット(貫通) 対象:《臆病のマーヤ》(右) 「あなたの番だよ、アナト」 《30ダメージ! / HP10消費》 【シャドウ消滅!】 【○残りHP:10】 ―――――――――――――――――――――――― …ふ、う。なんとか無事に消えたみたい。あ、の……赤萩先輩、おつかれさまです。怪我とかしてませんか…?その、帰るためにも…先へ進みましょう、か。 | |||||
いや、聞こえていても不安なものは不安だ。 | |||||
僕は大丈夫だ。藤さ……失礼。藤澤"さん"も、怪我等していないか。(無事に──と言うにはまだまだ先は長そうだが、一先ずの所戦闘を終えたなら、掛けられた声に言葉を返そうか。先程勢いに乗じて呼び捨てにしてしまったことへの謝罪を加えては、「僕が貧弱だから、君は余計に不安だろう」と自嘲じみた言葉尻で眉を顰めて。先の異様な物体が消滅した地点から目を逸らすように、遠目に先の暗がり見据えては、手袋に包まれた両手をそっと擦り合わせた。)全く、引き返せないというのが難点だな。戦闘に慣れることが目的とはいえ、何かあったらどうする心算なんだ。また一週間も寝たきりなんてご免だぞ。(この状況は勿論、こんな危険な場所に、後輩の女子と自身とを二人で組ませて置いておくという発想自体が忌々しいとばかり、窮屈そうに呟きを零す。けれど、漸くここで彼女を確りと一瞥すれば、眼鏡のブリッジを右手の中指で惜し上げながら、)……不本意だが、先へ進もう。早く帰りたい。(先の言葉に応じるが如く、帰る為に進むことを了承するのだった。「このまま奥に進むが、何か不都合があれば言ってくれ」端的に続けた声は一応は気遣いの心算だろうか。彼女が了承をしてくれるのであれば、このまま扇を突き出し歩き出し、薄暗い進路に危険がないかと目を見張るに違いないのだけれど。) | |||||
た…確かに。…途絶えて不安が更に増すことがありませんように。 | |||||
あっ…いえ、藤澤のままで構いません(言い直された呼び方には慌てて言葉を挟む。眉の位置は下がり気味の定位置で固定されたままではあれ、不慣れな戦闘に真一文字を結んでいた唇も彼に怪我がないことに加えて同じ問いを返されたことで平生通りの淡い微笑を形作って)私も大丈夫です。……先輩の邪魔になってしまわないかという不安なら、すこし(自嘲するような発言にも二度の瞬きの間を生じさせた後は、控えめに異なる不安の旨を返して先程の発言を暗に否定するに留め、癖の如く視線は彼の視線を追い掛けて距離感も図り難い闇を映した。)探索、も兼ねてもいるんですよね。この先にも――……寝たきりにならないよう、頑張ります。それに寝たきりは嫌ですが…そろそろ布団が恋しくなる時間なので、早く帰りましょう(見通せぬ先を見据えては控える未知に、自ずと先程は使う機会の無かった得物を握り締める力が強まった。先にもまた同様のモノが控えるのかとの言葉は口に留めて、決意を語った後には淡い笑みを含んだ他愛無い理由と共に彼の早く帰りたいに同調しよう。先を歩む事には深く一度頷く事を返答としては、彼に従い歩を進める。いつもの癖で彼の半歩後ろを位置取るも、彼の武器と自分の武器の長短に気が付けば最低限彼の隣に並ぶ位置を維持せんと足を進め)校舎と同じ構造ならわかりやすいのに…先輩は、迷路で遊んだりしますか?(全貌の定かではない空間に零す独り言の後、前方に目を凝らしながら唐突に問い掛けを) | |||||
神頼みか……。思えば、途絶える以外にも不安が増す要素はあるな。 | |||||
(自身が訂正した呼称に言葉を挟まれれば、多少気易い気はしたけれど「そうか」と特に異論もなく、彼女の声を飲み込むことにしよう。そして、互いの無事を確認するのは至極当然のことのように思えたからこそ、彼女の"大丈夫"には少しばかりの安堵の意を込めて、小さく息を吐いた。)………"少し"、気を遣わせてすまなかったな。邪魔にはならないから、安心してくれ。寧ろ、僕の手にしているモノと君のそれじゃあ、優劣が着き過ぎているだろう。(上手く言葉をすり替えてくれた相手に、わざわざネガティブな声を続けることはしない。その代わりに軽い謝罪の旨と、彼女の不安を打ち消す語気を返すのだった。赤萩の手にしている扇子と、彼女の手にしている武器とでは、見るからにリーチも破壊力も圧倒的だ。況して先程の戦闘を見ているとなれば余計に、と視線を一度彼女の手へと落とすも、直ぐに先の見えぬ闇へ向ければ、)……この歳で二回も寝たきりはそれこそご免だ。これが終わったら、直ぐに布団に入ってやる。(決意を改め、奥歯を噛み締める。彼女が進むことに同意してくれたなら、更なる未開の地へ足を進めよう──さて、彼女はてっきり自身の後ろにいるものだとばかり思っていたが、ふと隣に気配を感じたものだから。目線は進む先に向けたまま、僅かに距離を取って、零されていく独り言に耳を傾けていく。けれど、唐突な問いかけが耳朶に触れたその時、目の前には丁度良く、左右の分かれ道が映り込んだ。)…生憎と、本はジャンルを問わず読むが、クロスワードや迷路を解くような娯楽本には目を通していなかったんだ。ここ最近は。…君はどうだ。(此方に尋ねる位だ、彼女は遊んでいたのかもしれないとの推測の上、続けるは「右と左、どっちが正解だと思う」そんな選択肢である。) | |||||
……え、…他にも何かありますか? | |||||
("少し"に対して返すは言葉の代わりに微笑で以て返答とし、謝罪にも軽く首を振るのみ。反って気遣いを成されたのならば表情は変わらずとも、言葉を円滑に紡ぐ為の不要な繋ぎを一つ置いてから軽く頭を下げて)その、ありがとうございます。……武器には長短が、ありますもんね。なので、ええと、今度スライム…じゃなくて、シャドウ、を見つけた時には、私も頑張るので、その時は…任せてください(視線が合わずとも彼の顔を困り顔の微笑みを携えたままで確と見据え、流暢とは言い難い発言の割に意志を籠めた集団の内では出す必要のない主張をしておこう。彼の決意に頷き返す頃にはそれももう強張りもなく安穏とした声音で、)そうですね、いつもはしない体の動かし方をしているので今日はすぐに眠れそうです(語る未来に近付く為に動かす足も重くはなく。得物握る手以外は力みを窺わせずに闇へ踏み込んで行く。隣に並んでから取られた距離には踏み込まずにその位置を維持しながら、投げかけた問い。理知的な印象から幅広そうな読書範囲にも半ば納得の頷きをしながら問いの意図を示すよりも雑談を優先するよう問いを重ねよう)以前はそういう本も読まれていたんですか?いえ、私は全く――(自らへの問いにはあっさりと否定してから岐路を前に視線を左右へ向け、正誤を問う回答を思案の間さえ無く。)…直感で、左…かな。名前はうろ覚えなんですが、左手法だか右手法だかって…ありました、よね?そんな風に進めば、いつかは…なんて、(先の問いに繋がる理由は、漫画か映画か小説か何を媒介に得た知識か定かではない迷路の攻略法のひとつ。元からの性質と安直で時間を有するとの自覚から、同じ問いを)先輩は、どちらだと思いますか? | |||||
二人じゃ倒せないような強敵が襲ってくるかもしれない、とか。 | |||||
ああ。アドバンテージを取るには、君の協力が不可欠そうだから。(正直に武器の長短を認めた上でそう口にすれば、それは、"任せてくれ"という彼女の意志表明への了承の意と成り得るだろうか。少なくとも、赤萩自身はその意を込めて言葉を選んだ心算であった。次いで「スライム……」と小さく声を零し想像したのは、どろどろとした先のシャドウの姿である。その気色悪さに思わず、扇子に込める力を強くしながら。)…………随分と前向きなんだな。探索も戦闘練習も、運動の一部と考えられる訳か。それは直ぐに眠れるだろう。(自身の頭の中には全く無かったその考えに、感心したのが半分。もう半分は嫌味と程近いものだったけれど、こんな所で彼女に当たっても何も生まれない。彼女が気付いたかは定かではないものの、「僕も今日は直ぐに寝たい」という希望系を続け、そっとニュアンスを濁すことにしよう。──位置取りが決まれば、後はそれを維持していくだけ。投げられた問いに此方の事情を口にするも、彼女の事情は此方の予想とは異なったらしい。「全く?」と思わず鸚鵡返しで驚きを示しては、)僕が読んでいたのは随分昔のことだが、……君は迷路に造詣が深い訳ではないのか。(彼女の口元を追い、愕然とした声音で告げる。けれど、続けられた単語を耳朶が拾った所で、静かに眼鏡のブリッジを押し上げた。)いや、……それは、スタートとゴールの概念が明確で、且つゴールが迷路の中にない場合に使う手法だった気がするが……とはいえ、必ず左の壁に沿って進むというルールを設ければ、ある種探索は楽になるんじゃないか…?(彼女に返す言葉は途中から自身の独り言へと変貌していく。遂には、)気長な策だが、確実だな。僕も左に賛成するよ。(聡い彼女の意見に乗じる形で問いに応え、どうやらこの先の進路を左折で確定したようだ。) | |||||
!……その時は…とにかく階段を目指して逃げ、ましょう。 | |||||
(瞬間的にであれども顔に浮かぶ微笑には喜色が滲んで、「はい」の二音は何時になくはきとした明瞭な音となる。それは彼の返答を諾と受け取ったからこその反応でもあり、長槍を握り直すことで心積もりも意識的に改めよう。不慣れな戦闘に緊張や不安を懐くことはあってもそれ以上のものがその姿に窺えないように、彼の言葉は其処を指摘された気がして前を見据える瞳が僅かに揺らぐも、すぐに微かに笑みが零れ落ちる)…その、あまり、この状況をよく理解出来ていないから、そう思えるのかもしれません。…はい、早く横になるためにも階段を(笑い話にするような気楽さで彼への返答を紡いでは、願望の形である彼の言葉に同調しては見通せぬ目的地を探すことへ思考の切り替えをしよう。――驚かれたことに驚くように瞬いて、)…あっ、……そう、見えましたか?すみません、…迷路は解いているところを見るだけで満足してしまうので(何か期待をされていたのならばと眉を下げて申し訳無さそうに謝罪を紡ぎ、自ら自発的に解く事はしないと少し声量を落として口にした。雑学的な分類で曖昧に留めていた知識は彼の独り言によって上書きされて感嘆を零そう)あれは…そういう理論だったんですね。…運が悪ければ時間は掛かるかもしれませんが、それでも着実に進みそう(彼の結論に当然異論は無く左折を選び、今後の進み方も大まかに定まれば、以前の遣り取りを踏まえて左折する際に彼より少しだけ前を歩くことにしよう。進む最中の沈黙を苦とする類の性分では無いけれど、左の壁に沿って歩みを進めながら他愛の無い問いが浮かべばそれを投げかけてみよう)赤萩先輩は、どんな本をよく読まれるんですか? | |||||
…………君は、足に自信があるか? | |||||
(どうやら此方の返答を好意的に受け取って貰えたようだと理解すれば、彼女の発する明瞭な音に何を返すでもなく探索へと意識を向ける。然し、思考を多方面に働かせてしまった結果、彼女へと投げた言葉は、あまり丁寧なそれでは無く──)僕には真似出来ないが、……理解出来ていない今だからこそ、楽観的でいられるのかもしれないな。それにしても、………そう易々と見つけさせてはくれないか、たかが階段だというのに。(まるで世間話の一貫のようだ、と思った。その反応から、益々彼女がこの状況を如何捉えているかの検討が付かぬものの、今だからこそと此方の推察を淡々と付け加えれば、後は只管続く暗闇に話の矛先を変えるのだ。)……いや、………てっきり「私はよく遊んでいますが、先輩は」という前提が付いているものだと…………今度はぜひ、自分で解いてみてくれ。(肩すかしを食らったような気分を誤魔化すように眼鏡のブリッジを押し上げて、次回以降への探索に役立つように──実際役立つかは分からぬのだけれど、助言の一つでも口にしておこう。然し、彼女の発言によって導き出された答えがあるのも確かである。そう、"左折"だ。)あとは互いの運に任せる他ないだろう。着実に進めるだけでも、指標が見えただけ有り難い。(無事同意を得られたならば、左折ののち、漸く探索らしい形で彼女と歩き出す。時折左の壁を注視しながら、不意に振られた質問に、そっと眉を顰めて。)……所謂、"参考書"という部類の本だ。藤澤は、迷路以外も本は読まないのか。(返答し、鸚鵡返しのように質問を返す。先ほどと何ら変わりのない流れだけれど、すぐまた分かれ道を見つけたなら、自然と双眸を左へと向けて──はた、と足を止める。)…………見えたか?何だあれは。(左の道は行き止まり。然れどそこに鎮座している不審な箱──のようなものに、抱くは警戒ばかりである。) | |||||
……じ、自信という程のものは…。…先輩は…? | |||||
(現状に対する自分の姿勢に関しての彼の言葉に否定を紡ぐ必要が無ければ、変わらぬ気楽さでゆっくりと頷いてはそれ以上同じ話題を引っ張ることはせずに―)階段が動くなんてことは無……いとも言い切れない気も、します…が。で、でも…その、お互い怪我をしないことだけに気をつけて歩いていれば、…案外ひょこっと出会えるのかも、しれません(常識から外れた時間帯で行動している現状、冗談で発した心算のファンタジー染みた発言を否定することは出来なかったけれど、先を見通せぬ時間に対しては吃る言葉の割には先程の如く楽観めいたそれを微笑で紡ごう。眼鏡を持ち上げる仕草を捉えた瞳が次に瞬いた後は助言に対し「はい」と肯定的に積極的な色味を持った声音の高さで応え、)今度、もしまた一緒に探索する機会があれば…その時にはそう言えるように迷路で遊んでみようと思います。迷路なら空いた時間で楽しめそうですし、……もしかしたら頭の回転も…(娯楽の一種である物ならば自身の生活に取り入れるのも容易く、折角だからと彼の言葉を目的の一端として使わせてもらおう。無論、雑談の域は出ぬ口振りであるものの、最後の小さく零した独り言のみはやや真剣みが籠りはしたけれど。――同意する様に深めた微笑の儘、眼差しを前方に据えたのならば足は左に沿って迷わず進む。警戒以上に割く思考が無ければ雑談に振ったそれに返答を得て視線が前から隣の彼に移り)すごく読み応えがありそうですね…種類が沢山あって、私は買う際に凄く悩みます。はい、何か勧められた時にその小説や漫画を読む程度で。後は、食べ物などの雑誌を―(相槌の頷きと共に読書の部類に対して同じ調子でひとつ感想を告げてから視線を前に戻すと、自身に置き換えた話を自嘲気味な笑い話として笑みを添え。自分の読書事情にも微かに眉を下げてから幾つかジャンルを挙げたところで彼と同様に左折した際に、捉えた物体に足が止まる。目を凝らして凝視してもいまいち分からぬそれに、)……何で、しょう。私、見てきますね。先輩は此処に、(思案の時間も短く彼に一声掛けてから反応を待たずに其方に近寄ると最初は構えた槍で突いて、それから何の反応も無い事を確認すると槍を傍らに置いて意を決してアタッシュケースのようなそれに手を伸ばそう――)先輩!薬が二つ入ってました(振り返り彼が居るであろう場所に向かって、手にした二つのそれを掲げて見せて) | |||||
運動に自信なんか、…………わりと高確率で二人とも死ぬじゃないか…。 | |||||
(最早現状が現実なのか虚構なのか、区別するなればそれは酷く曖昧。且つ考え出せる可能性が多岐に渡るからこそ、不用意な期待は出来ないだろう。故に「あまり楽観的に居過ぎても、いつか本当に怪我をしそうだ。」と返すに留めるのだけれど、自ら気を利かせたつもりで変えた話題には、再び静かに口を開こうか。)……別に、相手は僕じゃなくても良いだろう。…確かに、時間配分でも課せば、頭の回転は多少良くなるかもしれないが。(娯楽の一種でもこの状況の打破に繋がるならばと勧めてみたものの、後は彼女の社交辞令を返すように、"他の相手との戦闘で"生かすようにと、端的に伝えた。彼女が言葉に込めた意を赤萩が汲むことは無く、飽く迄雑談の範囲で声を遣り取りするのである。)参考書は使ってみないことには、中々選びがたいものがあるよ。……ただ、勧められた時にのみ読むというのは……、理解出来ないが、受動的だな。いっそ食べ物に纏わる文学書でも手にしてみたらどうだ。(互いの読書事情について話すのは悪くは無いと思った。彼女がもう少し博識であればと考えもしたけれど、このような状況で自身の好む話題が弾めば、多少は気が晴れるに違いない。勿論、あまり話に花など咲かせない赤萩のことだから、鸚鵡返しと助言が殆どだろうけれど。左に沿って進む内、ふと視界に捉えた物体が一つ。見てくると言う彼女に「いや、」と停止の声を掛けようとするも、結局留めることが出来なければ、彼女の様子を窺うように一歩一歩距離を縮めていこう。そうして彼女が振り向き、手を上げたなら、)……………薬?(目を丸くして、彼女を見た。然し此方を見る彼女の瞳を確りと見てしまったからには──こっちを、見るな。胸裏の言葉をひた隠し、「有難う。毒じゃないといいな」と当たり障りのない言葉を返す他なかった。彼女がそのまま此方に戻ったならば、「では行こう」とすぐに踵を返して、帰路を探していく。──アタッシュケースから二回、左に曲がったところで漸く、)………階段だ。良かった、寝れる。(独りごとのように呟いては、彼女の口元へ視線を持っていこう。あわよくば早く帰って、両手を洗いたいと願っている自身に対し、彼女は何と言うだろうか。けれどそれを待つまでもなく、少しの間を置いて「桐条!」と遠くの彼女の名を呼ぶ赤萩の顔色は、──余り良くは無い。) | |||||
(終了)無事に階段を見つけたようだな。 | |||||
よくやってくれた。今日のところはこの先に進む必要はない。 君達のすぐ近くに小型ターミナル…装置らしきものがあるはずだ。それがエントランスにあるターミナルへと君達を転送してくれる。それと同じ小型ターミナルはフロアによって設置されていたりされていなかったりするが、今後も使う事になるだろうからよく覚えておくといい。ちなみに小型ターミナルはエントランスへの一方通行だからな、エントランスから其処に戻ることは出来ない。…説明はこのくらいか。では、今すぐ帰還してくれ。 |
【Event2】加賀美、立平、聴こえるか。 | |||||
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今日はここ2Fで実践を行う。 フロアをうろつくシャドウを片付けてくれ。 もしシャドウを見つけたら、向こうから攻撃を受ける前に、素早く接近してアタックを仕掛けるんだ。 …では、行動開始だ! >!! >探索開始直後、仲間と言葉を交わす間もなくシャドウが飛び出してきた。 | |||||
(アナライズ) | |||||
早速シャドウと出くわしたようだな。 ではまず、基本的な戦い方の説明をしよう。 シャドウ討伐における主な戦闘手段は、”アタック”と”スキル”だ。アタックは、装備した武器による攻撃。スキルは、ペルソナ能力による攻撃だ。武器攻撃とペルソナ攻撃を、状況に応じて使い分けるといいだろう。 それから、攻撃属性についての説明だ。アタックやスキルを含め、攻撃には属性がある。アタックの属性は、装備している武器で決まる。刀なら”斬撃”、弓なら”貫通”のようにな。スキルは、それ自体に固有の属性がある。アギなら”火炎”、ブフなら”氷結”だ。これに対し、多くの敵には耐性の低い属性がある。要は”弱点”だな。勿論その逆もある。私の力で、敵のそうした相性を調べることが可能だ。 例えばこの敵なら… ―――――――――――― 《残酷のマーヤ》(左) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ガル・アギ HP:30 弱点:疾風・電撃 ―――――――――――― 《残酷のマーヤ》(右) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ガル・アギ HP:30 弱点:疾風・電撃 ―――――――――――― 二人共ちょうど弱点が狙えそうだな。 弱点を突くことは、更なる攻撃のチャンスを得るきっかけにもなる。弱点を突くと、相手の体勢を崩すことができる。その隙に乗じて、こちらが更に度攻撃を仕掛ける事が可能だ。これが”ダウン”と”1more”だ。これを利用すれば、追い討ちをかけたり、仲間を回復したりする事もできる。 それと、目の前のすべての敵の体勢を崩せば、その瞬間、敵全体に隙が生じる。それに乗じて、味方全員で一斉攻撃を仕掛ける。これが”総攻撃”だ。上手く利用してくれ。 大丈夫か?なら、目の前の敵を倒してくれ。スキルとアタック、どちらを使っても構わないが、できるだけ短いターンで仕留めるんだ。…それでは、健闘を祈る。 | |||||
問題なく。…聞こえないようなら直ぐに引き返すのでご安心を。 | |||||
随分とせっかちだなあ…。立平さん、無理はしないで。何かあったら大声をあげて知らせて。―まあ、動けるかどうかは別なんだけどさ、…なんてね。それじゃあ、行こうか。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:ジオ(電撃) 対象:《残酷のマーヤ》(左) 「アストライアー、…ジオ」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10】 【加賀美残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― うん。問題ないね。続けて行くよ。……まだあんまり、この感覚には慣れないけど。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(打撃) 対象:《残酷のマーヤ》(左) 「…これ、肩凝るから嫌なんだけどね。」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【加賀美残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― 立平さん、そっちはどう?大丈夫?…危なそうだったら、手伝いに行くけれども。 | |||||
大丈夫です!どういう時に聞こえなくなるんだろ。遠く離れた時とか? | |||||
何あれ、何だあれスライム?みたいなカンジ……。あ、ハイ分かりました、ありがとうございま……えっ!?ええっ?!それどういう……とか言ってる間に倒しちゃってるし!いいい行きますっ、立平行ってきます!………うう、行きたくないぃ〜…。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:ガル(疾風) 対象:《残酷のマーヤ》(右) 「テュケー、教えて!」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10】 【立平残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― うわっ、当たったー!?もしかしなくても私結構いけるのかも?次もこの調子で、 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(貫通) 対象:《残酷のマーヤ》(右) 「よぉ〜し、………当たれー!」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【立平残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― 終わった、かな?加賀美センパイもお疲れ様ですっ。もー私手震えてるし冷や汗ヤバかったし、ホント当たんないかと思って怖かったんですけど、……緊張しませんでした?結構余裕に見え…なくもなくって。 | |||||
後は桐条さんに何かあった時とかね。…どちらにせよ、困ることには間違いない。 | |||||
お疲れさま。…余裕、って訳ではないけれど。うーん、これも現実で、やるしかないって事を認識したら、割と腹は括れたかな。…立平さんは、体調に影響はない?大丈夫?(穏やかな笑みを口許に上らせたまま、端的に労いの言葉を並べた。1度目の戦闘と、現在の其れとの大きな差は、矢張り現状を把握出来ているかどうかで、現状を理解した―、否、理解させられた今となっては比較的落ち着いて対処出来るようになっていた。故に、戦闘を終えた現在も教室内での其れと変わらず落ち着き払った様子で、大方の質問に答えれば、今度は此方側から問を投げたのだった。)…ああ、忘れてた。そう言えば挨拶もまともに出来てなかったよね。3年E組、加賀美誠です。最初から災難だったけれど、今日はよろしくね、立平さん。(相手の友好的な様子を見て取れば、必要事項のみの自己紹介の後、人の良さそうな笑みだけはそのままに、ゆっくりと手を差し出した。―相手が手に取ってくれれば良し、拒絶されれば軽い謝罪を述べるだろう。そうして、)化物倒すのがメインじゃなくて、探索するのが目的だったよね。…奥行ける?怖くない?(指差すは更に奥。薄暗く、先は余り見えない為に進む他ない。然れど先程の少女の発言思い出せば、一応は、と意思確認も添えた。) | |||||
…………。えと、私明るい話がしたいです!センパイの趣味は何ですかー? | |||||
うぅ、そっか、これも現実なんですもんね……。それにしてもセンパイの切り替えスゴイ。私も腹くくりつつ、思ったよりうまくいけたからこの調子でいければいいな〜なーんて、……あはっ。もう大丈夫ですっありがとうございまーす!(口許目元から窺える穏やかさは落ち着いた物言いにそぐう様相そのものだ。見事な切り替えぶりに舌を巻き、数十センチ上を見上げた瞳には(自称)慎重派っぷりを晒した羞恥心に打ち勝った羨望が満ちた。いつしか震えの止まった両掌を開閉してみせ、おまけに体育会系らしい返答、首肯一つも続けば平常は伝わることだろう)あ、ホントだ。2年C組の立平奈南です。こちらこそぜひヨロシクお願いします、加賀美センパイッ。(終始変わらぬ様子にて差し出された手に優しそうな人でよかったと心内広がる安寧を感じつつ、己の手を握り返す折には笑みを添えた。して発された一声にとてもじゃあないが心地良いと思える景色にないこと、その通り本来の目的は探索だと思い至れば分かり易く表情筋が引き攣らせ、束の間の安寧はすっかり臆病さに打ち負けたのである。)だっだだだいじょうぶ……なんですけど、センパイ前進んでもらってもいいですか?その、えーっと、結構怖いですスイマセン……。(視界開けぬ指差す先を我先にと進む度胸無ければ彼に頼るより他なく、正直な心根の吐露に居た堪れず視線は急降下。受容されなければじゃんけんなり何なりで先ゆく人の決定を提案し、受容されたらば漏らす言葉は「ここ、昼間は学校って考えると変なカンジですよね。巨大迷路とお化け屋敷足して割ったみたいな……」。) | |||||
趣味かあ…、勉強とか整理整頓?特にないよ。立平さんは? | |||||
切り替えとか、そんな大層な物じゃないけれど。正体の分かる物の方が怖くない、それだけだよ。…そうだね、この調子でお互い無事に済むと良い。(口数の多い少女に釣られるように、言葉紡ぐ。首肯と共に出た声には些か不穏な物も滲んだが、此の空間であれば妥当な発言とも。先程からの少女の様子を見れば言葉に嘘偽りは伺えず、「元気そうで何より。」と笑顔の侭述べた。―さて、簡易な挨拶と握手を友好的に終え問を投げれば、先程まで確かに明るかった彼女の表情が一呼吸の間に堅くなるのが見て取れた。)…うん、素直で宜しい。なんて、教師みたいかな。でも強がられたりするよりはこうして素直に言ってくれる方が有難いし、しっかり前向こうか。危ないし。(幼子を諭すような口調で、淡々と言葉並べながら、彼女の方へと視線注いだ。)本当はさ。ここで待っててって言えたら一番なんだろうけど、こんな所でもし逸れでもしたら余計に大変だろうからもう少しだけ付き合ってね。…何なら背中とか腕とか、捕まってくれても良いから。(何処までも理屈的に協力仰げば、漸く進み始めようか。緩やかな歩調は彼女を気遣ってと云うよりも、此の空間を警戒しての事。そんな中聞こえた声には、)本当に。この中で授業なんて出来っこないよね。…ああ、遊園地とかにこういうアトラクションあったら流行しそう。(なんて、呑気な返答を一つ。歩みの遅さも原因だろうが、未だ目立つ変化は見当たらない。) | |||||
勉強!?整理整頓!?!初めてそんな人会ったかも…。私は運動とか買い物とか! | |||||
(淡々と意を紡ぐ様子からは何かしらの異も窺えぬから、恐らく折り合い付ければ割り切れるタイプの人間なのだと合点が行けばふんふんと頷くより反応は他ない。分かり易く転じた己の様相にも冷静な対応には「ホント頼もしい!センパイと一緒でよかった〜」と安堵にほっと胸を撫で下ろしつつ、)そんなそんな!そこまでおんぶに抱っこさせてもらう訳にはいかないですし、はぐれるとかもう考えたくない!ってカンジですしっ。…もしかしたら甘えさせてもらうかもしれないんですけど、ちゃんとついてきます!であります!(すぐさま首を振るのは口にしたようにそこまで甘えるわけにはいかないとの意は勿論、この場でひとり待機する心細さと恐ろしさとを思った打算的其れで、有難い申し出にはちゃっかり甘えの姿勢を示しながら、右手をでこっぱちに翳す敬礼で結びとした。一歩後ろを追う形で始まった鈍速探索が存外恐ろしさを感じさせぬのは一歩前を行く少年の存在と、この場にそぐわぬ安閑としたその物言いとが緊張解す一因となったからに違いない。)センパイ、もしかしなくてもお化けとかもいけるタイプ?正体分かるかはビミョーですけど、そもそもお化けって居るかどうかも謎じゃんみたいな。巨大迷路とお化け屋敷一緒くたってことですよね。…私巨大迷路とか結構運任せで進むからめちゃくちゃ早く着くときもあればずーっと迷うこともあるんですけど、そんな中変なのに追っかけられたらもう……(体験談引っ張り出し話す様さえ平然としたものだが、震えに両肩を抱き言葉を切っては一歩また一歩と。仄暗い辺り一面が薄緑色に照る異様さの他感ぜられるものは何もなく、)ココ何階建てなんだろ……。学校と同じで3階くらいだったらいいのに。(と独りごちた。) | |||||
そんなに珍しいかな…。運動はまだ分かるけど、買い物って楽しいもの? | |||||
…煽てても何も出ないよ?(明るく素直に見える彼女の様子に、そんな定型句を一つ。―そうして。自身の提案を基本的に受容してくれた上で敬礼まで見せてくれた少女に小さく笑み漏らして、歩み始めた。アーガイル柄の床をゆっくりと踏みしめながら場にそぐわない程穏やかな会話を続けようか)霊関連も実際被害にあったことはないし、平気かな。…でも、シャドウみたいなものが居るなら霊が居ても可笑しくない気はするけれども。立平さんは、そういうの信じてるの?怖い?(緑闇に染まる日常とは程遠い異空間で交わす話題には余りに他愛の無い話題を抑揚無く。淡々としてはいるが、会話を続ける意思はあるようで、疑問符を投げた。)迷路は迷うことを楽しむ物だと思うし、立平さんの運任せは、一番適している気がするね。…そもそも、妙なものに追いかけられながら、そういう選択肢に気がつけるかどうか、ってところからかな。はは、ゴール出来なさそう。(気を紛らわすと云う役割を果たしているのかすら怪しい話題ではあるが、そう気にしては居ないようで、笑い声すら漏らして続けた。そうして一歩、また一歩と歩みを進めつつ)外側から見た限りでも結構な高さ有りそうだったよね。…ああ、そうか、上があるのか。…少し、先が見えそうだね。(彼女の言葉が聞こえれば、思わず反応返しつつ、現在位置を再確認。漸く探索の手掛かりとして“階段”というワードに行き当たれば、彼女に無理を強いない程度に僅かに歩みを早めた。) | |||||
私の中ではすごく。私は買い物こそ娯楽で、……買い物あんまり行かないですか? | |||||
(そんなまさかと両手のひら向け手を振るといったお決まりの動作を共に、笑みを付す程度の心の余裕は芽生えた立平と言えば、先ゆく彼に続くがゆえ探索の出だしは好調である。緩慢に周囲の景色を背へ送りながら、数歩先へ向けた声は、)ふむ。………うーん、幽霊を信じてるってわけでもないんですけど怪談はやっぱ苦手で、あと暗い所とか不気味な場所とかフツーに怖いですねー…。ハイハイっ、センパイの苦手なものは?幽霊とか関係なくっても!(起伏の見られない音調で紡がれる応答と疑問とは女にとっては気紛らわす一助として非常に有難い。目に見えて明るんだ声と背に対応する表情は上がり調子をあらわにし、背越しに告がれるであろう返答を待ちながら一歩、また一歩、)わ、そう言ってもらえると嬉しい!巨大迷路とかお化け屋敷とかって絶対運試しみたいなところあると思うんですよねー!?(肯定の意を示す言葉にはいくつかトーンを挙げて反応する興奮ぶりでもって応答しつつ、ホントですよと相槌打った笑い声には己の笑い声をも重ねよう。)…たぶん?あ、ホントだ、もしかしたら階段近いのかもしれないですね!(呟きに対する確証がないものだから疑問符を付したものの、僅か歩みが早まれば踏み出す一歩を大きく、地を蹴る力も強め先を行こう。――開けた視界の先、分かれ道に差し掛かったところで唇を割る一言は、)センパイ、右左どっち行きたいですか? | |||||
必要な物しか買わないな。…何をどう楽しむものなの? | |||||
(自身の身体より先に右手に持つメイスが先に空間を割るように動かす様からは慎重を期していることが伺えるだろうが、返す声は平生と大して変わらず振れる事はなく、人によっては違和感を抱くのかも知れず。)信じてはいないけれど怖いんだ?不思議だね。…じゃあ暗闇とか不気味な場所が怖いのは、未知への恐怖ってところなのかな。(理屈として理解が及ばなかったようで、思わず形容詞漏らした。そうして述べた予測は果たして正しいかどうかは別として、先程迄の抑揚のない調子とは違って、不可思議そうな声色で紡ぐ其れからは確かに興味を持っている事が伝わるだろうか。さて、続いた質問には前方を見据えた侭僅かに瞬いて、)…苦手なもの、かあ。うーん、やっぱり想定の範囲外の出来事、とかかな。予測出来ない事ほど怖いものはないから。同じ理由で、直ぐ感情的になる人も苦手。…こういう解答で合ってる?(思わず復唱すれば首を右へと傾け、何処か歯切れ悪く答を返しながらも趣旨に沿っているか曖昧で、非常にゆっくりと歩きながらも顔を僅かに後ろへ向け、視線を彼女へと投げた。―どうやら調子の上がった少女の様子を背中で感じれば、僅かに笑いながら、「そうだね」と短いながらも返した。そうして、進展見えれば、小さく頷いて、この終わりのない探索からの帰還を感じ、僅かに笑う。)…左かな。立平さんは?ああ、ちなみに俺は完全に直感だから、もし行きたい方があったら、そっちでいいよ。(前後から突きつけられた選択肢に僅かに瞠目し、疑問符を返した。) | |||||
物欲満たされるとテンション上がりません?わーいやっとゲットしたー!みたいな! | |||||
(穏やかな少年と焦燥感駆らせる情景。ゆうらり視界を掠めるメイスとひとつの揺らぎすらない一本調子。考えれば考える程ちぐはぐな要素に浮かび上がるいくつかの心象をひとつの単語化する語彙もなければ術もなく、言いようのない情操は肩に引っ提げた弓へ向かう。次いだいくらか振れ幅のある問いにはぎゅうと握りしめた弓を離すものの、ぴたりとその足止めコツコツと爪先で床を鳴らし一言。)どうしていいか分かんないことは、コワイよ。…………たとえば勉強とかね!答え方分かんないなってときはもうちょーコワイ、どうしていいか分かんないから運任せにしちゃうっ。(抑揚を失ったのはほんの一瞬。幾許かの間をして続いた声は今までと変わらず場に不釣合いなほど明るく響き、背を追いがてらの応答も同じく声色明るく、)あ、そゆことです!したらこないだの屋上のとか怖かったとか、そゆことですよね。私もめっちゃ怖かったですよ、逃げたいけど逃げられないってどうしようかすーごい迷っちゃって。……すぐ感情的って、大声出して怒ってるとか?センパイがちょーキレてるところとか想像出来ない……。(傾いた首、絡んだ視線と正誤を問う様相に大きく首肯して、同意示せば回る口の早いこと。表情伴う口吻忙しくも言い終えれば僅かながら感じ取れた笑みに歯を見せ、希望に数度軽く頷けば一声。)したら左で行きましょっ。センパイが左って直感で思ったなら、左が運命の道ってことです!(人差し指で左の道を指さしたらば、大きく一歩踏み出し半歩ほど後方を陣取りながら歩み進めよう。暫く進めばその先には階段が見えるはずで、) | |||||
その物欲って言うのが余り理解出来ないんだ。…必要な物があれば十分だろう? | |||||
(相変わらずゆうら、ゆらと揺らぐメイスは異物を発見する事はなく。異変のない探索の中、少女の声色の変化には僅かに違和を感じはたものの、触れる術も無ければ、勘違いではないという保障も無く、男には触れる術などありはしない。ただ小さく瞬きを一回、それだけで、後はまた変化のない会話を続けるのみにて。)…勉強はやればやるだけ自分自身に跳ね返って来る物だよ。運否天賦の類の物ではないのだから、努力するべきだ。分からないのならば、その段階で誰かに頼ると良い。君の将来の問題なのだから。(本来であればもう少し手厳しい物言いになる筈の所であったが、声色が静けさを保ったままであったのは、先ほど感じた違和が尾を引いている所為なのかもしれなかった。明るい少女の声とは対照的に、一本調子の男の声は空間に溶け込むかのように静かで、)ああ、うん。あれは怖かった。…その前も入寮日に初めて影時間とやらに遭遇したときも怖かったな。…そう、すぐ怒る人も泣く人も苦手だよ。理屈が通じない相手って言うのかな。頭より心で先に物事を考える人はね、どうも接し辛くて。そもそも俺は声を荒げて怒ることって労力の無駄だと思ってるよ。(何の抵抗もなく恐怖を覚えた事を認めれば珍しく自身から振る話題は関連性の高さ故に出された物であるらしかった。つらつらと口から吐き出されるネガティブな話題は、これまた一本調子に淡々と。)…立平さんはきっと人を乗せるのが上手だね。(と、口端に穏やかな笑み上らせつつ、感想漏らせば左に曲がった。そうして見えて来た階段。其れが目視で確認できる距離へと近づけば、)良かった、当たりだったね。多分。(と、此処でようやく進展を見せた探索への感想を一つ。) | |||||
(終了)無事に階段を見つけたようだな。 | |||||
よくやってくれた。今日のところはこの先に進む必要はない。 君達のすぐ近くに小型ターミナル…装置らしきものがあるはずだ。それがエントランスにあるターミナルへと君達を転送してくれる。それと同じ小型ターミナルはフロアによって設置されていたりされていなかったりするが、今後も使う事になるだろうからよく覚えておくといい。ちなみに小型ターミナルはエントランスへの一方通行だからな、エントランスから其処に戻ることは出来ない。…説明はこのくらいか。では、今すぐ帰還してくれ。 | |||||
今度一緒にモール行きましょ、センパイの物欲引き出したーいっ! | |||||
う、うんぷてんぷ…?(トン、トン、トン。刻む三拍子に続いた無機質な音は刹那にして、平時の調子を取り戻した音色が得た返答は少なからず同意ではない。「ですよねえ」「はい」と相槌打ちながら人差し指で蟀谷引っ掻く相好は、彼の言う其れが正論だと理解したが故にバツの悪さ呈した苦笑いである。アハハとしょんだれた空笑いを添え頷くも、聞き覚えのない単語に続く言葉の理解も止まれば眉寄せ、沈着冷静な音が途切れた頃合いを見計らって該当単語を繰り返そう―分からないその段階で目の前の彼に頼るという、奇しくも彼の助言に従うこととなったのである。)ホントに?……えと、加賀美センパイがウソついてるとはぜんっぜん、すこーしも思ってないんですけど、あんまり怖がってるってカンジしなくって。センパイの声が落ち着いてるからかな、クールだねってよく言われません?…あはっ。あのね、その人を知るためには、その人が何に対して怒るのかを知るのが良いらしくって。って意味で、センパイのことちょっと知れたかなって思いますっ。まあ受け売りなんですけどね!(脊髄反射と言って遜色ない間髪を容れずの疑問符は、平時より高く口早に間を埋める一連の流れを含め、感情に従順なこの女によく見られる傾向である。弁明にも聞こえ得るだろう一言が彼の如何様な情操を引き出すかは知れぬけれど、心乱れることあらば発される一言は確りと享受するつもりだ。口挟むこと無く彼の思うところを聞き終えれば受容はどこまでもポジティブに、「バレました?」との冗句挟みながら進み階段を目前にしたならば、)ぜったい!……うわー着いた!桐条センパイもナビありがとうございまーす!加賀美センパイお疲れ様です、今日はありがとうございましたー!(慎重さ窺える一言には首を横に言い切って、小型ターミナルへ一歩近づきがてら向けた労いは疲労感より達成感に満ちていた。穏やか且つ冷静な少年と共にした初探索、いつしか消え去った恐怖感をして、運命は好転の予感。) |
【Event2】上広、当真、聴こえるか。 | |||||
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今日はここ2Fで実践を行う。 フロアをうろつくシャドウを片付けてくれ。 もしシャドウを見つけたら、向こうから攻撃を受ける前に、素早く接近してアタックを仕掛けるんだ。 …では、行動開始だ! >!! >探索開始直後、仲間と言葉を交わす間もなくシャドウが飛び出してきた。 | |||||
(アナライズ) | |||||
早速シャドウと出くわしたようだな。 ではまず、基本的な戦い方の説明をしよう。 シャドウ討伐における主な戦闘手段は、”アタック”と”スキル”だ。アタックは、装備した武器による攻撃。スキルは、ペルソナ能力による攻撃だ。武器攻撃とペルソナ攻撃を、状況に応じて使い分けるといいだろう。 それから、攻撃属性についての説明だ。アタックやスキルを含め、攻撃には属性がある。アタックの属性は、装備している武器で決まる。刀なら”斬撃”、弓なら”貫通”のようにな。スキルは、それ自体に固有の属性がある。アギなら”火炎”、ブフなら”氷結”だ。これに対し、多くの敵には耐性の低い属性がある。要は”弱点”だな。勿論その逆もある。私の力で、敵のそうした相性を調べることが可能だ。 例えばこの敵なら… ―――――――――――― 《裏切りのマーヤ》(左) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ブフ・ジオ HP:30 弱点:火炎 ―――――――――――― 《裏切りのマーヤ》(右) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ブフ・ジオ HP:30 弱点:火炎 ―――――――――――― 上広はちょうど弱点が狙えそうだな。 弱点を突くことは、更なる攻撃のチャンスを得るきっかけにもなる。弱点を突くと、相手の体勢を崩すことができる。その隙に乗じて、こちらが更に度攻撃を仕掛ける事が可能だ。これが”ダウン”と”1more”だ。これを利用すれば、追い討ちをかけたり、仲間を回復したりする事もできる。 それと、目の前のすべての敵の体勢を崩せば、その瞬間、敵全体に隙が生じる。それに乗じて、味方全員で一斉攻撃を仕掛ける。これが”総攻撃”だ。上手く利用してくれ。 大丈夫か?なら、目の前の敵を倒してくれ。スキルとアタック、どちらを使っても構わないが、できるだけ短いターンで仕留めるんだ。…それでは、健闘を祈る。 | |||||
問題ない。 | |||||
…出たか。先に俺がやる。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アサルトダイブ(打撃) 対象:裏切りのマーヤ(左) 「アトラス!…打て」 《30ダメージ! / HP10消費》 【シャドウ消滅!】 【当真残りHP:10】 ―――――――――――――――――――――――― …片付けた。もう片方はあんたに任せる。 | |||||
俺も。女の子の声は特別聞こえる耳だからァ大丈夫だよ。 | |||||
ハーイ、了解。……なんつうか、…男前ネ?俺も負けねぇように頑張りますってな。
―――――――――――――――――――――――― コマンド:アギ(火炎) 対象:《裏切りのマーヤ》(右) 「ムーちゃん、お願いな」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10】 【上広残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― ………、改めて見ると構造…酷いな…、…あ〜なるべく見ないように、よし…。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(貫通) 対象:《裏切りのマーヤ》(右) 「銃刀法違反しか頭に浮かばねぇよ…」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【上広残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― あ、消えた?終わりか?……っ、しゃ!…はー、もう、やっぱりシャドウって気持ち悪いなァ…。いやべつに怖いとかはないけどさ…うん。……んで、えーと、…玄ちゃん。お疲れさま。まさか先に突っ込んでくとは思わなかったから驚いたよ。折角ビシッといいトコ見せようと思ってたのにー、なんてね。…怪我とかないよな? | |||||
……随分と便利な造りをしているんだな。 | |||||
玄ちゃ…(一瞬小さな紫を丸くさせたのち、あからさまに不快な顔をしてみせたのは、単に感情が漏れやすい性質というよりは一種のポーズに近かったが、彼にはただ不機嫌な表情に見えたかもしれない。それでも此方の身を案じる様子に、「大丈夫だ。」と簡潔に答えれば、フロアに踏み込んで早々に現れたシャドウの所為で本来あるべき初めましての諸々が都合よくすっ飛ばされた今、呼び方についてもそれ以上言及はせず、)…さっきは俺が先頭を切ったが、次からはあんたに任せる。(積極的に口からこぼれるのは現実的な未来について)シャドウを見つけたらとにかく先制が重要だろ。あとはいかに弱点を突くか。…で、だ。互いの武器やペルソナの特性を知っておいた方がいい。…例えば、俺のブーメラン。こいつはでかいし投げれば勢いもつくからダメージは期待できるけど、その分速さと命中率に欠ける。その点、あんたの銃なら遠距離から狙える上に速いし、少なくとも俺より正確だ。つまり、先制とるならあんたの方が向いてるって話。あとはペルソナの得意な攻撃とか弱点とかを把握しておきたい。(今日まで挨拶をされても「ああ」だの「ん」だのと返事とも判別できない程度にしか寮の仲間と言葉を交わした事がなく、完全に喋らない人のレッテルを貼られていただろう当真の舌がいつになく回っている。それもそのはず、当真なりに“いかに無駄な交流を省いた上で迷惑をかけずに実戦に慣れるか”というなかなかに高いハードルを己に課し、ここまでやって来たのだ。まさか新人二人で放り出されるとは思ってもみなかった上、比較的苦手なタイプ―もっとも、得意なタイプが居るかと問われれば答えはNOであるが―の彼と組まされたが、予め用意していた話題をなんとか投下すれば、まずは此方のペースとなるか。前進は止めずとも、視線だけは彼に送ってみせれば、余計な干渉を避けるための牽制でもある当真の言葉に対し、果たして彼はどんな反応をするのだろうか) | |||||
…そーね。コレで黄色い声も沢山聞こえたら……、ごめん、嘘。普通の耳デス。 | |||||
(「…ん?そうか、なら良かったよ。」――言葉を促すには短く、真意を含むには淡い声音を先ず一音。彼女の返答に心底安堵したように胸を撫で下ろす仕草は、少々大袈裟にも見えるだろうか。然しそれがまるで自然なことであるかのように、険しい少女の表情も双眸も、男のゆるやかな微笑を絶やす要因にはなり得なかった。それは勿論、今迄固く結ばれていた彼女の唇が放つ大量の音にしても同じことで)……、そうな。君の意見は尤もだし、重要なことだから俺も話さなきゃいかんなとは思っていたけど…。……正直、今は君がこうして沢山喋ってくれて、つか、俺と会話してくれてるって喜びの方がやべぇわぁ…。はは。玄ちゃんって頭いい?はっきりきっちり喋ってくれンの、すごくイイね。話しをしていて楽そうだ。…いや、君にとったら俺みたいなのはイヤかもしれんけど……。あぁ、そうだ。遅れたけど一応言わせてな。3年A組の上広優一です。当真玄ちゃんで合ってるよな?…これからよろしく(微笑を浮かべるか、言葉を紡ぐか。まるでその二つしか知らないような唇は少女の言葉に丸きり関連のない私事を羅列した。そうして少しだけ速めた歩調で歩き続ける彼女の一歩前に躍り出れば、僅か下にある顔を見つめ、満面の笑顔と共に簡易な自己紹介を。その対面は紛れもなく自己満足だったのだろう。ものの数秒後、再び動き出した歩みは彼女に合わせて)…んっ、と、脱線してごめんな。攻撃については俺からってことで文句ないよ。寧ろ歓迎。…そんで俺の…シェムハザは火炎属性に特化してるんかな。でも電撃には弱い?みたい。…君のペルソナはどんな感じ?…それと、さっき見てて思ったが俺と君の…というより、ペルソナの攻撃方法が少し違うみたいだね。俺は二回攻撃が必要だったが、君は一度で倒しちまったから…与えられるダメージについても違うか。……あー、今気になったのはその位。玄ちゃんは他に何かあるか?……因みに、ある程度プライベートな質問も受けつけ中よ。 | |||||
だろうな。……まあ、普通の聴力があれば問題ないだろ。 | |||||
(等間隔に保たれていた歩幅が一瞬崩れたのは、彼の回答が予想の斜め上を行っていたからで)…随分と明確に喜んでくれるじゃないか。俺は珍獣か何かか?……必要があれば喋りもするさ。(自分が珍獣に近い存在である自覚はあったが、ある種企みすら透けて見えそうなほど友好的な笑顔と態度に思わず身構える。加えてその言葉の端々から察するに、彼は頭の回転が早く、また人の感情にも鈍感な方ではなく、なにより他人に好意を向け慣れている。前言撤回。こいつは“かなり”苦手なタイプだ。もう一度眉間に皺を刻み直しながら彼の自己紹介に耳を傾けてのち)ああ。(と二音で答えたその反応は、名前の確認に対してか、よろしくと言われたことに対してか。それ以上の言及を避けて視線を切れば、いつの間にか本筋に戻った話に再び口を開き)なるほど…俺のアトラスは打撃属性の攻撃に特化している。弱点は氷結属性。…どうやら俺たち、ペルソナの組み合わせの方は悪くないみたいだな。(弱点の一致は全滅を導く要因の一つだからと付け加え、ふむと頷く。そして彼の方からも戦いについての考察が述べられれば、必要事項についてはやはり舌が回り)ああ、あんたも気づいたか。実はさっきの戦い、攻撃の瞬間に急に体力を奪われるような感覚があった。…おそらく、物理属性のスキルは使用者の体力を糧に威力を高めるって感じなんだろうな。体力の残量にさえ気をつければ強力だが、敵からの攻撃も受けるからな、回復する手段がなければリスクも高いってとこか。……あとは…まあ、この階の敵は大したことなさそうだけど、相手のレベルによっては長期戦も考えて、守りと回復も考慮した選択が必要になるだろうってのは思ったな。正直さっきの攻撃で俺の体力はそんなに残ってない。今日はもう、アタックか防御に徹することになるだろうってのは伝えておく。(だから庇ってくれ等とは冗談でも言えずに至極真面目なトーンで簡潔に告げれば、「それと、あんたのプライベートに関する事で気になる事は今のところない。」と律儀に付け加え) | |||||
まー地獄耳とか結構不便そうだもんな、やっぱ普通が一番かな。 | |||||
うん?こんなにきれいな珍獣なんて勿体ねぇよ。…いや、そりゃ君みたいな女の子は珍しいもの。でもそうだな…毛色の違う猫ちゃんって感じでいいんじゃない?……、そしたら尚更。そのレアな機会を頂けて喜ばずにはいられないな。俺、そういうのは素直に喜んじゃうタイプよ。そんで嬉しくなっちゃうともう喋りが止まんねぇ…みたいな。うるさいかな、ごめんね。でもそんだけ嬉しいってこと。…そんな感じの優一くんですね。分かりやすくてよくない?(珍獣なんて言葉は流石に想定外。けれど流れる言葉は澱みなく、綻ぶ頬への自制もないが、深く刻まれた眉間の皺と、返されることのない笑みを認めては唇の弧に僅かな苦笑を交えた。それでも指で押された鍵盤が必ず音を出すように、回り続ける舌は弾む声音で少女へと言葉を紡ぎ続ける。冗談めいた口調で自分を指差して、最後にはにっこりと笑顔を増すことも忘れないその様は何処かそつの無さをも滲ませて)ペルソナ…の方は…、ああ。…地味に?哀しいな?…まあいいか。打撃か、成程確かに力強い…巨人?だけにあるな。了解。電撃と氷結には要注意ってことで覚えておくよ(小さく呟くような言葉の反復は脳に記憶する為。そんな折、先程目にした少女のペルソナの姿を思い浮かべば納得したような頷きを一つ落として)……そう。攻撃力が高い代わりに体力消耗かよ……諸刃の剣になンねぇようにしなきゃか。オーケー。大事なことが分かって良かったぜ。俺はまだ…あー、精神力は兎も角、体力の方は有り余ってるから何かあったら頼りにして?……あァ勿論、今だけじゃなくてこれからも、の話な。……序でにいえばこういう戦闘の時以外でも何なりと、と言いたい所だけど。玄ちゃんガード固そうだもんなァ……ある意味、見習いたいよ。その冷静さっていうか、(気の抜けた微笑に反し、必要な部位では確かに真剣みを灯す双眸は彼女に向けられる瞬間にふわりと薄れる。無意識か、意図的になのかはさて置き、軽口を叩く間にも進む足は二股の分かれ道へと差し掛かって――「どっちに行く?」と、半歩少女の方へ身を寄せながら問い掛けた) | |||||
情報過多はかえって混乱の元だからな。何事も必要最低限がいい。 | |||||
…き、(綺麗、だとか。女の子、だとか。望まない言葉の雨が降り注ぎ、怒りに近い羞恥心で満面に朱を注ぎそうになるが、取り乱せば彼の思う壷だ。世の中には打っても響かなければ諦めるタイプと響くまで打ち続けるタイプが居るが、きっと彼は後者だからと口にしかけた言葉を飲み込み、)…勝手にしろ。あんたが喋っても喋らなくても、嬉しくても、俺は困らない。(彼の優しさや甘さに触れる度にむず痒く、この場から逃げ出したくなる衝動を強い歩調へとかえて昇華する。小柄な女性陣に比べれば長さの近いコンパスを持つ二人、多少歩みを速めても彼が追いつけない事はないだろう。そして適度な距離を保ちつつ話題は互いのペルソナについてと移り変わり、無事に行いたかった情報交換も終えた)……頼りに、か。(どこまでが本心でどこからがリップサービスなのかは分からなかったが、緩やかに流れるように紡がれる彼の言葉の中で耳に引っかかったそれを反芻する。同時に、意図的に避けていたはずの彼の瞳へと視線が滑り、淡い緑が柔らかく形を作る瞬間を見た)…俺は自分でできることは自分ひとりでやるようにしてる。けど、俺にできないことまで自分でやろうとするほどバカじゃない。あんたが回復のスキルでも覚えた日には、多分頼りにするさ。(無言で切り抜けることも容易だったはずなのに、先程まで回りすぎた舌の名残か、余計な事を言ってしまったと、口にしたあとで後悔したってもう遅い。誤魔化すように歩幅を大きくしようとするも、目の前には分かれ道。彼の問いを無視することもできずに)右。(即答したのは、何か確信があったからじゃない。その証拠に足は彼の反応があるまで止まったままで)左だっていいけど、とにかく分かれ道を進む方向はいつも同じにしておいた方がいい。引き返すときに来た道を思い出しやすい。…まあ、今はナビがあるから問題ないけどな。(ようやくの進展は分かれ道。「あんたはどうしたい。」と訊ね返し、返答次第では右へも左へも進める準備を) | |||||
…んー耳が痛いっ。俺は言葉も友達もぬいぐるみも必要以上でダメね…。 | |||||
…おー…全然知りもしない男と薄気味悪い夜の学校で二人きり…ってだけで普通は結構困るもんじゃねぇのかな…。無言で歩き続けるとか気まずさもあるし、……玄ちゃん勇気あるよね。しかもその容姿。女の子にモテそ……あ、コレは褒めてるよ。羨ましいって意味でな(少女の言葉を真に受けたのか、端から決めていたことに影響を受ける気もなかったのか。どちらにせよ彼女とのコミュニケーションに努める姿勢は変わらない。簡潔であれ確かに言葉が返ってくるのならば今はまだ、この不安定なキャッチボールを続けるべきだろう。奇怪な経緯を経たとはいえ彼女は新たな土地で得た仲間の一人なのだから――と、友好的な色に染まった微笑みは謂わば男の癖。軽口も同上である。開く距離にやや広めた歩幅も、数歩の急ぎ足で元の位置へと戻った)…おう。君の頭の良さは充分伝わってきたから、じゃあ次は俺が言葉通りに回復魔法でも覚えてみせようかな。何時になるかはわからんけど……頼りにされたいから頑張るよ。…よっしゃ!正直、あんまり乗り気はしてなかったけど…目標ができたからにはこれからも頑張らなきゃだな。……あとはこの個人的目標を経た後のゴールも知りてぇ所だが……ただシャドウを倒せとか言われたって、なぁ……(「おっと、ぼやいてごめんね」――不満にも満たない小さな呟き。思考の海に留めることは良いとしても、他人に零すものではない。暫し閉じた唇が齎した沈黙は止まる歩みと共に訪れて――、前方から傍らの少女へ。彼女の言葉に一つ二つと頷きながら、ゆっくりと爪先は右の道へと向けられた)…成程ねえ。うん、右で、玄ちゃんの意見に賛成。…君ってホントに頭いいな。俺もそれなりに勉強はできるつもりなんだが……言動的な賢さが伴ってるかは大事よなぁ…。君とか、啓司くんとか、頼れそうでいいかな。…あ、玄ちゃんってクラスどこだっけか?(言葉通り右側へと歩を進めながらも相変わらず顔は彼女の方へ向けられて、徐な問いを一つ。) | |||||
…まあ、あんたにとっては必要以上が必要、なんだろ、多分。 | |||||
…あんたは俺に危害を加えないし、戦闘力として二人きりは心許ないと言えばそうだけど、あとは別に。(本当に困る事があるとすれば彼が此方の領分に無理に入ってこようとする事くらいで、こうして他愛ない話を好きに喋る事で満足してくれるならまだマシだと諦めることにして、)…女にモテた事なんてないし、モテたいと思った事もない。…あんたモテたいのか。(くだらないと一蹴するどころか無言でターンエンドが常の反応を改め、余計な問いを一つ足した。そうして仏頂面は改めずとも、当真曰く“必要最低限の”会話をする努力は欠かさずに彼と歩んできた道も長くなってきた頃、)…ま、精々頑張れば。(彼に激励の言葉をかけるに至ったきっかけは有り体に言えばちょっと絆された、当真的には口が滑った、だ。そしててっきり彼を調子に乗らせる結果となったかとお決まりのポーズをとろうとしたが、軽妙さを欠かさなかった彼の舌に初めて乗せられた小さな不安には)謝らなくていい。…言っただろ、あんたが何を喋っても、俺は困らないって。(真意が伝わることは本意ではないと、淡々と紡がれる言葉は変わらず冷たく響くように。そうして分かりやすく顔を背けて歩みを速めようにも、二股に差し掛かれば、自然と話題は変わり)…じゃあ、右へ。(賛同を得られたなら新たな進路へと前進。見たところほとんど変わらぬ景色は単調だが、傍らにいる彼の言葉がそうである事は一度もなく)…言動的な賢さが欲しいなら、口数を減らす事をすすめる。(自分と同じカテゴリに括られた少年を思い浮かべ、彼もやはりそういったタイプだろうと実証を添えてから「あんたには難しそうだけど。」と呟いたのは皮肉というより素直な感想で、)B。真壁と一緒。(そのまま続く問いにも簡潔に答えたなら、またしばらくは一本道、シャドウの気配もない平穏な前方を視界に入れながら)あんたはAだろ。(知ってる、と、問い返す代わりに付け加えた) | |||||
お、それって凄くナイスフォロー。元気でたー…玄ちゃんやさしい! | |||||
…そっか。ま、怪我する危険もあンのに余計なこと考えちゃう方が駄目よなぁ…夜の学校ってだけで不気味なのに、それ以上に性質が悪い場所になっちまうし…。…てか、学校なんだよな此処……実感沸かねー……ここまで変わるって…シャドウの影響とか…?(明るい陽光に照らされる校舎と異様な月の光に照らされるこの校舎内。崩れた構造は昼間の面影を残しながらも、最終的には全体を覆う不気味という印象を脳に伝達する。腕を伸ばし指先で壁に触れたのは手持ち無沙汰を解消する程度の意味しかなく、)そうなの?俺がいた学校はスポーツ少女の人気が凄かったんだわ。「きゃ〜イケメン!」「私あの人となら付き合える!」…的な。フツーにかっこいい男子も居たんだけど。女の子って同性を褒める傾向が男より強いんだろうな……あ、俺?そりゃあ、モテたいよ。女の子といると癒されるから。すきだし。うん(今の自分の本分は会話だと言わんばかりに声音を変え、身振り手振りを加えたオーバーリアクションは毎度の如く。思いも寄らない頑張れの四文字に見る見る破顔した笑顔もまた然りだ。ありがとう。感謝の言葉も忘れずに、次いだ彼女の態度はまるで自分と正反対。そのことに不快感や哀しみを覚えることがないのは積極的に人と接触してきた今迄の人生で少なからずそんな経験がある為か。非社交的な人間とのコミュニケーションはどうしたらいいなんて断言は出来なくとも、差し当たって笑顔だけは欠かさずに)あはは…間違いねぇな。お前は黙ってればもっとマシに見えるのにってよく言われるよ。でも頭よくて取っ付き難いってのは敬遠されちゃうだろ?それはいやだなぁ…って。……あー香澄さんと。そうか…いいなァ。ん?うん。お隣さんだな。…あ、じゃあ偶に遊びに行ってもいいか?俺よく教科書とか忘れちゃうから貸してーって、行くかも。…休み時間とか、教室にいる?(――人懐っこさというものは受け取り手によって馴れ馴れしさともイコールである。彼女の言葉を待つ男の顔に、そういった心配の色は少しも浮かんでいないけれど、) | |||||
……別に。戦闘員の士気が低いのは問題だろ。 | |||||
…さあな。シャドウの事もそうだけど、正直まだまだ情報が足りなすぎる。(完全に迷宮と化したこの塔は、昼と夜ではもはや別物。事前に説明を聞いていたとはいえ、実際に学校が大掛かりな機械仕掛けのように形を変えていく様を見れば流石の当真も驚きの色を隠せなかった事を思い出し、じわりと滲んだ緊張感を紛らわすように背負ったブーメランに手をかけるも、それも杞憂に終わり)女の考えることなんてわからないけど…そういうもんか。(まるで自分とは全く別世界について語るような、そんな口調。其処に落とした感情の真偽等、この場にはそぐわない彼の大げさな身振り手振りと軽口の前ではささやかな問題で)…癒される…?女なら、誰でも、いいのか?(心底理解できない、と今度は誰が見ても明らかなくらいに感情を乗せた声色と表情。もし彼がイエスと答えた上で当真も彼の言う“女の子”の括りに入るというのなら、きっと無意識のうちに彼との距離をとるに違いない。当真のどんな態度にも笑顔を崩さない彼にとっては、ささやかな抵抗にもならないのだろうけれど)…だろうな。あんた曰く俺は頭が良いし、自他ともに認めるくらいには取っ付き難いから敬遠されがちだけど、それで困ることもないしむしろ有難いくらいだ。…でも、あんたには向かないだろ。そういうの。(彼の舌は喋るために付いているようなものだと先程から回り続けるそれに感心すらする。そして、彼の目から逃げるように逸らした視線の先を遠くに設定したまま、)…今はともかく、日中の此処をあんたが自由に探索するのに俺の許可は要らないだろ。……ちなみに休み時間は適当に過ごしてる。教室に居るときもあれば居ない時もある。…けど、まあ、あんたが来るっていうなら、事前に教えてくれ。(心を開いたかのような思わせぶりな一言すら、やはり淡々と迷宮の床に落とされた) | |||||
じゃあもっと士気上げる為に手でも繋いでく?…や、君の士気が下がるか | |||||
なー。改めて考えると今ってつくづく非現実的。…でも夢じゃないってのがまた辛ぇよ。怪我したら痛いンだろな…(指先で摘まんだ頬が鈍く痛覚を刺激すれど先程の異形、或いは先日の巨大な四体を思い浮かべれば、ぶるりと体が震える。肩に担いだ冷たい鉄の塊も現実を感じさせるには充分だ。僅かに青みがかった白い頬が女性である筈の彼女が発する声音に緩められる。容姿や性格とのミスマッチ。違和感。彼女の真実なぞ知る由はないが、純粋な疑問に満ちたその言葉に浮かべたのは苦笑で)んー俺も男だからわかんねぇけど女の子のことは結構見てっから…、変な発言っぽいな。でも見てるだけで和むよ?ホント。…いやぁ誰でもいいって訳じゃねぇな。一定のラインはある?…でもストライクゾーンは広めだなぁ多分(少し考えるような素振りを見せてもその表情は柔らかいまま、曖昧か明確か、それすらも不明慮な言葉だがきっと其れが本心なのだろう。フェミニストと女好き。その境目もまた不明慮なものだ)ありがたい……寂しくない?…って考える俺には向かねぇなぁ確かに。 あんまり人と関わンのイヤ?(これまでの印象通り――若しくは予想通り。お互いがお互いの正反対な性質を察しているような空気間。しかし聳える壁を認めていようと友好的に歩み寄ろうとする姿勢は変わる訳もないのがこの男。)んーでもな。構って構ってー、って君の時間を貰うことになるかもしれねぇから。…ま、そうだよな。自由にさせて貰うぜ。あぁ、事前に連絡…メールとかでいいか?…うん、なるべくするよ(へにゃり。笑んだ口許に尖った八重歯を覗かせて、嬉しいですと体現するような笑顔は惜しみなく。合わない視線でも彼女に視線を向け続けるのはその瞳を待つというよりは、彼女の様子を見ていたいというだけなのかもしれない。しかし、文字通り穴が開くほど見つめている訳にもいかず――気紛れに空中へ彷徨わせた双眸が、再び現れた分かれ道の片方。奥まった行き止まりの道に置かれた箱型の物体に、焦点を合わせた)…なあなあ玄ちゃん、あそこになんか置いてね? | |||||
……わかってるなら言うな。…一瞬想像しただろ。 | |||||
…ふうん。……まあ、女は大体好きなんだな、要は。(ざっくりとまとめた言葉は端的で、それ以上の理解を諦めた証拠だ。彼にとっての女の定義が見た目によるもので無いのであれば、この容姿も言葉遣いも全てが無意味なのだろう。どんなに男のように振舞ったところで有るものは有るし無いものは無い、そんなわかりきった現実を不意に突きつけられた気がして、無意識のうちに唇を噛んだ。それでも)…ちなみに、どういうのがストライクゾーン外なんだ。(どうしたら其処に行ける、とでも言いたげな顔でぽつりと加えたのは、自分でも思っていた上に必死だったからか)――…人と関わるのは、嫌、だな。……。(ゆっくりと、彼に、自分に言い聞かせるように吐いた言葉は真実で、けれど寂しくないとは言わなかった。都合が悪くなると押し黙って歩みが速まる当真の癖はもう見飽きただろうか。たとえそうでも、黙ること以上に上手な感情の伝え方など知らないのだから、彼にはまたしばらく早足を強いることになるのだろう)…ああ、むしろメールがいい。事前にいつ来るのかわかれば、対処ができる。(喜楽を全力で表現できる彼に純粋さを見出すも、ひねくれた見方をすればそれ以外の感情が見えてこないという事で、友好的であると同時に不透明で奥が見えない柔和な笑顔が脅威に思え、その三日月から逸らしていた視線が数瞬遅れて彼の言う“なんか”を見つけ)確かに。…あれは……何か…箱、か…?(分かれ道の次は未知なる物体。探索の収穫としてはそれらしい物の発見に「行くぞ。」と彼を振り返ることもなく一直線に進んだのは今思えば短慮だったが、幸いたどり着くまでに罠に捕まる事もなく、)アタッシュケース…?……何か入ってるかもしれないな。(未知なる物体の正体を観察するように腰を下ろせば、一見何の変哲もない、ただのアタッシュケース。だが、触るのは流石に躊躇われて、ようやく後ろにしっかりとした意識を飛ばせば)……これ、どう思う? | |||||
うん、ごめんね。俺も君の引き攣った顔しか想像できなかったわー…。 | |||||
フェミニストって言ってほしー…、……さあ?俺の感性を話しても玄ちゃんには分かんねぇだろ。つまり俺がかわいいと思えない子…ってことな。…かわいい子がすきだよ、うん(不満げな口調に反して異論を唱える訳でもない辺り、上広にとってその言葉はお馴染みであるらしい。ほんの少し滲んだ苦々しさも圧倒的な微笑の前では掻き消され、寧ろ彼女の方がその色を強く浮かべているように思えた。――少しだけ、俯く。その問いが何を求めているのか、答えを導き出すにはあまりにも情報が足りない。差し出された含みを孕んだ返答も、その真意なぞ読み切れる訳がないのだ。だから僅かな逡巡の後、顔を逸らして口にしたのは煙に巻いた言葉。会話相手の理解を求めない其れは同時に話題を区切るような響きを付け足し、顔を逸らせば視界から彼女が消える。歩調が速まったことも関係しているのだろう。再度一定の距離を得るべく伸ばした足取りは、決して軽くはなかった)了解。…おー。箱っぽい、って、あ(思わず洩れたのは心配の声音で、遠ざかる背を追いかける。物体――少女の発言と、自身の目。両方で確認したその正体に先ずは同じように腰を下ろして)……そう、だな。罠だったらって考えるとアレだが…情報が少なくて大した収穫もない現状を思うと、確認してもイイんじゃないか。……開けてみっか。この階もそんなに広くねぇだろうし、何かあったとしても助けは見込める(カーディガンの中、埋もれた指先を伸ばしたアタッシュケースは触れた心地も極々一般的なもののように思える。爪で小突き、確かめる仕草を見せれば彼女に確認をするような視線を数秒。徐にケースを道の最深へと移動させたのは、ケースと彼女との間に自身が入り込む為だ。「君は動けるように立っておいて」最後にそう告げれば慎重な手つきでケースを開いて――、)…アレっ……予想外。…玄ちゃん、傷薬だったァ。二つあるから、ハイどうぞ。…こんなトコにあンのは少し怪しい?でもま大丈夫そうな感じよ(真剣な顔から一転。ホッとしたような、拍子抜けしたような笑みと共に傷薬を差し出した) | |||||
…気をつけろよ。思った事をなんでも口にすると、いつか身を滅ぼす。 | |||||
…あんたがかわいいと思えない子、か。確かに俺にはわからないな…。(結局なにも得られず、上手く誤魔化されたというのが正しいのだろう。それでも、「変なこと聞いた。忘れてくれ。」と素直に引き下がったのは、当真自身らしくない質問だったと自覚していたからで。――その後、断片的に続いた会話も最後には話題の収束を求める空気が二人を取り巻き、その望みは突如出現した謎の物体によって叶えられることとなった)…それもそうだな。(彼の下した判断は冷静かつ賛同に値するもの。間に割り込まれた事に関しては上手く庇われたとのではと不満に思う当真も居たが、真偽を知る術もなければ、此方に寄せられた視線もこの時ばかりは素直に受け取り、反論よりも先に体を動かした)何かあれば…まあ、俺がなんとかしてやるさ。(立ち上がり数歩下がって距離をとる。そして背中の武器に手を添え、彼の指が伸びる先に意識を集中させ――果たして本日二度目の出番となるか)……傷薬?……なんだ、…………そうか…。(と思ったが、張り詰めていた緊張は不要なものへと。大口を叩いた手前なにが現れようと怯むことなどなかったろうが、いざケースからこぼれ落ちたものの正体が無害かつ十分な収穫物とわかれば安堵の息を吐かずにはいられなかった。途端、緩んだ空気。差し出された傷薬を受け取る際には、気負いが軽減されたからだろう、珍しく目元が和らぎ、)…これでようやく探索らしい探索になった。(落とした声にも幾分か喜色が宿る。それから手渡された傷薬をポケットにしまい込み、反転させた体を先程の分岐点から続くもう一方の道へと向け)行くぞ。(とかけた言葉は変わらずとも、今度は彼を振り返り、その足先が当真と同じ向きに揃うのを待った。それは、初めて当真から足並みを揃える努力をした瞬間。そして今は長く、まだ見通しがきかない一本道を進んだその奥、そこには本日のゴールが待っているはず) | |||||
んー?大丈夫大丈夫。それ程お馬鹿じゃねぇのよ〜俺。意外に。 | |||||
(一度口を閉ざせば必然の如く訪れた沈黙に、我ながら喧しいくらい饒舌に喋り続けていたものだと苦笑が零れたこともまた必然か。平生は他者との友好的な関係を築くことを第一に行動しているとはいえ今の状況は例外中の例外。自他問わず怪我の危険性もあれば、周囲には未知の事柄も満ちている。お化けなんて目じゃない化け物もいることだし黙ってしまうのは正直コワイ――なんて本音も、傍らの女性に言える筈がない。決してプライドが高い訳でもないが男として最低限のものは持ち合わせているつもりだ。尤も、そんな心意気も最初の最初。果敢に化け物へと挑んでいった少女の背に、そっと崩されてしまったのだが――。このままじゃ男が廃るよなァ。そんな心中から彼女を庇ってみせても予期した危険性なぞは毛頭なく、脱力した体をくてんと曲げて、分かり易い落胆にも似た姿は彼女にどう見えただろうか)……もー…ただの傷薬とか…。…格好つけて損しちゃったな。…や、マジでおばけ…じゃねぇや。シャドウ出てきても困ったけど…、(もごもごと本音を漏らすだけの呟きは不満と安堵が入り混じり、表向きにはなんとも言えない笑みに昇華される。そんな中、心なしか柔らかくなったように思える少女の雰囲気を肌で感じてしまえば、微笑の中に組み込まれた喜怒哀楽の内、喜びが色濃く顔に現れて)そうだな。このままじゃちょっと敵を倒して、あとは夜の学校でお散歩デート…って感じだったもンなぁ?(くつくつと震わせた喉は低い笑い声を作り出し、その発言の冗談みを強くする。あまり長い時間とは言えなくとも、相応に交わした言葉の数々で上広の性格は凡そ伝わったことだろう。そして僅かに触れた男らしい少女の断片と、並んだ二対の足とを確認した伏し目はそのまま微笑に細められた形を取り、薄気味悪い通路に不相応に弾む声音はゴールと思しき出口に辿り着く時まで飽きることなく続くのだろう)……あー…もう終わりか。残念……って言い切れる場所じゃねぇのがまた残念。次はもっとイイ場所で話してぇな。…玄ちゃん。帰ったらゆっくり休んでね?…そんじゃ、お疲れ様。また今度な(へにゃり。柔らかな、それでいて軽々しい微笑は終ぞ絶えることはなかった。) | |||||
……あ、そ。………まあ、いいけど。 | |||||
(彼の背を見守ること数秒、のち、現れたそれに気が抜けたのは当真ばかりではなかったようで、柔らかな表情に混じって漏れた彼の本音。一度目に比べ心の準備が出来た二度目の緊張こそ、解けた今、二人して作っていた仮面が少しばかり外れた気がした)…ったく、相変わらず口が減らないやつだな。(安心した彼の口から分かりやすく冗談が紡がれれば、最初こそ生真面目に不快感を露にしていた当真の表情筋も慣れてきたのか、僅かに眉根を寄せるに留まり、その口調も嫌悪よりも呆れに近いニュアンスを多く含んでいた。それからはまた、淀みない彼の言葉に時折相槌を打つ程度の無口な当真に戻ったが、四本の足が距離を離さずに歩き続けたその先、本日の探索終了を告げる階段の存在を認めれば、)……ああ、あんたもよく休ませとけ。体と…その口も。(まさかこの歳で1から10まで初めての事に挑戦することになるなんて思ってもみなかったが、シャドウを倒し、アイテムを回収し、目的地である階段を見つければ、初めてのタルタロス探索は無事成功と言っていいだろう。それも、隣にいる彼の存在あってこそのものだったと、一人で全てを成し得ようとしていた当初よりも緩んだ口角が物語る。彼とは正反対に終ぞ分かりやすい笑みの一つも浮かべなかったが、至極真面目なトーンで最後に告げるは珍しく冗談じみた言葉。さて、長いようで短かった本日の収穫と言えば、実戦経験、傷薬一つ、それから――) | |||||
(終了)無事に階段を見つけたようだな。 | |||||
よくやってくれた。今日のところはこの先に進む必要はない。 君達のすぐ近くに小型ターミナル…装置らしきものがあるはずだ。それがエントランスにあるターミナルへと君達を転送してくれる。それと同じ小型ターミナルはフロアによって設置されていたりされていなかったりするが、今後も使う事になるだろうからよく覚えておくといい。ちなみに小型ターミナルはエントランスへの一方通行だからな、エントランスから其処に戻ることは出来ない。…説明はこのくらいか。では、今すぐ帰還してくれ。 |
【Event2】二人とも、聴こえるか。 | |||||
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このスレッドではイベントの流れと、バトルシステムについての説明を行います。 以下、美鶴、A(疾風属性のペルソナ所持設定女子)、B(斬撃属性のペルソナ所持設定男子)の見本です。 戦闘レスの部分は、テンプレートをそのままお使いください。 今回のイベントでは、全員HPは20です。ただし、イベントの性質上1ターンで終わるため、特に今回は関係ありません。 | |||||
(アナライズ) | |||||
早速シャドウと出くわしたようだな。 ではまず、基本的な戦い方の説明をしよう。 シャドウ討伐における主な戦闘手段は、”アタック”と”スキル”だ。アタックは、装備した武器による攻撃。スキルは、ペルソナ能力による攻撃だ。武器攻撃とペルソナ攻撃を、状況に応じて使い分けるといいだろう。 それから、攻撃属性についての説明だ。アタックやスキルを含め、攻撃には属性がある。アタックの属性は、装備している武器で決まる。刀なら”斬撃”、弓なら”貫通”のようにな。スキルは、それ自体に固有の属性がある。アギなら”火炎”、ブフなら”氷結”だ。これに対し、多くの敵には耐性の低い属性がある。要は”弱点”だな。勿論その逆もある。私の力で、敵のそうした相性を調べることが可能だ。 例えばこの敵なら… ―――――――――――― 《怠惰のマーヤ》(左) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ジオ・突撃 HP:30 弱点:疾風 ―――――――――――― 《怠惰のマーヤ》(右) 黒いスライムのような物体に手足が生え、人の顔のような仮面をつけている。 スキル:ジオ・突撃 HP:30 弱点:疾風 ―――――――――――― Aはちょうど弱点が狙えそうだな。 弱点を突くことは、更なる攻撃のチャンスを得るきっかけにもなる。弱点を突くと、相手の体勢を崩すことができる。その隙に乗じて、こちらが更に度攻撃を仕掛ける事が可能だ。これが”ダウン”と”1more”だ。これを利用すれば、追い討ちをかけたり、仲間を回復したりする事もできる。 それと、目の前のすべての敵の体勢を崩せば、その瞬間、敵全体に隙が生じる。それに乗じて、味方全員で一斉攻撃を仕掛ける。これが”総攻撃”だ。上手く利用してくれ。 大丈夫か?なら、目の前の敵を倒してくれ。スキルとアタック、どちらを使っても構わないが、できるだけ短いターンで仕留めるんだ。…それでは、健闘を祈る。 | |||||
ばっちり聞こえてますよ! | |||||
お、さっそくシャドウ発見!よーし、わたしの実力見せてあげるわ! ―――――――――――――――――――――――― コマンド:ガル(疾風) 対象:怠惰のマーヤ(左) 「ペルソナ!」 弱点にヒット! 《20ダメージ!》 【シャドウ残りHP:10】 【A残りHP:20】 1more発生! ―――――――――――――――――――――――― やった!弱点にヒット!まだまだ行くわよ!! ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(貫通) 対象:怠惰のマーヤ(左) 「当たって!」 《10ダメージ!》 【シャドウ消滅!】 【A残りHP:20】 ―――――――――――――――――――――――― なーんだ、もう終わり?じゃ、B!もう一体は任せたわよ! | |||||
問題ありません。 | |||||
…なかなかやるじゃないですかAさん。では今度は僕の力を見せてあげましょう。 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:スラッシュ(斬撃) 対象:怠惰のマーヤ(右) 「来い!ペルソナ!」 《30ダメージ! / HP10消費》 【シャドウ消滅!】 【B残りHP:10】 ―――――――――――――――――――――――― 一撃、ですね。まあ僕にかかればこのくらい当然ですよ。 | |||||
バトルテンプレート | |||||
これ以降は会話を続けるか、どちらかが階段を見つけることで終了となります。また、階段を見つけなかった方の撤退ロールは任意です。
以下、戦闘時のテンプレートです。 (任意の台詞。戦闘前の一言や、前の戦闘者に対してコメントをすることも出来ます) ―――――――――――――――――――――――― コマンド:アタック(属性)orスキル名(属性)or防御orアイテム←今回はアタックかスキルのみ選択可 対象:対象シャドウの名前 「アタック時のかけ声orペルソナ召喚時の一言」 弱点にヒット!←弱点を突いた場合にのみ記載。 《●ダメージ!》←効果を記入。弱点ヒットの場合、通常の2倍。 【シャドウ残りHP:●】←シャドウが倒れなかった場合。 【○残りHP:●】←自分の残りHP。○の部分には自分の苗字。 1more発生!←弱点を突いた場合にのみ記載。 ―――――――――――――――――――――――― 1moreが発生しない場合、は此処で終了。 (任意の台詞。戦闘を受けての一言や、次の戦闘者へのコメントをすることも出来ます) 1moreが発生した場合、もう一度行動。 ―――――――――――――――――――――――― 省略 【シャドウ消滅!】←シャドウを倒した場合。 ―――――――――――――――――――――――― (任意の台詞。戦闘を受けての一言や、次の戦闘者へのコメントをすることも出来ます) 今回は選択不可ですが、防御の場合 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:防御 「何か一言」 【シャドウ残りHP:●】←変動はないが、一応明記。 【○残りHP:●】←自分の残りHP。○の部分には自分の苗字。 ―――――――――――――――――――――――― 今回は選択不可ですが、回復スキルの場合 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:スキル名(回復) 「何か一言」 対象:対象PCの名前(全体回復の魔法であれば全員と記入) 《20回復!》←効果を記入。 【シャドウ残りHP:●】←変動はないが、一応明記。 【○残りHP:●】←自分の残りHP。○の部分には自分の苗字。 ―――――――――――――――――――――――― 今回は選択不可ですが、総攻撃の場合 ―――――――――――――――――――――――― コマンド:総攻撃 《●ダメージ!》←パーティ人数×10ダメージ。 【シャドウ残りHP:●】 ―――――――――――――――――――――――― 弱点をつかれ、ダウンした場合 ―――――――――――――――――――――――― >ダウンしていて動けない! 【シャドウ残りHP:●】←変動はないが、一応明記。 【○残りHP:●】←自分の残りHP。○の部分には自分の苗字。 ―――――――――――――――――――――――― |