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【Event7】悪魔

巨大なモミの木のツリーが聳え立つパーティー会場と化したエントランス。料理に飾りつけにおめかしと、皆でクリスマスパーティーの準備を行う楽しい時間。何か大事なことを忘れている気がするけれど、どうしても思い出すことができない。そうして準備が整えば、いよいよパーティー開始の乾杯だ。
* 9/21(Sat) 15:48 * No.5
アルカナが示すもの

やあ、ロック。パーティーは楽しんでいるかい?
……おや。どうやら心から、って顔じゃなさそうだ。何か他のことに気をとられている顔をしてる。
そうだ、気晴らしに君を占ってあげようか。

>マンゲツはタロットカードを取り出し、テーブルの上に並べた。

君は、なぜ君のペルソナが”悪魔”のアルカナを持っているか考えたことはある?
理由なんてあるのかって? 逆にない方が不自然だろう?
ペルソナはもう一人の君と言ってもいい存在だ。決められたカテゴリーの中で偶然選ばれたにしたってそれなりの意味はあるに違いない。
さあ、好きなカードを一枚選んでごらん。

>カードを選ぶと、マンゲツはそれをひっくり返した。
>!
>なんと、”悪魔”のカードだ。

数あるタロットカードのうち、悪魔に相当する札の中に「抗えない力」と題されたカードがある。
本来悪魔とは制御できない衝動のこと。
人間の中に巣食う欲望。
時にはその誘惑に身を委ねてこそ、新たな世界が見えてくる。
故に「覚醒」を示すのがこのカード。

享楽の道と禁欲の道。君はその中央に立っている。
自縄自縛の縄をほどけばもっと自由に道を歩ける。

心の赴くまま、欲することを躊躇わない存在。……そんな風になりたいと君は願った。違うかい?

そう、かつて”君”はロックになりたかった。だが、君には新たに思い描く”未来”があるはずだ。
そしてそれを実現するのは此処≪イデア・ルーム≫じゃない。

>マンゲツは新たなカードを引き当てた。
>真っ白なブランクカードだ。
白紙の未来。君たちに明日は来ない? いいや、これはその明日を決めるためのカードさ。

>白いカードを先ほどの”悪魔”のカードに重ね合わせ、ひっくり返すと、
>!?
>両方とも真っ白なカードに変化した!
これを”ワイルド・カード”と言う。つまり”何にでもなれるカード”のことだ。

カードなんて単なる紙切れ。それ自体は無意味なものだが、しかし我々はそこに意味を見出した。
思い出してごらん。君には何が浮かんで見える?
君が望んだ世界には誰が居る?
* 9/22(Sun) 20:16 * No.10
イサナとの思い出

ラビリンスの秋の部屋で、土塗れになってお前と一緒に芋掘りをしたっけ。絵本の中みたいに、だけど絵本の世界とは違って二人だけの芋掘り大作戦。他人と息を合わせて作業するって学校生活ではなかなか味わえない貴重な経験で、そして何より楽しかった! …現実では、年下の生徒には怖がられたり避けられたりすることが多くてさ。初めて仲の良い弟分ができたみたいで、嬉しかったんだよ。もちろん理想の世界の仕組みのおかげでもあるんだろうけど、そもそもイサナが人懐っこくて、苦労も喜びも共にしてくれる子だから。だから、仲良くなれたんだと思ってる。
見た感じ、実際はイサナのほうが年上みたいだけど。オレが兄貴分でイサナが弟分、オレん中ではきっといつまでもそんな感じなんだ。
* 9/27(Fri) 21:30 * No.20
アイリーンとの思い出

門番のボスシャドウに共に立ち向かった際には元気になる祝福を貰って、力を合わせて門番を倒したね。あれ、今でも感謝してる。それとどうしたって忘れられないのは、エントランスで声を合わせて歌って、空想を分かち合った夜。あの時のお前はいつになく愛嬌が零れてて、それでいて歌うかんばせはとても綺麗だったよ。寄り添い合って咲く薔薇たちを想い、その数だけ胸に抱いて宝物にしたアイリーンはまさしく、みんなを包みこむ愛に溢れまくったお姉ちゃんそのものだった。だからこそ、春に薔薇が咲くまでオレを、みんなを見ていて欲しいと、共に歩んでほしいと願わずにはいられない。
お前がいつも寄り添ってくれるから、甘えたい、守りたい。どっちもあるんだ。
* 9/27(Fri) 21:32 * No.21
ジャガとの思い出

いつもバケツを被ってて表情もわからねー、へんてこりんなバケツ頭。そんなお前といっちょまえの交流ができるなんて、実はちょっと意外だった。何の気なしに口にしたネットスラングを拾われたり、二人揃って絵を描くのがヘッタクソなことが判明したりとか、ジャガとは変な思い出もわりとあって。でも変な思い出も共有したら、それだけ距離が縮まったみたいに感じてさ。お前のこと、マブダチ!って勝手に認定してたよ。オレの言葉が切欠でサイダースイカ牛乳寒天入りをつくってもらえたの、ほんっとに嬉しかった。大人顔負けの落ち着いた態度は頼もしくって、でもたまーに身長相応の子供みたいなとこも垣間見えてクスっときたりした。
大人になっても、その後もずっとずっと、マブダチでいられたら良いなって願ってる。
* 9/27(Fri) 21:34 * No.22
アリスとの思い出

かわいくて最強の、おんなのこ。浴衣姿を見せてもらって、一緒に盆踊りして、今思うと…青春だったなー。シャドウに苛まれるお前を、オレだから支えられたって自負してるよ。あの時、アリスは大変だったよな。だけどお前のこと、かわいいのこと、知れてよかった。あと思い知ったけどさ、こと恋愛に関してはお前って予想もつかないほど強かだよなー、ちょっと面白くなっちまった。うん。おもしれー女、ってやつ? たぶん現実のお前の思う以上に、アリスへのオレの愛はでっかいよ。そのせいもあって現実の二人はちょいややこしいかもしれんなー、まぁ、それは別にいいや。
アリスと、現実のお前。どちらか一方しか存在できない、なんてことになったら、……辛いな。  ほんとうはさ、この先もかわらず一緒に居てほしい。
* 9/27(Fri) 21:39 * No.23
覚醒

(マンゲツの手で示された、純白。眩いばかりのその色の中に、様々の記憶が、思い出が浮かんで見えた。おもむろに手を伸ばした先は、そのワイルドカード。触れてみればそれはなんてこともない、白紙だ。)カードなんて単なる紙切れ。しかしそこに意味を見出せることは出来る……。(かけられた言葉を、頭に、心に、身に染みわたらせるように繰り返した。杯の中には、日常を示す顔が映る。)……思い出しました。そうですね、たしかに。マンゲツ、あなたの言う通り、新たに思い描く未来が私にはある。向こうの世界に、……ある。(例えばそれはささやかなもの、コンビニで買い食いすること、学校帰りに寄り道してウインドウショッピングすること。例えばそれは未来の目標、弁護士になること、約束を果たすこと、仲間たちと笑って過ごすこと。それから避けて通れない儀式、腹を割って父親と話すこと。)心の赴くまま、欲することを躊躇わない……その願いが叶って、私は救われました、というほど大仰でもありませんね、好きにやれるのが楽しくて満たされました。また、それ以上に、この世界で得た絆と思い出は価値あるものになりました。(まっさらなカードをそっと持ち上げ、照明に翳し、表情を深めた。)ヒカリの言う通り、現実には嫌なこともある。それでも現実に戻らねばならない、私にとって大切な理由がありますから。(それからふと、眦が喪失の寂しさと、それを上回る微笑みを湛えた。)……大丈夫、現実でもやっていけます。イデア・ルームで、沢山、沢山、貰いましたから。それを糧にして、進んで行けます。
* 9/27(Fri) 22:50 * No.25


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