壱、歓迎の宴の段
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【2班】鯉の納豆汁
【メンバー】
尾浜勘右衛門&浜守一郎&獅子谷千代丸
【材料】
鯉、豆腐、こんにゃく、納豆、味噌、だし汁
1、納豆をすり潰す
2、豆腐やこんにゃくを切る
3、鯉をぶつ切りにする(胆嚢を潰さずに取り除くこと!)
4、全て鍋に入れて、だし汁・味噌でじっくり煮る
尾浜勘右衛門&浜守一郎&獅子谷千代丸
【材料】
鯉、豆腐、こんにゃく、納豆、味噌、だし汁
1、納豆をすり潰す
2、豆腐やこんにゃくを切る
3、鯉をぶつ切りにする(胆嚢を潰さずに取り除くこと!)
4、全て鍋に入れて、だし汁・味噌でじっくり煮る
* 9/13(Sat) 21:05 * No.2
…
(お使いも無事に終わって学園に戻り、級友と一息ついていたところ、本日の宴の料理は上級生と体験入学生に任せられたと聞けば余裕を持って炊事場に向かい。大きく伸びをすれば呑気な声が漏れ、)あーあ、やっぱりそうなったかぁ。学園長先生ったら、まったく人使い荒くていらっしゃる。(到着すればバインダーを見ながら一生懸命忍たまの班分けを伝えている小松田さんが見える、彼によれば自分は二班らしい。作るのは鯉の納豆汁、魚の下処理さえ乗り切ってしまえば後は切って煮るだけの簡単な物だ。他のメンバーは誰だか知らないが、余程のトラブルメーカーがいない限り万事上手くいくだろうと気楽に構えて集合場所へ足を進めて。左手首に巻いた青いくじ紐が視界に入るのにもようやく慣れた頃だった。ざわざわと集まりだす忍たま、体験入学生の中でもわかりやすいようにと片手を上げて振りながら合図を出して、)おーい、二班はこちらですよー。えっと、忍たま一人、体験入学生一人だったか?手先が器用なやつだといいんだが。
* 9/15(Mon) 06:59 * No.4
…
(無事にお使いの役目を果たし、楽しいひとときと引き換えに土に塗れた服をはたいていると、)えっ、料理!?(宴までのんびりしようという目論見が外れて思わず出た声がでかいと怒られた。「ごめん、三木ヱ門…」しゅんとしつつも子細を聞けば、)へー、体験入学生たちと料理! 楽しそう!(すぐさま声のボリュームは元通り。半ば呆れながらも火器の爆音に慣れた同室は突っ込むことをやめたよう。代わりに呟いた「誰と同じ班になるかはわからないけどな」という言葉は、浜の耳には届かなかった。――わくわく。)はいはいはーい! 私です! 尾浜勘右衛門先輩!(手首に巻いた黄色い紐を揺らしながら、大きく手を振る。ちなみに制服に着替えてすっかり身綺麗になったのでご安心を。駆け寄ったのち、その手首に青色を見つけて「あ!」と懲りずに大きな声。)尾浜先輩も色つきの紐を引いたんですね。私もです! 体験入学生たちはさっきちらっと見かけましたけど、まだ誰が誰だか……(メンバーが揃うまでしばし歓談。)獅子谷千代丸くん! どんな子なんでしょうか。ムカゴは好きかな。(お使いの副産物である秋の味覚が入った小袋を片手に「尾浜先輩もお一つどうですか?」と勧めてみる。しっかり者の彼と一緒なら安心だと笑いながら。)
* 9/15(Mon) 12:19 * No.6
…
(数々の土産話に気分が高揚したまま準備を終え、迎えた夕刻――…炊事場へ響くいくつかの名の中、己の名を聞き届ければぴっと肩が揺れる。ごきげんな歳下の声を作るべく、肺へ空気を取り込んで)は(“ぁい!”が、威勢のよい声に思いっきり掻き消された。)…………他人にも己にも厳しい益荒男……(では、無さそうだ。一度遠目に同班らしいセンパイ方の姿を見ては、気を取り直して息を吐いた後――発し損ねた返事を、今一度。)はい!獅子谷千代丸、馳せ参じてございます!(黄櫨染の筒袖を揺らしながらも小走りに近付けば、二股の尻尾もふわりと揺れた。)尾浜センパイ、それに浜センパイ!センパイ方お二人とご一緒させていただけるなど光栄の極み!担当料理は大成功を約束されたも同然でございましょう。どうぞよろしくお願いいたします!(猫目をにっこりと細めて、頼れるセンパイ二人の顔を交互に見遣った。)――して、センパイ方!ワタシめは何を致しましょう?この千代丸、力仕事なら存分にお任せあれ!でございますよ!(袖を捲れば齢十二にしては良く筋肉がついた腕がお目見えする。手首には緑色の紐を揺らしながら、期待の眼差しが二人へと注がれた。)
* 9/15(Mon) 16:32 * No.8
…
(藤色の制服姿で掲げた手を目掛けて勢いよく集まってきた後輩には軽く手を振り返す。料理のスキルと学園や用具の補修技術がイコールで結び付くかは甚だ疑問であったが、発破をかける意味でものらくらと素知らぬ顔しておだててみせ。彼の手に揺れるくじ紐を認めれば手持ち無沙汰に自分のそれを軽く揺らし、ついでとばかりに勧められたムカゴをひょいと一つ摘んで。)守一郎か、用具委員会のお前がメンバーならば安心かな。細かい作業は得意だろう?んー、さっき同じ色を付けた子を見かけた気がするんだよなぁ。あんまりよく見えなかったけど。嫌いなやつなどそういないさ、俺は好きだよ、ありがたーくいただく。(緩んだ空気で歓談していた折、自分たちよりいくらか小さな影がひょいと現れたなら、自分も含め背丈も年齢もばらばらな姿が三つ揃った様子に感心したように呑気な声を響かせ、)おー、お前も元気だなぁ。上々、上々!改めまして、俺は五年い組の学級委員長、尾浜勘右衛門だ。よろしくな。ちなみにこの声の大きな四年生は浜守一郎。今俺たちはムカゴを味わっていたところ、お前もどうだ?まぁ、そんなにおだてても守一郎の包丁さばきが格好良ーくなるくらいしか良いことは起こらないぞー。(集まったのが年下ばかりと知れば途端にお調子者の側面が出て、一つ下の後輩にからかい混じりの一言を投げかけ。その場に並んだすり鉢とすりこぎ棒、藁に包まれた納豆を指差せば小さな体験入学生へと視線を移し、大きく肥った鯉とまな板を示せば守一郎に視線を、そして自分は同室のお陰でうんざりするほど縁のある豆腐とこんにゃく、まな板の前に陣取って、)うんうん、なら千代丸には納豆をすり潰してもらおうかな。守一郎は鯉をぶつ切りに、胆嚢を潰さずに取らないと味が酷いことになるらしいから慎重になー。そして俺は豆腐とこんにゃくを切る。うーん、一番簡単な作業だ、出来の良い後輩たちを持って幸せだなぁ!(にこにこと人好きのする笑みを浮かべながらも、半ば強引に各々に仕事を割り振っていく。ここで反対意見が出たとて気にする男ではないが、さて。)
* 9/17(Wed) 09:05 * No.15
…
はい。修補の時はたまーに熱き心で余計なひと手間を加えて叱られてしまうこともありますが、でも今日は大丈夫! 頑張ります!(曾祖父との暮らしの中で自炊の経験なら幾度もあった。複雑な工程のない煮込み料理なら失敗するまいとどんと胸を叩き、談笑の合間に秋の味覚を口に放りこむ。ふと新たな気配にばっと振り向けば、)おー! 君が!(待ちに待った体験入学生の登場に両手を広げてようこそ!の気持ちを伝えよう。さらりと行われた他己紹介に乗っかるように、「ちなみに四年ろ組、用具委員会!」と補足をねじ込みつつ、拒まれなければ「よろしくね」そっとムカゴを小さな手のひらに乗せてやる。)うーん、かっこいい包丁さばきって難しそう。しかも慎重に丁寧に……でも、期待されれば応えたくなるのが性というもの。よーし、鯉! かかってこーい!!(して、てきぱきと指示出しをする先輩に異を唱えることもなくまな板の前に立ち、まるまる太った眼下の鯉に相対したその時。)……こい、かかってこい…? (自らの言葉を繰り返して一拍の間。のちに「ぶひゃ」と腹が捩れる音がした。)ぶひゃひゃひゃひゃ!(そのまま腹を抱えて大笑い。包丁を握る前だったのが不幸中の幸いか。ひーひー言いながら暫し使い物にならなくなったがやがて落ち着きを取り戻し、)いやあごめんごめん。おれ、ダジャレに弱くって…(とは、初対面の後輩に向けて。突然のことに驚かせていないといいのだが。それから、)尾浜先輩もすみません。さ、改めて! 2班のみんなで頑張っていきましょー!(涙目を擦りながら謝罪もそこそこにえいえいおー。早速握りしめた包丁がきらり、男のやる気に示すように。)
* 9/17(Wed) 21:48 * No.16
…
(どうやら少なからず我が班のセンパイ方は、“他人にも己にも厳しい益荒男”どころか随分と友好的らしい。その証拠に――)いえいえ煽てるなんてとんでもない!未だ忍者の卵にも満たぬワタシにとってお二方は忍者としても大センパイ。故に根っから本心でございますよ!――ふむ、学級委員に用具委員、ですか。忍術学園では委員会への所属は必須なので?(こうもにこやかに相対されれば此方とて気も緩むというものだろう。二人の顔を改めて見た先、己の手のひらへコロンとムカゴが転がれば、)おや、この時節の良き味覚ですね。いただきます!(秋の恵みを目でも楽しむようにまじまじと眺めた後、有難く口へ放り込んでしまおう。小さくもほっくりとしたそれに目を細める中、宛てがわれたお役目にそっと小さく吐いた安堵の息が拾われなきゃいいけれど。)正にワタシめにピッタリな役どころ!お任せください、粒も残らぬほどにキッチリとすり潰して――…?(そうと決まれば懐から紐を取り出したすき掛け。意気揚々とすりこぎ棒を手にしてすり鉢の前へ――行った途端の捩れた音に気を取られたのが運の尽き。)どあ、ッ……!?(堰を切ったように溢れる大笑い。取りこぼしそうになったすりこぎ棒をしっかと握りしめ、猫目を白黒させながら何事かとこの場の最上級生へ視線を送る間に笑いの波は引いてくれただろうか。)……し……っ失礼ながら、弱過ぎでは……?箸が転んでも笑い転げてしまいそうだ。流石に「布団が吹っ飛んだ」程度ではここまでツボを突いたり……(“しませんよね……?”と言いたげにそろりと改めて最上級生へ視線を送る。一応、えいえいおーに合わせてすりこぎ棒は掲げておくけれども。)
* 9/19(Fri) 02:40 * No.22
成功
お、頼りになるなぁ。今日は全て煮てしまうし、余計なひと手間を加えてもいいぞ。余程のことがない限り問題ないだろう。(個性の強い四年生の中でも比較的常識的な彼のことだ、工夫を凝らしたとてそう悪い結果になるまいと軽い調子で背中を押しつつ。裏表のない笑顔を見せる体験入学生には悪戯心が疼いたのか、にやりと口角を上げながら少しの意地悪を口にして笑ってみせ、)おや、それは有難いな。しかし千代丸、時には忍たまを手玉に取るくらいの勢いは必要だぞ。ま、上級生ならそんな簡単に引っかかりはしないだろうがなぁ。ーーあぁ、概ね全員、委員会には所属しているよ。全部で……今は9つあるんだったか。(得意分野を活かした役割分担のつもりであったが、体験入学生には触れられたくない何かがある様子。それを横目で察知しつつも、一つ下の後輩が気がつくかどうか見るつもりで素知らぬ顔して流した所、学園内ではよく見かける、笑いの沸点が低すぎる後輩の大爆笑が始まれば、体験入学生に目配せをして諦めろと言わんばかりに大きく首を横に振り、)うんうん、良い心意気だ。どうせなら美味いものが食べたいからな……っと、あちゃー……。守一郎のこれは治るまで待つしかないんだ。……って、あ。……よーし、やるぞー。(体験入学生から恐る恐ると言った様子で重ねて駄洒落が投げかけられれば、間抜けに口を開いて丸い瞳でぱちりと瞬き一つ。それだけで伝わるものもあるだろう。これから始まるであろう後輩の大笑いは聞き流すこととして、慣れた手付きで豆腐とこんにゃくを大体同じ大きさに揃えて切っていく。幸い手先は器用な方で、問題なく作業が終わったなら具材を鍋の中に投入し、後から加えるだし汁と味噌の用意をしつつ、後輩たちの様子に目を配り。)
* 9/19(Fri) 13:37 * No.24
成功
(体験入学生の質問に対してそつなく答え、調理の分担も的確にこなすとは流石は学級委員長の尾浜勘右衛門先輩だ。一方こちらはダジャレ未満のしょうもない言葉の重なりに大笑い。少年が見せた小さな安堵に気づくどころか、そのやる気すら吹き飛ばすほどの勢いで。)あはは、いやあ…ついね。(大きな瞳に浮かぶ戸惑いを見れば徐々に落ち着いてゆく可笑しさと引き換えに申し訳なさが胸を占める。だが、頭をかきながら照れくさそうに眉を下げたのもつかの間、遠慮がちに差し出された「布団が吹っ飛んだ」。そんな初級編のダジャレには耐性がついてもいい頃だったが、)…え? ふとんが、ふっとんだ?(そこは安藤先生のオヤジギャグ10連発に10回笑える浜守一郎。先輩の「あちゃー」が予期した通り、大笑いのおかわりとなる。)――…は、ははあ…そんなにさらっとダジャレを言うなんてなかなかやるなあ。千代丸はダジャレが得意って後でメモしとかなきゃ。(とはいえ流石に先ほどよりは短時間での復帰となれば、懐に仕舞ってある手帳を想いつつも今は握った包丁に意識を向けよう。手際よく豆腐や野菜を切っていく先輩を横目に「よーしおれだって!」と真剣な眼差しで鯉と対峙。とん、とん、とん。)慎重に、丁寧に…!(気を抜くと思い出し笑いをしそうになるが、ぐっと我慢。言われた通り胆嚢を潰さぬよういささかゆっくり過ぎる手つきで、しかしその分慎重に事を成し、胆嚢の処理についてはなんとか及第点をもらえる出来となったはず。あとは勢いよくぶつ切りにするだけ。得意分野だ。)…ふう、こっちは終わったよ。千代丸、そっちはどう?
* 9/19(Fri) 23:28 * No.27
成功
センパイ方を手玉に、ですか……(なんて、意味深に笑みを深めたのは勿論ポーズだ。すぐに「にゃはは」と軽い笑みに切り替えたら、)勢い!確かに物事の始まりは勢いこそが肝要と申す者も居りますからね。気概だけはセンパイ方に負けじと挑ませていただきましょう!(むん、と力こぶを見せてその気概とやらを可視化させる中でも、想像以上の委員会の数に思わずへえと声が漏れる。)その辺りは普通の学び舎と変わらぬのですねェ……(興味を寄せる声はきっと、二度目の大笑いに掻き消された。)ぶッ、……駄洒落のド定番ですが!!?(よもや使い古されたコレまで彼の腹筋を震わせるとは。ぽかんと猫目を丸くする間、あんまりにも気持ちよく笑っているものだから、)……っふ、――んんッ。失礼……(ちょっと笑いが伝染しそうになって、態とらしい咳払いでなんとか誤魔化した。)ワタシめの駄洒落なぞ、まだまだ熟練者の足元にも――…及びませんからメモはご遠慮いただいても!?(“駄洒落の獅子谷”とでも呼ばれそうな印象メモは御免被りたいところだが、実際メモの様子を見届けることも叶わぬだろうから結局は彼次第となろう。さて、気を取り直して己は藁からすり鉢へ納豆を移す。ある程度の技術が求められるセンパイ方の分担とは異なり、此方はただただ力任せにすれば済む話だ。ゴリゴリぐりぐり、ひきわり納豆よりも更に細かく。ねちょ〜っとしたすり潰し納豆をすりこぎ棒へまとわりつかせ持ち上げたら、)ご覧の通り!しかとすり潰してございます!(ふんすと得意げな笑みがお目見えした。)後はセンパイ方が処理してくださった物ものもすべて鍋に入れてしまえばよいのですよね!……、……この人数の舌を満足させる調味に自信がございません故、出汁と味噌の割合はセンパイ方にお任せしても……?(得意げな笑みから一転、こういう時は頼り切るに限ると甘えた目線を二人へ遣った。)
* 9/20(Sat) 01:18 * No.30
…
そうそう、はったりも勢いもなんでも使うのが忍者ってものだ。うーん、今日も平和だなぁ。(響く後輩の笑い声が治ったかと思えば鋭く入るツッコミ、コントのような二人のやり取りを前に早々に眺める側にまわれば呑気なひと言を溢して。とはいえ学園内は何処からともなくバレーボールが飛んできたりと予期せぬハプニングが多いものだから、後輩たちに何かあるようならばフォローに回ろうと悟られない程度に視線を送っていたものの、何事もなく無事にそれぞれの工程を終えれば満足そうに笑みを浮かべ、自分より小さな二人の背中を褒めるつもりで軽く叩いて、)おー!よし、よし!二人とも上出来だぞ!これは下拵えが細やかで真心を感じると評判になるかもしれない。いやぁ、鼻が高いなぁ。(それぞれの具材を全て鍋に入れ、味噌とだし汁をなんの躊躇いもなく適当な配分で放り込んでしまってから、体験入学生の声が届けばぱっと顔を上げ無垢な表情を見せて)え?もう入れちゃったけど……。まぁ、こういうのは慣れだからな、そうおかしな味にはなっていないと思う、が……どうかなぁ?俺は味噌が好きだから少し多かったかも。うーん、守一郎、見てもらえるか?(投票で学級委員長に選ばれた男だ、それなりに面倒見が良く善人であるがやや大雑把な面もあるので時折このような事態に陥る。少し弱ったように眉を下げるものんびりした調子で温めた鍋をかき混ぜる手は止めず、この後調味料を足すことで調整させようとする雑っぷり。後輩への信頼と言えば聞こえはいいが、予定より多めに出来上がってしまっても宴なのだから誰かしら平らげるだろうと楽観的な観測をしているのも事実。それでも無事料理が完成したならば後輩たちに毒気のない笑顔を向け、感謝を述べるのだろう。)いやー、二人と同じ班で良かったよ。終わり良ければすべて良しってな!さぁて、宴も楽しもう。もう腹ぺこだよー。
* 9/20(Sat) 16:35 * No.33
…
ダジャレってのは意外性じゃないんだよ。定番こそ王道!ってね。(どうやら彼は謙虚な少年らしい。ダジャレの熟練者と言えばやはり安藤夏之丞先生だが、彼の年齢を考えれば成長の伸びしろは無限大。「じゃあ、ダジャレが得意(になる予定)にしとこうか?」なんて提案に納得してくれたかはさておき、ひとまずメモよりもやるべきことは鯉のぶつ切り。一番の難所をこなした後は豪快にまな板を叩き、後は汁に入れるだけの鯉の出来上がり。)お、千代丸は手際がいいなあ。力仕事が得意ってのも本当だったし、用具委員に向いてるかもしれないぞ。(よくできた後輩を褒めつつしれっと委員会勧誘も忘れない。実は色つき紐を引いたときに用具委員会委員長である食満留三郎先輩から「無理やりはいかんが積極的にアピールはしろ」と言われていたのだ。とはいえ、新たな出会いに浮かれてさっきのさっきまですっかり忘れていたのだが。一生懸命な彼の姿に同じ委員会になれたらいいなという思いは先輩の命令とは関わりのない本音であって。)ありがとうございます。無事に下拵えも終わりましたし、これなら美味しい鯉の納豆汁ができますね!(それに懸命にやったことを褒められるのは嬉しいものだ。背に受けた賞賛に瞳を輝かせ、先輩の言葉を噛み締めている間にどばばばーっと鍋が満たされていく。気づいたときには味噌も出汁も納豆も全部きっちり鍋の中。)おお、流石尾浜先輩。いつの間に。(慎重派の後輩とちがって出汁と味噌の割合など考えたこともなかった男はぱちぱちと手を叩いては先輩を褒めたたえ、)え、私がですか? 構いませんが、私もそんなに繊細な舌の持ち主じゃ……(戸惑いながらもとりあえず一口。)うーん、丁度いいような、ちょっと味噌が濃いような? でも、鯉に味噌を染みこませるならある程度濃い方がいいのかな? ま、煮込み終わったときに濃かったら水を足してみたらいいのかも。千代丸、あとで一緒に味見しない?(こうしてバトンタッチされた味の調整係の任は一周して彼のもとへ。その後、無事に完成した暁には先輩と揃いの笑顔を咲かせよう。)はい、私も楽しかったです! 尾浜先輩は頼りになるし、千代丸も一生懸命でよく働くし……宴も楽しみだなあ。そういえば体験入学生って何か出し物するって聞いたけど、千代丸は何するの?
* 9/21(Sun) 22:58 * No.38
…
優れた忍者は手段なぞ選びませんものねェ。……しかと肝に銘じておきますよ。(にんまりと双眸を細める姿は、悪戯を仕掛ける前の小憎たらしいものにも近かったやも。しかしそうして余裕ぶっていられるのも一瞬で、なんだか純朴の塊のようなセンパイ相手には力も抜ける。)定番こそ、王道……な、なるほど……?(引っ張られかけた笑いの残像を引きずりつつも、)いえ、(予定だとて駄洒落師の称号は御免だと首を横に振りかけて)……、……まァ、予定ならば……。(いざとなれば“予定は未定”だと逃げてしまおう――なんて内心はひた隠し、そっと頷いた。さて無事に己の作業も完遂した頃、この場の最上級生から受けた賞賛には改めてドヤと得意げな笑みが浮かぶ。)おや、誠にございますか!……その用具委員は普段どのようなお仕事をなさるので?緻密さが要求される作業はございませんか?(なんて、この際とばかりにあれこれ聞き出そうとする間にもあれよあれよの間に鯉の納豆汁はほぼ完成されていただろう。どうやら味噌が少々濃いらしいが。)ううむ、ワタシの舌も当てになるかどうか……。……しかし臭みを誤魔化すならば濃いまま煮て最後に薄めるのがよろしいでしょうねェ。では僭越ながら、ワタシめも完成前の味見には参加させていただきましょう。(センパイらに任せきるつもりが、巡り巡って戻ってきてしまっては腹を括る他あるまいて。自信こそ無くとも特別馬鹿舌なつもりも無いことだし――…事実、完成したものは主菜に負けずとも劣らない汁物となっただろう。)やはりワタシの目に狂いは無かった!きっと皆様も美味いと褒めてくださるでしょう。我々の連携力の賜物ですな!(そうして浮かべた笑みは、心の底から満足気なものであったに違いない。他班の調理もいよいよ完成間近と見て取れば、宴の開催も近かろう。さて、己は僅かな空き時間に準備運動でも――…)ええ、ワタシめは鰐文寺殿――鰐文寺英哉殿と共に『曲芸:おてだまきわり』を!鰐文寺殿の素晴らしい曲芸とワタシの運動能力を全開にした、目にも鮮やかな芸でございます。お二人にも必ずやご満足いただけましょう!んふふ、とくとご覧あれ!(尋ねられれば宣伝だって忘れない。味見と異なり自信しか無いその芸をお披露目するその瞬間を、皆が作った美味なる料理たちと共に今か今かと待ちわびる。)
* 9/23(Tue) 04:11 * No.44
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