壱、歓迎の宴の段
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【壱】出し物会場付近>鰐文寺英哉くん

おてだまきわり? (同じ班となった体験入学生から聞いた演目は題を聞いただけではいまいちピンとこなかったが、)すげー!かっこいい!!!(いざ演目が始まると、見事な曲芸と力技のコラボレーションに大興奮。後輩の活躍に「千代丸いいぞー!」と叫んだり、「え、おてだまきわりって、お手玉みたいに薪割りするってこと? それでおてだまきわり…って、ぶっ」と場にそぐわない大笑いを同室に諌められたり、とにかく終始興奮に満ちた時間を過ごして。)…君、千代丸と一緒におてだまきわりやってた子だよね?(そうして全ての出し物が終わり、人もまばらになり始めた広場にて、)お疲れ様。いやあ、おれあんなの初めて見たよ。千代丸の薪割りもすごかったけど、君の曲芸?っていうの? あれもすごかったなあ。(見覚えのある顔を見つけては駆け寄り、満面の笑顔とともに労いの言葉を。)あ! 黄色い紐!(それから彼の手首に巻かれた紐に気づいてまたまた大声。)鰐文寺英哉くん! 君がおれの体験入学生だったんだ!(驚きのあまり言葉も選ばず、「それを言うなら守一郎がお世話係になった体験入学生、だろ」後からやって来た同室による冷静なツッコミに、)そうだった。そうだった。(えへへと頭を掻いた手首にも黄色い紐が。)やっと見つけたもんでつい興奮しちゃって……ごめんごめん。改めまして、おれは浜守一郎。四年ろ組、用具委員会! 今日から君のお世話係になりました。よろしく!(そして今度はその手を差し出して握手を求めよう。「ちなみにこっちはおれの同室の田村三木ヱ門!」「守一郎! 紹介するならちゃんとしてくれ!過激な火器にかけては忍術学園ナンバーワン!学園のアイドル!田村三木ヱ門だ!」「そうそう、火器のことなら三木ヱ門に聞くといいよ」なんて、出会い頭からなんとも賑やかな自己紹介。)
* 9/24(Wed) 21:43 * No.49

(縁あって共に行うこととなった出し物は、今日初めて出会った青年と行ったとは思えないほどに会心の出来であったように思う。芸の成功を喜び、そしてほかの体験入学生の出し物を鑑賞するときには惜しみない称賛をささげる。多くの人々に喜んでもらえたことは男の喜びでもあって、ほうと吐息をこぼしながら穏やかなひと時を過ごしていた。人がまばらになり始め、そろそろ自分も移動しようかと思った時、)はい。獅子谷くんのお知り合いでしょうか?(彼の問いかけに首肯。親しげな呼び方に小さく首をかしげる。調理を始めるときには人を探して周囲を見ていたものだが、いざ始まった後に周囲を見る余裕はなかったもので。ともあれ、共通の知人を持っているとなれば――そうでなくとも、親しむような微笑みを浮かべて。)ありがとうございます。僕ができるのはちょっとした曲芸くらいですから…獅子谷くんのおかげで皆様にも楽しんでもらえたこと、ほっとしております。よい芸ができたのですね。(芸の出来が褒められることは素直にうれしくて。それから手首の紐には自らも視線をやる。)はい、あ、(ひとまずいったん頷き、その間に意味を咀嚼する。ということは、との考えの答えは、彼と合流したもう一人の紫の制服に答え合わせをされる。)浜先輩…四年生ということは、綾部先輩と同じ?(彼の名前を復唱し、今回お世話になった先輩の名前を持ち出して確認を。それから、)鰐文寺英哉と申します。これからしばらくお世話になります。ご迷惑をおかけしないよう努めますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。浜先輩、田村先輩。(改めて自らも名乗り、深く頭を下げてから握手に応じる。堅苦しいような真面目な調子であったが、彼らの賑やかな紹介にふ、と、笑みがついこぼれて。)仲がよろしいのですね。
* 9/25(Thu) 21:34 * No.50

(穏やかな微笑みにほっとする。見た目からは同い年か少し下かと思ったが、想像よりも落ち着いた物腰の青年だ。)そうそう、喜八郎と同じ四年生! というか、喜八郎と知り合い…? あ、もしかして料理の班が一緒だった?(しかし喜八郎を先輩と呼ぶのならやはり年下なのだろう。この小さな誤解が解けた日には、「えっ! じゃあ英哉さんって呼ぶべきでした!?」と大慌てすることになるのだが、)うん! にしても、英哉はしっかりものだなあ 。(今は他の後輩を呼ぶときと違わず、ごく自然に下の名を呼んだ。ついでに握り返された手を「よろしくね」のリズムに合わせてぶんぶん振って「おい守一郎、勢いよく振りすぎだ」と窘められたが、「仲がよろしいのですね」と褒められれば苦笑もそこそこに目を輝かせ、)そうなんだ!おれたち仲良し! 同室だからね。(嬉しそうに頷いては同室と肩を組む。)実はおれも途中入学したばっかりで忍たま歴は1年生と一緒でさ。忍術学園のこともまたまだわからないことも多いけど、三木ヱ門や喜八郎、他にもみんなに助けてもらってなんとかやってるんだ。だから英哉も同室は大切にね。もちろん困ったことがあったらおれも力になるからさ。(ね、と念押しするよう眦を下げれば、「おれも、じゃなくて私たちも、だろう」と隣から。)そうだね。じゃあさ、明日は午後から学園案内の予定だし、よかったらお昼を一緒に食べない? その時に滝夜叉丸やタカ丸さんも紹介するよ。みんな頼れる仲間なんだ。(「それはいいな。喜八郎も世話係だし、勝手に穴掘りに出かけて案内をすっぽかさないよう一緒に連れて行くか」こうして決まった明日の予定。もしも否と言われれば残念そうに肩を落としながら、無事了承を得られれば大げさに喜び手を振りながら、)じゃ、おれたちはそろそろ行くね。また明日!(いずれしても午後の案内ではまた会えるのだからと去り際は元気よく。彼と別れたのちは友と並んで仲間たちを探しに行こう。)
* 9/26(Fri) 17:46 * No.54

はい、イモ煮を一緒に作らせていただきました。とても頼りになる方で…浜先輩は何をおつくりに?(頷き、リーダーを請け負ってくれた先輩への称賛は惜しみなく。穏やかなほほえみと共に頷き、彼の料理についても触れてみよう。彼が作った料理を聞けばその味を思い返し、おいしかったと柔らかな笑みを深めるだろう。後々年に関する勘違いが解かれた時には「いえいえ、浜先輩のほうが先輩で、僕は学ぶ立場であることに変わりはありませんから」とやはり穏やかにこちらが「先輩」と呼び、敬意を示すことはやめずに。)僕は修行中の身ですから…ですが、そういっていただけてうれしいです。ありがとうございます。(わが身の未熟さはよく知っているからこそ、先輩に褒められれば恐縮しつつも、結局ははにかんで見せるだろう。)同室…、成程。浜先輩も?ふふ、それは、少し身近に感じてしまいます。ありがとうございます。ご助言、ありがたくいただきます。同じ体験入学生として日々を過ごすのですから、皆様方の支えになれるよう日々精進してまいります。(彼の言葉に耳を傾け、にこにことした笑顔を浮かべたまま頷いて。忍たま長屋に荷物を運んだ時のことを思い返す。隣からの訂正に、また穏やかに笑う。仲のいい、いい人たちなのだろうなぁと、心は不思議と和らいで。)はい、是非。滝夜叉丸先輩とタカ丸先輩とも、お二人は仲がよろしいのですね。すっぽかす……?(ともに料理をしていた時の彼の印象からは離れた言葉につい首をかしげてしまったが、昼食を共にできるのは願ってもない機会だった。加えて彼の喜びようを目の当たりにすれば、なおさらうれしくなってしまう。)はい、また明日。(深く頭を下げ、遠くなる彼の姿を見送った。きっと、明日もいい日になる。)
* 9/28(Sun) 18:58 * No.57


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