弐、復活のたまごの段
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【弐】運動場

いいすたあ……イースター、か……なるほど……?(実に身に覚えのあるエッグもといたまごの殻を思い、何とも言えない気持ちでから笑い。もしやとんでもないことの片棒を担いでしまったのではないかと思っている間に何が起こったのかお世話係の忍たまたる保健委員長は頭に大きなたんこぶを作って真っ先に保健室へ運ばれていった。加えて何やらあちこちで対抗心の火花が散りまくり、これはどうにも、)真面目にやるしかないな、でもなあ……(やるからには真剣にという気持ちはあるが、どうにも困った様子で手元をみる。黒兎を模したカチューシャに生唾をのみ込んだ。真剣にやるなら着けたほうが絶対にいい。だがしかし着けたくない。人が着けてるのを見るのはいいが、自分で着けるのは、キッツい。本気で。 取り敢えず周囲の様子を見てみるかと視線をあげたところで、近くの人と目があった気がした。果たして、彼の耳は今いくつだ。)
* 10/3(Fri) 10:29 * No.1

いーすたーえっぐ…? 本当に世の中おれの知らないことばっかりだなあ。(山奥で時代に取り残されていた生活から一変、忍術学園で出会うものは皆新鮮な驚きを与えてくれる。此度のイベントも何がなんやらさっぱりだが、要はみんなで宝探しと聞けばやる気満々。「アイドルの私にぴったりだ!」とかなんとか言ってばっちりポーズまで決めていた同室に「ほら守一郎も!」と差し出されたウサ耳を頭につけたなら、)おお…なんだかたまごを見つけられそうな気がする…!(単純な脳にプラシーボ効果がよく効いた。ぴんと立った黒いウサ耳。)どうかな三木ヱ門。似合……あれ?(嬉しくなって振り返るも、先ほどまで隣に居たはずの同室の姿がない。代わりに目が合ったのは体験入学生の一人。その手にある黒を見つけて、)おれと同じ! 君も黒いの選んだんだね。(偶然の一致を喜び、近寄った。つい浮かれて気安い口調で話しかけてしまったが、)あ、私は四年ろ組、用具委員会の浜守一郎です。(年上だったかもしれないと口調を改め、ぺこりと軽く礼をして。)
* 10/3(Fri) 14:45 * No.2

(隣を走り抜けていった賑やかな茶兎や、目が合ったことで歩み寄ってくれたらしい元気な黒兎にはとても似合っていると思うのだが。単純な考えで選んだ黒い耳のカチューシャをいまだ手に持ったまま、困り眉のまま笑って。)そうですね、髪色と一緒の方がまだ馴染む気がして……自分に似合うとはとても思えなくて、まだこう、踏ん切りがつかないのですが……(実際問題は似合う似合わないではなくただ単に付けたくないだけだが、当たり前に受け入れる忍たまたちが多い中もだもだしている青年はもう周囲から浮きかけている。)ご丁寧にどうもありがとうございます。僕は体験入学生の細葉史士郎です。齢のところ14ではありますが、忍たまとしてはあなたの方が先輩ですし。どうぞ、楽な話し方で大丈夫ですよ。(彼の軽やかな口調が少し畏まったのを見て、ゆったりと笑みを作って提案する。倣うようにお辞儀をし、顔をあげ。)用具委員会の方ということは、用具庫なんかを扱う権限をお持ちだったりしますか?どこから探していいかわからないので、もうひとまずはしごで屋根に上るのも手かなと考えているのですが。(たまご探しを一緒に出来れば心強いが、何故か競い合っている忍たまたちも多いもので。彼もそうなら甘えるのも忍びないかと、ひとまず困った調子で探り探り尋ねてみて。)
* 10/4(Sat) 16:47 * No.10

ええ、どうして? 君にも絶対似合うと思うよ。ほら、あの男らしい食満留三郎先輩だって黒いウサ耳をつけていらっしゃったし、おれもお揃いみたいで嬉しいなって思ってて。だから一緒にお揃いになろうよ!(「だから」の用途が合っているのかさておいて、「ね!」と笑顔は100パーセント善意。それなりの歳にこういうことをしてこなかったのでいい歳して恥ずかしいという気持ちもなく。)えっと、……じゃあ、お言葉に甘えて。へへ。(そんな気安さを前面に押し出した話しぶりも初対面の事実を思い出せば遠慮がちになったものの、彼の親しみやすい雰囲気に背を押され、「じゃあおれ十三歳だし、敬語は使わなくて大丈夫、だよ?」と続けてみせる。とはいえ楽な話し方は人それぞれ。英哉も年上だけれど丁寧な話し方をするもんなと思い出せば、「その喋り方が楽ならそれでも大丈夫!」と付け加えて。)改めてよろしく、史士郎さん!(呼び名に関してはひとまず間をとって「さん」付けに。)うん。用具倉庫は用具委員会の管轄だよ。といっても今の時間なら普通に開いてるんじゃないかな? 用具の持ち出しもちゃんとメモを残しておくとかしとけば大丈夫だと思うけど…って、屋根に上るの!?(用具倉庫の中を見たいのかと思いきや、上から探そうだなんて意外な提案にびっくり。)でも、そっか。確かに上から見たらみんなの動きも見えて何か参考になるかもしれないし、史士郎さんってすごいこと考えるなあ。じゃあ一緒に屋根に上ってみる?
* 10/5(Sun) 14:23 * No.16

(似合うと言われても遠い目をしたままだったが、お揃いと言われればつい目を見開いて、そのあと何とも言えない困り顔に表情を変えた。純な笑顔が眩しい。)お揃い……お揃いかあ……そう考えればまあ……(ぼそぼそと呟く様はまるで自己暗示をかけるようであったかも。それでもえいやと兎耳を装着できたのは、間違いなく、目の前の彼の一押しのおかげである。「似合う?」と尋ねてみる様も、いくらか気安げであっただろう。)うん、じゃあ僕もお言葉に甘えさせてもらいます。よろしくね、浜先輩。(先輩と呼びながら敬語を外した話し方はどこかちぐはぐだろうが、これが青年なりの落としどころであった。)ああ、そういうものなんだ。持ち出し帳みたいなものもあるのかな?それじゃあ行ってみよう。……え、(用具倉庫の使い方についてレクチャーを受け、朗らかな笑みを残して向かおうかとしたのだけれど。予想外の驚く声にこちらもびっくり。何かまずいことを言っただろうかと内心冷や汗だらだらだったが。)あ、う、うん、よく見えると思って、……いや、何か暗黙のルールみたいなものに触れたかと思ってびっくりしたあ。屋根も穴まみれとか罠があるとか……。(つい昨日、庭は落とし穴や塹壕の跡だらけで危ないと教わったばかりだったが故。いやに加速した心臓をなだめるように胸を撫で。)仮にそうだとしても、浜先輩と一緒だったら大丈夫そうだ。と、いうことで、是非一緒に上れればと思います。上りやすい場所とかあるのかな。(年上だけれど、調子よく先輩に甘えるように。小さく首を傾げて尋ねよう。屋根の上から見る地上の景色は如何ほどか。鮮やかなたまごが見えればいいが、さて。)
* 10/6(Mon) 14:25 * No.20
たまご発見

そうだよお揃い! ほら!(気後れを恥ずかしがり屋くらいの気楽さで捉えたなら、「似合う似合う! 可愛い!」勢いよくウサ耳を装着した彼の勇気に心からの拍手を送ろう。そして「浜先輩」呼びにはちょっぴり気恥ずかしさを覚えつつ、外れた敬語にほっとして。)用具の在庫を確認するのも用具委員の仕事なんだ。はしご一つくらいならちょっと借りても大丈夫だと思うけど、誰が使ってるのかわからなくて困ることもあるし一応ね。(事実、手裏剣ひとつ所在不明になっただけでも大騒ぎになるのだし。)ああ、ごめんごめん。おれ、反応が大きいっていうか、声が大きいって言われることがよくあって…びっくりさせちゃった?(彼の発想にちょっと驚いたつもりがその何倍も驚かせてしまったよう。暗黙のルールも罠まみれの屋根も聞いたことはないと笑えば、「確かに地面は喜八郎や七松先輩の掘った穴だらけだから、屋根を行くのはやっぱり賢いかも」と賛辞を重ねて。)うん。瓦の修補で屋根に上ることもあるからそれなら任せて。(そうして用具倉庫に向かって歩いていると、どうしたことか、使いっぱなしの梯子が一つ塀に立てかけられていた。)あれ? もしかしておれたちと同じこと考えた人が居るのかな。使いっぱなしは困るけど……ま、丁度いいし使っちゃおう。後で片づけておけばいいよね。(無事に上った塀を伝って今度は手近な屋根の上へ。運動神経なら自信があるので危なげもなく、もし彼が手間取るようなら手を貸す場面もあったろう。して、しばらく辺りを見回していると、)…あ、あった! あったよ史士郎さん!!(瓦の屋根の一部が剥がれ、其処に作られた鳥の巣の中に人工的な色合いが。たまごは一つではなさそうだが、果たして残りもアタリだろうか。二人分見つかれば大当たりとなるのだけれど。)
* 10/7(Tue) 02:01 * No.23
探索続行

(似合う似合うまではまんざらでもなさそうに、されど可愛いまでいわれりゃやっぱり眉を下げて遠い目をした。「あなたの方が可愛いよ……」心からの賛辞には切実さが乗る。 さて、そうこうしながら用具庫に向かう道中。説明を受け、小さく頷きながら相槌を打ち、人が多い場所では道具の管理も大変だろうと少し同情し、改めて学園内の危険性に身を震わせる。青年とてリアクションが小さいわけではないけれど、、彼には遠く及ばない。彼自身も言うように。)びっくりはした、けど……話し甲斐があるなとも、思うよ……?浜先輩はそういう感じの人だって分ってれば、会話してて楽しいし。驚かせ甲斐もあるし……?(フォローになっているのかなっていないのか。そんな言葉がことさら自信なさげなのは、忍者としてはどうだろうかと思うから。悩ましい青年には思わぬ梯子はまさしく神の贈り物に見えた、かもしれない。)うん、そうしよう。……あ、でも、使った人がまだ屋根にいたら困るかな?まあその時はその時だ。(降りた後のことはまあその時に考えようと結論付け。彼に続いて屋根の上へ、軽やかな身のこなしで上がっていく。上から見渡せば改めて、立派な施設だと感じ入る。故に、仕掛けられた鳥の巣に気が付いたのは、彼が声をあげてからであった。)わ、本当だ!すごいね、さすが先輩。えーっと……(一つは綺麗なたまご。鮮やかに彩られたそれを避けて、他のたまごに手を伸ばすが、)……あちゃあ、あとははずれみたいだ。ほらこれ、上半分しかない。こっちは左半分が大きく欠けてるや。(彼が見つけたもの以外はどうやらダミーだったようだ。色づけられてはいるが、全部欠けているうえに、ご丁寧に中には赤い色で大きく「はずれ」と書いてある。)手の込んだことするなあ……まあ、浜先輩のおかげでいい景色みられたし。僕としては充分な成果かな。(ダミーのたまごを巣に戻してゆっくりと立ち上がる。視線はつぃとまた学園内へと移ろって。瞳を眇めた青年はまんざらでもなさそうに呟く。)
* 10/8(Wed) 21:34 * No.26

わあ…!(もう驚かせまいと決めたそばから明るい声が飛び出した。)みんなからはもっと静かにとか忍者なんだから忍べとか言われてばかりでさ、話し甲斐があるなんて初めて言われたよ。嬉しい!(そっと差し出されたフォローの言葉を全力で抱き締めるよう喜べば、るんるん。良いことは続くものだ。都合よく現れた梯子を前に、)ああ、そっか。(梯子を使って登る者がいるなら降りる予定の者も居るはずで。そして自分たちが屋根に登ったあとでその誰かが梯子を降りて片付けてしまう可能性もあると気づけば、)むしろ困るのはおれたちかも…?(一瞬迷うも、)まあでも忍者はガッツだ!って学園長先生もおっしゃっているし、いざとなったら塀から飛び降りよう!(登るのは一苦労でも降りるのは比較的楽だと結論づければ早速塀、そして屋根へと登り、)まさか鳥の巣に見せかけて屋根にたまごがあるなんて思わなかったよ。……って、あれ? 他は偽物? (早速の手柄にテンションが上がったのも束の間、最初に見つけたたまごを除き、彼が一つ一つ手に取ったたまご達はいずれもダミー。大収穫の期待は外れて、)そんなに上手くはいかないか…。(がっくり。唯一の本物を半分こするわけにもいかなければ、彼の分を見つけるまでたまご探し続行だ。)まあでもあんまり早く見つかってもつまらないもんね。おれも史士郎さんと屋根のぼりできて楽しかったし、せっかくだから探索がてらもうちょっとお散歩しない?(たまごを見つけたらお別れと決めていたわけじゃないけれど、体験入学生である彼と話したい忍たまは沢山居るだろうから。許されるなら黒いウサ耳がぴょこぴょこと並ぶ光景をもう少し。)ところで史士郎さんって結構身軽なんだね? 出し物の時も担がれながら的あてしてたし、運動神経には自信がある方? (なんて他愛ないお喋りをしながら屋根から降りれば、)あ、滝夜叉丸!三木ヱ門!何してるの?(楽しい探索は睨み合う同級生たちと遭遇したことで終わりを告げる。)え、一番ウサ耳が似合ってるのは誰か…? うーん、この中なら史士郎さん、かな?(悪意なき一言が新たな争いの火種となって、「「なにぃ! このスーパースター/アイドルよりウサ耳が似合う史士郎さんとは何処のどいつだ! 」」二人が一斉に彼を振り返る。)此方の細葉史士郎さんだよ。ほら、うさぎっぽいと思わない?(なとど、とんでもない他己紹介に対する彼の反応はさて。)
* 10/11(Sat) 01:22 * No.31

(ガッツ満載で勢いの良い彼の姿はどうにも想像する忍者とはかけ離れているが。ああも喜ばれてしまったあとでは言い辛いし、そもそもわざわざ指摘するようなことでもない気がしてきた。「降りやすそうな場所もついでに探しておこうか」なんて、嘘みたいに爽やかに笑って。彼の後ろをついて屋根を歩く。そもそも運は悪い寄りの青年は、見つけたたまごがはずれとてまあいつものことかと切り替えも早かった。たまごを手に入れた彼の方がよっぽど残念そうに見えて、可笑しそうに唇を緩め。)半分にしたらそれもはずれになっちゃいそうだ。(気にしないで欲しいという気持ちで冗談めかしたが、彼は彼で立ち直りが早かったよう。コロコロ変わる表情と前向きな考え方に、笑みが声になる。)あはは、そうだね。まだまだ始まったばっかりだし、僕ももう少し散歩したいかな。よろしくおねがいします、先輩。(このまま解散の流れになるかと思っていた最中、魅力的なお誘いには大きく頷いて同意。黒兎ふたりで屋根をてくてく歩いていく道中には、)運動神経は悪くないんじゃないかな?あと、僕は体格がいいわけじゃないから。人と同じ量の仕事をしようと思ったら、身軽さとか器用さとかが必要なんだよねえ。(そんなことを眉を下げて話したり、)出し物は理助くん、……刀を使ってた子の力が大きかったよ。なんてどこか自慢げに話したり。彼自身のことについて尋ねることもあっただろう。何故忍術学園にやってきたのか、等々。追加の成果はないままほどほど時間も経過して、降りたら解散かな?なんて思いながら着地した丁度その時だ。騒がしい二人組と遭遇したのは。)……。(何やら言い争っているらしい二人は、どうやら彼の同学年かつ友人でもある様子。静観しつつ、タイミングを見計らって挨拶を残し立ち去るのが最適解であろう。そう思って息を潜めて気配を消していたのに、) えっ、僕?!いや、……ど、どうも。体験入学生の細葉史士郎です……?(思わぬ矛先が思わぬ形で青年を刺した。黒いうさ耳も心なしか怯えたように下がるが、何やら白熱している二人はお構いなし。忍たまだからなのか違うのか、こっそり抜け出そうとしたところ両腕をそれぞれに捕まれて。助けを求め縋る瞳が、ここまで連れてきてくれた彼の方へ向かう。さながら肉食動物に捕まった草食動物のような姿は、ある意味彼の言葉は正しかったのだと物語っている、のかもしれなかった。)
* 10/12(Sun) 22:22 * No.34


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azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth