幕間
戻る
2日目:食堂>喜八郎・英哉・理助さん

(2日目の昼、食堂の一角が紫色で賑わっている。)ってわけで、こっちから順に(「忍術学園の中で、教科の成績も1番なら、実技の成績も1番!忍たま期待の」)四年い組の平滝夜叉丸で、(「ちょっと待て守一郎! 何故私の名乗りを遮るのだ!」)あ、さっきの口上はいつでも聞けるから聞きたくなったら滝夜叉丸に話しかけるといいよ。で、その隣が(「守一郎! なんで私より先に滝夜叉丸の紹介をするんだ!!」)四年ろ組でおれの同室田村三木ヱ門。英哉は昨日紹介したでしょ。二人はよく競い合ってるんだけど、喧嘩するほど仲がいいって感じかな? で、おれと同じで途中入学組、四年は組の斉藤タカ丸さん。だから同じ四年生だけど、(「十五歳でみんなより年上なんだ。よろしくね〜」)というわけです。あとは英哉も理助さんもご存じ四年い組の綾部喜八郎。(彼の軽い自己紹介が挟まったか否かはさておき、長机の向かって右から滝夜叉丸、三木ヱ門、タカ丸さん。机を挟んで英哉、守一郎、喜八郎、理助さんという並びである。)で、おれが四年ろ組用具委員会の浜守一郎です! 栗栖理助さん、ですよね。英哉と喜八郎から話は聞いてます。今日は来てくれてありがとうございます!(喜八郎の横からぴょこっと顔を出して、隣の隣に座った彼に軽く会釈を。凛とした雰囲気とキリッとした目つきが食満留三郎用具委員会委員長と重なる気がして緊張感が背筋を伸ばした。それから「おれのことは好きに呼んでくださいね。あと嫌でなければ理助さんって呼んでもいいですか?」と今更ながら事後承諾を求め。)喜八郎、良かったらみんなに理助さんの紹介してよ。おれはみんなに英哉の紹介をするからさ。それで、英哉と理助さんからも簡単に挨拶してもらえたらなって。(そしてひとまずいただきますと手を合わせ、サバの味噌煮定食に箸を伸ばしつつ提案しよう。ちなみに滝夜叉丸も同じ定食を頼んだものの、味噌汁に映った自らの顔をうっとりと眺めていたので「ちょっと滝夜叉丸ってば!」と声をかけて、)ってわけで、此方体験入学生の鰐文寺英哉さん。おれたちより一つ年上の十四歳だけど、忍術学園ではおれたちの方が先輩にあたるからって言ってくれる気遣い屋さん! 優しくてしっかりしてて、あと手先が器用なんだって。滝夜叉丸は物を作るのが得意だし、タカ丸さんも髪結いが得意だから気が合うかもね。あとはえーと、おれもこれから知る予定!(例えば彼のランチメニューはなんだろう。好物の一つでも知れたらいいなと思いつつ。一方で、体験入学生の二人が何か質問をすれば皆素直に教えてくれるはず。むしろ自分語りが大好きな二人を止めるのに苦労した一幕もあったかも。騒がしくも楽しいランチタイム。さて、彼らのことをどれだけ知ることができたろうか。)
* 10/14(Tue) 01:45 * No.15

(昼頃の食堂。その一角で一際わいわいと盛り上がる集団の中に自分も混ざって。四年生の面々が自己紹介するのを机に肘を置き頬杖をついて見守る。改めて眺めると四年生って個性豊かだなあと呑気な感想を抱いて。「「喜八郎!!真面目に聞け!」」と滝夜叉丸と三木ヱ門が息ぴったりに叫ぶのを涼しい顔をしてスルーする。タカ丸さんは二人を微笑まし気に眺めながら「ほんと、二人とも仲良しさんだね〜」とおっとりと呟いた。)どうも。綾部喜八郎で〜す。趣味は穴掘りです。同室はこちらのうるさい滝夜叉丸です。鰐文寺さんも理助さんも今後ともよろしくお願いしま〜す。(自分が紹介されれば頬杖を止めて緩く挨拶を。「くぉぉらアホハチロー!うるさいとはなんだうるさいとは!」とやいやい言ってくる滝夜叉丸をはいはいと片手を振って緩く制して。それから守一郎が理助さんに挨拶をするのを、相変わらず「私も!私もどうぞお見知りおきを!」「なにぃ!いやこの学園のアイドルの私も!!」とやいやい言っている滝夜叉丸と三木ヱ門を横目に見守って。)は〜い。皆、こちらが僕がお世話係になった栗栖理助さんです。年齢は十四歳、ですよね。理助さんはとにかくとっても良い人です。僕の穴掘り話にも嫌な顔せず付き合ってくれました。それに鍛錬の様子も見させてもらったけど、動きが機敏でかっこいい。僕も理助さんみたいに動けるようになりたいです。皆も理助さんと仲良くなって、その良い人っぷりにびっくりしてください。以上、綾部喜八郎による理助さんの紹介でした。(守一郎から指名を受けて、理助さんを片手で指し示し朗らかに紹介する。「喜八郎の穴掘り話についていけるの凄いなぁ」とタカ丸さんが感心するのにうんうんと頷き。ちなみに自分の今日のお昼ご飯は肉豆腐定食。久々知先輩が喜びそうな献立である。なにやらうっとりしている同室のことは守一郎に任せて、そのまま彼による鰐文寺さんの紹介を聞く。)鰐文寺さんも理助さんも分身の術とか使えませんか?いえ、二人共作法委員会にも用具委員会にも同時に入ってもらえたらいいのになって思って。(「いやいや体育委員会に入っていただきたい!」「いいえ会計委員会!」「え〜火薬委員会って興味ある?」などと委員会勧誘が始まったりしつつ。その中で体験入学生の二人の挨拶もあっただろうか。昼時の食堂はますます賑やかになっていき、楽しい食事会の時は過ぎて行くのだった。)
* 10/14(Tue) 09:11 * No.16

(昼頃の食堂、定食を前にピンと背筋を伸ばし、彼らの話へと耳を傾ける。元気のいい滝夜叉丸と三木ヱ門のやりとりに少しだけ目を丸くしてから、手のひらの下へと微笑みを返す。にぎやかな、遠慮のない掛け合いはどこか耳に心地いい。)こちらこそ、お招きいただきありがとうございます。(改めて隣席の主催の世話係の先輩に対して頭を下げ、相槌を打ったり興味を示したりする程度で主には聞き役に回っている。自分の紹介を先輩にされては恐縮するように頭を下げ。)ご紹介にあずかりました、鰐文寺英哉です。未熟者ではございますが、どうぞご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。(未だ会話を交わしたことのなかったタカ丸さんと滝夜叉丸さんに向けて深く頭を下げる。あまりにもいいように紹介されては少しばかりすわりの悪い思いもしつつ、向けてくれる評価にふさわしく精進しようと心に決める。理助君に対する紹介に関しては確かにと深く頷きつつ。)理助くんはさっぱりしていて気持ちのいい方ですし、人の健康を気遣ってくださる優しい方ですよ。(つい綾部先輩の言葉に追従するように言葉をつなげてしまい、出過ぎた言葉だったかと口を閉ざし、ちらりと理助君の様子を伺う。卵焼き定食の卵を箸で切り分けながら、先輩たちの言葉にはにこにこと耳を傾ける。時折生まれる疑問点については、話の邪魔をしない程度に隣の先輩に尋ねもして。)分身はできかねますが……、そういえば、委員会というのはどのようなことをするのでしょうか?(ふいに生まれた疑問点。これまで委員会というものに触れてはこなかったものだから、その組織の内実も仕事の内容もよくはわからない。ふとした疑問に対する答えに耳を傾けながら、委員会への勧誘に関しては穏やかな顔のまま。わからないことも、初めて目にするものも多い学園生活。同じ長屋に住まうことになった彼らの賑やかさに笑みはこぼれて仕方がない。楽しい食事会の時間は過ぎていく。おいしい食事に楽しい先輩たちと友人と。恵まれた生活の象徴化のような時間に、にこにことした笑顔は常の人当たりの良さよりも男が得た親しみ深さを表すかのようなものだった。)
* 10/15(Wed) 23:57 * No.17

う、うるさい…。(それが四年生たちの第一印象である。初日に出会った友や同室、世話係が比較的穏やかな部類だったこともあり、よく言えば賑やか、悪く言えば自己主張の激しさに目を白黒させ、勢いにのまれるがまま口を開くタイミングを計り続け、結局逃して。)たいらの、(それでも小さく動いた唇が、)たむら、(彼らの名を覚えようと時折動く。)たかまるさん。(ようやく聞いたことのある名が聞こえれば貴方がという顔をしてみたり、)こちらこそ、だ。(耳に馴染んだお世話係のトーンにこっそり安堵してみたり。それからこの場を仕切っていた少年の挨拶に対しては、)ああ、今日はこの場を設けてくれたありがとう、しゅいちろう。歳もそう変わらん。呼び方は好きにしてくれて構わない。(ひとまず本日の礼を伝え、ようやく言葉らしい言葉を紡いだ。しかし七人も集えば彼方此方から声が上がる。気づけば喜八郎による己の紹介が始まって、何を言うのかと黙って聞いていれば気恥ずかしさと嬉しさにまた口を閉ざす羽目になり、相槌未満の唸りを漏らすばかり。そのうえ英哉からの追撃に思わず目を閉じ、赤くなった耳の付け根をおもむろに掻いてみたり、品を損なわない程度に定食の唐揚げを頬張っては咀嚼を無言の理由にしてみたり。押し黙ってはいたものの不機嫌でないことは一目瞭然だったろう。やがて、守一郎による英哉の紹介へと話題が移れば今度は大いに頷いた。)そうだろう。英哉は礼儀正しくて真面目な良い奴だ。穏やかだが芯はしっかりとある。体も丈夫だそうだ。(そしてお返しとばかりに偽りない賛辞を紡げば、栄養価の高い玉子焼きを食べているのを見て「よし」と満足げに呟いて。)改めて、栗栖理助だ。(そうしてやっとのこと自己紹介の番となれば、一度箸を置き、)たきやしゃまる。喜八郎の同室と聞いた。これから世話になることも多いだろうがよろしく頼む。それからみきえもん。学園のあいどるというのが何者なのかわからんが、さぞ立派な肩書きなのだろう。あとで詳しく教えてくれ。たかまるさん、は髪結いの技術がおありだとか。西の流行を知りたいのでぜひ色々と教えていただきたい。しゅいちろうは言うまでもないが、英哉のことを頼んだぞ。(一人一人順に言葉をかけては初めましての挨拶を。あとは話題の移ろうがまま、ようやく慣れてきた賑やかさに自らも加わらんと。)学園の運営に欠かせない様々な業務を担っていると聞いているが……そういえば、四日目から色々な委員会の体験があると聞いたような。生憎私も分身は出来かねるが、せめて全ての委員会を体験してみてから答えを決めようと思っている。それぞれの委員会にそれぞれの良いところがあるのだろうが、私の長所を伸ばせるところか、あるいは今の私にはないものを得られる委員会があればいい、と思っている。(そこから先は我先にと話し出した滝夜叉丸と三木ヱ門による委員会自慢合戦が始まって、飛び火した其処此処でマイペースな感想や勧誘が再び湧き上がる。彼らは一見好き勝手に話しているように見えてもなんだかんだ必ずどこかで落ちがつくし、ちぐはぐに見えて結局仲良し。そのことに気づいたのは大勢で囲む食卓の楽しさを十二分に味わったあと。)英哉。…同級の友というのはいいものだな。長く時を同じくすれば、私たちもああなるのだろうか。(彼らとは異なり此方はひと月限りの同級生であるが、もしも、その先も縁が続くなら。ふと思い描いた遠い未来の答えはまだ知る由もない。)
* 10/27(Mon) 01:05 * No.18


 0


azulbox ver1.00 ( SALA de CGI ) / Alioth