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29日目:裏山

(夕方の裏山は、どこか寂しい雰囲気に包まれている。いつも愛用している鋤を抱きしめるように両手で抱えて座り込んでいるのは、裏山に少し深めに掘った穴の中。無心で穴掘りをしていたのはつい先程までのことで、今はただ一人ぼんやりとしている。夜ご飯も食べていないからお腹がすいたなあなんて頭の片隅で感じているけれども、なんだか今は友人達から離れて一人でいたい気分だった。夕方の時間帯の裏山は人の気配もなく静かで、時折からすの鳴き声が響くだけだ。があがあと鳴くからすが早く帰って飯でも食えと急かしているように思えて、まだ帰りたくないなあと鋤を抱える手をぎゅっと握った。先日の作法委員会の活動中、何時にも増してぼんやりしている後輩の姿に何を思ったのか、立花先輩が訳知り顔で「人生には出会いもあれば別れもあるものだ、喜八郎」と話しかけてきて。先輩も別れを経験したことがありますかと聞けば「忍術学園に六年も在籍すれば色々経験せざるを得ないさ」と笑う先輩は、なにかを思い出すかのようにどこか遠くを見つめていて、その顔にそれ以上なにも聞けなくなり。)皆、愉快な人達だったな。(今自分が思い返すのは体験入学の期間中に出会った人達。どの人もそれぞれ個性的で、楽しくて、優しい人だった。だらかこそ待っているかもしれない別れが。)おやまぁ。僕、寂しかったんだ。(言葉にすれば腑に落ちて、泥だらけの額を同じく泥に塗れた鋤にそっとくっつける。汚れるだなんて心配するのも今更だ。)さよならしたくないなあ。(静かな裏山に落ちる独り言。からすも今や押し黙り。)学園長先生、体験入学の期間、延長しませんか〜。(愁いを払うように態と緩い大きな声を出す。駄々っ子のようなその叫びを、近くに誰かがいれば聞いていたかもしれない。)
* 12/1(Mon) 15:46 * No.22

(マイペースな四年生たちが一堂に会して夕食をとることはそう多くないけれど、来る明日に向けて自然と皆が揃うなか、不在の級友が気になった。滝夜叉丸に聞けば「さあ。鋤を持って出かけた姿は見たが…」と何の情報にもならない応えが返ってくる。「なに、いつものことだろう?」と三木ヱ門に言われた後もなんとなくそのままでいられず、「まだご飯食べてないなら、お腹すいてるかもねえ」とタカ丸さんが呟いたときには握り飯を二つ掴んで走り出していた。――彼の軌跡を示す落とし穴は学園中どこにもなくて、ゆえに裏山に目をつけた。けれども学園以上に人探しに向かない木々のなか、あてもない。)喜八郎…!?(だが、思いがけず探し人はその居場所を教えてくれた。彼にしては珍しい大きな声で。)…喜八郎、そこに居るの…!?(耳はいい方だ。ぱっと声のする方へ駆けてゆくと、深い穴。覗き込めば友の姿が其処に在った。それから先ほど紡がれたことばの意味をようやくのみこむ。一人穴の中に居る彼を見下ろせば、逡巡の末、穴に向かってまた叫ぶ。)おれ、そっちに行ってもいい!? あ、それとも上って来る!? おにぎりあるよ!!食べよう!!(そして持参したおにぎりの一つを握りしめ、ぶんぶんと手を振った。しんとした夕暮れのもの悲しさをつんざく大声が、穴いっぱいに響き渡った。)
* 12/1(Mon) 21:49 * No.23

守一郎?(同学年の友人の明るい声が聞こえた気がして、鋤から額を離す。数秒後、穴の縁から現れた見知った顔と大きな声に、沸き上がったのは安堵感。どうやら自分でも気づかぬほど寂しさに苛まれていたようで。)守一郎〜……。待って、こっちに来たら汚れちゃう。今そっちにいくね。(彼が下に来るのは止めて、鋤を使って穴の中を登り地上に出る。穴掘りをしたために顔も手も服も泥に汚れて。眉を八の字にして情けない顔を晒しながら、鋤をさくりと地面に突き刺した。)おにぎり持ってきてくれたの?ありがとうぅ……ぅういちろ〜。(礼を述べつつ彼の名を呼んでいるような雰囲気を醸し出す。その声もまた情けなく震えて。)お腹すいた〜……。手、綺麗にするからおにぎりをお恵み下さい。……守一郎、まだ夜ご飯食べてなかったの?探させちゃったのかな。ごめん……ううん、ありがとう。(守一郎の優しさにありがたいやら申し訳ないやらで、複雑な感情を持て余しながら。懐から奇跡的に汚れていなかった手ぬぐいを取り出し、まずは手についた土を拭う。ある程度汚れがなくなれば手ぬぐいを元の場所に戻し、両手を守一郎に向かって差し出しておにぎりをくださいとお願いした。)……ねえ、守一郎。ちょっと聞きたいことがあって。すっごく寂しい時、守一郎ならどうやって寂しさを紛らわす?(手は差し出したまま、地面を見つめて。小さな声で、彼なら今自分が覚えている寂しさにどう対処するのだろうと聞いてみる。)
* 12/2(Tue) 16:07 * No.26

(勢いに任せて声をかけてしまったけれど、ひょっとして邪魔しちゃったかも。日頃大仰なリアクションの下に隠れがちなネガティブが顔を出しかけて、その後すぐに引っ込んだ。)うん…!(快い応えにほっとして、彼が手際よく穴をのぼるさまを眺めて暫し。泥まみれの彼なんてとうに見慣れたはずなのに、どことなく弱った風な八の字眉毛に瞬いた。礼を紡ぐ声は震えている。陽は傾き、夜が近い。けれども寒さや空腹ばかりが原因ではないのだろう。)うん。これから食べようかなってところで喜八郎が居ないなあって気づいてさ。(「滝夜叉丸も三木ヱ門もいつものことだろうって言ったんだけど、気になって」「それで、タカ丸さんがお腹すいてるかもって」「どういたしまして。……本当は余計なことかもしれないなって思ったんだけど、」いつもはけろりとしてマイペースな穴掘り小僧の名をほしいままにしている彼がいつになくしょんぼりしているから、なんだかこっちこそ余計な気を遣わせちゃったかなと思って眉を下げる。「でも、おれが、今日は喜八郎と一緒に食べたいなって思ったから」それでも本音はちゃんと伝えて、持ってきたおにぎりを取り出そうとしたその時に、)……寂しい時?(すっかり綺麗になった両手とともに差し出された問いを見つめ、少し考える風に押し黙った。)……おれなら、(徐に口を開いて、)紛らわせない、かな?(その手におにぎりを一つのせる。ぽん、と落とされたそれと同じくらいの軽さで紡いだ答えに、もう少しおまけをつけてみる。)寂しい時は、寂しいって言うかな。(それから近くの大木の根に腰を下ろした。)……なんか。隠そうとか、忘れようとかするのって、それが悪いことみたいに思えない?(そして問う。己の分のおにぎりを手にして、「いただきます」と告げたのちに。)おれもずっと独りで寂しかったけど、その時は寂しいって言う相手も居なくて……でも、忍術学園に来てからさ、そういう気持ちってちゃんと伝えていいんだって教えてもらって。っていうか、言わなくたってみんなが気づいてくれてたりして、すっごく嬉しかったんだ。覚えてる?(思い出すのはまだ四年生の輪に馴染めていない気がして、タカ丸に悩みを相談しに行った日のこと。あの時は喜八郎と滝夜叉丸、三木ヱ門たちの一年生時からの絆が羨ましかった。)おれがいつもより静かだからって心配してくれて…ほら、喜八郎も相談してほしいって言ってくれたでしょ? おれね、本当はあの時寂しかったんだよ。まだみんなとの心の距離が遠い気がして。…まあ、みんなのおかげですぐにそうじゃなくなったし、タカ丸さんのダジャレでそれどころじゃなくなっちゃったから、言わなかったけど。(ふふ、と思い出し笑いは齧りついたご飯と一緒にのみ込んで、)だからさ、喜八郎が寂しいって思ったなら、寂しいって言ったらいいと思うよ。おれにぶつけてくれてもいいし、あと、寂しい理由の人にも言ったらどうかな?(「きっと嬉しいと思うよ」と無責任に告げてみる。)だってさ、喜八郎の寂しいは、独りぼっちの寂しいじゃなくて、大好きな人と離れちゃうのがいやだなっていう、寂しいでしょ?
* 12/3(Wed) 01:03 * No.27

余計なこと、じゃないよ。嬉しい。来てくれたことも、一緒に食べたいって思ってくれたことも。ま、滝夜叉丸も三木ヱ門も昔から僕の穴掘り癖には慣れてるからね。タカ丸さんと守一郎は二人と違って優しいな〜。なんてね、あえて探さないっていう優しさも、それはそれでありがたいし。(要するに、四年の皆は優しいよい子達なのだ。からかうような言葉を口にする時には、いつものポーカーフェイスを取り戻せていただろうか。)紛らわ、せない?(返ってきた答えに一瞬ぽかんとして、おにぎりが乗せられたことにも気付くのが遅れた。思わず地面から目を離し彼の顔を見る。)言っちゃうの?(大木の根に座った彼を自分は立ったまま目で追って。)……うん、まあ確かに。隠すのは向き合いたくないからで、忘れるのは自分にとって都合が悪いから、とか考えちゃうかも。(手の上に乗ったおにぎりがもし自分にとって悪いものであれば、隠すことや忘れることを選ぶかもしれない。)そっか。そうだね。覚えてるよ。僕、守一郎のことが気になって気になって、ずーっと気になっててさ。(喋りながら守一郎の隣に座る。そういえばそんなこともあったなあ、と一時寂しさを忘れて懐かしく思い返し。)そうか、あの時の守一郎はそういう風に思って、感じていたんだね。僕が相談してほしいって言ったの、少しは役に立てたかな。でも、あの時の僕は守一郎の寂しさを本当の意味では理解していなかったかもしれないな、って思うんだ。寄り添うって難しいなあ。……だから今打ち明けてくれて、嬉しいよ。(「タカ丸さんのギャグでいい感じにまとまったよね〜」と、くすりと笑って。)いいの?すっごいぶつけちゃうよ。守一郎にも、理由の人にも。(笑いを口元に残したまま、冗談っぽく言って守一郎の顔を覗き込む。)嬉しい、か。――そうだよ。離れたくない、の寂しいなんだ。僕、結構人に執着する人間だったみたい。(見抜かれたなあと、感情を隠しきれない己の弱さを受け入れて、わかってくれる人がいる嬉しさをこめて呟く。)守一郎も、もう立派な忍たまだね。ううん、元からそっか。人の感情の機微に敏い、優秀な忍びなんだね。(元々守一郎は出会った頃から一人で戦う人だった。だから見抜かれたって仕方がないのだと納得して。彼が抱えていた寂しさを知ったからには、隣で友として支えていきたいとは思うけれども。)
* 12/3(Wed) 16:34 * No.28

そうなんだ。(小さく頷けば、隣に座った彼を見て、)…今だって、ほら、滝夜叉丸と三木ヱ門が喜八郎のこと気にしてなかったって言ったとき、それが「探さない優しさ」なんだってちゃんとわかってて。そういうの、なんか”通じ合ってる”って感じがして羨ましかったんだ。(あの時感じた寂しさを今は躊躇わずに言えた。それはもう過去の話になったから。「役に立てたかな」の答えは勿論。こくりと首を縦に振ったなら、へへと笑って。)いいよ。おれだって喜八郎の役に立ちたいよ。それで解決するかわかんないけど、(それこそ正しい寄り添い方かわからない、と内心思うけれど、)こんな深い穴掘っちゃうくらい喜八郎を寂しくさせる人たちができたの、おれ嬉しいもん。(緩んだその唇からこぼれる前向きな冗談に力強く頷いた。覗き込まれれば、真っ直ぐに彼を見返す黒々とした瞳が其処に在るだろう。)あれ。なんだ。今気づいたの?(そして瞬く。) ……そうだよ。だって喜八郎は好きなものには一途じゃない。(たとえそれが人だろうとなんだろうと、彼は自ら内側に入れたものにはとことん執着する性質だろう。いつだって他人の顔色など窺わず、自分が欲しいか欲しくないか。興味のないことはあっさりと意識の外に追いやってしまう彼だからこそ、「守一郎のことが気になった」なんて飾り気のない本音が嬉しかったのだから。)あはは、それは褒めすぎかも。でも嬉しいな。……本当は喜八郎のことが大好きだから、よく見てただけだよ。(未だに優秀な忍びには程遠く、けれど彼の友としてなら少しは立派になれたようで何よりだ。呟くように本音を紡げば、照れ隠しにまたおにぎりに齧りつき、)……そんなに離れたくないなら喜八郎得意の罠で捕まえちゃうってのもありかも? 寂しいから帰らないで〜って。(冗談交じりに思いつきを口にする。)
* 12/5(Fri) 02:08 * No.30

通じ合ってる、か。そういう風に考えたことなかったかも。考える必要もない位、それが当たり前だったから。あの時の守一郎の寂しさに気付けなくて、ごめんね。(共に過ごしながらも彼の寂しさを見逃してしまったことに、頭を下げて謝罪して。その後は「これからは守一郎とも以心伝心で通じ合いたいな。悪いこと考えててもばれちゃうかもだから、お互い気を付けよ〜」と笑う彼につられるようにこちらもにっと笑い、からかいの言葉を口にする。)よし、言ったね?後から思いっきり守一郎に受け止めてもらおーっと。(彼の言葉に甘える気満々で、おにぎりを一口齧る。空きっ腹で友の隣に座り食べるおにぎりは格別に美味しかった。)嬉しいの?優しいなあ、守一郎は。そんな風に感じてくれるのが。(ぽろり、と思ったことをそのまま口に出して。)守一郎、僕のこと僕より分かってない?ほんと、敵わないなあ。(言い当てられた己の性質に一瞬で納得し、いつの間にかそこまで彼に自身を理解されていたことに心が温かくなる。そんな彼だからこそ、出会った時から気になって仕方がなかったのだろう。)……うぐう。ちょっと待って、嬉しさのあまり変な声出た。僕だって守一郎のこと大好きだし。この気持ちは負けない。そのままずーっと僕や皆のこと見ててね。僕らもずーっと守一郎のこと見てるから。(嬉しさと照れくささが入り交ざった結果、手の中にあるおにぎりを握りつぶしそうになりつつ。)なるほど、その手があったか。いよいよの時には実行に移そう。守一郎も発案者として結果を責任をもって見届けてね〜。(と、言うのもただの冗談、半分本気ではあるけれど。大切な人を縛り付ける勇気が自分にあるだろうかとも思い。)……はい、では突然ですが今から守一郎に僕の気持ちを受け止めてもらいま〜す。えいやー。(棒読みの掛け声と共に彼の肩目がけて己の肩をやんわりと緩い力でぶつけようとする。力のこもらぬタックルはぶつかったとしても痛くはないだろうが、受け止めてもらえた場合、己の肩を汚す土埃が守一郎の肩についてしまうかもしれない。)
* 12/5(Fri) 16:41 * No.31

(此方に寄り添おうとする真摯な気持ちに胸があたたかくなるけれど、「ごめんね」には勢いよく首を横に振って。)喜八郎は悪くないよ! 勝手におれが羨ましいなあって思っただけだし……それに、今はもう、羨ましがる必要ない…し?(偶然の導きがあったとはいえ此処に辿りつけたのは少なからず彼と通じ合っているから、と自惚れてもいいはずだ。「…よね?」と伺うような視線を送ったのち、「いやまあ、滝夜叉丸たちのレベルに至るにはもうちょっとかかるだろうけど」「でも! 数か月で此処まで来たなら来年あたりにはきっと…!」と戯れに返すは希望という名の意気込みだ。そのためにもまるごと彼を受け止めたい。甘える宣言には「受けて立つ!」と気合十分な拳を見せて。)…えへへ。もしかして滝夜叉丸級まであとちょっとかもしれない。(彼以上に彼を知る、とは言いすぎかもしれないけれど、返してもらった「大好き」も二人のこれからを示す「ずーっと」も全部嬉しくて、誓いの意味も込めて「うん!」と大きく頷こう。迫る別れのように「ずーっと」にも定められた終わりがあると知っていて、だからこそ友と一緒に食べるおにぎりが美味しかったことを「ずーっと」覚えておこうと強く思った。)……え、喜八郎、本当にやる気?(半ば冗談とわかっていても彼ならばやりかねないという”理解”もあってぎょっとした。それでも、ややあってから「喜八郎なりの愛情表現だもんね」と帰結すれば、「うん。もしやるならおれがちゃんと見届けるよ!」決意の言葉は本日一番の大声にて。きっと罠にかかった相手は怒るどころか笑うだろうし、喜ぶに違いないという確信がある。)…うわー!(だって自分はこんなにも嬉しいのだから、と考えるのはあまりに短絡的だろうか。のしかかる重みも、香る土の匂いも全部。汚れすら分け与えてくれた寂しさ、信頼の証左と思えば。彼にあわせて気の抜けた声を上げたなら、笑気を纏いながら傾いだ身体をそっと起こして。)…よし、食べ終わったらお風呂に行こう! 温まりながら作戦会議!!(本気で罠を仕掛けるかはさておいて、まずは冷えた身体を温めて、来る日に備えて心も体も調えよう。そうして温かな布団でゆっくり眠って朝が来て、最終日、作戦内容は彼次第。たとえどんな手段を選んでも、彼の心に巣食う寂しさが前向きな言葉となって相手に届くことを願うばかりだ。)――大丈夫! おれ、ちゃんと見てるからね!!!
* 12/6(Sat) 22:00 * No.33

羨ましがる必要な〜し。僕ら、六年の先輩方にも負けない位仲良しだもーん。(ふふん、と得意げな笑みを浮かべて、彼の視線を堂々と受け止める。「守一郎、ここまで既に仲良しになれたなら最短記録で滝夜叉丸達レベルの仲良しになれるんじゃない?頑張れ〜」と、のほほんとエールを送る。頼れる返事をもらえれば、「守一郎、甘えがいがある〜」と喉を鳴らす猫のように目を細めた。)僕と守一郎って、もう滝夜叉丸と僕並みに仲良しじゃない?でも滝夜叉丸級になった守一郎がいたら……守一郎も滝夜叉丸みたいに自分に見惚れてうっとりしたりする?わあ。背中に薔薇背負ってる守一郎の幻覚が見えた。守一郎は守一郎のままでいてね。(自分の言葉に頷いてくれる彼のことを、素直に大好きだなあと感じながら見守って。滝夜叉丸とも三木ヱ門ともタカ丸さんとも違う、彼が彼のままでいてくれれば自分は安心して穴掘りに出かけられる。いつか彼らと別れる時が来たとしても、この思い出があればどこでも生きていけるだろう。)ふふふ……久々にしかけがいのある罠が作れそうだな〜。うん、見届けてね。もし本当に、しかけることができたなら。(不気味な笑い声を漏らしながら、彼に対してはいつものようにマイペースな穴掘り小僧としての表情を見せる。あとは自分が決意をするだけだ。大切な人に、気持ちを伝えられるように。)わ〜。ふ、ははっ。(受け止めてくれる彼の優しさが嬉しくて、珍しく年相応の笑い声をあげて傍らの友とのじゃれあいを楽しんだ。いつかきっと、今のこの瞬間を懐かしく思い出すのだろう。かつての己には寂しさすら包み込んでくれる親しき友がいたのだと。)おー。お風呂で作戦会議だ。お背中お流ししますよ〜。(いつの間にやらおにぎりを食べ終えて空になっていた片手の拳をぎゅっと握り、掛け声と共に空中に緩く突き上げる。それから鋤を抱えて、彼と共に学園内へと戻ろうか。歩き始めた二人の忍たまにさよならを言うようにからすも鳴き始めて。)うん、それならきっと大丈夫だ。なんたって、最強の味方が僕にはついてるもの。(木々の合間に見える空は日が暮れたために既に暗くなっていたけれど、それでも隣にいる友のおかげで心は明るく晴れ渡り。来たる別離に向けて作戦会議に興じる己の表情もまた、明るく笑んでいただろう。)
* 12/7(Sun) 16:11 * No.34


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