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【後日談】一月下旬:アカトキヤミ城>喜八郎
(あれから早ひと月。師走とはよく言ったもので、体験入学の報告書をまとめたり、今後の話し合いをしたりと忙しない日々を送っているうちに年は明け、身の回りが落ち着いてすぐにしたためた文が届くのにもまた半月以上はかかるのだから、やはり西と東の距離は遠い。『忍術学園 綾部喜八郎様』と几帳面な文字で宛名が書かれたそれは、無事彼の手に渡ったろうか。)
喜八郎、元気にやっているか。此方はアカトキヤミ城忍軍発足のため奔走する日々だ。おかげで文を書く時間もなかなかとれず、連絡が遅くなってすまないな。
若様に件の報告をしたところ、大いに喜んでくださってな。お前が無事に忍術学園を卒業した暁には、ぜひ我が城で働いてほしいと。だが、それも随分と先の話だ。ゆえにその間に一度本物を見てみたいと、そうおっしゃってな。そこでだ。よければ一度我が城を見に来ないか? 勿論道中は私が付き添う。都合が悪くなければ、春に迎えに行こう。どんぐりもお前に会いたがっているぞ。
良い返事を期待している。では、またな。
(差出人を示す箇所には『栗栖理助』の名と、墨を零したような斑点が幾つか。――よく見れば小動物の足跡と気づくだろう。)
喜八郎、元気にやっているか。此方はアカトキヤミ城忍軍発足のため奔走する日々だ。おかげで文を書く時間もなかなかとれず、連絡が遅くなってすまないな。
若様に件の報告をしたところ、大いに喜んでくださってな。お前が無事に忍術学園を卒業した暁には、ぜひ我が城で働いてほしいと。だが、それも随分と先の話だ。ゆえにその間に一度本物を見てみたいと、そうおっしゃってな。そこでだ。よければ一度我が城を見に来ないか? 勿論道中は私が付き添う。都合が悪くなければ、春に迎えに行こう。どんぐりもお前に会いたがっているぞ。
良い返事を期待している。では、またな。
(差出人を示す箇所には『栗栖理助』の名と、墨を零したような斑点が幾つか。――よく見れば小動物の足跡と気づくだろう。)
* 12/26(Fri) 18:43 * No.66
…
(体験入学が終わり、時は過ぎて。一月を迎えた忍術学園には雪が降り積もり、白に染まった。外には雪合戦をする忍たま達がいて、賑やかな声が室内にいても聞こえてくる。今は一日の授業が終わった放課後。いつもなら空いた時間があれば穴掘りにいくけれど、今日は自室に籠っている。理助さんからの手紙が届いたのは今朝のこと。すぐにでも開封したいのをぐっと我慢して授業を真面目に受け、委員会活動も終わってから自室に戻り、ようやく手紙を手にとれた。そっと丁寧に封を開けて、じっと無言で手紙を読み進める。最後の行まで読み届ければ、浮かべるのは嬉しさに満ちた笑み。それからふと差出人の書かれた箇所に目をとめればそこには小さな足跡が残されていて、人差し指でちょん、とその軌跡をなぞった。)
理助さん、お久しぶりです。お手紙ありがとうございます。
僕は相変わらず元気に穴掘りをしています。雪が積もったので雪かきをしてから穴を掘るのが少し大変ですが。理助さんは風邪など召されていませんか。若様や周りの方と共に、暖かくされてお過ごし下さい。
忍軍を発足されるために奔走されているとのこと、新しい組織をお作りになられるのは大変なことだろうと思います。でも理助さんならきっと忍軍の必要性を周りの方にも示せるだろうとも予想しています。忍術学園の片隅から応援していますね。頑張れ、理助さん。
若様が喜んでくださったことも嬉しいです。若様の期待に応えられる忍びとなれるようますます励みます。
それから、若様とお会いできる機会をいただけたこともとっても嬉しいですし、理助さんとまた会えることもとってもとっても嬉しいです。是非、アカトキヤミ城へのご案内をお願いします。
ところでどんぐりくんはそちらでも自由気ままにされていますか。どんぐりくんも理助さんも、沢山美味しいものを食べて無事冬を越して下さい。
それでは、またお会いできる日を心待ちにしています。今度は僕からも手紙を送ります。
理助さん、またね。
(返事を書き終わった後、暫し考えてから再度筆を手に持って。返事を認めた紙にさらさらと描いたのは理助さんとどんぐりくんの似顔絵。あんまり上手ではないその絵を見て満足気に頷き、封をする。笑顔の理助さんといつものきょとんとした顔のどんぐりくんを思い浮かべて描いたその絵には一人と一匹への思慕をこめて。外では今も雪が降っているけれど、春はきっとすぐにやって来る。再会の時を待ちながら、今年も忍術学園の忍たまとして穴掘り小僧は穴を掘る。)
理助さん、お久しぶりです。お手紙ありがとうございます。
僕は相変わらず元気に穴掘りをしています。雪が積もったので雪かきをしてから穴を掘るのが少し大変ですが。理助さんは風邪など召されていませんか。若様や周りの方と共に、暖かくされてお過ごし下さい。
忍軍を発足されるために奔走されているとのこと、新しい組織をお作りになられるのは大変なことだろうと思います。でも理助さんならきっと忍軍の必要性を周りの方にも示せるだろうとも予想しています。忍術学園の片隅から応援していますね。頑張れ、理助さん。
若様が喜んでくださったことも嬉しいです。若様の期待に応えられる忍びとなれるようますます励みます。
それから、若様とお会いできる機会をいただけたこともとっても嬉しいですし、理助さんとまた会えることもとってもとっても嬉しいです。是非、アカトキヤミ城へのご案内をお願いします。
ところでどんぐりくんはそちらでも自由気ままにされていますか。どんぐりくんも理助さんも、沢山美味しいものを食べて無事冬を越して下さい。
それでは、またお会いできる日を心待ちにしています。今度は僕からも手紙を送ります。
理助さん、またね。
(返事を書き終わった後、暫し考えてから再度筆を手に持って。返事を認めた紙にさらさらと描いたのは理助さんとどんぐりくんの似顔絵。あんまり上手ではないその絵を見て満足気に頷き、封をする。笑顔の理助さんといつものきょとんとした顔のどんぐりくんを思い浮かべて描いたその絵には一人と一匹への思慕をこめて。外では今も雪が降っているけれど、春はきっとすぐにやって来る。再会の時を待ちながら、今年も忍術学園の忍たまとして穴掘り小僧は穴を掘る。)
* 12/27(Sat) 12:56 * No.67
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