鵜飼倫央&佐々礼笑子
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【Step1】7/6(金):夕方 瑠璃浜鑑台駅前
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* No.6
(午後から有休を取ったという母と妹から、「今日は二人だけでみちくんに内緒の寄り道するから、みちくんお迎え来なくていいよ」と邪気のない笑顔でお役御免を告げられたのは今朝のことだった。母と娘二人で楽しく過ごそうという目論見の中には、テストが近いので落ち着いた環境で勉強したいだろうという母の気遣いもおそらくは含まれている。勉強ならいつものように妹が寝静まってからのほうが集中できるのに、と母に対するわずかな反発がないわけでもなかったが、気遣いを無碍にするのは気が引けた。しかし、最初に向かった落ち着いた環境の代表格たる図書室は満室。ならば自習室かと足運んだがこちらも席取り合戦に敗北した。このまま帰宅したってテスト勉強はできるだろうが、母と二人きりを満喫しているであろう妹に水差すようで忍びない。どこかファストフード店にでも寄って時間を潰すべきか。思考巡らせつつ校門を出てのろのろと歩く。駅前あたりにさしかかった頃、目についたのが見知った制服と幼な子の二人組だった。年中さんぐらいかな、自分たち兄妹と同じように歳の離れた姉弟なのかもしれない。そんな呑気な思考は響き渡る泣き声に中断される。母を力一杯呼ぶ声に思わず速足で二人に近づき、目線合わせるようにしゃがみ込む。)どうしたの?ママがいなくなっちゃった?(最初の問いかけは泣きじゃくる少年に向けて。次いでの言葉は困り顔の少女に向けてだ。)なんか困ってる?俺もよかったら手伝おうか。同じ学校のよしみだし。(互いに身につけた制服を代わりばんこに指差して、同じ学舎に通う者ですをアピール。急に現れた怪しい人物でないよが示せたらいいのだが。)
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鵜飼くんとペアだ!となり、スレ立てにあたって迷子シチュなら早速鵜飼くんのお兄ちゃんムーヴ見れるのでは!?と期待の通りの優しさと頼もしさを見せていただいて、も〜初回レスの時点でグッと心を掴まれました。この後もずっと頼もしいお兄ちゃんで、迷子が女の子だったら間違いなく初恋泥棒してたな…。
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* No.63
そう、うち仲良し兄妹なんだ。歳十個離れてるから、俺の気持ちとしては兄、兼父親みたいな感じ。(何気ない謝辞に対する反応に、自分や妹との相違感じるが、それは決して不快なものではない。むしろ違って面白いな、と興味惹かれるものであった。そういえば表情の標準装備も違う。)好きなことで家にいなくても一人でもやれること、これから見つけた方がいいんだろうな。ぱっと思いつく好きなこと、料理して誰かに美味しいって言ってもらうぐらいしかなかった。(改めて己の無趣味さに気付かされ、口元がやや自嘲的に弧を描く。だが、青年にしては珍しいそれはすぐに姿を消した。ここでも見つかる相違点は、しかし相容れないに直結するものではない。)佐々礼、聞き上手だから俺はすごく話しやすいよ。変な言い方とかも全然ない。一緒に喫茶店まで歩く初めての相手になれて光栄です?(大仰な物言いで語尾上げて、ふざけ混じりの言であること示す。向かい合わせで座った席で、「人と話すの、得意じゃない」を初めて実感する。これも自分とは違うところだ。)確かに、今が一番友達といるのに慣れないって顔してる。「いつも一人でいる」が「いつも一人じゃなきゃいや」じゃないんだったら、佐々礼の連絡先聞いといてもいい?たまに誘うから暇で気が向いた時、俺の時間潰しに付き合って。(初対面の女の子相手に踏み込み過ぎかと懸念がないわけでもないが、協力して難題解決した仲なのだからまあそれぐらいいいだろうの楽観の方が勝った。折が良いのか悪いのか、お願いし終わったところで運ばれてきた二人分のアイスコーヒーにプリンアラモードに普通のプリン。これで少しは友人の視線の泳ぎも和らぐだろうかと、プリンアラモードに集中していますの顔してスプーンで生クリームとプリンを一緒に掬う。)……これ、すげーうまい。(そのまま口に運んだら、結局美味しいの共有の為に視線合わそうと顔上げることになった。)
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鵜飼くんお誘いとかこういう場面の言葉選びが本当に巧みで、絶対相手が押し切られて仕方なく…ってなることないんだろうな〜と思えるナチュラルさが上手いんですよ〜!
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* No.78
カラオケ、カラオケ……、佐々礼ってもしかして、ちょっと寂れたとこが好き?(勧めてくれた店と働き先を形容するには、やや失礼な表現使って問う。気が緩んだ分、いくらか率直になり過ぎたかもしれない。自らへの評には「どうかなあ」と曖昧に疑問呈してそれでおしまい。コーヒーについての評の方がいくらか熱心だった。)そうだ、佐々礼の言うとおりスッキリしてる。なんか喉渇いた時にゴクゴク飲める感じ。次来た時にでも言ってみようかな、「スッキリしてて夏に合う味で美味しいアイスコーヒーですね」って。(次はホットサンドもいいなと、早くも二回目の来店目論見つつ。)夏休み、バイトなくて暇な日あったら誘うよ。二人なら半分こして色々食べれそうだから。(これは彼女が食べ物のシェアに抵抗がなければの話になるが。口に出す誘いのどれもが断られたって全く構わないものではあったけれど、了承得られる方がずっとずっといい。自分ほど口数は多くないけれど、確かに彼女の顔に喜びがうつるのを感じれば、こちらの声音にも新たな友人得た楽しさが滲んだ。)家に帰るまでに、佐々礼に何て連絡すると楽しいかなって考えようかな。佐々礼からなるべく早く返事がもらえるように。(夏の始まりに得た友人と、これから巡るだろう季節を想う。別れののち、帰路につく足取りは校門出た時と比べれば嘘のように軽い。自宅の扉開けてただいまを告げる声も明るく、兄の変化に聡い妹に「みちくんとっても楽しそう!いいことあったの?あかりに教えて、ねえねえみちくん!」としばらく絡まれることになったのは、友には明かさぬ内緒の話だ。) |
友達になれたのが喜ばしく、そして鵜飼くんもまた喜んでくれているのが好き!!あとこれ以降も端々で描写してくれるあーちゃんにねえねえされてるシーン全部かわいくて大好きです。
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【Step2】8/4(土):午前 深那莫海浜公園(動物園)
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* No.87
(新しい友人との夏の思い出作りと称して取り付けた約束は、長いこと鵜飼に纏わりついているもやもやをしばらくの間だけ忘れさせた。そのもやもやは、妹が夏休みに入ったことにより家にいることが多くなった母の姿をしていたり、突然かかってきた電話で伝えられた内容であったりした。しかし、晴れた夏の日に普段見られない動物を友人と見ることを想像すると、心が少し軽くなったような心地がした。)……楽しみだな、動物園。(カレンダー眺めてこぼした独り言をきっかけに、いつ行くの誰と行くのねえねえみちくん教えて教えてと質問攻めに遭う羽目になったのは数日前のことだ。一つずつ返答していくうちに一緒に行く友人が同じ学年の女の子であることを知った母と妹の色めきたった様子といったらなかった。前に通っていた学校でバレンタインデー前にそわそわと内緒話交わす女の子たち見ているのと同じ気持ちになる。デートだの彼女だのとあれよあれよという間に決めつけられ、都度否定をしたものの彼女らの中で誤った認識は強固な真実となってしまったらしい。それなら新しい服を買いに行くべきだ、ちょうどいい機会だから散髪にも行ったほうがいいと指令が下され、小遣いが追加される。買ったものもチェックしなきゃと盛り上がる二人の高い声は、固い結託を示していた。ーそういう経緯で整えられた今日の服装は、量販店で買い求めたオーバーサイズのネイビーのTシャツと黒のストレートジーンズ、グレーのスニーカーの組み合わせに背面で斜めがけにした黒のボディバッグ。動物園の正門付近の木陰に佇み、待ち合わせ時間まではあと五分、そろそろ到着連絡入れようとポケットに入れたスマートフォンを取り出した。)
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ここ鵜飼家の日常が垣間見えるシーンでかわい〜と当初はのんきに思っていたんですが、恋愛感情等への忌避感を知った後だと…どんな気持ちでいたのか…と苦しくもなりますね…。
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* No.115
あっ 確かにリンゴとか小松菜食べてるイメージある。あの顔とあの動きで実は肉食ですって言われたらギャップにびっくりするところだった。 泳げる。人並みには?ぐらいの感じだけど。だからシロクマと泳いだら途中で置いてかれちゃうのかも。(シロクマの泳ぐ速度は分からないが、特別泳ぎが得意とも言えないのでシロクマ側にはよっぽど手加減してもらわないと一緒に泳げないだろう。ファンタジーと現実の入り混じった回答はちょっとのおかしみ含んで紡がれる。ー先に驚き口にしたこちらの方がびっくり度合いとしては大したことがなかったらしい。ちらりと友人見やった視線には、小さじ半分ぐらいの心配も混じっている。が、特に言葉にはせず再び雑談へ。)鳶は身近にいる鳥だから、軽く見られやすいとかそういう感じなのかな。鷹ってその辺であんまり見ない気がする。(これまた特に根拠のないふわふわトーク。ワシとタカの勝敗についても殊更スポーツチームから思い付いた話だとは示さずに、)俺達二人ともびっくりさせたんだから、確かにワシが勝ちそう。でもタカが同じようにバサバサしてもびっくりしたかも。(そうなるとワシ>タカ>我々という構図になってしまうのには目をつぶるとして。会話続けつつ歩めば、前方にカピバラエリアが見えてきた。「カピバラのごはん 200円」の看板見つければ、「あれ」と指し示しつつ)どうする?半分こする?(二人で分けっこがまっさきに口をついて出た。妹相手じゃあるまいし、特にシェアする必要もないのに。)ごめん、別に普通に一人一個買えばよかった。(うっかりを恥じる気持ちから、いつもよりやや早口になる。) |
お兄ちゃんがぽろっと顔を出すの、かわい〜!!
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* No.139
そう。父親代わりの面倒くさい兄貴だから、妹が会ってほしい人がいるって言ってろくでもない人間連れてきたら露骨に嫌な顔するし、そいつにお兄さんとか呼ばれたら「俺は君の兄ではないんだけど」って言ったきり一言も口きかなくなるかも。(はるか未来に思いを馳せたやや大仰な物言いには、本音と冗談が半分ずつ混ざり合う。何かしら意味のありそうな呟きにおや、と眉上げたものの、どうして自分に聞けてよかったのかを問うことまではしない。そこまで立ち入るべきでないと判断したからだった。話題はより気軽で、けれど今話す必要のあるものに移りゆく。)よし、そしたらもうパン屋行って、ご飯食べちゃおう。(同意得られて次の目的地が決まれば、カピバラ達に軽く手を振り歩き出す。園内地図で確認した限りでは、昼食場所までそう時間は掛からないはずだ。ポケットに突っ込んだ端末が表示してくれていた情報思い返しつつ、)なんか全体的に甘い味っぽい雰囲気だったな。カピバラも菓子パン系かも。何味だといけそう?もし見た目で買ってダメそうな味だったとしても、引き取り手がここに一応いるのでご安心ください。(胸に手を当て軽く会釈する仕草は即席バトラー気取り。見えてきた件のパン屋の店内は、時間が早いのが幸いしてまだ人もまばら、室内に席が確保できそうだ。焼き上がった動物パン達がお客の到着を待っている。一番人気の表示のあるカピバラパンはマンゴークリーム入りのよう。) |
め、めんどくさ!(笑)と微笑ましくなった台詞です(笑)あーちゃんを大事にしているのが伝わって、10年後が楽しみだな〜
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* No.150
実は結構カピバラ気になってたから、ちょっと分けてもらえるとうれしい。(妹が好きだろうというのもあるが、この「気になってた」は先程餌やりをしたのとマンゴー味と知ってから生まれた興味なので、兄としての自分ではなくても嬉しい申し出だった。指されたリスのシナモンロールの中で、なんとなくこの子がかわいいなと思ったものをトレイに迎えて会計へ。自分から言い出したくせ半ば忘れかかっていた飲み物奢ってが果たされるとなれば、オレンジジュース、と言葉にしかかってやめた。自分が飲みたいと思ったものを選んだわけではなく、メニューから無意識のうちに一番安価なものを選ぼうとしていることに気付いたからだった。)…この、クラフトジンジャエールっていうのにしてもいい?(フードコートなんかでよく見るソフトドリンク類よりもちょっとだけお高めのそれは、生姜が効いていてちょっぴり大人の味であるらしい。まるで都会のオシャレなカフェで出てきそうなドリンクは、子どもが飲むには刺激が強そうで、妹がいる時はまず頼まないものだった。これが気になるな飲んでみたいなの気持ちに従って遠慮がちに指さしてみたが、ちょっとでも困惑の色が見えればすぐに撤回するつもり。零れた感慨には、ひとまず「そう?」と反応返して、話の続きは店内の二人掛けのテーブルに着席してからになった。空調が心地良く効いた店内で、パン達に見つめられながら)優しいかな、それを言うなら佐々礼も優しくない?初めて会った時、苦手なのにちっちゃい子の相手してたし、さっきも自分の選んだパンちょっと食べる?って聞いてくれたし。(二人して困り果てた様子だった幼な子と女の子の姿を思い出す。リスのシナモンロールを首のところで半分に千切ろうと手を伸ばして、すんでのところで止める。「この子達の写真撮ったりする?」は空回りかもしれない気遣いのつもり。) |
佐々礼に対してもお兄ちゃんらしい面倒見の良さを遺憾なく発揮してくれるシーンも大好きなんですけど、折々で「友達といるからこそ」と思えるシーンが見られるのも嬉しいんですよね…。
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* No.156
(ストローさしたジンジャーエールをまずは一口。口の中でパチパチピリピリ弾けるそれは、ほろ苦さも相まって確かにちょっぴり大人の味だった。出会いの一日を思い出してか、変わりゆく表情を見守りながら)そうした方がいいって思って、それをちゃんと行動に移すのがまずすごいことだと俺は思うよ。佐々礼が立ち止まってなきゃ、俺も声掛けなかったかもしれないし、(そこで言葉切って、しばし黙考。やっぱり違うなと再び口開く。)いや、佐々礼が立ち止まってなくても多分はるとくんに声掛けたとは思うけど、…………俺達二人とも善人ってことにしとく?(褒め言葉を過剰に謙遜するのは時として失礼になると知っているが故のひとまとめ結論。目が合うと話しやすいし、嬉しくなるのが鵜飼の性である。貰った言葉達もこちらを嬉しくさせてくれるもので、飲み物をかき混ぜるストローは友人の言葉とは反対にぐるぐるぐるぐるした。)友達にそういうこと言ってもらえるの、嬉しい。これからもスマートな気遣いを目指します。(友の撮影が終わり、こちらを向いた二匹を含めた総勢六匹を雑な構図で写真に写す。分けっこの準備が終われば、手を合わせていただきます。初対面のあの日を思わせる感想に思わず小さく笑いが漏れた。こちらも一口目はカピバラから。)マンゴーの 爽やか甘さが 夏の味 秋には別の 味になるかな(指折り数えた食レポ短歌はちょっと字余り。視線合わせてちょっと首傾げたのは、採点どうですか?の意図だが通じただろうか。そんなちょっとした戯れや美味しいの共有を経て、昼食終えれば次の目的地は涼しげな寒冷地の動物ゾーン。ざぶざぶ泳ぐシロクマに目を細め、土産探しに付き合ってとショップ見物に誘い、穏やかに友人との夏の一日は過ぎていく。帰宅してから家族に見せたパンの写真に「パンじゃなくてお友達の写真撮ってきてよー!!」とじたばたどんどんされたのも夏の思い出の一ピースになるだろう。) |
こういうこと嫌味っぽさも恩着せがましさもない言葉選び出来るの、本当にお人柄だなぁと思います。
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9/12(水):夕方 ハッピーイート店内 >佐々礼【7】
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* No.30
(たとえ友人らに異性の友と連れ立って歩く姿見咎められようとも、友達の佐々礼だよと紹介してその場は終わっただろう。なんなら自分の友同士を引き合わせて知らない者同士から顔見知りぐらいの関係にグレードアップさせたかもしれない。が、ひとまず今日はそれは果たされない。視線が食欲刺激する写真たちを辿る。)俺気合い入れて走ってきた。から、いつもよりたくさん食べられるかも。(ちょっとした努力は果たしてハッピーに勝利する糧となるのか。向かい合わせでの注文決めの最中、デザートメニューに視線が落ちる。つられて目に留めたパンケーキで視線が瞬き二つ分ぐらい止まった。ご飯もののページを見ては、)確かにドリアもグラタンもうまそう。(相槌打って同じページ内で頼むもの探そうと指が辿るが途中で止まる。おずおずと視線上げつつ)実はパンケーキ見たら食べたくなった けど それはドリアも頼んだら絶対食べ切れないからやめとく いやでも気になるなパンケーキ……(先程のページで見た5枚重ねのパンケーキにフルーツが添えられシロップがかかったビジュアルが持つ魅力は絶大だった。)今日、ハッピーがつくかどうかでサイズがどれだけ違うか見比べる目的で来てるから、本当はハッピーグラタンとハッピーなしドリアかなんかを頼んで並べるのが正しいって知ってる、 んだけど、…………俺ハッピーなしパンケーキにしてもいい?グラタンかドリアか佐々礼が頼んだほうと半分こしよ。(結局は誘惑に負けた。話し合いの結果、オーダーが整えばその通り注文済ませようと。)
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ぐらぐら鵜飼くんもかわい〜〜ですし、仲良くなったからこそ見せてくれる一面なのかなぁと思えます。
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【Step4】11/16(金):午前1時頃 ホテル中庭
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* No.165
(日中観光地を周り、心地よい疲労感があったにもかかわらず、その日は眠りが浅かった。初めてイデア・ルームを訪れて以来、すっかり夜更かしが板についていた所為かもしれないし、何かの予兆を感じた所為かもしれなかった。消灯時間からしばらくして、ルームメイトらの寝息が聞こえるようになってから久しい頃合い、枕元に置いたスマートフォンが震える。一つ目のメッセージに返信しようとベッドの中で指動かす最中にも続けてメッセージが届く。「どうかした?」の三文字目まで入力しかけて結局全部を消し、代わりに四文字を送信する。「すぐ行く」とひどく端的なメッセージになったのは、遠慮がちな文面に助けを求めるような印象を受けたからだった。防寒用に持参していたマウンテンパーカー羽織り、ポケットにスマートフォン突っ込んで音立てぬよう部屋を後にする。足早に階段降り、辿り着いた中庭には人影が二つ。誰か自分以外の友人と一緒にいるのかな、などと浮かんだ疑問は近寄るにつれ霧散した。)佐々礼!?(呼びかけは切迫の色帯びる。暗闇というにはわずかに明るい暗がりの中、友人に女が馬乗りになり、首に手をかけているのを見とめる。地を蹴って友に駆け寄り、女の細い腕を掴んだ。)ーっ!!お前、離せ!!!(友に覆い被さる女を引き剥がそうと力込める。豊かな髪持つ女の姿が夢の世界では慣れ親しんだものであることにはまだ気付かない。)
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結果的に何も聞かずにこの返事で本当にすぐ来てくれるの、ヒーローすぎませんか〜!?
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* No.172
(振り払われた腕はそれ以上女を戒めようとはしなかった。友と女の姿見た瞬間に身のうちに燃え上がった衝動がバケツの水浴びせられたかのように消えていく。女の顔が、あの理想の世界で親しく話した仲間のものと同じに見えたからだ。なぜ そんな あれがこちらの世界に姿を現すなんてー惑う瞳のまま絞められていた友の首に視線やる。そこに指の跡が残っていないことや、女が呪いのように口にした一節が自分の耳にも覚えのあるものであることが、女が真実夢の世界から抜け出してきた何よりの証のようにも思われた。倒れ込んだ友に伸ばそうとする手は恐々と。先ほど女の腕掴んだ時のほうがよほど勢いづいていた。怯えに揺れる友の瞳がこちらを見る。ブラウンに映る己の姿が微かに歪んでいるようにも見える。女に背を向け、目線の高さを合わせようとしゃがみ込む。)ゆっくり呼吸できる?吸って、吐いて、吸って、吐いてーー。(手本示すように自らも深呼吸繰り返し、少しの躊躇いの後、友の背に右手が触れる。だいじょうぶ、だいじょうぶと小さく繰り返しながらあの日の幼な子にも似た背中をさする。あなたの味方はここにいるよがてのひらから伝わって友人に届くといいなと祈りながら。)俺は佐々礼の友達だから、そんなふうに謝らなくてもいいんだよ。(背後に女の気配感じつつも、この場に友を害するものは存在しないかのように口調は凪いでいる。身体中に張り巡らされた神経全てが友の力になりたがった。)
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鵜飼くんの包み込むような想いも言葉も振る舞いも全てがあたたかくて…好きだ……。
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* No.176
(浅い呼吸が元通りになっていくのに安堵するうち、今度は吹く風の冷たさと、友人の服装がそれに耐えるには心許ないものであることに今更気付く。着てきたパーカーから腕を抜きつつ、)これ、嫌じゃなかったら着てて。(この旅行を機に新しく購入したものなので匂いが染み付いていたりなどはしないだろうが、今の今まで着ていたものなので熱はすっかり移ってしまっている。肩にかけようとする手つきは背に触れた先ほどと同じぐらいの慎重さで。必要ないと首振られれば、また自らの腕通すことになるのだろう。そうしているうちにも女が自分の後ろにいることだけが確かで、友が弱っていることだけが確かで、その他は何もかも不透明なまま言葉を聞く。)ーー合わせ鏡の噂、……(心にざわざわと波が立つ。己の影もいつかこの世界に現れてしまうのか、それが自分の本性を暴き立ててしまうのではという不安の波が足元濡らすような気持ちになる。打ち寄せるうちに次第に大波になって己を飲み込もうとするのに目を背けて、友を案ずる心だけを携えて口を開く。)信じるよ。(俺も彼女を知っているから、続く言葉は胸の内に秘められる。代わりにこちらに視線向ける女を見やり、再び友の瞳を覗き込む。)あれは、アイリーンは、佐々礼を傷つけるものでしかない?(静かに問う。友の影について尋ねているのに、己への救いを求める心地になる。)もしそうなら、俺も一緒にあれをやっつけられるように立ち向かうし、もしそれだけではないなら、……俺も一緒に、アイリーンの話を聞くよ。
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鵜飼くんとはこれまで和やかなお出掛けを重ねてきたので、平穏なシーンではかわい〜と思うことの方が多かったんですけど、Step4は鵜飼くんのかっこよさを目の当たりにするシーンが続いてドキドキしました…!この場面で迷わず上着貸してくれるの、あまりにかっこいい……。
理想に侵されるという事実に鵜飼くんにだって当然不安があって、それでもこの状況下でアイリーンも含めて想ってくれるのも、迷わず“一緒に”を手向けてくれるのも大好きです。
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* No.184
俺は暑がりだから大丈夫。(言葉に多少の強がりは含まれていたけれど、根拠のない「大丈夫」ではない。筋肉量からいえば男性のほうが寒さに強いはずである。事実、ここまで足早に歩を進めたおかげで体は温まっている。友人のほうがよっぽど暖が必要だろう。それぐらいしか今の自分があげられるものはないので、力になれたようで嬉しかった。覗き込んだ瞳に力が宿ったのも。頷きつつ告白に耳傾ける。)そもそも、親が再婚するからと言って子供同士がきょうだいにならなくてはいけないわけではないし、母親の再婚相手を父と思わなくてはいけないわけではないと俺は思うけど、(一旦口を閉ざす。こういう口先だけの正論めいたことだけを言いたいわけじゃない。言葉探しつつもう一度口開く。)そういうことを思い悩む人間は、もう「ちゃんとお姉ちゃん」してるんじゃないかな。俺は佐々礼が優しい人間だって知ってる。佐々礼は、俺たちにできないやり方でちゃんとなりたいものになれるよ。(なるべく友の悩みと女の言い分に誠実であれるよう言葉を選び取る。「俺たち」とひとまとめにしたのは、理想の世界での仲間と自分。みんなの優しい姉たるきみと、たった一人だけの兄である俺。確かに心のありようの一部は似ているのかもしれないが、自分のようになりたいと思ってもらえるような純粋な優しさだけの人間でないことは己が一番よく知っている。)佐々礼にもアイリーンにもずいぶん良く思われてるみたいだけど、俺も勝手だし、優しいのも自己防衛の延長みたいなものだし、そんなに心の底から良いやつじゃないよ。(淡々と語るは謙遜ではない。鵜飼の中で事実だと認識していることだ。)でも、そういう俺でも、俺はずっと佐々礼の味方でいるし、佐々礼のことを応援してるし、……佐々礼とアイリーンが持ってる荷物を半分こして持つことぐらいはできるよ。
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何度か重ねてきた『半分こ』をここでも差し出してくれるの、この異常事態に日常を運んでくれたような心地でしたし、この言葉が二人の命題のようなものになりましたね…。
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* No.191
(「物知りで気配りできて、もしかして俺ってすごくいいやつ?」と、軽口が続くのは少しの間だけ。穏やかに継いだ言葉には確かな暖かさが宿る。)もちろん。二人でのんびりおしゃべりして、おいしいもの分けっこして、それでまた一緒に元気になろう。(これからも積み重なるだろう思い出の中の俺ときみは、今までよりももっと親しげだ。今だって昨日よりずっと心が近づいた気がしているのだから。)俺たち実は友達歴がまだ短いから、悩む時間はこれからたっぷりあるよ。その分、選択肢も多くなるかもしれないけど。(自然と口の端が上がり、まさしくいつものにこっの笑い方になる。出会ったときに比べてずいぶん柔らかくなった友の笑みに、灯りの少ない深夜だというのになぜだか少し眩しく感じた。自らの影を過たずまっすぐ見据える瞳の光もまた、極北の星のように輝いて見えた。友の隣で、曖昧な姿になりゆく女を見つめる。影の別れが近付いている。)アイリーン、あなたがまた現れることのないようにいつだって俺は佐々礼の力になりたいと思ってるけど、(でも、物事に絶対はない。自分が助けになれないことだってあるかもしれない。自分が隣にいてなお友が傷つくことだって。)もしまたこの世界で会うときが来たら、あなたと佐々礼の話を俺が聞くよ。(いつか抱える荷物が多くなりすぎて現実の世界でアイリーンと見えることがあったとしても、それすら友と分け合えばいいだけの話だ。霧のようになった黒い影が夢の世界で共に戦った女神の姿に変わる。「シュブ=ニグラス」とその名を呼ぶのは心の中だけに留めおき、それが友のうちに帰るのを見守ろう。さようなら、こちらの世界のアイリーン。別れの挨拶は音にはならなかった。)
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シャドウの最後の時までこの声のかけ方してくれるの、本当に優しさや慈愛の人だな……!
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* No.198
(友の返答がいつもとそれほど変わらぬものだったことに安堵する。こちらの心のうちの弱さにはまだ気付かれていないようだったので。また、できる範囲でという注釈がつくとしても、助けを求める手を鬱陶しげに振り払われることはないだろうと認識できたので。「ありがとう」は、いつも通りの言葉だけれど、いつもよりもちょっとだけ熱がこもった。続く「佐々礼がそう言ってくれて嬉しいよ」も、いつもに増して心のこもった言葉になった。間髪入れずの否定に、思わず笑みが漏れる。普段の朗らかさは青年の元にすっかり戻ってきた。)ーふ、ははっ!慌てて違うよって言ってくれて、なんかすごく嬉しくなっちゃった。俺も佐々礼と一緒にいたいと思ってるから。……いや!!別に置いてかれるとかはしてなくて、いやでもわからん寝過ごしたら面白がられて普通に置いてかれるのかもしれんけど、(今度はこちらがやや食い気味の否定。同室のメンバーらを頭に浮かべたら、ゆっくり寝かせておいてやろうの優しさとほっといたらいつ起きるのかなの好奇心の両方からそのままベッドに放っておかれる自分の姿が想像できる。予想としては現実になりそうとならなさそうが半々ぐらいの割合だ。少し前までは家族三人分の朝食作りを担ってきたのでこちらも朝型ではあるのだが、旅先の疲れと秘密の夜更かしで惰眠貪ることになる可能性は大いにあったし、そうでなくてもお返しの言葉に乗っかった友への甘えの表れでもあった。)でも佐々礼が電話してくれるから、置いてかれはしないと思う。よろしくお願いします。(お返しその一が無事にまとまったところで、急カーブとまではいかない話題の方向転換と歯切れの悪さにわずかに首かしげつつ肯定示す。)うん? うん、クラスの友達と食べてる、 けど(泳ぐ視線と言葉の行方を追いかけるうちに頭の上に浮かぶはてなは、なるほどそういうことか!に変わる。勢いづいたので徐々に弱まる友の口振りと正反対にやたらとはっきり、いつもより少し大きな声になった。)いいよ、一緒に食べよう。佐々礼からそうやって誘ってもらえるの、すげーうれしい。明日の朝の楽しみ二つもできちゃったな。(「にこっ」よりも幾分表情崩して、発した言葉が嘘でないことの証のように顔いっぱいに喜びがうつされる。)そしたら、上着返すの明日の朝会ったときでいいよ。まだ寒いし、佐々礼が嫌じゃなければ部屋まで着てって。
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後半が対佐々礼としては珍しい口調な気がしてかわいい!PLも佐々礼も鵜飼くんの口調が崩れるとこはきゅんとしてます。
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* No.202
起きる起きる。人にモーニングコールしてもらうの初めてだから、どんなんかわくわくしてる。(その上、してくれる相手が特別な友人とくれば、今からもう朝が待ち遠しいような気持ちになる。新たな約束も結ばれたのでなおのことだった。こわばった面持ちがふわりと解け、花が開くように笑みが咲くのを見る。ふと友の名が頭に浮かび、この女の子にぴったりの名だと賞賛したくなるのと同時に、名付けをした人物の愛を感じる。頬に両手添えて喜び噛み締めるような、妹に似た仕草がかわいらしく、思わず目を細めた。)いつもだと向かい合わせだけど、今回は横並びの隣同士にしてもいいのかな。あ、でもそうして佐々礼が知らない人と向かい合わせになると気まずい?(旅先なので趣向を変えてもと考えたが、それはそれで問題が発生するのかもと思い至る。向かい合わせでも隣同士でも食事とる楽しさは変わらぬものだし、横に並んで座るのは次の機会に譲ってもいいだろう。たとえば駅の近くのコーヒーショップの背の高いカウンター席だとか、何年後かにちょっと背伸びして訪れるバーカウンターだとか。少し遠い未来にも思い出共有できると信じて疑わぬ思考は、ややあってごく近い未来の話に引き戻される。)そうだね、戻ろう。風邪ひいてもいけないし。(同意示し、上着の処遇と軽い謝罪には気にしないでと首振り歩みを進める。歩きつつ語られるワードの中には己にも充分心当たりのあるものも含まれた。単なる夢見が悪いとはまた違う、目覚めた後の自分を苛み、秘密を暴き立て、ふとした拍子に顔を覗かせる恐ろしい夢。)嫌な夢見ると、起きてからもすっきりしないし、寝たのに逆に疲れた気になるし、眠るのも怖くなったりするから、……そういうのが今日は佐々礼のところにやってこないの、俺も嬉しい。(やたらと真に迫った描写になってしまったのに気付いてやんわりと話の方向を変える。)今日みたいに助けてほしいときは、ただ「助けて」ってひとこと言ってくれれば俺は佐々礼のところにちゃんと行くから、これからも何かあったら呼んでね。(ちょっとカッコつけすぎの要望口に出して、声にした途端にそれがあまり現実的でないことに思い至る。続く言葉にはほのかな照れが滲んだ。)……うそ、ごめん、ひとことじゃなかった。場所も一緒に教えてくれると、行きやすくて助かります。
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本当にその通りで、笑子は祈りや願いをこめてつけられた名前という想定なので、ここ拾い上げてくれる鵜飼くんの感性とPL様の読み取り力を改めて感じました…!!
かっこよすぎませんか〜!?現実的な部分含めて照れちゃうとこまで込みで大好き〜〜!!佐々礼が明確に友人以上に意識し始めたのが間違いなくここでした!
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* No.205
佐々礼、ご飯と正面もちゃんと見ながら食べるんだよ。(なんて、冗談混じりの嗜め口調は気安さの表れだ。こちらを案じて問われ、己の不手際に舌打ちしたい気持ちになる。今大変な思いをしていたのは友のほうなのに、その彼女に心配をかけるなんて不甲斐ないったらない。普段よりも意識的になんでもないよを装った。)俺?俺は大丈夫。(何か言葉をくっつけると白々しくなるような気がしてそれで終わり。かえって不自然だったかもと思いつつ逸らした話題は、友の視線も逸らさせる。それでも了承得られはしたので、格好いいことを言った甲斐はあった。)お返し、そんなに気にしなくてもいいんだよとも思うけど、よかったらこれから気長に返してって。卒業でお別れってこともないだろうし。(四ヶ月後の一区切りで縁が切れるとは思いもせずに長期間の返済計画をおすすめしておく。男子部屋のある二階に上がる間際のお別れは、明日の約束添えたものに。)おやすみ。また明日、いい夢見てね。(軽く手を振り別れたのち、階段駆け降りたのとは反対に、ゆっくりゆっくり一段ずつを確かめるように静かに上っていく。食卓共にする朝が待ち遠しいのと同時に、友の秘密を知ったこの夜に別れ告げるのをなんとなく遅らせたいような心持ちになったからだった。ー明けて翌朝、通話をタップしてからの第一声はちょっとだけ鼻にかかった寝起き間もないものになる。朝の挨拶の後には小さな咳払いが挟まった。)おはよ。ちゃんと寝て、ちょっと前にすっきり目覚めたところ。佐々礼は?寝れた?(「今日の朝ごはん何だろう、最後だからちょっと豪華とかあるかな」などと他愛のない会話交わした後、また後でねで通話終えるのがいやに名残惜しかった。階段降りればすぐに彼女に会えるというのに。食堂向かう道すがら、「今日約束してるから朝お前らと別で食べるな」と同室の面々に告げ、相手は誰だどこの女子ださっきの通話の相手かと質問攻めにあったのは友には内緒の話。)おはよう。同じ相手に二回おはよう言うのってちょっと不思議な気持ちになるね。うちも市場で食べ歩きしたから似たようなもんかも。タコの頭の中に卵が入ってるのがあってさ、……俺たち、顔合わせると食べ物の話してるね?(朝食に箸つけ、これがうまいねなどと会話交わしつつ進める修学旅行最後の朝食。メニューは昨日までとそんなに変わらないはずなのに、これまでより一層滋味深く感じられた。) |
寝起き鵜飼くんレアでかわいい…………し、クラスも違って部屋も当然違って、って前提でモニコしたり一緒に朝ごはん食べたりするのだいぶ仲良しでかわいい!序盤の重たげな雰囲気から和やかな空気で終えられた事もグッと距離が縮まったな〜というとこも好きなんですけど、この辺りからお互い意識し始めてる?と甘酸っぱさも感じて…きゅん…Event6の出来事を思うとまさかあんな事になるとは知る由もなく…みたいなナレーション入りそうな感じもありますが(笑)
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12/24(月):午後 喫茶店 >鵜飼
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* No.68
(クリスマスイブは青年にとって長らく家族の行事であった。今年も御多分に洩れず、夕食は家で家族と、例年と変わらぬクリスマスメニュー(倫央お手製のグラタンに一年でこの日だけ食卓に上るビーフシチュー)を食べる予定だった。例年と違うのは、予約したホールケーキがデザートに待っていることと、料理の仕込みを午前中に終える必要があることだった。あとは加熱するだけの状態にまで仕上げた料理たちを冷蔵庫に入れ、母と妹に行ってきますを告げて家を出る。「デート?」と問われて少しの沈黙ののち「そうだよ」とだけ言い残してそれ以上の追及逃れるみたいな出発になった。今日のいでたちは黒のモックネックのロングTシャツにライトグレーのニットを合わせ、いつものボディバッグと黒ジーンズにスニーカー。上から羽織った黒いチェスターコートは今年購入したものである。服選びに思ったより手間取り、待ち合わせに遅れるかもと焦って少し走ったために乱れた前髪がやけに気になる。喫茶店の隣の隣の店先のガラス窓に自らの姿写してちょいちょいと前髪触って整えて、息整えてからまた歩き出す。喫茶店の前に辿り着いたのは13:30ちょうど。手に提げてきた紙袋の持ち手はまだちゃんときれいなままだ。見間違えようのない彼女の姿に軽く手を振り声を掛ける。)ごめん、時間ギリギリになっちゃった。中入ろうか。…髪型、いつもと違うね。(第一声が上擦ったような気がして鼓動がうるさい。付け加えた第三声がもうちょっと良い言い方があったような気がして口に出したそばからやり直したくなった。)
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動物園の日とは心持ちも関係も全く違うんだ…!!と改めて窺い知れてドキッとしました…!
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* No.76
え、わかる?前髪さっき直したんだけど(乱れた髪まだ先ほどまでの焦りが表れているかと手をやる。このときばかりは夢の世界のバケツが恋しくなった。あれをかぶっていれば、こんな自分の余裕のなさだって覆い隠してくれただろうに。「変じゃない?」に頷くだけになってしまい、またそれも後悔呼びつつ店内へ。どうも今日は何もかもがうまくいかない。提げた袋の持ち手に思わずぎゅっと力入れそうになって慌てて力を緩める。なんとなく丁寧にコートを畳み、その上に二つの荷物を置いて腰下ろす。)さっきの答えだけど、…かわいいよ、服装に合ってるなって思うし、自分で自分の髪結えるのすごいと思う。(タイミング逃したけれどそれだけは伝えたくて、ちぐはぐな会話になるのを自覚しながらも言葉にする。きちんと目線合わせて言うつもりだったのに、目線は途中でメニューに落ちた。誤魔化すみたいにやたらと熱心に軽食のページを眺めるけれど、先ほど昼食を済ませたばかりである。視線がこちらを窺う気配を感じ、メニューから目を離して首を振る。)こっちこそ、話したいし会って渡したいものあったから、誘ってくれてありがたかった。家族は昨日も一緒にいたし、今日も夕飯とケーキ家で食べるからだいじょうぶ。佐々礼のほうこそ、クリスマスイブに呼びつけてごめん。(早速本題に入ろうかと傍に置いた紙袋に手を伸ばしかけ、いや注文が先かとメニューにもう一度視線向けようとし、そういえばゆっくり話したいと誘ってくれたのは彼女のほうだったなと思い出し、先に口火を切ってもらったほうがいいのでは?と思い直す。いつもは容易く分かるコミュニケーションの優先順位が今日に限って分からない。傍目に見てもおろおろと落ち着きのないのが丸わかりだ。)……ごめん、俺いまちょっと何からやればいいかわけわかんなくなってるかも、 あっでも注文?注文がやっぱり先か(メニューを彼女に向けようとしたのがグラスにちょっとだけぶつかった。どこまでも格好がつかない。)
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かわいいって言ってくれるのもわざわざ話題戻してまで改めて伝えてくれるのもウワーッとなって、佐々礼と同じレベルでガン照れしました!!罪深〜〜!
ふたりしてそわそわして、おろおろして、っていう雰囲気がすごくかわいいんですけど、ここの殊更あわあわしている鵜飼くんがすっごく愛おしいです。
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* No.96
(「もちろん、お待ちしてます」は、鼓動の高なりの割には落ち着いたいつも通りの口調になった。ふわふわとぼやかした今日を選んだ訳明かすより、この落ち着かなくてみっともないような気持ちの共有のほうが先にくる。)俺も、こういうふうになんかぐるぐるして不恰好な感じになると思ってなくて、こういうふうになるって心の底で分かってたから距離置いてた感情なのかもしれないけど、(そこまで言ってこれだと彼女の感情や自分を肯定してくれる言葉ごと自分の都合で否定していることになると気付く。)でも、佐々礼が一緒のように感じてくれてるのも、俺のことかっこわるいと思うとこ想像できないって言ってくれるのも嬉しいし、そう言ってくれる佐々礼ってかわいいなって思うし、 なんか 悩み聞いてもらったときから佐々礼のこと今まで以上にどんどん好きになってる 気がする、(だから誕生日を顔合わせて祝いたいなと思ったし、喜ぶ顔が直接見たくて、自分のプレゼントで彼女を幸せにしたくて何を贈ればいいかをたくさん悩んだ。誕生日を知り得た理由はあっさりと白状する。)知ってた、というかLINKSに教えてもらったんだ。誕生日に会いたいって思ったの、俺だけじゃなくてよかった。せっかくの日なんだから、もうちょっと特別な場所行けばよかったのにって今更気付いてちょっと悔しくなってる。(例えばクリスマスツリーが綺麗なところとか、ちょっとお洒落なホテルのアフタヌーンティーだとか。初めて向かい合って座ったここも特別な場所ではあるけれど、こういう落ち着く場所より心ときめく場のほうがふたりで過ごす初めての誕生日兼クリスマスイブに相応しかったような気もする。渡したプレゼントだってそうだった。寒い冬に彼女をあたためてくれるといいなと思い選んだプレゼントだけど、実用品過ぎて特別な女の子に贈るにはもっとロマンチックなものがあったのかもしれない。それが何かはわからないけれど。)もうそれは佐々礼のものだから、佐々礼が好きなタイミングで開けていいんだよ。(余裕ぶった物言いだけれどその実、心の中では表情見せないようバケツを被った小さな自分がぶるぶる震えている。人に贈り物をするのにこんなに緊張するのは初めてだった。己から遠ざけてきた感情は、いくつもの初めてを青年に教えてくれる。)
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本当にご自分の悩みと向き合って受け入れるようになれたんだなぁという感慨と、逆にそれによってストレートの気持ち伝えてくださるようになったドキドキで感情が忙しくなったセリフです………。
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* No.107
そしたら、俺たち両思い…?(口に出した言葉はこれまで縁がなかったもので、なんとなく心の上のほうをそうっと撫でられたようなくすぐったい気持ちになる。「ずるい」はふんわり聞き流すことにした。何せドキドキすることばっか言われてるのはこちらも同じだったので。特別な場所の詳細は、口に出したらやたらとベタな選択だなと気付く。それでもいつか来る未来に選択肢残すことにする。)なんかおしゃれな庭が付いてるホテルのアフタヌーンティーみたいなところとか、夜景がきれいなレストランとか?来年はそういう特別っぽいところに行こうか。その頃にはなんかお互い余裕がもうちょっとあるかもだし。(来年の二人がお互いどこにいるかも知らないままに、それでもこの仲が来年と言わず遠い未来まで続いていくと信じて疑いもしないのが言葉になって表れた。贈り物の包みに注ぐ視線から、丁寧に扱う手つきから、くちびるからこぼれる言葉の一つ一つから、彼女の喜びが伝わってくるようで、心の中のバケツ頭の震えは止まった。安堵からほっと息を吐いたのち、喜色が顔いっぱいに映された。)よかっ たぁ…………、喜んでほしくて選んだけど、実際の反応見るまでは佐々礼が喜んでくれるかどうかってわかんないから、ものすごく緊張してたんだ。佐々礼がさ、一人で寒いな悲しいなってもう二度と思わないでほしいなと思って選んだから、「あったかそう」って言ってもらえて嬉しい。(彼女の影と対峙した折に震えていた肩の細さがもうずっと気になっていたし、それをあたためられるのはいつだって自分であればいいのにと独りよがりな願いを抱いてきた。そういう欲のこもった贈り物であったので、日常的に使ってもらえるとあらば喜びもひとしおである。座った椅子ごと浮き上がりそうな気持ち、店内の少ないお客さん全てにコーヒーを奢ってあげたいような気持ちになりながら、ようやく注文済ませていないことに気付く。)やばい、俺たち何にも頼んでないお客になってた。……俺、アイスコーヒーにしようかな。(冬だというのにやたらと耳のあたりが熱い。今ホットコーヒーでも飲もうものなら汗だくになりそうだった。)
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ブランケットいただいた時点で時期にぴったりだ〜うれしい〜という気持ちだったのに、そんなことまで考えて選んでくれたの!?と驚きまで齎されました。これまでのやり取りや出来事から掬い取ってくださるPL様のご手腕〜!佐々礼は鵜飼くんに陽の明かりのようなあたたかさを覚えていますので、鵜飼くんだと思って(?)大事にします。
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* No.126
遠出いいな。この辺から日帰りで行けるギリギリってどこなんだろ。……やりたいことは、こうやって佐々礼や他の友達と旅行したり、とか。(元々旅行に行くような家庭でなかったのに加えて、関東地方の土地勘があまりないため目的地はぼんやりとしている。優しい申し出は本当にありがたいものであったけれど、それは青年にとっては手放しによろしくとお願いできるものではなかった。ちょっとまごついて言葉を探す。)いや、あの、そう言ってもらえるのはありがたいんだけど、 俺が心配してるのって酒に酔って佐々礼が嫌なことしちゃわないかだから、佐々礼と試すと意味ないというか、何かあったときにたぶん ちょっと それこそ死にたくなる気持ちになりそうというか……(想定している最悪の事態として、彼女に無体をはたらくだとかがすぐに脳裏に浮かぶ。男であり父の子である己が理性を失ったときに自分より力の弱い人を傷つけるのは心の底から恐ろしいことで、自分がそんなことをしてしまうところを想像したためにこぼれた言葉は大袈裟だけれど切実な響きを伴っていた。)俺がここまでしか飲んじゃだめだ、ってライン見極めたら佐々礼のこと誘うから、それまで一緒に飲むの待っててもらってもいい?(そのくせ、彼女と思い出分かち合う機会は逃したくないため、気の長い約束持ちかけることになった。明かされる贈り物の中身に、胸の奥がぎゅうと締め付けられるような心地になる。ちょっと声が掠れた。)作ったの、……俺のために?(問いには期待の色が滲む。そうであったらどんなにか嬉しいことだろう。世界一の宝物扱うようにゆっくりと包みを解き、箱を開け、中身に感嘆の息漏らしてもう一度箱を閉じた。喜びと困惑がないまぜになった表情で、)どうしよう、家族でどうぞって言われてるのに、誰にもあげたくなくなってる。(恋愛感情は多大なる独占欲を伴うものだと初めて知った。妹にさえも分け与えたくないお菓子がこの世に存在するなんて、彼女に出会わなければ知らないままのことだった。できることなら今だけでも独り占めしたいが、飲食店で持ち込みの食べ物を食べるのは良識に反すると常識的な自分が心の中で笛を鳴らしている。)今、俺の心の中で家族に分ける前にちょっとだけここで食べちゃいたいって思う自分と、ここで食べたらまずいだろってちゃんとわかってる自分が戦ってる。(一度開けた箱を閉じたのは、彼女からの心のこもった贈り物をこれ以上視界に入れていると前者の自分が勝ってしまいそうだからだった。) |
妹にさえ〜のくだりは今までのやり取りから本当にそんなもの存在しなかったんだろうなと思わせてくれるのと合わせ、恋を自覚してからはちらほらと独占欲が見受けられるのがヒエ……とときめきで怯えてます。ヒエ〜!
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* No.135
俺って佐々礼にものすごーく信用されてるんだ。(呟きには感慨と不安が滲む。信用裏切るつもりは毛頭ないし、考えたくもないけれどもし万が一裏切ることになってしまったら生涯かけて償うつもりでいるけれど、それでも手放しの信頼はちょっと青年を怖気付かせた。)俺は佐々礼の嫌がることを絶対絶対したくないし、そうするつもりも全然ないけど、俺は女性である佐々礼より力があって佐々礼を傷つけることもできる性別なんだよってことを覚えておいてもらえるとありがたいです。俺は俺のことが信用できなくなることがきっとあるだろうから、また心配事は相談します。(他の人であれば心配しすぎと一笑に伏されそうな恐れだって、彼女となら共有できるともう知っている。信頼の重さは不安と同じぐらいの喜びを呼ぶ。贈り物開ける段に至っては、もうすっかり喜びが恐れを覆い隠すことになった。期待が肯定され、心うちがあたたかく満たされる。口の端はにこにこと上がりっぱなしになった。彼女に作ってもらったお菓子を独り占めしてしまいたいなんて子どもじみた感情も否定されず、座った席ごとふわふわ浮き上がるような気持ちになる。)いっぺんにじゃなくて、何日間かに分けて毎日食べたら大丈夫。……だけど、ちゃんと家族にも分けるよ。佐々礼が俺の母と妹にも食べてもらえたらって思って作ってくれたのもすごく嬉しいから。佐々礼のおかげで、一番乗りできたらそれで満足だなって思えたし。(家族に分ける余裕が出てきたのは提案された折衷案のおかげだ。もう一度蓋開け、感嘆の息漏らしてからラッピングを元に戻そうと試みる。「駅の近くに公園あったよね?」は通学路の風景思い浮かべての寄り道先のご提案。向かい合う彼女の仕草の一つ一つがいじらしく、時折胸が詰まって何も言えないような気持ちになる。今もまさにそうだった。)なんかこう もうずっと俺が嬉しくなるようなこと言われっぱなしでどうしたらいいかわかんなくなるね。俺のために頑張ってくれて、ドキドキしてくれてありがとう。……あのときのジャガは、おいしいものを食べてもらいたいって気持ちとみんなとあんまり馴れ合うのよくないなって気持ちが混じってたからお裾分けを置いとくだけだったけど、今のジャガならみんなを招いておもてなしがしたいって思うんだろうな。(他者と深く関わることは、自分が思うほど怖いものではないと知ったから。ぽつりと落とした言葉は、どこか他人事めいてもいた。) |
お互いに恋慕があることは確かめ合う形となりましたが、佐々礼から抱いているのも当然そうですし、この懸念を共有出来ると考えてくれるところに鵜飼くんからの信用を感じ取れて、時間を重ねて言葉と気持ちとを交わし合った帰結を感じられて大好きなシーンです。本当に何処までも誠実なお言葉も含めて。佐々礼はど〜しても鵜飼くんに対して警戒心を持つというのは難しいので、都度すり合わせしていただくことになると思いますが…!
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* No.142
なんかさ、好きな子に自分のこと考えて何か作ってもらうのってこんなに嬉しくて幸せなことなんだなって実感した。(呟きは会話のキャッチボールには乗らないかもしれない密やかさで。今回は果たされなかった目算明かされれば、多幸感はますます募る。今なら影が出てきたって笑って肩組んで「聞いてくれる?」と彼女の大切にしたいところを指折り数えて教えられる気がした。「フルーツいっぱいのは、今度一緒に作るか、次回のお楽しみにしてもいい?」と、またの機会得られることを望んで問うた。ドライフルーツも生のものほどではないが好きな食べ物に入る上、家族は自分と同じで好き嫌いの少ない人種である。想い込めて手ずから作られたフロランタンが食卓に上がれば、誰からもらったのすごくおいしそうあかりも食べてもいいのえみこちゃんにあかりも会いたいと夕食時の話題を席巻することだろう。)アイリーンってちょっと だいぶ過保護だよね。(いらぬ心配呼ばぬよう牛乳寒天作るのに少しだけ火を使った事実は伏せておく。マイ・ルームに皆を招いて、お喋りしながら調理をして、賑やかに食卓囲む様思い浮かべれば、自然と眦がゆるく下がる。)いつか、できたらいいな。向こうの世界で無理だったら、こっちの世界でもいいから。(もしかしたらアイリーン以外の仲間たちも既に顔合わせたことのある人々かもしれないし。ほのかな希望まとわせた表情のまま運ばれてきたグラスにストローを刺す。)あっ、16時にケーキ屋寄らなきゃなんだった。(アイスコーヒー口にし、心地良い苦味で喉潤すうちに、何気なく時計に目を落とせば自分で思っていた以上に進んでいた時計の針。明日は昼過ぎから出かけると家族に告げた際に、ついでに行ってきてくれる?と問われて快諾した本日の主役の受け取りは外せない用事である。しかし公園で一口目を堪能するのも譲れない。今日はご馳走が待っているからとおやつは我慢し、名残惜しく喫茶店後にしたのちに二人歩いて到着した公園。ベンチに腰下ろして味わう一口目は、)……うまい、すげーおいしい。味がおいしいっていうのもあるんだけど、なんか俺がこんなにいいものもらっていいのかな?って思いたくなるぐらいの 幸せの味がする。(ほろほろと感情がこぼれ落ちる。目の奥が熱くなり、小さく鼻啜った。二人きりの公園で名残惜しげに少しだけ会話続ける間にも幾度となく感謝伝えることになるだろう。時折吹く風は冷たいけれど、寒さがこの身を侵すことなんて考えられないぐらい身も心もあたたかなまま帰路に就くことになった。)
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最初あれだけ恐れていたシャドウに対してのこの部分だったり、お客さんみんなにコーヒー振る舞いたい気分だったり、恋に浮かれている鵜飼くんの描写が兎に角かわいいと同時にかつての悩みを知っている身からすれば「幸せにしよう…………」と深く深く思わせてくれる描写でした。
鵜飼くんだからこそあげてるんだよ!!!いくらでも幸せにするよ!!!!と背後で暴れてました(?)どこを切り取っても幸せできっと佐々礼はこの人を好きになってよかったって思い続けるんでしょうね。それくらい誠実さとたくさん気持ちを伝えてくれるところに愛おしさが止まりません。好きだ〜!
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1/25(金):昼休み カフェテリア >鵜飼
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* No.156
(思い返すは、夢の世界での別れの場面だ。確かに彼は現実の世界の自分たちの名を読んだ。)あれだけ皆の名前知ってたってことは、先生とかの可能性のほうが高いのかな。それか、すげー顔が広い生徒とか。(なんとなく辺りを見回したところで、マジックが得意そうな誰かの顔は見当たらない。また目の前の彼女に視線が戻ったところで表情が和んだ。)鵜飼はいつでも貸出自由です!って俺の仲良いやつらが言いそう。……今日、誰かと飯食うか聞かれたから、佐々礼の名前出しちゃったけどよかった?(事後報告の問いに否が返ってくれば、カフェテリア出たあとには友人ら捕まえて口止めを図ることになる。こちらは素直に「好きな子と飯食う」と報告済みであった。)学内で一緒に飯食えるって、同じ校舎に通ってる間の特権っぽいから、思う存分満喫しよう。佐々礼が俺じゃない人とご飯食べたい気分のときは、断ってくれて構わないから。(今度のは逃げ道ではなく心の底からの気遣いであった。特権はそれぞれの友人との間にも適用されるものであるので。沈黙ののちに切り出された今日の本題は、予想はしていたけれども外れたら悲しいので期待するのを自分でセーブしていた用件だった。顔が勝手に緩むのを止められず、誤魔化すみたいに口元に手をやる。でも結局、プレゼント受け取るのに片手でもらうのって失礼だなという自分の誠意に従って、喜色が浮かぶ顔は無防備に晒されることになった。)ありがとう、……もしかしてって思ってたけど、本当にそうですごく嬉しい。好きな子に顔見て祝ってもらえるのって、なんか自分が予想してたよりすげーいい。(もう一度ありがとうを言い、緑色した贈り物を受け取る。開けていい?と聞くより先に包みに指かけたのは、喜びのあまり気が急いたためだった。ストップかからなければ中身を取り出し、水の入ったグラスの隣に登場させることになる。)
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ご友人やご家族などわりと憚らず「好きな子」の話をしてくれている様子にハワ…………となりました。ハワワ……。
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* No.158
3月には卒業だし、これから受験が近付くとますます学校で会えなくなるだろうしなあ。一緒の大学、も 確かによかったかも。(二人揃って同じ大学に通い、一般教養の大教室で隣同士に腰掛けること想像してみたら、それは確かに胸が高鳴る情景だった。志望校選びの後悔がちらと胸かすめていったのは表に出さずに海老天口に運んだ。彼女の声で紡がれる「好きな人」は、きらきらと輝くダイヤモンド纏っているようで、鵜飼の心の中にそっとしまわれた。包みを解いてお目見えした明るい緑を優しく撫でる。)俺のあげたもの使ってもらえてるだけでも嬉しいのに、こんなにいいものもらっちゃっていいのかな?って気持ちになるな。ありがとう。これ毎日使ったら合格間違いなしだ。(愛おしむようにマグカップ手に取り、思いの詰まった贈り物見つめる瞳は穏やかな喜びに満ちている。ちょっぴり大袈裟な物言いは、真実そこまで幸運もたらしてくれそうだと信じているからだった。心の底からのありがとう述べた後、テーブルにマグを置いて姿勢を正す。好きな子と好きな人と、お互いの感情に基づく呼称は、二人の関係を第三者に問われたときには曖昧にぼかすようにも取られかねない呼び方でもあった。お互いの気持ちを知る二人の間だけならそれでもよかったけれど、これからは通う学舎も離れることだし、お互いを知らない第三者に何がしかを問われることもあるだろう。今まであえて触れてこなかった話題を思い切って俎上に乗せる。)あの、さ 俺は、彼女って言葉はなんか響きが軽いというか、一時的な関係っぽくて佐々礼に対して将来の責任が取れないような気がしてやだなって思ってて、でも関係性に名前がないのはそれはそれで不誠実だし、誰かに付き合ってる人いるの?って聞かれたときに困る気もしてて、(一度言葉を切る。まっすぐ目を見て思い切って心の底で考えてきたことを言葉にする。)俺は佐々礼のことを家族に「俺が大切に思っている人です」って紹介したいぐらいに思ってるんだけど、佐々礼がこうなりたいなっていう二人の関係性と違ってたら教えてほしい。(言い切った後にそわそわと付け足した「今じゃなくて、受験終わって落ち着いてからとかで大丈夫なんだけど」は、ただでさえ心労の多いこの時期に出す話題ではなかったのでは、と心の中で影が囁いたせいだった。)
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本人のバックボーンやご不安みたいな部分とかも含む面はあるとはいえ、“今の二人”だけに終わらせない誠実さが鵜飼くんらしいですね…真剣な話してるのに場違いにメロついた罪人です(?)
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* No.164
(そもそも己の影が感情を明かさなければ、彼女に想いを告げることもなかっただろう。怪我の功名のように結ばれた関係性は、始まりからして一般的ではない。)こいびと、……(二人が一緒に抱く感情のこと思えば、その言葉で二人を表しても間違いではない。はず、なのに。社会的な後ろ盾のない呼び名のように思えるのは、父と母の関係も同じ名称で呼び表せると知っているからだ。自分たち二人をつなぐ関係は、父母のそれより確かなものであってほしい。わがまま承知で言葉を重ねようとしたが、それより先に彼女の唇が再び開かれる。言葉が心に沁み入ってくる。)佐々礼の未来に、俺がいるのがすごく嬉しい。……俺は家族に、将来ずっと支え合ってそばにいたいと思っている俺の大事な人ですって佐々礼のこと紹介するけど、それでもいい?俺のことを佐々礼がお母さんにどうやって紹介するかは、佐々礼の思ったとおりにしてもらえればいいんだけど。(先走った紹介文は、青年の中では彼女の了承が必要な内容である。家族と顔合わせるのに、時間の猶予が必要であろうことは予想されうるべきだった。性急な申し出を心の中で恥じつつ謝罪が落ちる。)ごめん、俺の事情で佐々礼のこと悩ませて。なんか自分でも俺ってこんな重いやつだったんだー……って、思ってる。(乾いた笑いこぼして、誤魔化すみたいに海老の天ぷらをかじる。つゆにずっと浸っていたそれはもうすっかり衣がふにゃふにゃになっていた。)
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前レスの段階でプロポーズかな??と思ってましたが、これはもうプロポーズですよね!?!?
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* No.168
プロポーズ、(おうむ返しに口にして、先ほどまでの己の言動反芻する。確かに一言で言い表すならプロポーズがふさわしいような言葉の数々は、なるべく彼女に誠実でありたいと思う心から出たものたちだが、言われてみればだいぶ気の早い婚姻の約束のようだった。大それたこと口にした恥ずかしさが今更じわじわと上ってくる。耳のあたりが熱くなった。)……言われてみれば、プロポーズみたいなんだけど でもこれは仮予約というか 本物のはもっと大人になったらちゃんとしたいと思ってて(坂道で荷物取り落とすみたいにころころ転がり出す言葉たちは真実だけれど失言でもあった。「今のなしで」と短く話題の終了告げたのち、力強い頷きに救われたような心地になった。)俺がこう、先走っただけだから、佐々礼はゆっくり考えてね。あんまり急なこと言うとお母さんがびっくりするかもしれないし。(それを言うなら自分の家族もだが、なんとなく「すごいね嬉しいね笑子ちゃんいつあかりのお姉ちゃんになるの?」程度の軽さで受け止められるような気もしている。)なんかさ、俺たちってまだお互いにどんなこと考えてるのか知らないところもいっぱいあると思うんだけど、そういうことをこれから二人で伝え合っていけるのって すげーいいなって思う。お互いに理解を深めていく感じがして、これからまだ俺たち仲良くなれる余地があるんだなって実感できる気がする。(まだ見ぬ未来にも二人が仲深められる要素があることは、青年にとっては嬉しいことだった。今日する約束もまた、仲をより深めるための第一歩である。)また行く前に、お母さんの好きなものとか教えてね。鵜飼くんってとってもいい人だなって佐々礼のお母さんにも思ってもらいたいから。(未来の家族として点数稼ぎができるかは彼女の返答次第である。ちょっと軽口めいた口調は、いつもの調子が戻ってきた証だった。)
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振り返って照れちゃうのもかわいい、つるつると口滑らせちゃうのもかわいい、けど言ってる内容は罪です!!期待しちゃうよ〜!
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* No.172
(微かに聞こえた一言は胸の中で喜びを花開かせる。明るい未来が脳裏に浮かぶ。それは年を重ねても二人で喜びも悲しみも分かち合い、隣で歩む俺と君の姿をしている。)お互いに知らないことなんてないよ、って思えるようになったらどうなるのかな。そういう日が来るのってそれこそ十年後かもしれないし、もっと先かもしれないけど、そこに向かってお互いのこと話すのってどんなときも一緒に人生を歩いていく感じがする。もし知らないことなんてないよってならなくても、それはそれで一生楽しみが続くってことなんだな。(人生の道行共にすることを勝手に決定事項として語られる言葉は、またプロポーズじみたかもしれない。二人の間に浮かぶ言葉たちはふわふわと幸福のかたちをしている。)そう、賄賂のつもり。(軽く笑って思惑正直に白状する口振りに悪びれたところはない。特に謙遜は込められずに、そうかな?と問う声に喜びが混じる。善くありたいと日々を過ごしてきたのは確かだけれど、実際に他者から内面を肯定されるのはこれまでの努力が報われるような気持ちになった。彼女の懸念には、心の底からの驚きが顔にあらわれる。)え、なんで?かわいいじゃん。佐々礼はそのままでいいよ。(ありのままの彼女がいちばん好ましいと思うのは恋心がなせるわざか。自分の家族らもおそらくはそうであろう。恋の話が好きな女性陣に好きな女の子のことを逐一白状させられ、どんなところに好意を持っているかは彼女らに筒抜けであるので、容姿についてももう承知している。妹にいたっては、「笑子ちゃんかっこいいね、あかりも大きくなったら髪の毛かわいくしたいな」と半ば憧れ抱いているようだ。彼女が自分の家族に合わせてイメージチェンジを図ろうと考えてくれることは嬉しいし、それを尊重したい気持ちもあるけれど、彼女の容姿を作り変えたいわけではなかった。)
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当然みたいに十年後とか一生とかって言葉出してくれるのがうれしくて、殊更鵜飼くんだと考えなしに軽い気持ちで口にしているわけではないというのが伝わるので、心から二人の未来を信じてくれているんだろうなというのが感じられるお言葉でした。
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* No.176
(この場においても幸福しみじみと分かち合い、それはこれからも続くと確信得られれば歓びは増えるばかりである。ふわふわと身を包む多幸感は凍え知らずの冬の羽毛布団のようでもある。)そう、俺は素直で誠実なのが売りだから。鵜飼家の好きなものは、かわいい食べ物とかきれいなお花とか、……あとは、笑子ちゃんの手作りお菓子とか。クリスマスにくれたフロランタン、母も妹もすごく喜んで、おいしいおいしいって言って一日で食べちゃってたよ。(一月前のプレゼントは家族から大変好評であった。あの日から「みちくんが好きな笑子ちゃん」は、「とってもお菓子作りが上手で優しくてかわいいお姉さん」と評判である。それだけでなく、自分が食べたいという邪な理由も含めたおねだりは、彼女がくれる予定の情報と等価にはならないかもしれない。間をおかずの肯定は、世辞ではないことの証明のようでまた喜びが胸に満ちる。こちらが謙遜の途中で思わず首振ったのも、決して社交辞令でなく、心の底からそう思っている証だった。)俺には佐々礼はめちゃくちゃかわいく見えるよ、今みたいに照れてるのもなんか すげーかわいいなって思う。これは俺が佐々礼のこと好きだからなのかもしれないけど。(睦言めいた言葉たちを紡ぐ表情はごく真剣なものである。好きな女の子というフィルターかかった瞳では大丈夫と即答したくもなったけれど、それでは彼女の求める答えにはなるまいとなるべく客観的に家族の反応考えてみる。脳裏に過ぎる母と妹も、己と同意見のようだった。家族が取るだろう反応を言語化しようと試みる。)俺の母は、年齢が若いのもあるし、本人の性格的にもまだ高校生とか大学生っぽいところがある人だから、髪色がどうこうとかってあんまり気にしないと思う。俺の好きな子で、俺のことを好いてくれてる子ってところで佐々礼のこと大好きになる気がする。妹も、笑子ちゃんと早くお話したいな、今度一緒にケーキ作ったりおしゃれしてお出かけしたいなって言ってたから、もう既に佐々礼のことよく思ってるよ。……だから本当に、何も心配しなくて大丈夫だよ。(つられてあまり進んでいない食事に目を向ける。その拍子に目に入った古びた腕時計の針は思った以上に進んでいた。気遣わしげに視線上げて、)佐々礼、時間大丈夫?
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出てくる情報全部かわいくてかわいくて…喜んでくれるご家族も自分が食べたいって部分も含んでる鵜飼くんもかわいい!!!
オワーーーッ(絶命)この前にもさらっと言ってくれてる時点で罪だしこれはもう重罪です……(?)
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2/14(木):放課後 瑠璃浜鑑台駅前 >鵜飼【2】
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* No.190
(プレゼント受け取ったあの日以来、彼女と都合を合わせて昼食共にすることが増えた。時には弁当持ち寄って、時にはカフェテリアで、他愛もない話交わしつつ食べるご飯はずっと美味しい。学校出てからの帰り道に手をつなぐときは許可を取ってから、が自分の中の約束事になった2月中旬。およそ二週間後に迫った第一志望校の受験に照準定めて勉強漬けの日々を送る中で、事前連絡に対しては「行く」と短く返すだけにとどまった。なんだかそわそわした様子の妹と母を尻目に、今日がどんな日であるかはすっかり忘れて迎えた当日。普段と変わらぬ会話の中で、彼女の横顔がいつもより強張った様子なのに気付く。どうしたのかなと気になって、さり気ない尋ね方ができる言葉を探そうと巡らせた思考は差し出された包みを目にして止まる。)ありがとう。(反射的に出たお礼と一緒に両手を差し出しリボンのかかった包みを受け取る。バレンタインだからと告げられ初めてプレゼントの意図に気付き、そわそわする少女たちをのっぺりとした背景のように見ていたかつての自分を思い出す。次いでの礼はとても滑らかとは言い難い。)あ、 りがとう。俺のほうこそ、実はこういうのまともに受け取るの初めてで、 なんかどうしていいかわかんなくなるね。(今までなんだかんだと理由をつけてこの時期の恋愛感情の絡む贈り物は断ってきたくせに、今回ばかりは好きな女の子相手だからと受け取るなんて矛盾してないか?と囁く影の言い分に耳閉ざし、作った笑顔は喜びと罪悪感が入り混じる。今度は不自然でない程度にするすると言葉が出てきた。)ありがとう、すげー嬉しい。毎日受験まであと何日だってそればっかり気にして、今日がバレンタインだってことも忘れてたからびっくりした。(すぐに喜び表せなかった言い訳は一応筋の通ったものになった。けれど、それだけが原因でないことをすぐに白状したくなる。不誠実な己で彼女の前に立つのは嫌だという身勝手なわがままのせいだった。恋心を包んでいるみたいな赤いリボンに視線落としたのち、)佐々礼が、俺のこと好きだって思ってくれてこういうのくれるのすごく嬉しい し、びっくりしたのも本当だけど、 本当は、今までこういうプレゼントって全部断ってきたから、今更欲しくなって受け取るなんて虫のいいことしていいのかな?とも思って、(口にしたあと、こんなこと彼女に言わないほうがよかったのかもしれないと不安になる。うろうろと視線が彷徨うさまは、出会った頃の彼女に似ていたかもしれない。)ごめん、ただ喜んで受け取ればいいだけなのにこんなこと言って、嬉しいのは間違いなくて、でもそれだけじゃないのを隠せてないのに黙っとくのもなんか違う気がして、 あの、これからもこうやってなんかもやもやしたら言葉にして伝えるかもしれないんだけど、よかったらこれからも末長くよろしくお願いします。(途中から自分でも何を言うつもりなのかが分からなくなり、結局はこれからもあなたと仲良くしたいよに帰結した。加えて、もう一つ伝えなければならない大事なことがある。)それと、俺も佐々礼のこと、だいすきです。(心の底からの幸福が笑みとなって溢れ出す。自室で丁寧にリボン解き、現れたスチームドショコラに感嘆の息ついたのは家に着いてすぐのこと。苺と一緒に頬張れば、それは恋の味がした。)
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抜き出しが…長い……!でも細かく何処がどう、という風ではなくて、ちゃんと気持ち的に前向きになったり受け入れたりとして幸せを感じてくれている面と、やっぱり拭い去れない部分と未だ寄り添う影の面も感じられて、多分鵜飼くんと佐々礼はそれぞれのこういう部分と向き合いながら生きていくんだろうなという予感と、けどきちんとそれを伝えてくれるのが鵜飼くんの誠実さや大丈夫って言ったことをアイリーンで怒ったこととか覚えててくれてるのかなというふたりが重ねたやり取りの気配が随所に感じられました。説明も長い!
自分の考えを口にしてくれるのと同時ちゃんと気持ちも返してくれる鵜飼くんが好き!!!ここで懺悔しますと後々になって鵜飼くんがバレンタインなどを断っていたという情報を知ったので、であれば今はどう思ってるのかなとかこれも思い出にしてもらいたいなといった目論見からお付き合いいただいてしまい、現行スレッドがあった中ご迷惑おかけしてしまったなとも思いましたが、でもやっぱり全部大好き……!これからも佐々礼をどうか末永くよろしくお願いします!!
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鵜飼倫央&昼神晴一
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7/25(水):放課後 生徒指導室前【10】
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* No.27
(新しく増えた『友だち』は、どうやら本当にこの手の連絡ツールにも不慣れであるらしい。噂の、とそうですそうですの気持ちで復唱する。名字に含まれる鳥の名については頷いて、スタンプについては曖昧に否定することになった。)そうです、あの魚を獲る鳥の鵜です。ひよこは、 かわいいなと思ってなんとなく選んだだけなんであんまり意味はなかったんですが、言われてみると鳥つながりですね。……温泉ぽい名字だ。昼神温泉ってありましたよね。(頭の中で漢字なぞってみての連想をそのまま口にして、上下に並んだひよこを見やる。揃いのひよこは送り主たちに先んじてもうすっかり『友だち』のようだった。ちょっと緩んだ口元引き締め、さっき見たくせに再度時計に目を落とす。道に迷っていましたの言い訳(真実ではあるのだが)で切り抜けるにはギリギリの時間だ。もう一度丁寧に頭を下げる。)ご面倒おかけしてすみません。よろしくお願いします。……じゃあ、また。(連絡も取り合うだろうしの意図でくっつけた、これきりでない別れの挨拶と共に軽く会釈して階段駆け上がる。一段飛ばしで向かった六階、毎日通う3-9の教室の真反対、3-1を通り越した隅っこにポツンと進路指導室は存在した。ポケットの中で震えたスマートフォン見て、ありがとうございますを言うひよこのスタンプ一つ送り扉をノックする。待ちくたびれた担任教師に謝罪と遅刻理由の説明した後、それじゃあ座ってと促されたものの担任の口ぶりは精彩欠いた。すっぽかしたっていいなと思っていた進路指導は、結局進学先についてもう少し真剣に考えてみて程度の説諭で終わり、次の試験の結果を見てまた話し合いましょうで締めくくられる。思いがけず短時間で解放され、階段向かう途中にスマートフォン覗いてトーク画面立ち上げる。少しの逡巡の後、結局はポケットに再びスマホは突っ込まれることになった。ひよこの下に連ねる文章考えながら帰路につく。)
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晴一にとって(日常的に使う言葉や漢字ではないということもあり)「鵜を飼うって書く漢字のやつ」と言われて漢字を連想することは難しいので最後まで「うかいくん」呼び(表記)だったわけですが、ただ「鵜」という鳥の存在は知っているので、「うかい」くんは晴一の中ではずっと「魚を獲る鳥のう飼い」くんと言いますか、漢字や言葉の持つ意味を知ることで単なる「ウカイ」くんではなくなると言いますか……なんだかPLも何を言ってるのかわからなくなってきたのですが、意味がわかるとイメージが頭の中に入って来るので、こうやって名前の音の意味を教えてくれるのは実はすごくありがたかったんです、という。ちなみに鵜飼くんは苗字呼びだったくせに笑子ちゃんは名前呼びだったのは、単に鵜飼くんのお名前を知らなかったというのもあるのですが、Event6で『佐々礼笑子』の文字を見たときに意味の分かる(知っている)漢字だった『笑子』の印象が強かったから…という理由がありました。鵜飼くんにもそのうち漢字と意味を教えてもらって「みちひさくん」って呼びたいなあと思っています。
今思う鵜飼くんPL様に刺されたパート2なのですが、まさかの昼神温泉の登場にドキッとしました…!
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11/18(日):昼前 ハッピーイート店内 >昼神さん【7】
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* No.55
(目の前の人が返信に要した労力なんてつゆ知らず、社会人だからお忙しいんだろうなとゆっくりとした返信ペースも気にせず楽しんでいたメッセージのやりとり。勉強の合間に、家族三人分の食事作りが終わった頃合いに、ふとした瞬間に届いていたメッセージは青年の生活のちょっとした彩りになっていた。知り合ってから半年にも満たないのに、心の距離感が久しぶりに会う中学校の先輩ぐらいになっているのは少しずつ重ねたやり取りの賜物だろう。)俺もまずはご飯ものにします。あのひよこの頭のオムライス、やたらうまそうでしたもんね。(指された『ハッピーオムライス』は確かにひよこが帽子のように頭に乗せていた代物によく似ている。少しの逡巡の後、)決めた。俺オムハヤシにします。別々のもの頼むのは、また次来たときにしてもいいなと思うので。(昼神さんとハッピーイート計画第二弾を勝手に頭に浮かべつつ、デザートのページへメニューをめくり)……パフェは、食べてる間にもうちょっと迷ってもいいですか?チョコバナナと季節限定の栗のやつで迷ってて。(己の希望を告げてひとまずのオーダーが整えば二人分の注文済ますつもり。このままではせっかくの料理を味が分からない状態で食べることになりそうなので、個人的メインイベントを先に開催することにする。入りはやや唐突だった。)あの!これよかったらもらってくださいの修学旅行のお土産です。中身はお菓子と湯呑みで、本当は消え物だけのほうが無難かなって思ったんですけど俺がお近づきの印に何か形に残るものあげたくなっちゃって、……あっでも趣味に合わなかったら返品可能です。いや昼神さん優しいからそんなこと言わないだろうなってのもわかってるんですけど、(選んだときにはあんなに余裕ぶっていたくせして、いざ渡す段になったらなんだか言い訳重ねたくなる。余分な言葉がたくさんくっついた上に、握った紙袋の持ち手がひしゃげてスマートとは程遠い渡し方になった。どうぞとテーブルの上で差し出した袋の中身は、相談に乗ってもらいつつ購入した抹茶のラングドシャにホワイトチョコが挟まった洋菓子に、京都の名所イラストが散りばめられたいかにも“京都土産の湯呑み”である。)
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LINKSでたくさん構っていただいた日々はPLとしては1か月にも満たない期間でしたが、二人にとっては出会った7月から11月まで約4か月間、長らくお付き合いいただいてたんだよなあと思うと大変感慨深く……普通一回あったくらいの用務員とここまで仲良くしてくれる男子高校生なんていないよ…と思う一方、相手が鵜飼くんだからありえたことだよなあとも思い、迷った末に前回のフリー活動に突撃して本当によかったと思いました。
念願のハッピーイート!しかも事前に鵜飼くんのお土産スレッドを拝見していたのでうわーお土産もらえるぞ!と二重のわくわく感。事前にお土産の中身もわかってはいたのですが、いざ鵜飼くんから贈り物として渡していただけると感動も倍増といいますか…とっても嬉しかったです。
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* No.62
そしたら食べながら決めましょうか。そのほうが満腹具合もわかって二人で一つずつパフェいけるか!?の検討もできそうですし。(勝手に話まとめて店員呼んで、ハッピーオムライスとハッピーオムハヤシの注文済ませたところまでは充分いつものスマートな気遣いができる鵜飼倫央だったはず。しかし、紙袋出してからは卒のない対応は在庫切れ。言葉を重ねれば重ねるほど焦りが露呈していく気がして、これよかったらどうぞだけで終わってたほうがスマートだったなと後悔するが、ぽろぽろ落ちた言葉たちはもう取り戻せない。)抹茶です!中にホワイトチョコが挟まってて、個包装になってるんでおやつとかに食べやすいかなと思って買いました。(選んだ理由はまた勝手に言葉になり、どうやら初対面の間抜けな印象を払拭して、鵜飼って実は気の利く良いやつですよをアピールしたがるような物言いになっていることに気付く。そういう変な自意識やら緊張やら後悔やらが報われるかのように丁寧な手つきで扱われる土産物たちは、もうそれだけで彼の元で大切に扱われ、幸せな生涯を過ごすだろうことが予想できた。彼の言葉の一つ一つからも喜びが伝わり、先程までの後悔が帳消しになる。そわそわと反応窺っていた青年は、ほっとしたように笑みを浮かべた。)いかにも京都!っていうの、なかなか自分じゃ買わないし、意外と人とかぶらないんじゃないかなって思ったのと、俺が気に入ったのでこれにしてみました。(旅行中に自分が感じていたちょっとした「こうだったらよかったのにな」を、目の前の人も同じように考えていたことを知り、ますます喜びは降り積もる。近い未来見据えての提案はちょっと前のめり気味に、)昼神さん、俺が卒業してバイト始めて旅行できる分のお金貯めたら、一緒に京都行きませんか?二人で、二人じゃなくても他の人誘ってでもいいんですけど、俺たちで修学旅行しましょう。
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お土産渡すのに緊張してる鵜飼くんが可愛かったです。鵜飼くんって初見はスマートな優等生のイメージだったんですけど、話せば話すほど人間味があるというか、可愛らしいなあと思うことが多くて、晴一もそんな鵜飼くん相手だからこそ自然と心を開いていけたんだろうなあと思います。
ご提案を見た瞬間は失礼ながら正直夢か詐欺かを疑うレベルの距離の詰め方でPLはちょっとびっくりしてしまったんですが(嬉しすぎて)、でも「まあ鵜飼くんだし」と思える程度にはLINKSを通して鵜飼くんと築いてきたものがあったと思えたので純粋に嬉しかったですね。初めてのお友達が鵜飼くんなので晴一は仲良くなったら旅行とか行くもんだ…と覚えてしまいそうです。笑子ちゃんを旅行に誘うのは流石にまずいとわかりそうなものですが、鵜飼くんと三人ならありかな…でも完全にお邪魔虫では…と未来の晴一は悩むのかも……と思いました。日帰りならありでしょうか。
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12/26(水):夕方 瑠璃浜鑑台駅付近 >うかいくん |
* No.101
(道ならぬ恋の結果に生まれた存在なのに、わざわざ倫の字を使うなんて己への皮肉なんだろうか、と捻くれた心から進んで人に明かさなかった下の名は、自分で思った以上に何でもない情報のように伝えられた。倫理の中央ですよと、どう書くかを教えられる日もそう遠くない未来に訪れるだろう。簡潔に告げられた家族構成に、失言であったことを確信したので「昼神さんのほうがお兄ちゃんレベルが高いですね」と冗談ともつかぬ言葉紡いできょうだいに関する話はそこで終わり。最近頭の中の大部分を占拠している女の子との関係問われれば口ごもる。彼女という響きはまだ自分の口にはまだ馴染まない、どこか異世界の言葉のようだった。)かのじょ カノジョかな ずっと隣を歩いてくれて、ふたりの荷物を半分こして持ち合ったり、嬉しいことを分け合えて一緒に笑顔になれる相手ではあります。(一言で関係を言い表すことができずに、でもなるべく誤解の少ない表現にしたくてできるだけ誠実に言葉を選び取る。「またその子に聞いてみて、いいよって言われたら昼神さんにも紹介しますね」と付け加えたのは俺の好きな子ってこんなに素敵な人なんですよ!と友人にも知ってもらいたい気持ちがあるからだった。車窓から眺める景色はこの半年ほどですっかり見慣れたものたちになった。看板が彼の目に止まらなかったことについては特に違和感持たずに、幸福な未来のほうに話題の矛先向ける。)イチゴいいですね。俺も好きです。春先だったらお祝い会ができるかも、無事に俺の受験が終わってればの話だけど。(言葉の中に特に憂いは含まれない。申し出には微笑みと共にすんなりと頷き、)もちろん、昼神さんのお友達に会えるの楽しみにしてます。……俺は、もう昼神さんのこと友達だなって思ってるんですけど、昼神さんの中で俺は、まだ「友達になり途中」ですか?(問うたところで、二人の会話に割り込むように次は海浜公園と車内放送が告げる。間髪入れず停車ボタンが押されたらしく、続けざまに次止まりますとアナウンスがされた。) |
鵜飼くんのお名前をようやく知れて嬉しかったです。どうして今まで教えてくれなかったのかがわかり切ない気持ちにもなりましたが、「倫央」ってお名前は鵜飼くんにぴったりだなと思うのでこれからはどんどん呼ばせてください…!
「ずっと隣を歩いてくれて、ふたりの荷物を半分こして持ち合ったり、嬉しいことを分け合えて一緒に笑顔になれる相手」ってそんなの彼女以上(?)じゃないですか……鵜飼くんにそういうお相手ができてよかったなあと…。笑子ちゃんと鵜飼くんには一生しあわせでいてほしいです…。
鵜飼くんが友達認定してくれてて嬉しいのと晴一の友情経験値少なすぎて申し訳ないのと……。
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* No.130
(砂浜に綴られた記号たちとしゃがみ込んだ彼の姿を視界に入れつつ話を聞く。静かに耳を傾けるうちに、妹が書いた幼い字を見ているような気持ちになった。鏡写しに反転した「す」に、おしまいが迷子になった「ね」、ぐるぐると渦巻く「あ」の字。愛おしい誤りたちはもうすっかり姿を見せなくなり、簡単な漢字すら書けるようになった妹が、鉛筆を握り始めた頃に紙に綴って見せてくれた自分には読めないメッセージたちを思い出す。何を思って書かれたものかわかりたいのに、なかなか読み解くことができず、悲しみと申し訳なさが入り混じって途方に暮れたような気持ちになった思い出が蘇った。彼の話すこと全部にわかります、と頷くのは不誠実だし、彼が抱えてきた荷物の重さをちょっとだけなら理解できたと考えるのも自惚れかもしれない。それでも、自分はあなたの隣にいますよ、荷物を一緒に持つ用意がありますよを示したくなる。)俺たち、便利な時代に友達になれてよかったです。ほら、スマホじゃなかったらメッセージの読み上げ機能はなかったでしょうし、もっと前なら文通とかしてたかもしれないから。(とってつけたようなポジティブは、ちょっと嘘っぽく響いてまた口を噤んだ。波音がやけに耳につく。本当の気持ちのほうを言葉にする。)今の俺、昼神さんにお手間をたくさん掛けさせてしまって申し訳なかったな、考えなしだったなって気持ちと、昼神さんが俺とのやりとりを楽しんでくれてたのすげー嬉しいの気持ちと、こういうこと打ち明けてもらえるぐらい昼神さんにとって近しい存在になれたことを喜んでる場違いな気持ちと、そんなこと考える自分のことをどうしようもないやつだなって思ってる気持ちがぐちゃぐちゃになっています。(心の中を音にして耳から聞いたら、自己本位な感情が際立って微笑みが自嘲めいた。)もちろん、これからもよろしくお願いしますの気持ちも、電話も会うのもはいよろこんでー!!って大歓迎したい気持ちもあります。(彼の隣にしゃがみ込み、目線を合わせる。)俺たち、きっとこれからたくさん話をして、もっとちゃんとした友達になれますね。京都も一緒に行かなきゃいけないし、俺の夢の話も聞いてもらわなきゃいけないので。(今度の笑みは穏やかに口の端上げたもの。声音には心からの感謝が込められた。)話してくれて、ありがとうございます。こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
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この後の晴一の言葉通り、本当のことを話しても変に同情されたり疎まれたりするなんて心配はなくて、ただ少なからず誠実な彼を後悔させてしまうのだろうなと。そしてそのうえで受け入れてくれるのだろうなと……そういう意味では想像通りの反応をいただいたのですけれど、それ以上に晴一のことで感情ぐちゃぐちゃになってくれている(?)鵜飼くんが可愛くて嬉しくて……鵜飼くんの想いを素直に言葉にしてくれるところにいつも救われるなあと思っていました。
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